2019年6月13日木曜日

人の「記憶」はあてにならない


先日、AMセミナーのインストラクターミーティングで、一人のインストラクターから話を聞いて驚いた。そのインストラクターによると、ある受講生が通常のAM手順を行わずに、3箇所ほど検査をして、陽性反応があった箇所を続けて調整を行なっていたという。手順が違っていたので、丁寧に指導したところ、その受講生はそのように習ったというらしい。誰から習ったのかと尋ねると、代表である私から習ったというのです。

私はそのことを聞いて呆気にとられました。私は、日本でAMI社公認セミナーを始めたインストラクターとして18年目になりますが、そのような指導をしたことは一度もありません。むしろ、そのような誤った手順で行なっている受講生に指導をしたことはあっても、それは基本から外れているのであり得ないし、そのようにしてはいけない理由も伝えています。

なぜ、そのように先に何箇所も検査をして、反応があった箇所を連続して矯正してはいけないのか?AMが提唱している理論をご紹介しましょう。AMI社公認のAMセミナーでは手順として「下から上に」向かって検査と調整を行います。

「上から下」ではなく、なぜ「下から上」なのか?それは重力との関係性を考慮しているからです。人間の活動は常に重力に逆らって行われます。したがって、下の土台がしっかりと安定していなければ、上のバランスに問題が生じます。家を建てる際に土台が不安定だと家は崩れやすくなるのと同じ理屈です。

次に、なぜ、最初に数カ所検査をして、陽性反応の箇所をまとめて調整してはいけないのか?それは、最下位の一ヶ所目を調整した場合、上の陽性反応部位が連動して調整される場合がある。あるいは、調整したことによって、異なる部位に陽性反応が生じる可能性もあるからです。

AMでは出来るだけ少ない箇所の調整を推奨しています。それは、調整箇所を最小限に止めることで脳・神経系が混乱せずに治そうとする力(自然治癒力)が効果的に発揮しやすいという理屈です。コンピューターを使いすぎるとパフォーマンスが低下するという現象にたとえて説明しています。

以上の理論は、セミナーのマニュアルにはないので毎回説明しているわけではありませんが、受講生からの質問にはいつもこのようにお答えさせていただいています。おそらく私の伝え方が不十分だったので、今回のような誤解が生じたのかもしれません。

「人の記憶はあてにならない」ということは、最近の脳科学の研究でも証明されていますが、このようなことが起きると、伝え方には十分に配慮しなくてはならないと改めて考えさせられます。記憶は後で入ってきた情報や、心理状態の影響を受けて刻々と姿を変えてしまうということがいくつかの研究で明らかになっています。

今回の受講生に限らず、伝言ゲームのようにある事柄が歪んで伝えられているということは指導者として経験することです。そのような事実も含めてさらにセミナーにおける学習方法をさらに工夫する必要があります。また、人の記憶はウソをつくが、人の行動はウソをつかないということも含めて指導者としてよく人を観察しなくてはならないと思いました。

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