2015年10月21日水曜日

今年最後のAMセミナーを終えて


先週末、東京都内でAMセミナーを開催した。多くの臨床家に参加していただき、活気にあふれた二日間だった。

今回は基礎編、中級編、上級編と3クラスが同時進行したセミナーだった。AMセミナーでは、毎回、初心者、中級レベル、上級レベルと経験の浅い先生から経験豊富な先生方が混同して参加されている。経験豊富な先生でも、初心にかえる、基礎編を謙虚に学び、偏った我流がないかどうかを確かめて修正点を学ぶ。

常に新しい情報を期待している先生方もいるだろう。もしかすると、そこには、すでに『知っている』、『できている』という慢心が潜んでいるかもしれない。臨床現場では、多くの先生方が一人で自分のペースで施術を行い、だれも評価してくれない。だから何ができていて、何ができていないのか、分からないことも多いのではないだろうか。

AMが熟練されると、5分ぐらいで基本的な施術は完了することが多い。しかしながら、一人の患者さんに20~30分も掛けて施術を行うことが当たり前になっている先生も少なくはない様だ。施術時間が短ければよいというものではないが、本質的に必要な部位だけ調整すれば、時間は短縮するだろう。

もしも、AMの施術に20分以上も費やしているAM治療者であれば、改善点はたくさんあるはずだ。新しい情報を取り入れることも大切だが、もっと基本を重視して、無駄な矯正や無駄な動きがないか自分自身を振り返り、本質的なAMのスキルに磨きをかけたほうが賢明かもしれない。

施術のテクニックを学ぶには、セミナーに参加する以外に、教科書やDVDなどから学ぶこともできる。それらも必要な学びの手段であることは言うまでもない。だが、さらに大事なことは、『体験すること』『感じとること』ではないかと、つくづく感じる。

体験して感じるから、頭で学んだことが腑に落ちて、さらに盲点が見えてくることもある。頭と身体の両方を使いながら学びを深めなければ、実践で使える血肉とならないだろう。新しい情報を得ると脳は喜ぶが、そのような情報に振り回されて、地に足がつかない状態も危険がはらんでいるかもしれない。

今後も本質的な施術を目指す治療者の教育に関わり、多くの患者さんに貢献できればと願う。

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