2013年6月1日土曜日

心身条件反射療法(ニューロパターンセラピー)研究会基礎1の報告

本年度の心身条件反射療法(PCRT)研究会が5月からスタートしました。今回の基礎1にはいつものように熱心な先生方にお集まりいただき、とても有意義な研究会を開催することができました。特にPCRTハード面調整法では、検査となる受容器への第一刺激、調整となるシナプスへの第二刺激、ならびに時間的促通効果と空間的促通効果の概念を背景にした理論による臨床効果はご理解いただけたのではないでしょうか。



また、PCRTソフト面調整法の基礎編として、患者に一日のサイクルの場面をイメージしてもらいながら検査と調整を行う手法をご紹介しました。PCRTでは施術の核となる心身相関へのアプローチは重要な部分ですが、PCRTを導入するに当たって、ハード面の施術からソフト面の施術への移行は多くの先生方が苦労されているようです。この点は、治療の幅を広げるための大きな壁にはなりますが、今回のソフト面調整法の基礎編、ならびにその導入法は、その壁を低くするためには有効なヒントになるのではないかと期待しています。

一日のサイクルの場面をイメージして検査するグループワークでは思わぬところで陽性反応が示されるという無意識の誤作動を体験された先生方も多かったのではないでしょうか?また、イメージ=反応という心身相関の検査、ならびに施術を体験され、治療法の幅の広さを実感していただいたのではないかと感じました。ライフコンパスアカデミーのスタッフ、ならびにグループリーダーの先生方のご協力により、笑いと活気に満ち溢れた充実した研究会になりました。

今回の研究会の中で様々なご質問をいただきました。いくつかのご質問の中で、もう少し補足説明をした方がよいと感じた内容が二つありましたのでご説明させていただきます。
最初は、「原因と結果」についての質問です。「原因があるから結果がある。」その因果関係の概念に関しては仏教や哲学の分野で様々な角度から述べられています。今回は病気や症状の因果関係について解説させていただきました。例えば、外傷性の病気や症状はごく単純です。車にぶつけられて、転倒して骨折した。車による衝突が原因で、結果として骨折したということになります。この因果関係に関しては疑いの余地がありません。

しかし、慢性的な症状の原因と結果に関する「因果性」に関しては、多くの人が信じている因果関係が、実は誤解や錯覚という誤謬が多いようです。例えば膝の変形性関節症は、膝の関節変形が痛みの原因とされることが多いようですが、多くの場合、神経系、筋肉系のバランスが整えば、関節が変形したままでも症状が改善されます。これは明らかに関節の変形が原因ではないと言えますし、さらに言えば、神経系、筋肉系のバランス異常が原因で、結果的に関節への変形が生じたといえるでしょう。

原因がよく分からないとされる慢性的な腰痛や肩こり、関節痛の場合、肉体内の原因として考えられるのは筋肉系のアンバランスです。その筋肉系のアンバランスは神経系の誤作動によって引き起こされます。その神経系の誤作動は、意識と無意識の心の関係性によって生じることが少なくはありません。さらにその上の因果関係を追求すると、心に及ぼす因果関係には分からないことがたくさんあります。

全ての因果関係を知ることは不可能ですが、ストレスが身体に影響を及ぼすということは周知のとおりです。ストレスが「原因」で身体に表れる症状や病気は「結果」となります。風邪やインフルエンザの症状はウイルスが「原因」で発熱や体調不良が「結果」です。花粉症の症状は花粉のアレルゲンが「原因」で鼻炎や目のかゆみなどが「結果」になります。通常は「原因」があるから「結果」が生じるので、「原因」を取り除けば症状が改善すると考えます。ストレスであればストレスを取り除けばストレスに関連する症状が改善します。アレルギー症状であれば、アレルゲンを避ければ症状が生じないというシンプルな法則が成り立ちます。

しかし、同じようなストレスやウイルス、あるいはアレルゲンに触れても、人によっては症状の強弱に違いがあったり症状が出ない人もいます。それはなぜでしょうか?それは原因と結果の間にある「関係性」に違いがあるからです。その「関係性」とは外からの原因に対して、症状を引き起こすような「誤作動」のスイッチが入るかどうかのプロセスの違いです。誤作動のスイッチを自動的に入れるかどうかは脳と神経系の学習記憶によってプログラム化されています。

PCRTではその症状を引き起こす誤作動のプロセスによってプログラム化された学習記憶に注目します。誤作動のプロセスを引き出して、施術によって誤作動のスイッチが入らないようにしていきます。ストレスやアレルゲン、ウイルスの程度にもよりますが、施術を繰り返すことでそれらの外的要因に対する適応力や抵抗力がついてくることになります。人間の許容範囲を超えるストレスやウイルス、あるいは毒物などは避けなくてはなりません。しかしながら、本来人間は適応力や治癒力を持ち備えていますので、その力を最大限に発揮するための施術であるといえます。

特に慢性症状の場合、単に原因を排除するというシンプルな考え方では解決できない症状や問題などがたくさんあります。原因と結果の間にある関係性(誤作動のプロセス)にはたくさんの意味があります。もしも、ストレスが原因であれは、ストレスを避けるか、考え方を変えなければ症状が改善されないと考えられがちですが、ストレスを避けなくても考え方を変えなくても、その誤作動を施術することで症状が改善され、メンタル的な感じ方にも変化が生じてきます。

脳の障害で性格が変わったという症例報告があるように、脳の誤作動に変化を促すことで感じ方にも変化が生じます。PCRTでは、脳の誤作動は神経回路ネットワークにあるシナプス可塑性に関係し、神経回路の配線パターンに変化を促すことで、新たな神経回路ネットワークが構築されて、誤作動が改善すると考えています。無意識レベルで関連した情動は、この誤作動に注目することで症状が改善されますが、信念などの意識と無意識レベルが関連した症状は、理性的に信念の書き換えが必要な場合もあります。

このように原因と結果だけの因果性を考えると、原因を変えなければ結果が出ないということになります。もちろんそのような場合もあります。しかし、原因と結果、ならびにその間にある関係性を入れた因果性を考えると、原因を変えずにそのプロセスにある関係性を変えることで結果がかわることも多々ありますので、PCRTでは主にその関係性に注目して施術効果を引き出しております。

次に「自己療法」についてのご質問がありました。PCRTの自己療法の研究に関してはまだまだ研究課題がたくさんあります。特にソフト面調整法に関する自己療法は、顕在意識よりも深い潜在意識レベルの感情面に注目して施術効果を引き出すので、そのレベルの自己検査、判断には深いレベルの訓練が必要になるでしょう。これは自分の体臭が分かりにくいのと同じで、自分の潜在意識を客観的に評価するのは難しいと言えます。

例えば、ある人に対して、ネガティブな感情を抱いたとします。その感情がメンタル的にも身体的にも誤作動を生じさせているかどうかを自分で判断する場合、理性の自分は納得して気にしていないと判断するかもしれませんし、感性のもう一人の自分は気にしているかもしれません。また、身体に影響を及ぼしている感情は、ネガティブな感情だけでなく、「喜び」や「意欲」など肯定的な感情も身体に影響を及ぼしますので、身体に影響を及ぼしているのかどうかの判断はさらに難しくなるかもしれません。

患者さんへの治療経験を通じて、このような潜在的な心理面に触れる施術経験を積み重ねていくと、自分もこのような潜在的な感情が隠れているだろうという直感力が磨かれてくるのでご自身の内面を客観視しやすくなります。そのような訓練がある程度できてくれば、その範囲内では自己療法が可能だと思います。その点、自己療法が容易にできるとすれば、PCRTハード面調整法です。症状の程度やメンタル面との関係性の深さにもよりますが、筋骨格系の症状に対しては今回ご紹介したハード面調整法は効果的だと思います。

今回ご紹介したPCRTハード面調整法で患者に対しての手法を自分に応用すればできます。手法としては、症状のある関節や筋肉に手を当て、受容器に第一刺激を加えます。次に第二刺激として丹田部や後頭部、あるいは前頭部に手を当て軽い振動刺激を加えながら深呼吸をして、呼気の最後に息をフッと吐ききるようにします。この第一刺激と第二刺激を基本施術として、さらに応用編として症状のある動作をとり、症状のある部位に手を当て第一刺激を加えて、同様に第二刺激を加えて、症状の軽減を確認しながらこの自己療法を繰り返して行えば、症状の軽減や消失などの変化が現れると思います。

次回のPCRT基礎2では、今回の基礎1からステップアップしたハード面とソフト面の調整法をご紹介させていただく予定です。

2013年5月2日木曜日

PCRT基礎1のご案内

いよいよ今年度の心身条件反射療法(ニューロパターンセラピー)(以下PCRT)研究会が、今月の26日、27日の基礎1を皮切りに開催されます。

毎年、情報量が多すぎて消化不良になる傾向があるので、今年はゆとりを持って、理論よりも実技を重んじ、必要に応じて理論の説明をしていけるように心がけていきたいと考えています。

多くの先生方は理屈よりも、シンプルで効果的な治療法を身に着けたいと願っていることでしょう。それは患者さんも同じで、理屈よりも早く結果を出してほしいはずです。しかしながら、特に慢性症状を改善するためには、それなりの治療回数が必要です。

患者さんは、頭では治療回数が必要だと分かっていても、最初はその先生を信頼して治療を継続していいのかどうかは半信半疑だと思います。信用していただくためには、理屈よりも治療効果を体感していただくことが必要になるでしょう。

症状の種類にもよりますが、腰痛や肩こり、関節痛など筋骨格系症状の場合には、来院時の検査でその症状を再現することができます。そして、その治療効果があるかないかも治療前と治療後の検査で比較的簡単にわかることが多いです。

例えば、腰を左右に捻ると痛かったのが、治療後に痛みが軽減、あるいは消失した。腕を上げると痛かったのが痛くなくなったなど、症状の改善は明らかに治療効果によるものだと分かれば、患者さんからの信頼度は高くなります。

慢性症状であれば、次の来院時にぶり返すこともあります。症状が完全に消失しなくても、治療を継続していく中で症状が徐々に改善されていき、ぶり返さなくなり、さらに「ぶり返す場合は、ぶり返す原因パターンもある」という内容を説明されると、患者さんとの信頼関係に悪い影響を与えることは少ないでしょう。

肝心なのは、患者さんが、治療後に多かれ少なかれ症状の改善を感じられるかどうかではないでしょうか?患者さんは治療法を信じるというよりも、治療者の人柄や技量を信じて通院してくださるのではないでしょうか?

よって、治療者自身が自信を持つことのできる確かな治療技術が必要で、その治療技術は患者さんにとってもシンプルで分かりやすいことが求められるでしょう。今回の基礎1はハード面の検査法と即効性のある施術法のマスターを目的に講義と実技を進めていきます。

今年が初めての方がすでに10名ほど申込まれていますが、その先生方が、基礎1終了後に臨床現場ですぐに使えるハード面の施術法をご紹介します。継続して下さっている先生方も、今までの学習内容がシンプルに整理されて、臨床現場でより効果的に使っていただけるようになると思います。

PCRTの治療対象は、筋骨格系症状のみならず、アレルギー、自律神経失調症、不眠などメンタル症状、コーチングなど幅広い分野に及びますが、まずは筋骨格系症状の改善が当たり前に改善されるようになり、段階的に中級、上級へステップアップしていきます。

PCRTにおいてエネルギーブロック(EB)を特定する神経反射検査法の習得は、症状改善のための必修条件です。そのためにも、比較的症状改善が治療直後に分かりやすい筋骨格系のハード面の検査施術法からマスターしていただきます。

そして、PCRTの真骨頂である心と身体の関係性による誤作動の施術へと進んでいきます。これは心理療法と身体療法の隙間を埋める心身相関の誤作動の施術法です。

今年も継続して研究会にご参加していただき、楽しく心身条件反射療法(ニューロパターンセラピー)を使い、患者さんと喜びを共有し、さらに患者さんとの信頼関係を密にしていただければと願います。皆様のご参加をお待ちしております。

2013年5月1日水曜日

アレルギー性鼻炎

3歳の男の子が、アレルギー性鼻炎の症状を訴えて来院された。お母様によると1年前より症状が始まり、だんだんとひどくなっているらしく、睡眠時には鼻が詰まって苦しそうだという。耳鼻科へも4回ほど通院されて飲み薬と点鼻薬を処方されたが改善されなかったという 。

最初は、集中的に通院していただき、誤作動反応の消失による症状改善に伴って間隔を少しずつあけながら継続していただいた。途中でぜんそく発作や風邪を引くこともあったが以前よりも治りが早くなっているとのこと。

鼻づまりの症状は10回以上の治療を継続した位から徐々に改善へと向かい、睡眠中の息苦しさも改善されていった。排気ガスや花粉などのアレルゲンに加えて、様々な感情も自律神経系の誤作動につながっていた。

以下のインタビューは改善された後だったが、その約一か月後に幼稚園に入園されてから症状がぶり返したとのことだった。感情面が多くからんでいので、入園という大きな変化でのぶり返しは心配していたが、一度改善されているので、自然治癒力の誤作動は修正しやすくなっているだろう。すぐに原因パターンを消去すれば治りも早くなると思う。

2013年4月30日火曜日

症状のぶり返しには原因がある。

腰痛やアレルギー症状などで、いったん改善したのにぶり返すことがある。慢性腰痛や肩こりなどの筋骨格系の症状などは、特に治療直後に改善される方が多い一方で、次の来院日に症状がぶり返したといわれる患者さんも少なくはない。治療直後に症状が改善されて、症状をぶり返す人と、ぶり返さない人との違いは何だろうか?

治療直後には改善していたにも関わらず、治療が足りなかった、治療に何かが欠けていたと考える患者さんもいるかもしれない。元に戻ったのだから単純に治療効果がなかったと考える患者さんもいるだろう。治療回数を重ねるごとに段々と改善していたのに、ある時、元のような症状がぶり返したときに、悪化したと感じる患者さんもいるかもしれない。

治療直後に痛みの軽減、消失、筋緊張の緩和、バランス異常が改善するということは、施術によって自然治癒力が正常に働くようになったということである。それが元の状態にぶり返すということは、自然治癒力をブロックさせるパターンの学習記憶状態に戻ったということでもある。心身条件反射療法(ニューロパターンセラピー)ではそのように考えて、そのパターンを追跡して本質的な症状の改善を目指す。

ではどのようにそのぶり返しのパターンを追跡すればよいだろうか?まずは、患者さんの治療後の経過を詳しく問診する。症状をぶり返す期間のパターンも様々で、治療院を出てからすぐにぶり返す患者さんもいれば、数か月から数年でぶり返す人もいるだろう。もしも、24時間以内にぶり返したら、基本的な生活のパターンに分けて、そのパターンをイメージしてもらいどのパターンで「緊張パターン」が生じているかを検査する。

例えば、自宅に居る時のイメージで「緊張パターン」を示す場合、職場にいる時のイメージで「緊張パターン」を示す場合など、特定の場面で「緊張パターン」がぶり返されることが多い。場面のイメージで身体が「緊張パターン」を示すということは、脳が誤作動を学習記憶しているということでもあるので、その誤作動が生じないようにそのパターンのイメージで施術を行う。そうすると、その場面で症状がぶり返さないようになる。

このように症状をぶり返したパターンが分かることで、本質的な症状改善の治療ができ、その治療によって、身体がその環境に適応できる体質へと変化して、適応力が高まり、ぶり返しにくくなるといえる。しかしながら、人間は常に環境の変化にさらされており、その変化に伴って、メンタル面も常に変化している。別の原因パターンで同じ症状を繰り返す場合もあるだろうし、もしかすると、それ以来その症状に悩むことはなくなるかもしれない。

以下は一度改善されて、再度ぶり返されて改善した症例のインタビューをご紹介する。

腰痛症のぶり返し例

 
 
花粉症のぶり返し例
 
 
 
 


2013年4月19日金曜日

2013年度PCRT研究会のご案内

昨年、日本整形外科学会と日本腰痛学会は、「腰痛の発症や慢性化には、心理的なストレスが関与しており、画像検査などで原因が特定できない腰痛は、全体の85%以上を占める」との報告書をまとめました。最近では一般向けのテレビや雑誌などで、メンタル面が腰痛や肩こりなど身体症状に影響を及ぼしているという内容の情報が多く報じられるようになってきました。症状の原因が潜在意識と関係しているということがだんだんと一般的になりつつあるようです。

この傾向は、病気の原因を機械構造論で説明するには限界や矛盾があるということが示されています。骨折、脱臼、外傷、あるいは内臓の構造的な欠陥による病気や症状には最先端の現代医療がその力を発揮してくれます。構造の修復や再生医療の発展は目覚ましいものがあります。しかしながらその一方で、診断技術が進めば進むほど原因不明の慢性疾患が増えてきて、対症療法に満足できない患者様も増えてきているのが現状です。

慢性疾患やアレルギー症状などは特に自律神経系の誤作動が心身に学習記憶された結果です。基本的に人間の身体は「自然治癒力」という力を持ち備えていますので、基本的に病気や症状は治るようになっています。その治癒力を止めているモノは何か?それは目には見えない「生体エネルギー」のブロックです。その「生体エネルギーブロック」は肉体面(ハード面)のみの施術で解放できる場合と、メンタル面との関係性(ソフト面)の施術が必要な場合と大きく二通りあります。

感情面が肉体面に影響を及ぼすということが分かると、その原因感情を変えなくてはならないと判断されがちですが、心身条件反射療法では、心と身体の関係性による自律神経系の「誤作動」に注目しその調整を行います。そこが認知行動療法などの心理療法とは異なるところです。関係性による誤作動は有機自然療法の治療者が関わる専門の領域であり、心身条件反射療法は肉体面(ハード面)の施術と心理面(ソフト面)の療法との隙間を埋める施術法です。

私たちは10年以上も前から、「潜在的ストレス」が「生体エネルギーブロック」に多大な影響を与えているということを臨床現場で確証してきました。そして、その症状や治癒力をブロックさせる「潜在的ストレス」に直接働きかける施術法の開発に長年の臨床研究を積み重ねてきました。何万回もの「失敗と成功」を繰り返しながら進化し続け、治療法がシンプルにシステム化されました。そして、その治療法を効率よく教授するトレーニング法も改善を重ねシステム化されてきました。

このような施術法はまだまだ発展途上ではありますが、このような施術法を知らずに、治るはずの病気や慢性症状を抱えて困っていらっしゃる方が全国に大勢います。一人でも多くの人々がご自分の治癒力を信じて健康で豊かな生活ができるように、本質的な施術法を追求する治療者の方々とともに、さらなる研究を積み重ね社会貢献できることを願います。慢性症状で悩んでいる患者さんが改善されることは私たちの喜びであり生きがいです。皆様のご参加を心よりお待ちしております。

http://www.mindbody.jp/article/14791125.html

2013年3月28日木曜日

「治癒力」や「適応力」を最大限に発揮!

毎年、この時期には花粉が話題となりますが、最近ではそれに加えてPM2.5や黄砂などの問題がニュースで毎日のように話題になっていますね。外に出るとマスクをしている人が何か当たり前の光景ように感じてくるようになってきました。ファミリーカイロでも鼻炎や目のかゆみなどのアレルギー症状の検査をしてみると、大気汚染物質や黄砂などによって身体が過敏に反応している人が増えてきていることが分かります。

通常の医学モデルの世界では『有害なモノは避ける』という基本的な考え方があります。「そんなの当然でしょ」という人も多いでしょう。農薬などは害虫を殺すためのものですから明らかに人体に有害なので避けなくてはなりません。しかしながら、今話題になっているPM2.5(微小粒子状物質)などの動物実験による論文報告では、大気中の微小粒子が発がん性に「関与することが示唆される」としているその一方で、濃度や組成が場所により大きく異なることから発がん影響の判定は困難であると結論付けているようです。

今話題のPM2.5で問題なのは「毒性学的影響」よりも、「アレルギー学的影響」でしょう。アレルギー症状は、外からのアレルゲン自体にすべての人が過敏な反応を示すわけではありません。そこには「個人差」、「体質」というものがあります。その過敏度が高ければアレルギー症状に悩まされます。現代医学モデルのアレルギー治療も基本は『有害なモノは避ける』ということが根底にあり、アレルギー症状がある場合はその引き金となるアレルゲンを避けるということが基本的な指導になります。

ファミリーカイロでは身体の過敏症状を引き起こす大気汚染物質のアレルギー情報と身体とを適合させるアレルギー治療を施しています。分かりやすくいうと、身体が感知するアレルゲン情報を身体に慣れさせて、大気汚染物質などのアレルゲンに接しても身体が過剰に反応し過ぎないようにお手伝いする施術になります。治療を継続しながら身体がそのアレルゲンに反応を示さなくなると、鼻炎や目のかゆみなどの症状が改善されてきます。

最近では現代医学でもファミリーカイロの考え方と類似した「アレルゲン免疫療法」や「減感作療法」というアレルゲンを少しずつ身体に投与しながら慣れさせていく療法も注目されてきているようです。人間の身体は「適応力」、「順応力」という、様々な環境に適応しながら生き延びていく力を本来持ち備えています。その力を最大限に引き出して健康維持に役立てましょう。そして、マスクや予防薬を信じるよりも自分の「適応力」をもっと信じられるようになってほしいと考えています。

PM2.5情報、花粉情報、あるいはウイルス情報などの恐怖をあおるような情報に振り回され過ぎて、そのことで生活の質が落ち、健康被害を受けているような感じがするのは私だけでしょうか?このような情報を得ることは自分の健康を守る上で大切なことですが、もっと大事なことは人間の「治癒力」や「適応力」を最大限に発揮させることです。自分の身体を信じて活き活きと安心した心豊かな生活を実現してみませんか?

2013年3月24日日曜日

心理的要因が腰痛に影響するのは当たり前の時代

先日、以前から通院して下さっている患者さんから新聞の切り抜きをいただきました。タイトルは「腰痛 心理ストレスが誘発」。よくまとまった記事だと思います。最近はこのような心理的因子が腰痛に関係しているという記事やテレビ番組がだんだん増えてきているようで、患者さんのほうからその話を聞かせていただいています。

ファミリーカイロでは10年以上も前から心理的因子と身体のバランスの関係性を改善させる治療法の研究を継続してきていますが、ようやく世間一般ではそのことが当たり前になりつつあるように感じます。

とはいっても、医学モデルの影響は根強く、心理的因子が身体に影響を及ぼすということは非科学的だという理由で敬遠する人も少なくはありません。しかし、腰痛に限らず神経系‐筋肉系に関係するバランス異常は、80%以上は心理的因子が関係しているということは否定できない時代になるのではないでしょうか。

筋肉骨格系のバランス調整を目的にする治療者の多くは、心理的因子(ソフト面)は横に置いといて、身体面(ハード面)だけにしか目を向けない傾向があるようですが、将来はさらにソフト面とハード面の関係性に目を向ける治療者が増えてくることが予測されます。

心理的ストレスというと、一般的にはネガティブな感情を思い浮かべる傾向があるかと思いますが、心身条件反射療法(ニューロパターンメソッド)の研究では「喜び」や「意欲」などの肯定的感情も脳の誤作動を生じさせ、神経‐筋肉系のバランスを乱し、コリや痛みの原因になっていることが分かっています。

昔から心身一如といわれるように身体と心は切り離すことはできません。こころはとても複雑ですが、「刺激と反応」という視点でみればとてもシンプルです。ハード面とソフト面の関係性を施術することが当たり前になる時代にさらに貢献できるように、治療者仲間とともに毎日の臨床現場で研究を継続していきたいと願います。