2014年9月26日金曜日

腰痛、股関節痛、膝関節痛の背後にある小脳機能障害

【初回検査所見】

10年以上前に通院されていた患者さんが、腰痛、頸肩部痛、膝関節痛を訴えて来院。問診によると1年以上前から体調不良を感じていたとのこと。関節の可動域の検査に伴って腰部、膝関節部、股関節部、頸肩部に運動時痛が生じる。検査をしながら話を聞いてみると、主訴である関節痛以外にここ数か月間の生活の中でバランスの悪さを感じているとのこと。

関節の機能検査以外に小脳の検査をしてみると、小脳の機能異常が関係していた。片足立ちの検査では特に右片足では動揺が観察された。小脳の機能障害の検査の一つでもある前腕の回内回外検査では右側が左に比べて回旋しにくい様子。脳神経系機能検査では、右側の視覚刺激、聴覚刺激、嗅覚刺激、眼球運動刺激で陽性反応が観察された。

【施術】

AM(アクティベータ・メソッド)とPCRTを併用。右膝関節、骨盤、右股関節、腰椎、胸椎、頸椎部をAMにて調整。PCRTでは「刺激、変化、挑戦」関係する価値観、「恐れ」の感情に関係した誤作動を調整。

【2回目、3回目の施術】

2回目、3回目と施術を行うごとに片足立ちと前腕の回内回外検査ではかなり改善が見られた。その改善に伴って、腰痛や頸部痛、膝関節痛の症状も改善されていった。

【4回目、5回目の施術】

全体的なバランスがかなり改善されたが、左股関節部の違和感があるとのことで、その部位もAMとPCRTにて調整を行い、施術直後にすぐに改善された。

【考察】

腰痛や関節痛を抱えている患者さんの中で、小脳の機能低下が関係しているケースも少なくはない。小脳の機能低下が生じると関節部のバランス低下が生じ、その結果、関節痛などの症状が伴う事例がある。本症例は小脳の機能検査を的確に行い、脊椎関節の調整とともに小脳の機能調整も同時に施術したことが早期の回復につながったと考えられる。

もしも、この小脳機能異常を見逃していれば、関節の機能障害もすぐにぶり返して、症状の改善度も低かったかもしれない。顕著な機能障害ではないにしても、このような総合的なバランス調整をすることは早期回復にはとても重要なポイントになるだろう。







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