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2018年12月10日月曜日

痛みの記憶と情動

以前、腰痛や肩の痛みで来院された患者さんが、2ヶ月半ぶりに来院。今回は左肩から腕にかけての痛みがあるとのこと。二週間ほど前に寝違えたようで、その後、痛みが改善しないらしい。前回はアクティベータ療法のみで調整を行い、その後の調子は大分良かったとのこと。

今回もアクティベータ療法で、関節系や筋肉系の陽性反応は改善されたが、首から腕にかけての痛みが改善されないらしい。頚椎部に持続圧を加えて検査を行うと陽性反応が示される。そこで情動関連の文字情報を使ったPCRTの言語加算振動法を行う。4つのキーワードで調整を行なった後、持続圧の陽性反応は消失。患者さんも「あっ痛みが楽になった・・」とその場で症状の改善を自覚していただいた。

今回の施術で痛みに関係していた情動に関係する4つのキーワードを患者さん自身には認識してもらうことはしなかった。痛みの記憶に情動が関連している場合、このように情動の文字情報だけで症状が改善するケースと、陽性反応が示されたキーワードに関係する情動の内容を認識した方がさらに改善度が高まる場合がある。

痛みの記憶に関係する情動の内容を患者さんに認識してもらう場合、質問力のスキルが必要になる。もしも、患者さんにあまり質問されたくない傾向がみられたり、術者が質問力に自信がない場合は、文字情報だけの調整で十分に効果は引き出せる。「情動」が絡むと記憶が長期化されるということは科学的な研究でも証明されている。慢性症状の多くが記憶と情動との関係性で条件付けされており、そのための直接的な調整が根本的な改善につながるだろう。

2018年11月24日土曜日

首の痛みが教えてくれた「結婚の目的」

30代の女性が首の痛みを訴えて来院。最初の頚部痛の施術で肉体のみのハード面の施術を行ったが、深いところの緊張が改善されていない様子。そこでメンタル系のソフト面の施術を行う。検査では「意欲」に関係していたので、将来の意欲に関係することを意識してもらい調整。施術後に痛みは軽減したが、11日後に首の痛みが継続しているとのことで再来院。その日も将来の意欲で調整したが、同じ意欲のパターンなので、恐らく内容が不明瞭であると推測。詳しい内容をお聴きした方が調整も効果的になると思い、「話せる内容であれば内容を教えていただければ」と尋ねる。

前々回の副鼻腔炎の施術の際にも深い内容のことを伺っていたので、恐らくそのことに関連したことだろうと、内容をお聞きした。「もしも、意欲的になっているとすれば、仕事と家庭を両立させるとのことかな・・」という。そこから、生体反応検査を行いながら、質問させていただき、深いレベルの無意識を探索。

*コーチングのやり取りが厳密ではないが以下のように進めた。

何のために仕事と家庭を両立させるのですか?
「幸せのため・・・」
あなたにとって仕事と家庭の両立で得られる幸せとはなんですか?
「・・・良きパートナーと巡り会えて・・・子供を産んで幸せな家庭を築く・・・」
そもそも、結婚の目的は何ですか?何のために結婚をするのですか?
良きパートナーと巡り会えて、子供が生まれると幸せになれそうですか?
「いや・・・お互いに成長しながら家庭を築いていくこと・・・」

生体反応検査法ではさらに深い意欲の目的はないようなので、そのことを認識してもらい調整。その後、調整前にあった首の回旋時痛は消失した。また、将来への意欲に関係する目的が整理された様子で、喜んでいただいた。恐らく、ご本人は将来について深く考えていたのだろう。なぜなら過去に色々経験をされていたので、今度はそのようなことが繰り返されないようにと真剣に自分の将来について考えていたのが伝わってきた。恐らく、「何のために結婚するのですか」などと、誰からも質問されたことはないだろうし、一般的に「幸せになるため」としか答えようがないだろう。そこで、いきなり「あなたにとって幸せとはなんですか?」と尋ねられると、返答に困るのが普通だろう。

結婚して、子供を産んで、家庭を築いて、幸せになれるかもしれないし、なれないかもしれない。それはその人それぞれの価値観であるということは言うまでもない。ただ、あえていうならば、幸せとは「創り出すもの」で、単に「与えられるモノ」ではないだろう。むしろ、「与えることで得られるモノ」かもしれない。多くの人にとっての幸せは、良きパートナーを得ることや子供を授かることかもしれない。確かにそうかもしれないが、そこから何かを与え続け、創造していかなければ幸せは得られないだろう。「幸せ」は何かを得るということよりも何かに向かって前進し続けていく過程で遭遇するものではなかろうか?

今回ご紹介させていただいた患者さんも、恐らくそのようなことをどこかで考えており、施術の質問を通して気づかれ、モヤモヤした心の葛藤が整理されたようだ。そして、それに伴って首の痛みを生じさせた無意識の緊張がほぐれて症状改善につながったようだ。

首の痛みが人生にとって大切なことを教えてくれた一症例である。

2016年12月10日土曜日

症例報告:首から左腕にかけての疼痛(頚椎椎間板ヘルニアによる神経根症状?)

症例報告

主訴:
首から左腕にかけての疼痛

病院診断:
頚椎椎間板ヘルニアによる神経根症状

患者情報:
年齢54歳、男性、会社員(事務職)

施術前の経過:
9ヶ月前に頭を強打して、3日後に首や腕の痛みが生じたとので、整形外科を受診。むち打ち症のようになったのかもしれないとのことで、1ヶ月ほど通院。吐き気も催したりしたが吐き気はすぐに改善。その6ヶ月後ぐらいに、同じような頚部痛と左腕の疼痛を再発する。
レントゲン検査とMRI検査の結果、頚椎5番と6番の間の椎間板ヘルニアで神経を圧迫しているという診断を受ける。ヘルニアによる神経根症状であるとのことで、頚椎の牽引と電気治療、ホットパックの施術を二週間ほど毎日受けているとのこと。常に痛みはあるが、特に夜寝るときに痛みが強くなり、夜中に痛みで目が覚めて寝れないという。
また、痛みのため仕事にも集中できない状態とのこと。首から腕にかけての痛みを一番改善したいが、以前からかかえている慢性腰痛と左右のアキレス腱痛とその周辺の腫れも改善したいとの要望。

施術経過:
初診時からアクティベータ療法とPCRTを併用。施術3回目で両方のアキレス腱痛関連の神経学的機能障害の陽性反応は消失。それに伴ってアキレス腱痛も改善される。施術の経過ではPCRTにて仕事や家族関係に関連する「信念」の誤作動記憶を主に調整。その他、飛行機、高速バス、車の運転の際の痛みなどの症状を引き起こす「意味記憶」を調整。

結果:
初回来院から20日の間に10回の通院治療でほぼ症状が改善される。先日、不安を抱えつつもゴルフを行なったが調子が良かったとの報告を受けた。また、慢性腰痛と左右のアキレス腱炎の症状も通院治療前半の施術で、ほぼ改善しておりその後も良好である。

考察:
一般的に椎間板ヘルニアによる神経根症状は、痛みが強く治りにくいとされる。そのような症状が10回ほどの治療でなぜ改善されたのだろうか?その理由を紐解いてみよう。
  • 一つ目は、患者と施術者との信頼関係である。患者にはいとこに柔道整復師の先生がおり、その先生からの間接的な紹介ではあったが、信頼のある人(いとこ)からの紹介であったことが一つの要因となる。
  • 二つ目は、1回目の治療直後にある程度の治療効果を体験されたこと。最初から毎回、アクティベータ療法とPCRTを併用しており、治療の目的やコンセプトをある程度理解していただけたように感じた。
  • 三つ目は、PCRTの検査で示されたキーワードに対する質問に対してスムーズに認識されている様子が伺えたこと。
  • 四つ目は、PCRTの検査でも示されていた、精神的に重荷になっていた出張を無事終える事ができたこと。

これらの要因がうまく重なって、本来の自然治癒力が最大限に発揮されて改善されたのだろう。腕の痛みは椎間板ヘルニアによるものだといわれると、多くの人は首を動かさないように、あるいは重いものを持たないようにという機械論的な思考が先行して、治療効果にブレーキをかけてしまいがちになる。
しかしながら、本患者は柔軟に治療者の説明を理解していただけたようだ。毎度のことではあるが、治療者が信頼して使っている治療法を、いかに患者目線で自分がわかりやすく説明し、それに対してどれだけ患者が信頼を寄せてくれるかが改善の鍵となるということを改めて感じさせてくれた症例である。


2013年1月22日火曜日

「ポジティブな感情」が及ぼす影響

長年バトミントンをされていた患者さんが来院。最初は肩こりと親指の付け根の痛みを訴えて来院。検査をしてみると頸部を伸展すると痛みが強く、バトミントンの練習でも上を向くのがつらいとのこと。特に朝に痛みを感じるらしい。

検査をして本人が訴えるよりもかなり良くない状態だという印象を受けた。また、病院や整骨院を受診されたが変化が感じられないとのことだった。

最初の2回の施術では、肉体面だけのバランス治療を行い、3回目の施術ではメンタル面との関係性を検査して施術を行った。特に朝に痛みを感じるということから、おそらく寝ている間に無意識に身体が緊張して朝痛いのだろうという経験的に推測した。

そこで身体の緊張を引き起こしているメンタル面に関連した誤作動のパターンを検査してみると「連帯感」と「喜び」という肯定的なストレスパターンが示されたので、関連する内容を患者さんにイメージしてもらいニューロパターンセラピーを施した。

それから4回目、5回目では経過が良く、5回目の施術日には、前回のバトミントンの試合でいいパフォーマンスができましたとのご報告をいただいた。

以下がそのインタビュー内容です。

ストレスが関節の慢性的な痛みなどに関わるということが、メディアでも取り上げられるようになってきた。しかし、ストレスというと一般的には「ネガティブな感情」だと思われがちだが、「喜び」や「意欲」といった肯定的な感情もストレス=刺激として身体に学習記憶され症状につながることも少なくはない。

将来は、「ポジティブな感情」も心身相関的に身体に影響を及ぼすということが当たり前に語られる時代が来るだろう。