2012年8月10日金曜日

2012年度、45周年AMI instructorカンファレンス レポートその2

二日目からはすべてのインストラクターが集まって、オープニングセレモニーが荘厳な儀式で開催された。そして、ドクターファーによるイントロダクションの後、パーカー大学学長のドクター・マンシーニが次のプレゼンターとして紹介された。彼は34歳の最年少でユニバーシティーの学長に就任したことで話題となり、現在、テレビやユーチューブなどのメディアを通じてカイロプラクティックをアピールしている。テレビに出演した際の裏話や今後どのようにしてカイロプラクティックの業界を発展させるか将来の抱負を述べていた。
パーカー大学はカイロプラクターの経営面に力を入れているカイロ大学でもあり、ドクター・マンシーニは、開業を成功するための秘訣などもプレゼンされた。日本のAMセミナーでも紹介していることではあるが、以下のことを強調していたのは印象に残った。

 一人一人の患者に対して、最も重要な人であるかのように接する。(その人の存在を認める)

 患者が何を求めているのかをしっかりと把握する。

そして、成功するためには何を得たいかよりも、どのようになりたいのか?どのような行動をしたいのか?を考えることが先決で、理想の人をモデリングすることが近道であることを強調していた。まずは、理想とする人の行動をまねることから始める。その人が得ているものではなく、その人の行動をまねる。さらにはその人の習慣をまねることが重要で、成功するためにはそれなりのプロセスがあり、そのプロセスをまねることが成功の秘訣であるということを述べていた。

生き残ることに情熱を持つのではなく、人に仕えることに情熱を持つことが大切で、人に仕えることで自分が守られるということを強調していた。さらに、現代社会ではネットを開けば様々な情報を得ることができるが、そのような情報を得ることに情熱を費やすことよりも、直接人や聴衆に会うことが大切であると述べていたのが印象的だった。

Dr. Gregory Kawchukは、脊柱のスティフネス(凝り)とその効果や振動診断学の研究をされている研究者。ヘルニアなどがある際、生体の振動数などがパターン的に変化するなどの研究をしている。信頼度の高い研究をするためには、生きている生体を同じ条件にすることが求められる。同じ条件を再現するために、生きている動物の背骨にピンを刺して、矯正の瞬間に生体内の組織ではどのような変化が生じているのかをロボット工学の技術を使って分析したデータが発表された。ヘルニアや変性などの障害のある椎間板には特徴的な波長のパターンがあり、そのデータはとても興味深かった。

インソールの研究と販売を行っているフットレベラーの会長のプレゼンでは、今年からアクティベータ・メソッドと共同で販売を促進するとのことで、足のスキャナーや研究データなどがプレゼンされた。やはり、科学的な研究によるデータには説得力があると改めて感じさせられた。

次は、著作権専門の弁護士によるトレードマークの活かし方の説明や、メディケアという米国の65歳以上の人や身体障害者などを対象とする医療健康保険制度に関する最新情報。日本で開業している私には直接的にはあまり関係ない情報ではあるが、共通する問題はたくさんあるように感じた。

そして、いよいよ今回の目玉となるアクティベータⅤがドクターファーによって紹介された。今までの手動による器具から電動に進化したため、形状も大幅に変化した。このアクティベータⅤが開発されるまでには6年の歳月が費やされたといい、開発途中には数多くの失敗があったというエピソードなども紹介していただいた。

今回公表されたアクティベータⅤには大きく3つの特徴がある。

 最初の特徴はコードレスである。現在市場にでているカイロプラクティックの矯正電動器具のほとんどはコードがついている。そのため施術者の動きに支障が生じる。アクティベータⅤは充電式を取り入れているため、コードレスで従来の器具と同じような動きで施術ができる。

 次の特徴は、振動器具先端とグリップとの角度である。他の電動器具の多くは電動ドリルのように先端とグリップとの角度は90度に近い角度であるが、アクティベータⅤの角度は、関節面にコンタクトしやすい工夫と、手首への負担を軽減させるための角度が配慮されているとのことである。

 最後にアクティベータ振動器具の研究課題の中で重要なポイントとされるのは、機械的受容器に影響を及ぼす振動周波数である。人間工学の研究者との開発で機械的受容器への振動周波数の重要性が明らかになって以来、理想的な振動周波数の研究開発が進化し、今回公開されたアクティベータⅤではその理想的な数値がさらに高くなったとのことである。

このアクティベータⅤが繰り出す振動は、従来のハンマーで振動させるバネ式のパーカッションフォースとは異なっており、ソレノイドという仕組みから繰り出される周波数が特徴らしい。ソレノイドとは電気的エネルギーを直線運動の機械的エネルギーに転換する コンバーター。コイルで鉄の芯を動かすような仕組みとのこと。つまり、電気信号で機械的な作用を行なわせるような用途に使うもの。

ポジティブな側面の一方でネガティブな側面もあるだろう。器具である以上は故障がつきものである。どのように故障が生じるのか今のところ見当もつかないが、ある程度の想定はしておきたい。振動を繰り出すのはボタンを押すだけの操作なので力はいらないが、器具全体は以前の手動器具よりも重くて大きい。

あえて言えば、一つ一つの矯正後にアクティベータⅤを置く場所に少し気を使う。慣れていないせいもあるが、以前のようにホルダーに入るような大きさではない。臨床で使ううちに色々な問題や改良点が多々あるのではないかと予測されるが、少しずつ患者さんに使って、実際の効果を確認していきたい。

ドクターファーによるアクティベータⅤの開発の経緯が紹介された後、その開発研究に携わったMichael Liebschner,Ph.D.によるプレゼンが行われた。彼は脊椎バイオメカニックスやバイオメディカル工学の専門家でもあり、現在は医学部で脊柱・骨バイオメカニックスやバイオ・メディカル・エンジニアリングを研究しているとのこと。アクティベータⅤの効果を科学的に裏付けるデータなどを紹介していただいた。

その後、アクティベータ・メソッドを基本にしたクリニックで週に400人以上の患者を診ているドクターによるプレゼンテーションが行われた。クリニックはオープンスペースで施術テーブルが3台あり、ドクターが施術をする際には患者がすでにうつ伏せですぐに開始できる状態。一人の患者にかける時間は2~3分で、患者に必要なことを問診して、必要なところに矯正を行い施術を終える。患者とのアイコンタクトもほとんどないらしい。

施術では特に無駄な動きがないように工夫されているようで、そのポイントもいくつか紹介してくれた。当たり前のことではあるが、治療をするかしないかの選択をするのはすべて患者で、それを終えるかどうかを決めるのも患者の選択であるというコメントは印象的だった。また、患者に真摯に仕えれば、患者は真摯に答えてくれるというコメントにも深く共感することができた。

その後、アクティベータⅤを使った実技をインストラクター同士で行った。インストラクターがそれぞれにアクティベータⅤを使った感想を述べ、その可能性について期待を寄せていた。(その3に続く)



2012年8月9日木曜日

2012年度、45周年AMI instructorカンファレンス レポートその1

AMI instructorカンファレンスのレポートを書くのは久々になる。1997年に30周年記念のAMIインストラクターカンファレンスに招待していただいて以来、毎回招待していただいていている。2007年度の40周年記念のカンファレンス開催後は毎年のカンファレンスは中断され、今回は5年ぶりにカンファレンスが再開された。2012年度の今年は45周年記念のカンファレンスとなった。5年ごとの記念式典に毎回出席させていただくことが出来、アクティベータ・メソッド発展の歴史に触れる機会を与えていただけることをとても光栄に感じている。

水曜日の午前中の診療を終え、夕刻に福岡空港からハワイ経由でAMIインストラクターカンファレンスが開催されるアメリカのフェニックスへと飛び立つ。途中、ハワイ空港でフェニックス行の飛行機が8時間も遅れるというハプニング。会場のホテルにカンファレンス前日の夜中に到着するはずが、カンファレンス当日朝に到着するということになってしまった。

しかしながら、ハワイアン航空会社の配慮で、ワイキキビーチ近くにあるマリアットというホテルでディナーを提供してくださることになり、3時間ほどワイキキビーチに滞在することができた。思わぬハプニングではあったが、ハワイでプチバケーションを楽しむことができた。そのレストランは、初めて日本の先生方とアクティベータのハワイセミナーへ参加した時のホテルのレストランだったのでとても懐かしく感じた。

一日目、カンファレンス開催の約1時間前に到着して、ホテルで朝食をとりカンファレンスに参加。前回の40周年以来、5年ぶりに米国のインストラクター達との再会を歓び合った。1997年から遠距離ではあるが15年来のお付き合いである。私はすでに古株に属しており、カンファレンスでの再会はそのたびに国境を越えた不思議なつながりを感じさせてくれる。

全米のインストラクターと世界各国のインストラクターが100名以上参加とのこと。今回予定されているプレゼンターも一流の講師陣。初日の講義は、各地域のディレクターやカイロプラクティック大学の講師たちを対象に、コーチングやコンサルタントを行っている人間行動科学の専門家によって行われた。

カンファレンスの数か月前にはインストラクター全員にネットを通じて行動と動機付けに関するアンケートが行われており、会場では47ページに亘ってまとめられていたレポートがアンケートを受けたインストラクター一人一人に配布された。このレポートは行動科学に基づいており、自分自身の強さと弱さを客観的に理解することでより効果的な行動や人間関係に役立てるというもの。

次はリーダーシップの研究に関する専門家によるプレゼン。参加者のほとんどがリーダーであり、リーダーシップに関する幅広い研究はとても重要である。私は、数年前より治療技術の研究と合わせて、コーチングやリーダーシップ論の勉強も行ってきているが、単に治療技術だけに限らず、人との関係性や治療院や組織をいかにして有機的に発展させるかは私たちの重要課題であり、すべてはリーダーに組織を守り発展させる責任がある。

今後、大きな組織のリーダーに限らず、治療院の院長もリーダーシップ論やコーチングの勉強はとても重要になるだろう。治療技術の習得だけにとどまって、人との関係性や治療院や組織がうまくいかなければ、その治療技術は宝の持ち腐れということになる。今後も、リーダーシップ論やコーチングは治療技術の研究と同様に両輪のごとく学んで社会地域の人々に幅広く貢献することができればと再認識することができた。( レポートその2に続く)

2012年7月17日火曜日

「ペンが持てない」その原因は、神経学的な「誤作動」だった!

先日、右手でペンを持つことができないとのことで20代の青年が来院されました。お父様からお電話で依頼され、最初は一般的に多い「書痙」なのだろうと予測していました。しかし、来院されて問診しながら検査をしていると、通常の書痙のタイプとは異なる特殊な症状であることが分かりました。
大学病院でもすでに検査を行っており、整形外科では画像診断を受け、神経内科も受診されたとのこと。通常の指の筋力検査では正常に機能しますが、いざペンを持とうとすると握るための指や手首の筋力が弱く力がほとんど入りません。ペンで書こうとするとペンが滑り落ちる恐怖もあるとのことで右手ではほとんど書けない状態。

このような症状が3年前から継続しており、それ以来左手で書いているとのこと。しかし、最近では左手で書くのにも支障がでてきており、だんだんと悪くなってきているということで、このまま経過するとますます悪化するのではないかという深刻さが伝わってきました。

当院で治療を始めてから5回目には明らかな改善が現れ、8回目9回目の施術日には異常反応は検出されずご本人も自信が持てている様子が伺えました。受験も控えており、とても大切な時期に差し掛かっていたので3年ぶりにまともに書くことができ本当によかったと思います。

なぜ、このような症状が改善されたのでしょうか?それはまず最初に、患者さんとの信頼関係を築けたことです。次に治療法が合っていたからです。ファミリーカイロで施しているニューロパターンセラピーは、肉体の構造や機能を改善させる療法ではなく、精神療法でもありません。心と身体の関係性による誤作動を調整する治療法です。まだまだ世間では知られていませんが、第三の医療といっても過言ではないかもしれません。

心身医療は以前から医療の分野で研究され続けていますが、このニューロパターンセラピーでは、身体に影響を及ぼしているメンタル面を変えることを治療目的とするのではなく、心と身体の関係性によって生じる神経学的な誤作動を調整することを主な治療目的としています。その誤作動を調整することで、結果として肉体面の症状やメンタル面の症状が改善されるといった効果が現れます。

長年の研究によって施術がシンプル化され、患者様も受けやすくより効果を感じていただけるようになりました。様々な健康問題を抱えているお知り合いの方がおられましたらまずはご相談ください。

2012年7月16日月曜日

自然体で「感謝」できるために

・・・いつも「感謝」しないといけないですね。・・・
とある患者さんが話されていました。

私たちは「感謝」することは大切だと思いつつも、感謝することを忘れてしまいがちになります。表面的に感謝するのは簡単ですが、心の奥から本当に「感謝」するのは簡単ではないかもしれません。では、自然体で心の奥から感謝できる背景には何があるのでしょうか?

人が感謝するとき、「有難い」と言います。その意味は、字のごとく有ることが難しいという意味で、めったにないことに感謝するさまをいいます。人間という生き物は、寄り添ってくれる人やモノ、食べ物などが習慣的に当たり前になって、それに慣れてしまうと感謝できなくなるという性質を持っているようです。

例えば、炎天下の砂漠の中でのどが渇く状態が長く続いたとき、恐らくその時の一杯の水ほど感謝できるものはないでしょう。しかし、現代社会では蛇口をひねればいつも水があります。水がそばにあるのが当たり前になって、それに感謝するということにはピンとこないのではないでしょうか?

人間関係においても、いつも傍にいてくれる人が存在すること自体やその人がしてくれることが当たり前になると、相手への期待が知らず知らずに増えて感謝ではなく不満を感じたりすることが多くなるようです。つまり、心の奥から本当に「感謝」するためには、当たり前のようにあるモノや人の行為を当たり前だと思わない工夫が必要になってきます。

人間という生き物は「慣れ」という習性をもっております。それは様々な環境に適応するために必要な機能ですが、慣れ過ぎて感謝できなくなるというデメリットもあるようです。人が感謝しなくなると、慢心、傲慢、不満といった負のサイクルにはまってしまいがちになります。毎日を「感謝」するための工夫として、当たり前にあることを当たり前と思わないで、それに慣れない工夫を日常生活の中から実践することでしょう。

さて、今日はどれくらい自然体で感謝ができているでしょうか?

2012年6月12日火曜日

PCRT特別上級研究会のフィードバック

先日、PCRT特別上級研究会を開催いたしました。ゴールド認定以上の先生方に福岡に集まっていただき、通常よりも少ない人数でとても実りのある研究会を開催することができました。
プログラムの内容は下記の通りでした。

 ハード面施術の最新情報
 ソフト面施術の最新情報
 遠隔治療
 代理検査施術の応用
 サプリ・薬剤適合検査法
 コーチングの応用
 治療院経営の考察
 クリニカルフィードバック

上記の内容に加えて、菊地サブインストラクターにもプレゼンをしていただき、より密度の濃い研究会になりました。

ハード面施術の最新情報では、筋膜の施術法をご紹介させていただきました。以前から行っていた施術法と重なる面が多いですが、筋膜という概念を幅広く応用することでさらに施術効果が引き出されるということを理解していただけたと思います。

ソフト面施術の最新情報では、以前ご紹介した「緊張パターン」と「リラックスパターン」の手法ではなく、「緊張パターン」(反応パターン)のみの施術法のアプローチの仕方をご紹介しました。「そのイメージで反応が示されていますので、身体が反応しないように合わせます。」などの患者さんへの伝え方もご紹介しました。ハード面の施術と同じような要領でソフト面の施術がしやすくなったと感じていただけたと思います。

遠隔治療と代理検査の施術では、経穴人形を使った代理検査治療やスカイプでの遠隔治療のデモなどを行い、実際に先生方もその効果を体験していただきました。予想していたよりもシンプルで、通常のPCRTの施術ができれば、遠隔治療もできる可能性が大きいという印象を受けたというフィードバックもいただきました。

サプリ・薬剤適合検査と施術法では、ボランティアで出ていただいた先生のデモンストレーションにおいて、たまたま薬剤が適合していない反応が示され、適合施術を行った後に反応が消失しました。デモを受けていただいたご本人もその薬剤に違和感を持たれていたとのことで、なるほどという印象を受けました。また、サプリ・薬剤適合検査と施術法は、アレルギーの施術法とその概念やアプローチの仕方が類似しており、その必要性や効果を理解していただいたのではないかと感じました。

コーチングの応用では、理想のゴールに向かいたいが、無意識の自分がブレーキを掛けてしまう事例などのアプローチの仕方をご紹介しました。意識の自分と無意識の自分とに不一致が生じて、身体面やメンタル面に誤作動を生じさせる事例は少なくはなく、スポーツや仕事などのパフォーマンスの向上に役立てていただけると思います。

治療院経営の考察では、あるせんべい焼き職人の言葉をご紹介しました。ご紹介させていただいた80歳代のせんべい焼き職人は、師匠から教えられ今も守り続けていることがあるということです。それは何かというと、「セールスはするな」という教えです。せんべいが売れなくてお客が来なくなったら、モノづくりやサービスに「真心」がこもってないと思えと教えられてきたといいます。つまり、お客が来ないのもセールスのせいにするのは筋違いという本質的で含蓄のあるお話でした。

最後のクリニカルフィードバックでは、施術者役、患者役、オブザーバー役に役割を決め、施術後の三人がそれぞれにご自分が率直に感じたそのままの内容を施術者の今後の成長や学びにつながるという前提で互いにフィードバックしていただきました。このようなお互いを高め合うフィードバックは、滅多にある機会ではないのでとても参考になったのではないかと察します。

今回は、上級者限定研究会ということも踏まえて、基礎知識や技能があるという前提での研究会でしたので、参加者それぞれの目的が明確で充実した研究会になりました。今回の研究会の内容も今後の通常研究会の内容に活かしていくことができればと考えております。特別上級研究会の次回開催については未定ですが、参加者の動向を見ながらまた開催できればと願っています。今回、初めて特別上級研究会を開催しましたが、ご参加していただいた先生方に心より感謝申し上げます。

2012年6月8日金曜日

「下座行」

先日、致致という雑誌をめくっていていると、「思い上がらず、下座に徹して生きる時、天が君を助けてくれる」という森信三先生が残された言葉に目が止まりました。以前、森信三先生の「修身教授禄」という著書の中で「下座行」ということを説明されていて感銘を受けたことを思い出しました。

森信三先生のいう「下座行」とは、『自分を人よりも一段と低い位置に身を置くことです。しかもそれが「行」と言われる以上、その地位に安んじて、わが身の修養に励むことを言うのです。そしてそれによって、自分の傲慢心が打ち砕かれるわけです。すなわち、身はその人の実力以下の地位にありながら、これに対して不平不満の色を人に示さず、まじめにその仕事に精励する態度を言うわけです。これを「下座を行ずる」というわけです。』また、森先生は、この「下座行」は「人間を鍛えていく土台」というふうにもいわれています。

若いころはともかく、年齢を重ねるにつれてこの「下座を行ずる」ということを忘れがちになります。特に指導者的な立場に身を置いていると、知らず知らずのうちに「慢心」や「傲慢」な心がでてしまいがちです。50歳を過ぎてから、この「下座行」が毎日の習慣になるように色々と考えて工夫したいと考えています。

2012年6月4日月曜日

「関節の健康はバランス調整から」

一般的に腰痛や関節痛は「骨の変形」、「ゆがみ」、「軟骨異常」などの「構造異常」が原因だと思われがちです。最近ではMRIなどの画像検査の性能が進化して、構造異常が正確に分かるようになってきました。その構造異常が画像に示されると、多くの人はその構造異常が症状の原因だと決めつけてしまう傾向があるようです。

外傷などで構造異常が症状の原因になることもありますが、多くの構造異常は長年のバランス異常の結果であって症状の原因ではありません。慢性的なバランス異常の結果として、関節に異常な負荷が加わって構造異常が生じたのです。

画像診断で椎間板ヘルニアや変形性関節症などの構造的な診断を受けた患者さんのほとんどが、ファミリーカイロで行う筋肉系、神経系、メンタル系のバランスを整える施術で改善されています。それは、多くの症状の原因が構造異常ではなく、バランス異常から生じているためです。

身体のバランスをコントロールしているは神経系で、神経系の命令によって筋肉系が働き骨格のバランスが保たれています。つまり、日ごろからバランスを整えることで、関節の健康が保たれるのです。歯医者さんで歯石を除去してもらって歯の健康を保つように、ファミリーカイロで背骨や他の関節のバランスを整えて関節の健康を保ちましょう。