2013年7月6日土曜日

心身条件反射療法(ニューロパターンセラピー)の総合的視点

心身条件反射療法(ニューロパターンセラピー)は、単に肉体のみならず、メンタル面との関係性を診ることで、様々な慢性症状の改善や幅広い健康面のサポート、さらにはコーチング技法を取り入れることで、人の可能性に焦点をあてることができる総合的な療法です。

最近では、腰痛や様々な慢性症状の原因として、心理面が大きく関係しているということがテレビや雑誌などで幅広く紹介されるようになり、人々が当たり前に話すような時代になってきています。しかしながら、そのための治療法は何かというと、薬物療法であったり、精神論であったりして、直接的に関与する治療法はまだまだ知られていません。

代替医療に関係する治療者は年々増加し続けているようですが、自然治癒力を引き出すことを目的とする治療者の多くは肉体面での施術にとどまり、メンタル面との関係性を診る範囲には及んでいないのが現状です。肉体面だけを調整するマニュアル的な手法には限界があります。

「自然治癒力とは何か?」「脳と自然治癒力との関係は何か?」心身条件反射療法(ニューロパターンセラピー)は総合的な視点で施術を行います。どのように総合的なのかという視点を解説してみたいと思います。

脳は、大きく分けて三層構造になっています。この三層構造は、マズローの5段階欲求モデルにある生理的欲求、安全の欲求、社会的欲求、承認の欲求、自己実現の欲求に関連して見ることもできます。人間の脳は様々な外部刺激を受けて、様々な反応作用を引き起こして健康を維持したり、病気を引き起こしたりしています。

第一層目は反射系の領域です。意識とは無関係に生命維持のために自動的に働いてくれる機能が備えられています。第二層目は大脳辺縁系と呼ばれる領域で、潜在的感情面や人間の本能的な感覚に関係します。第三層目は、理性的に考えたり認識したりする認知や判断に関係します。

脳の三層構造と神経系に基づいて総合的に健康を考えると、大きく反射系、感情、理性に分けることができます。第一層目では、身体内システムの神経反射的誤作動が健康に影響を及ぼします。自然治癒力を制限している第一層の誤作動を調整するためには、反射系の施術によって比較的短期に改善されます。

第二層目では心(潜在的感情)と身体の関係性による誤作動が健康に影響を及ぼします。自然治癒力を制限している第一層から第二層に関係する誤作動を調整するためには、反射系と感情領域に焦点を当てた施術で改善されます。第三層目では、信念や思い込みが神経系の反射系に関係して健康に影響を及ぼします。自然治癒力を制限している第一層から第三層に関係する誤作動を調整するためには、反射系と信念や思い込みに焦点を当てた施術で改善されます。

2013年7月5日金曜日

「心因性運動失調」

【はじめに】

心因性運動失調に絡んだ症状が、心身条件反射療法(以下PCRT)を併用した施術で早期に改善したのでその経過を報告する。64歳男性が、両手の震え、首や肩の重だるさ、ならびに浮遊感や股関節痛を訴えて来院。問診ではその症状は5~6年前より発症し、症状の悪化により両手の震えで茶碗を持つこともできずに、日常生活にも支障をきたしているという。病院での画像診断では頸椎の変形を指摘され、3日ほど通院したが変化がなかったとのこと。
いくつかの愁訴の中で、特に両手の震えは日常生活に支障をきたしており、深刻な問題であった。ハード面(肉体)の施術には神経関節機能障害改善を目的としたアクティベータ・メソッド(以下AM)を用いた。メンタル面に関連したソフト面(心身相関)の施術にはPCRTを用いた。
PCRTでは、症状に関連する「エネルギーブロック」(以下EB)を特定し、その関連パターンの学習記憶による誤作動を調整することが主な施術目的になる。術前と術後の評価の客観性を高めるためにも、患者の主観やPCRT独自の検査法に限らず、医学分野でも使われる神経学的機能検査の評価も行った。

【検査】

まずは、主な愁訴である「両手の震えがどこから生じているのか」に注目した。医学的に運動失調を引き起こす神経中枢系障害には部位別に、大脳性、小脳性、前庭性、脊髄性があり、振戦を引き起こす病態にはパーキンソン病、甲状腺機能亢進症、肝性脳症、本態性振戦、小脳性疾患、心因性、中毒性・薬剤性、生理学的振戦(疲労・緊張性)、ジストニアに伴う振戦などがある。振戦を動作やタイミングで分類すると、安静時振戦、姿勢時振戦、本態性振戦、動作時振戦、企図振戦がある。
問診から推測できたのは企図振戦であり、病院で医学的検査を受けていることから構造学的な原因ではないことがうかがえた。小脳性運動失調の疑いがあり、脊椎性運動失調との鑑別でロンベルグ試験を行ったが陰性で閉眼の影響はなかった。歩行では若干のよろめき歩行がみられた。その他、指-指試験、指-鼻試験、手回内-回外試験、踵-膝試験では左側で全て陽性反応が示された。患者自身も左側の動作に抵抗を感じていた。
それ以外にPCRTの効果判定に使う神経学的検査法として、ハッカ油による臭覚刺激とペンライトによる視覚刺激、メトロノームによる聴覚刺激、眼球運動によるその他の脳神経刺激などを加えて神経反射検査を行い、右側の聴覚刺激と右側眼球運動によって陽性反応が示された。

【経過】

合計で5日間、すべてAMとPCRTの施術を併用した。毎回、施術では初めにAMにより神経関節機能障害の改善を図った。心と身体の関係性による誤作動反応にはPCRT施術を行った。通院経過中に分析した関連感情は、「保護」、「恐れ」、「楽しみ」、「意欲」、「拘束」、「喜び」、「孤独」などで、様々な事柄が絡んでいた。PCRT施術後には毎回、EB陽性反応が消失し、それに伴って神経学的検査反応の改善と症状の改善が顕著に表れた。4日目には小脳機能を強化する目的で、片足立ちのバランス強化のリハビリ運動も指導した。
5日の施術最終日、小脳失調運動の神経学的検査では、初回検査と比較すると、顕著な改善が見られ、患者本人からも日常生活には支障がないまでに回復されているとの報告があった。完全ではないにしろ患者の方から治っているという自信が得られているので、希望により様子をみてもらい、悪化を感じたら来院するように促した。3か月半の間、患者の再来はなかった。

【考察】

患者は以前当院を利用して下さっていた娘さんの奨めで来院された。感情の検査では、いくつかの否定的感情や肯定的感情が混同していたが、施術経過の全体を通じて、「保護」というキーワードが主に影響を及ぼしていたように感じた。「保護」という感情は、あまり示されない感情なので、患者に「何か保護というキーワードに関連する思い当たることはありますか」と尋ねると、患者自身はすぐに思いつかなかったが、横で付き添われていた娘さんが「私でしょう」という。お父様も納得された様子でその感情に対して施術を行った。その時は「保護」の内容は詳しくはお聞きしなかった。
その後、お孫さんも学校へ行きたがらないということで来院。お孫さんの施術の際にご主人と別居されているというお話を伺い、娘さんのメンタル面やお父様の震えの背後にある「保護」という感情の因果関係が見えてきた。お父様が来院されたときには、そのような精神的ストレスの話はされなかったが、恐らくそのことでお父様が心配されて症状が悪化したのかもしれないと思い、娘さんが当院を勧めてくれたのかもしれない。以前、娘さんには当院を利用していただいていたので、心と身体の関係性のことはよく理解していただいていた。
運動失調の原因には脳血管障害や腫瘍などの構造的な問題が原因の場合もあるが、本症例のように心因性の運動失調もある。心が身体に影響を及ぼし、身体が心に影響を及ぼしているということは周知のとおりでその関係性は密接につながる。心身条件反射療法は、心と身体の関係性による誤作動を検査して施術を行う統合的なエネルギー療法である。まだまだ発展途上の施術法ではあるが多くの患者に貢献できることを願っている。

2013年6月1日土曜日

心身条件反射療法(ニューロパターンセラピー)研究会基礎1の報告

本年度の心身条件反射療法(PCRT)研究会が5月からスタートしました。今回の基礎1にはいつものように熱心な先生方にお集まりいただき、とても有意義な研究会を開催することができました。特にPCRTハード面調整法では、検査となる受容器への第一刺激、調整となるシナプスへの第二刺激、ならびに時間的促通効果と空間的促通効果の概念を背景にした理論による臨床効果はご理解いただけたのではないでしょうか。



また、PCRTソフト面調整法の基礎編として、患者に一日のサイクルの場面をイメージしてもらいながら検査と調整を行う手法をご紹介しました。PCRTでは施術の核となる心身相関へのアプローチは重要な部分ですが、PCRTを導入するに当たって、ハード面の施術からソフト面の施術への移行は多くの先生方が苦労されているようです。この点は、治療の幅を広げるための大きな壁にはなりますが、今回のソフト面調整法の基礎編、ならびにその導入法は、その壁を低くするためには有効なヒントになるのではないかと期待しています。

一日のサイクルの場面をイメージして検査するグループワークでは思わぬところで陽性反応が示されるという無意識の誤作動を体験された先生方も多かったのではないでしょうか?また、イメージ=反応という心身相関の検査、ならびに施術を体験され、治療法の幅の広さを実感していただいたのではないかと感じました。ライフコンパスアカデミーのスタッフ、ならびにグループリーダーの先生方のご協力により、笑いと活気に満ち溢れた充実した研究会になりました。

今回の研究会の中で様々なご質問をいただきました。いくつかのご質問の中で、もう少し補足説明をした方がよいと感じた内容が二つありましたのでご説明させていただきます。
最初は、「原因と結果」についての質問です。「原因があるから結果がある。」その因果関係の概念に関しては仏教や哲学の分野で様々な角度から述べられています。今回は病気や症状の因果関係について解説させていただきました。例えば、外傷性の病気や症状はごく単純です。車にぶつけられて、転倒して骨折した。車による衝突が原因で、結果として骨折したということになります。この因果関係に関しては疑いの余地がありません。

しかし、慢性的な症状の原因と結果に関する「因果性」に関しては、多くの人が信じている因果関係が、実は誤解や錯覚という誤謬が多いようです。例えば膝の変形性関節症は、膝の関節変形が痛みの原因とされることが多いようですが、多くの場合、神経系、筋肉系のバランスが整えば、関節が変形したままでも症状が改善されます。これは明らかに関節の変形が原因ではないと言えますし、さらに言えば、神経系、筋肉系のバランス異常が原因で、結果的に関節への変形が生じたといえるでしょう。

原因がよく分からないとされる慢性的な腰痛や肩こり、関節痛の場合、肉体内の原因として考えられるのは筋肉系のアンバランスです。その筋肉系のアンバランスは神経系の誤作動によって引き起こされます。その神経系の誤作動は、意識と無意識の心の関係性によって生じることが少なくはありません。さらにその上の因果関係を追求すると、心に及ぼす因果関係には分からないことがたくさんあります。

全ての因果関係を知ることは不可能ですが、ストレスが身体に影響を及ぼすということは周知のとおりです。ストレスが「原因」で身体に表れる症状や病気は「結果」となります。風邪やインフルエンザの症状はウイルスが「原因」で発熱や体調不良が「結果」です。花粉症の症状は花粉のアレルゲンが「原因」で鼻炎や目のかゆみなどが「結果」になります。通常は「原因」があるから「結果」が生じるので、「原因」を取り除けば症状が改善すると考えます。ストレスであればストレスを取り除けばストレスに関連する症状が改善します。アレルギー症状であれば、アレルゲンを避ければ症状が生じないというシンプルな法則が成り立ちます。

しかし、同じようなストレスやウイルス、あるいはアレルゲンに触れても、人によっては症状の強弱に違いがあったり症状が出ない人もいます。それはなぜでしょうか?それは原因と結果の間にある「関係性」に違いがあるからです。その「関係性」とは外からの原因に対して、症状を引き起こすような「誤作動」のスイッチが入るかどうかのプロセスの違いです。誤作動のスイッチを自動的に入れるかどうかは脳と神経系の学習記憶によってプログラム化されています。

PCRTではその症状を引き起こす誤作動のプロセスによってプログラム化された学習記憶に注目します。誤作動のプロセスを引き出して、施術によって誤作動のスイッチが入らないようにしていきます。ストレスやアレルゲン、ウイルスの程度にもよりますが、施術を繰り返すことでそれらの外的要因に対する適応力や抵抗力がついてくることになります。人間の許容範囲を超えるストレスやウイルス、あるいは毒物などは避けなくてはなりません。しかしながら、本来人間は適応力や治癒力を持ち備えていますので、その力を最大限に発揮するための施術であるといえます。

特に慢性症状の場合、単に原因を排除するというシンプルな考え方では解決できない症状や問題などがたくさんあります。原因と結果の間にある関係性(誤作動のプロセス)にはたくさんの意味があります。もしも、ストレスが原因であれは、ストレスを避けるか、考え方を変えなければ症状が改善されないと考えられがちですが、ストレスを避けなくても考え方を変えなくても、その誤作動を施術することで症状が改善され、メンタル的な感じ方にも変化が生じてきます。

脳の障害で性格が変わったという症例報告があるように、脳の誤作動に変化を促すことで感じ方にも変化が生じます。PCRTでは、脳の誤作動は神経回路ネットワークにあるシナプス可塑性に関係し、神経回路の配線パターンに変化を促すことで、新たな神経回路ネットワークが構築されて、誤作動が改善すると考えています。無意識レベルで関連した情動は、この誤作動に注目することで症状が改善されますが、信念などの意識と無意識レベルが関連した症状は、理性的に信念の書き換えが必要な場合もあります。

このように原因と結果だけの因果性を考えると、原因を変えなければ結果が出ないということになります。もちろんそのような場合もあります。しかし、原因と結果、ならびにその間にある関係性を入れた因果性を考えると、原因を変えずにそのプロセスにある関係性を変えることで結果がかわることも多々ありますので、PCRTでは主にその関係性に注目して施術効果を引き出しております。

次に「自己療法」についてのご質問がありました。PCRTの自己療法の研究に関してはまだまだ研究課題がたくさんあります。特にソフト面調整法に関する自己療法は、顕在意識よりも深い潜在意識レベルの感情面に注目して施術効果を引き出すので、そのレベルの自己検査、判断には深いレベルの訓練が必要になるでしょう。これは自分の体臭が分かりにくいのと同じで、自分の潜在意識を客観的に評価するのは難しいと言えます。

例えば、ある人に対して、ネガティブな感情を抱いたとします。その感情がメンタル的にも身体的にも誤作動を生じさせているかどうかを自分で判断する場合、理性の自分は納得して気にしていないと判断するかもしれませんし、感性のもう一人の自分は気にしているかもしれません。また、身体に影響を及ぼしている感情は、ネガティブな感情だけでなく、「喜び」や「意欲」など肯定的な感情も身体に影響を及ぼしますので、身体に影響を及ぼしているのかどうかの判断はさらに難しくなるかもしれません。

患者さんへの治療経験を通じて、このような潜在的な心理面に触れる施術経験を積み重ねていくと、自分もこのような潜在的な感情が隠れているだろうという直感力が磨かれてくるのでご自身の内面を客観視しやすくなります。そのような訓練がある程度できてくれば、その範囲内では自己療法が可能だと思います。その点、自己療法が容易にできるとすれば、PCRTハード面調整法です。症状の程度やメンタル面との関係性の深さにもよりますが、筋骨格系の症状に対しては今回ご紹介したハード面調整法は効果的だと思います。

今回ご紹介したPCRTハード面調整法で患者に対しての手法を自分に応用すればできます。手法としては、症状のある関節や筋肉に手を当て、受容器に第一刺激を加えます。次に第二刺激として丹田部や後頭部、あるいは前頭部に手を当て軽い振動刺激を加えながら深呼吸をして、呼気の最後に息をフッと吐ききるようにします。この第一刺激と第二刺激を基本施術として、さらに応用編として症状のある動作をとり、症状のある部位に手を当て第一刺激を加えて、同様に第二刺激を加えて、症状の軽減を確認しながらこの自己療法を繰り返して行えば、症状の軽減や消失などの変化が現れると思います。

次回のPCRT基礎2では、今回の基礎1からステップアップしたハード面とソフト面の調整法をご紹介させていただく予定です。

2013年5月2日木曜日

PCRT基礎1のご案内

いよいよ今年度の心身条件反射療法(ニューロパターンセラピー)(以下PCRT)研究会が、今月の26日、27日の基礎1を皮切りに開催されます。

毎年、情報量が多すぎて消化不良になる傾向があるので、今年はゆとりを持って、理論よりも実技を重んじ、必要に応じて理論の説明をしていけるように心がけていきたいと考えています。

多くの先生方は理屈よりも、シンプルで効果的な治療法を身に着けたいと願っていることでしょう。それは患者さんも同じで、理屈よりも早く結果を出してほしいはずです。しかしながら、特に慢性症状を改善するためには、それなりの治療回数が必要です。

患者さんは、頭では治療回数が必要だと分かっていても、最初はその先生を信頼して治療を継続していいのかどうかは半信半疑だと思います。信用していただくためには、理屈よりも治療効果を体感していただくことが必要になるでしょう。

症状の種類にもよりますが、腰痛や肩こり、関節痛など筋骨格系症状の場合には、来院時の検査でその症状を再現することができます。そして、その治療効果があるかないかも治療前と治療後の検査で比較的簡単にわかることが多いです。

例えば、腰を左右に捻ると痛かったのが、治療後に痛みが軽減、あるいは消失した。腕を上げると痛かったのが痛くなくなったなど、症状の改善は明らかに治療効果によるものだと分かれば、患者さんからの信頼度は高くなります。

慢性症状であれば、次の来院時にぶり返すこともあります。症状が完全に消失しなくても、治療を継続していく中で症状が徐々に改善されていき、ぶり返さなくなり、さらに「ぶり返す場合は、ぶり返す原因パターンもある」という内容を説明されると、患者さんとの信頼関係に悪い影響を与えることは少ないでしょう。

肝心なのは、患者さんが、治療後に多かれ少なかれ症状の改善を感じられるかどうかではないでしょうか?患者さんは治療法を信じるというよりも、治療者の人柄や技量を信じて通院してくださるのではないでしょうか?

よって、治療者自身が自信を持つことのできる確かな治療技術が必要で、その治療技術は患者さんにとってもシンプルで分かりやすいことが求められるでしょう。今回の基礎1はハード面の検査法と即効性のある施術法のマスターを目的に講義と実技を進めていきます。

今年が初めての方がすでに10名ほど申込まれていますが、その先生方が、基礎1終了後に臨床現場ですぐに使えるハード面の施術法をご紹介します。継続して下さっている先生方も、今までの学習内容がシンプルに整理されて、臨床現場でより効果的に使っていただけるようになると思います。

PCRTの治療対象は、筋骨格系症状のみならず、アレルギー、自律神経失調症、不眠などメンタル症状、コーチングなど幅広い分野に及びますが、まずは筋骨格系症状の改善が当たり前に改善されるようになり、段階的に中級、上級へステップアップしていきます。

PCRTにおいてエネルギーブロック(EB)を特定する神経反射検査法の習得は、症状改善のための必修条件です。そのためにも、比較的症状改善が治療直後に分かりやすい筋骨格系のハード面の検査施術法からマスターしていただきます。

そして、PCRTの真骨頂である心と身体の関係性による誤作動の施術へと進んでいきます。これは心理療法と身体療法の隙間を埋める心身相関の誤作動の施術法です。

今年も継続して研究会にご参加していただき、楽しく心身条件反射療法(ニューロパターンセラピー)を使い、患者さんと喜びを共有し、さらに患者さんとの信頼関係を密にしていただければと願います。皆様のご参加をお待ちしております。

2013年5月1日水曜日

アレルギー性鼻炎

3歳の男の子が、アレルギー性鼻炎の症状を訴えて来院された。お母様によると1年前より症状が始まり、だんだんとひどくなっているらしく、睡眠時には鼻が詰まって苦しそうだという。耳鼻科へも4回ほど通院されて飲み薬と点鼻薬を処方されたが改善されなかったという 。

最初は、集中的に通院していただき、誤作動反応の消失による症状改善に伴って間隔を少しずつあけながら継続していただいた。途中でぜんそく発作や風邪を引くこともあったが以前よりも治りが早くなっているとのこと。

鼻づまりの症状は10回以上の治療を継続した位から徐々に改善へと向かい、睡眠中の息苦しさも改善されていった。排気ガスや花粉などのアレルゲンに加えて、様々な感情も自律神経系の誤作動につながっていた。

以下のインタビューは改善された後だったが、その約一か月後に幼稚園に入園されてから症状がぶり返したとのことだった。感情面が多くからんでいので、入園という大きな変化でのぶり返しは心配していたが、一度改善されているので、自然治癒力の誤作動は修正しやすくなっているだろう。すぐに原因パターンを消去すれば治りも早くなると思う。

2013年4月30日火曜日

症状のぶり返しには原因がある。

腰痛やアレルギー症状などで、いったん改善したのにぶり返すことがある。慢性腰痛や肩こりなどの筋骨格系の症状などは、特に治療直後に改善される方が多い一方で、次の来院日に症状がぶり返したといわれる患者さんも少なくはない。治療直後に症状が改善されて、症状をぶり返す人と、ぶり返さない人との違いは何だろうか?

治療直後には改善していたにも関わらず、治療が足りなかった、治療に何かが欠けていたと考える患者さんもいるかもしれない。元に戻ったのだから単純に治療効果がなかったと考える患者さんもいるだろう。治療回数を重ねるごとに段々と改善していたのに、ある時、元のような症状がぶり返したときに、悪化したと感じる患者さんもいるかもしれない。

治療直後に痛みの軽減、消失、筋緊張の緩和、バランス異常が改善するということは、施術によって自然治癒力が正常に働くようになったということである。それが元の状態にぶり返すということは、自然治癒力をブロックさせるパターンの学習記憶状態に戻ったということでもある。心身条件反射療法(ニューロパターンセラピー)ではそのように考えて、そのパターンを追跡して本質的な症状の改善を目指す。

ではどのようにそのぶり返しのパターンを追跡すればよいだろうか?まずは、患者さんの治療後の経過を詳しく問診する。症状をぶり返す期間のパターンも様々で、治療院を出てからすぐにぶり返す患者さんもいれば、数か月から数年でぶり返す人もいるだろう。もしも、24時間以内にぶり返したら、基本的な生活のパターンに分けて、そのパターンをイメージしてもらいどのパターンで「緊張パターン」が生じているかを検査する。

例えば、自宅に居る時のイメージで「緊張パターン」を示す場合、職場にいる時のイメージで「緊張パターン」を示す場合など、特定の場面で「緊張パターン」がぶり返されることが多い。場面のイメージで身体が「緊張パターン」を示すということは、脳が誤作動を学習記憶しているということでもあるので、その誤作動が生じないようにそのパターンのイメージで施術を行う。そうすると、その場面で症状がぶり返さないようになる。

このように症状をぶり返したパターンが分かることで、本質的な症状改善の治療ができ、その治療によって、身体がその環境に適応できる体質へと変化して、適応力が高まり、ぶり返しにくくなるといえる。しかしながら、人間は常に環境の変化にさらされており、その変化に伴って、メンタル面も常に変化している。別の原因パターンで同じ症状を繰り返す場合もあるだろうし、もしかすると、それ以来その症状に悩むことはなくなるかもしれない。

以下は一度改善されて、再度ぶり返されて改善した症例のインタビューをご紹介する。

腰痛症のぶり返し例

 
 
花粉症のぶり返し例
 
 
 
 


2013年4月19日金曜日

2013年度PCRT研究会のご案内

昨年、日本整形外科学会と日本腰痛学会は、「腰痛の発症や慢性化には、心理的なストレスが関与しており、画像検査などで原因が特定できない腰痛は、全体の85%以上を占める」との報告書をまとめました。最近では一般向けのテレビや雑誌などで、メンタル面が腰痛や肩こりなど身体症状に影響を及ぼしているという内容の情報が多く報じられるようになってきました。症状の原因が潜在意識と関係しているということがだんだんと一般的になりつつあるようです。

この傾向は、病気の原因を機械構造論で説明するには限界や矛盾があるということが示されています。骨折、脱臼、外傷、あるいは内臓の構造的な欠陥による病気や症状には最先端の現代医療がその力を発揮してくれます。構造の修復や再生医療の発展は目覚ましいものがあります。しかしながらその一方で、診断技術が進めば進むほど原因不明の慢性疾患が増えてきて、対症療法に満足できない患者様も増えてきているのが現状です。

慢性疾患やアレルギー症状などは特に自律神経系の誤作動が心身に学習記憶された結果です。基本的に人間の身体は「自然治癒力」という力を持ち備えていますので、基本的に病気や症状は治るようになっています。その治癒力を止めているモノは何か?それは目には見えない「生体エネルギー」のブロックです。その「生体エネルギーブロック」は肉体面(ハード面)のみの施術で解放できる場合と、メンタル面との関係性(ソフト面)の施術が必要な場合と大きく二通りあります。

感情面が肉体面に影響を及ぼすということが分かると、その原因感情を変えなくてはならないと判断されがちですが、心身条件反射療法では、心と身体の関係性による自律神経系の「誤作動」に注目しその調整を行います。そこが認知行動療法などの心理療法とは異なるところです。関係性による誤作動は有機自然療法の治療者が関わる専門の領域であり、心身条件反射療法は肉体面(ハード面)の施術と心理面(ソフト面)の療法との隙間を埋める施術法です。

私たちは10年以上も前から、「潜在的ストレス」が「生体エネルギーブロック」に多大な影響を与えているということを臨床現場で確証してきました。そして、その症状や治癒力をブロックさせる「潜在的ストレス」に直接働きかける施術法の開発に長年の臨床研究を積み重ねてきました。何万回もの「失敗と成功」を繰り返しながら進化し続け、治療法がシンプルにシステム化されました。そして、その治療法を効率よく教授するトレーニング法も改善を重ねシステム化されてきました。

このような施術法はまだまだ発展途上ではありますが、このような施術法を知らずに、治るはずの病気や慢性症状を抱えて困っていらっしゃる方が全国に大勢います。一人でも多くの人々がご自分の治癒力を信じて健康で豊かな生活ができるように、本質的な施術法を追求する治療者の方々とともに、さらなる研究を積み重ね社会貢献できることを願います。慢性症状で悩んでいる患者さんが改善されることは私たちの喜びであり生きがいです。皆様のご参加を心よりお待ちしております。

http://www.mindbody.jp/article/14791125.html