2017年6月16日金曜日

胸背部疼痛と筋肉注射後の痛み


【術前経緯】
36歳、女性、鍼灸師、家族の介護。背中の痛みと左腕の痛みを訴えて来院。二週間前に背中の中央付近に激痛が伴い、救急車にて病院へ搬送される。筋肉注射と鎮痛剤と痛み止めを処方される。その二週間前にも肺炎で入院しており、その際の背中の痛みも痛み止めを処方されていたとのこと。施術前のVASの痛み10段階で4レベル、うつ伏せになると5レベル。家でソファーに座っていても辛く、常に痛みを感じているとのこと。筋肉注射の後の右腕の痛みは3レベル。

【目安検査】
胸椎部伸展→陽性反応
頸椎右回旋→陽性反応
右肩甲骨後退→陽性反応
右上腕骨伸展→陽性反応
呼吸(吸気・呼気)→陽性反応

【施術】
ハード面の施術をアクティベータ療法にて行う。
骨盤、脊柱、肋骨部などの神経関節機能障害部を調整、特に肋骨前面と後面部の調整にて、楽になった様子で、痛みのレベルは3まで軽減。さらに検査を進めると経絡系に陽性反応を示す。PCRTのハード面調整で経絡の胆経を調整。関節系の目安検査も全て陰性反応に転じる。痛みのレベルは0に消失。
右腕の筋肉注射の後の痛みは、ハード面調整というよりも痛みの記憶(ソフト面)が関係していたので心身条件反射療法(PCRT)のソフト面調整を行う。五感情報の身体感覚→痛覚にて陽性反応。最初に筋肉注射受けた際の痛みの感覚を想起してもらい、PCRTにて調整。痛みのレベルは3から0に転じる。

【術後評価】
背中の痛みは、アクティベータ療法による関節系へのアプローチとPCRTの経絡療法で痛みが消失。筋肉注射の後の痛みは、PCRTにて痛みの記憶にアプローチして痛みが消失。施術後、来院してよかったと大変喜んでいただいた。

治療後は痛みが消失しているけれども、痛みを引き起こす身体のクセが強いとぶり返すことも少なくはない。一回の施術で自覚症状が改善されても、施術を継続された方がいいかもしれない。そのことを説明した後で次回はどうされるか尋ねたところ、痛みがぶり返したらその時にまた来院したいとの意向。その後、二週間以上連絡がないので恐らく問題はないのだろう。

2017年6月9日金曜日

クループ症候群、喘息発作後の咳の継続

クループ症候群、喘息発作後の咳の継続

4歳、女の子、二週間ほど前にお母様の実家に帰省した際に久しぶりに喘息発作の症状がでたとのこと。すぐに病院を受診して吸入薬で治療を受ける。他の病院でも検査を受けるとクループ症候群との診断を受ける。上気道で気管が狭窄して入ればクループ、下気道で狭窄して入れば喘息ということである。喘息発作は収まっているが咳が2日間ほど継続しているとのことで来院。

1回目の施術
【目安検査】
顔面前15センチ空間のEB陽性反応
1日のサイクルパターンの検査で、家と幼稚園の場面で陽性反応

【検査と調整】
ハード面調整法
エネルギー系→経絡→脾経(両側)
ソフト面調整法
脳幹脊髄系→身体感覚→吸引→金属類(PM2.5)陽性反応
呼吸振動法にて調整
吸引でフィードバック→黄砂陽性反応
呼吸振動法にて調整
吸引でフィードバック→雑草陽性反応
呼吸振動法にて調整

2回目の施術:6日後
【問診】
前回の施術から咳がだいぶん改善されたとのこと。肘のところに湿疹があるので見て欲しいとのこと。以前からアトピー性皮膚炎があり、でたりでなかったりしているとのこと。

【目安検査】
患部を触る→陽性反応
皮膚と皮膚→陽性反応

【検査と調整】
ソフト面調整法
身体感覚→接触→ダニ陽性反応
呼吸振動法にて調整
身体感覚→温感→暑くなる
お母さんの代理によるイメージ情報にて呼吸振動法で調整
施術完了

【考察】
一般的に花粉やPM2.5、黄砂など大気の吸引物質が原因となると、外出を控え、マスクなどでそれらが体内に侵入しないように予防する。あるいは対症療法的に症状を緩和する薬が処方される。一時的に症状が改善されるかもしれないが、症状がぶり返し、根本的な改善には至らないことが多いだろう。本症例では、母親の実家に帰省した際に久しぶりに喘息発作の症状が現れたとのことで、なんらかの心理的要因はあった可能性はあるが、金属類、黄砂、雑草に対するアレルギーだけの治療で咳の症状はほぼ改善した。PCRTのアレルギー療法ではごく普通の改善例だが、代理治療としては早期に改善した症例なのでご報告させていただく。 

2017年6月3日土曜日

脳のコリをほぐす

2017年度67月のFCCニュースレター

日本では、4月から新年度が始まり、学校でも職場でも何かと変化のある時期です。大きな環境の変化に伴って体調を崩される人も少なくはありません。そのような環境の変化に適応する際の心身の不調は「五月病」といわれています。ゆううつ、イライラ、眠れない、理由もなく悲しくなるなどの精神的症状や、胃の痛み、食欲不振、動悸、息苦しさ、疲れ易いなどの身体的症状が現れます。

原因の多くは精神的なストレスです。今までに経験のない環境の変化に心も身体も適応できない状態です。このような環境の変化によるストレスは、長い人生の中で多かれ少なかれ誰もが体験することです。いい意味で言えば、そのような変化が人を成長させてくれます。しかし、あまりにも変化のギャップが大きければ、そこに適応するのは難しくなります。一般的にいわれている「五月病」は、1〜2ヶ月すると自然にその環境に慣れて、精神面や身体面の症状も良くなってくると言われています。

6月〜7月になってもそのような症状が継続する場合は、効果的なケアが必要です。ファミリーカイロでは、腰痛や肩こりといった肉体の症状以外に、メンタル的な症状の改善も得意としています。特に「ストレスケア」は長年の臨床経験の積み重ねで効果を上げてきました。不安感やイライラ感などの気分障害は、数値化して効果を判断します。例えば、患者様の感覚でレベルを数値化すると10段階で10だったものが、施術後には5以下に軽減する方がほとんどです。全ての患者様に効果的であると保障することはできませんが、薬物療法を好まない方にはオススメできる施術法です。

なぜ効果があるかというと2つの理由があります。

1.       本来、脳には柔軟性(可塑性)や適応力がある
2.       脳に精神面や肉体面の症状を緩和させる脳内麻薬物質を持っている

脳の柔軟性とは、「慣れる力」のことです。周りの環境の変化に「慣れる力」は本来誰もが持っている機能です。しかしながら、ストレスを受けると、脳の神経回路が過剰にこり固まり、そのコリがほぐせなくなってしまうのです。ファミリーカイロのストレスケア(PCRT)には二つの方法があります。一つ目は、モヤモヤ感や自己否定感などをそのまま感じていただき、そのストレスレベルを数値化して、脳のコリをほぐすために生体エネルギーを調整する方法です。二つ目は、ストレスに関係する言語情報を検査して、脳のコリを少しずつ解きほぐしていく方法です。脳は心の現状を認識するだけで、凝り固まった神経回路が解きほぐされ、ストレスの感じ方が変わり、自律神経系も整えられます。そして、しばらくすると新たな思考の選択肢が生まれる方がほとんどです。


一般的には、問題が解決しないとストレスは治らないと思い込みがちですが、脳のコリがほぐれると問題の受け止め方にも変化が現れ、十分にストレスに対処できるようになるのです。また、ストレス解消法として、趣味や娯楽を楽しむことも大切ですが、脳のコリをほぐし心を整理することは、本質的なストレス解消はもちろん、心の成長にもつながります。

少しでもストレスを感じることや心に引っかかっていることがありましたら、ぜひお声をお掛けください。

2017年6月2日金曜日

強迫性障害


【情報・経過】
40歳、男性、自閉症、4年ほど前より当院を利用していただいており、メンタル面の問題や肉体面の問題があるときにご利用いただいていた。病院でも強迫性障害と診断され複数の薬を毎日服用している。今回は、8ヶ月ぶりの来院で、1ヶ月ほど前に仕事上のトラブルがあり、そのことが頭から離れずに気になっているとのこと。来院の際、お母様に大きな声で話していることを指摘されて、イライラ感のレベルも高まっている様子だった。

《目安検査》
チャクラ1、2、3、4 両側手のチャクラ、頭部空間EB(オーラ)
トラブルのイメージ、数値化→わからない。PRTの検査では10段階で9レベル

《調整結果と考察》
アクティベータ・メソッドによるハード面調整後、トラブルに関係する気分のイメージから調整を行う。PCRTの気分障害調整法を施し陽性反応を消去。PRTによる気分障害のレベルは9から1レベルへと軽減。
「気分はどうですか?」と尋ねると「いいですね。先生のマッサージとホットパックがよく効きました・・・」
術者:「???マッサージとは違いますが・・・(笑)」
患者:「あ、すみません、カイロの治療でしたね・・・(笑)」
術者:「何でも効果があればいいでよね・・・(笑)」
マッサージとホットパックが効いたというコメントには拍子抜けしたが、なぜ効果があったのかどうかは患者さんにとってはどうでもいいこと。でも、治療者側にとっては、なぜ効果があったのかということは、治療効果を高める上でとても重要な関心ごとである。「なぜ効果があったのか」ということに興味を持っていただく患者さんもいるが、多くの患者さんにとってその理屈はどうでもいいことが多い。治療前までは、お母様とのちょっとした会話でイライラ感が高まっていた様子だったが、治療後にはすっかり気分も回復された子だった。もしも、施術前と施術後を脳の画像検査で比較すれば、大きな変化がみられるだろうと思うが、科学的な証明よりもまずは目の前の患者さんに喜んでいただけることが先決だ。自閉症と診断された患者さんには様々なタイプがおられる。今回の患者さんのように、強いストレスを受けるような出来事が生じると、そのことが頭から離れなくなって、そこから抜け出せない患者さん。視覚的情報や聴覚的情報に過敏な患者さんなど様々である。誤作動記憶が複合してくると様々な症状として現れる。これは、自閉症と診断されていない方に限らず、誰にでも起こり得る。ファミリーカイロで行なっているPCRTの主な治療目的は、脳の誤作動記憶を調整して、様々な環境に適応できる脳の記憶に書き換えることである。一回の施術で、様々な環境の変化に適応できるようになる訳ではないが、施術を継続しながら脳のコリをほぐし、脳の柔軟性が高まるようにサポートできればと願う。