2014年4月14日月曜日

野球選手のイップス(送球恐怖症)の改善!


ある専門職仲間で構成される野球部の選手(ピッチャー)が、肩の症状とイップス(送球恐怖症)で来院。約1年前からその症状を抱えており、週末一回のペースで行われている練習のたびにつらい思いをされているとのこと。

基本的な施術法はアクティベータ・メソッドと心身条件反射療法(ニューロ・パターン・セラピー)【PCRT】との組み合わせで行った。改善のポイントは心身相関的に影響を及ぼしている神経的な誤作動である。それは潜在的な感情と神経系との関係性で学習記憶されている誤作動であり、その誤作動の学習記憶を再プログラム化していく。

特に無意識的にアンバランスのスイッチを入れる「潜在的な感情」の検査が重要で、その検査がスムーズにいけば、後は消去法のように潜在的感情とリンクした誤作動パターンを消去していく。その誤作動のパターンが取れればとれるほど、イップスの症状は改善していく。

初回の検査では、「連帯感」→キャプテンとしてのチームワーク、責任。「恐れ」→周囲からの評価や批判。「意欲」、避けたい。「義務」→経験者としてできねばならない。「恐れ」→交代(過去の経験)。2回目の検査では、「劣等感」→過去の自分との比較。イップス以外の肩の痛みの症状も、「義務感」、「恐れ」、「責任」、「劣等感」の感情が絡んでいた。

3回目に来院されたときには、イップスの症状があまり出なかったとのご報告をいただいたが、今までになかった左腕の違和感を生じたとのこと。検査をしてみると、筋肉系のバランス異常の反応が示されたので筋肉系の調整を行った。イップスは様々な場面で学習記憶されている場合が多いので、試合の場面を様々な角度から想定してイップスの検査をしてみた。

ある程度、基本的なイップスの誤作動パターンは消去されたが、さらにもっとも緊張するような試合での場面(満塁で勝敗を左右)を想定してもらい検査をしてみると、陽性反応が示されたのでその感情も調整した。4回目の検査では、筋肉系のバランス異常反応と試合の勝敗を左右する満塁の場面でイップスの反応が示された。同じパターンがぶり返していたのでさらに深いレベルとパターンを検査して施術を行った。

イップス(送球恐怖症)の治療経過は良好で、イップス症状の誤作動パターンが消去されるに伴って、症状が改善される。もしかすると、今後の練習や本番の試合で、隠れている誤作動パターンが示されるかもしれないが、学習記憶された誤作動の陽性反応を消去していけば症状がさらに改善されるだろう。

特に、イップスのように明らかに心と身体の関係性による誤作動の症状は、肉体面だけ、あるいはメンタル面だけと分けて治療するのではなく、心身相関的な関係性を検査して施術を行わなければ本質的な治療にはつながらないだろう。実際に臨床現場では、イップスといわなくて、心と身体の関係性による誤作動による様々な体調不良はとても多いように感じる。

追記:イップスの改善報告!
先日、卓球のイップスの症状で通院されていた患者さんが、全九州卓球選手権のダブルスの部門で準優勝されたたとのご報告をしてくださいました。ご報告ありがとうございます!!この患者さんも脳に学習記憶された誤作動パターンを消去しながら治療を行った結果改善されました。

2014年4月2日水曜日

体に合わせる「アレルギー治療」

先日、「アレルゲン免疫療法」という特にスギ花粉症に対する治療法がテレビでも紹介されていました。アレルゲン免疫療法は、減感作療法とも呼ばれ、アレルギーの原因である「アレルゲン」を少量から投与することで、体をアレルゲンに慣らし、アレルギー症状を和らげる治療法です。以前は、皮下注射による減感作療法が行われていましたが、注射による痛みや長期間に渡る定期的な通院などの面で患者の負担が大きく、重篤な副作用が問題となっていました。そこで最近ではスギ花粉舌下液を舌下に投与する方法が開発され、自宅での服用も可能であるということです。治療は長期間(3~5年)かかるとされ、すべての患者さんに効果が期待できるわけではないということです。

このアレルゲン免疫療法の「体をアレルゲンに慣らしていく」という治療目的は、ファミリーカイロで行われているPCRT(心身条件反射療法)のアレルギー治療と類似していますが、治療法やアレルゲンに対する考え方は異なります。PCRTではアレルゲンを量子力学的に「物質=エネルギー=情報」という概念でとらえています。アレルゲンがもっているエネルギー的波動情報を、アレルギー症状をもつ患者さんの生体エネルギーに合わせる目的で治療を行います。アレルゲン免疫療法のように実際のアレルゲンエキスを人体に使ったりはしません。

PCRTのアレルギー治療は、恐らく病院で行われているアレルゲン免疫療法よりも早期に改善され、副作用などはありません。「体をアレルゲンに慣らしていく」という治療目的は同じなのですが、人体を検査器具として使うため検査も簡便です。また、臨床経験から、関係するアレルゲンだけで合わせる治療をするよりも、アレルゲンに関連した「感情」を組み合わせて治療を施すことで、早く治療効果が引き出せることが分かっています。

目鼻、呼吸器、皮膚などのアレルギーで悩まされている方は増えてきているようですが、根本的に治すためには、対症療法ではなく、「体をアレルゲンに慣らしていく」ということが基本になります。本来人間の体は、様々な環境や物質、微細なアレルゲンに「慣れる力」、すなわち「適応力」を持ち備えています。逆にいうと、アレルゲンを避けようとすればするほど、「過敏度」は高まり「慣れる力」は低下するということになります。

ファミリーカイロでは、その「慣れる力」を最大限に引き出す臨床研究を長年継続しております。アレルギー症状の程度や期間によって、症状が改善するまでの期間は様々ですが、反応を示す原因パターンを消去することで段階的に改善していきます。アレルギー症状でお困りの方はお気軽にご相談下さい。

先日、拙著「体の不調は脳がつくり、脳が治す」が出版されました。PCRTのアレルギー治療に関する内容にも触れています。ご興味がありましたら書店、インターネットでお買い求めいただければ幸いです。ファミリーカイロでも販売しております。

2014年3月12日水曜日

原因不明の胸部痛、PCRTでは内分泌系の機能障害が絡んでいた

4日ほど前から思い当たる原因がなく胸部痛が強くなり、いくつかの病院を回り、最終的に大学病院でCTの検査をしたけれども異常が見つからなかったらしい。とりあえず症状がある部位にステロイド注射を二日間打ってもらったが症状は改善されずに来院。


大学病院の先生によると、尿酸値が高いので、痛風のような痛みが胸部にきたのではないか?でもその様な症例は見たことがないといわれたらしい。胸部痛以外にも、20日ほど前から左膝関節と左肩関節の痛みがあったという。

来院時には呼吸も荒く、胸部痛のために寝返りにも時間がかかり、胸部を軽く押さえただけで、痛みが増強する。特に左肩関節を上に挙げるのが困難で、左側の頸部痛が伴う状態。かなり痛みが強い状態なので、胸椎付近の触診もあまりできない。

アクティベータ・メソッドの施術を最初に行い、次にPCRTにてエネルギーブロック(EB)の検査を行う。主に胸腺と甲状腺の内分泌系のEBが示された。EBの原因に関係する感情を調べてみると、意欲、連帯感、義務感、劣等感の感情が絡んでいた。

施術後呼吸も正常に戻り、寝返りも楽にできるようになった。肩関節や頸部の運動時痛も消失して、とてもつらそうな顔から安心感が現れた。治療前に比べるとかなり症状が改善されたが、時間の経過に伴ってぶり返すこともあるので、継続治療が必要だろう。

内分泌系の機能障害による痛みのメカニズムは定かではないが、内分泌系のEBの陽性反応が消失することで痛みが改善される患者さんも少なくない。他には、甲状腺に絡んだ代謝障害や疲れ感、婦人科系の内分泌障害、副腎皮質などのEBを解消させることで多くの症状が改善される。

2014年3月6日木曜日

2014年度PCRT基礎1のご案内

2014年度PCRT基礎1のご案内

いよいよ3月16日、17日にPCRTの基礎1が始まります。今年から来年に渡って、基礎1、基礎2、中級1、中級2、上級1、上級2が予定されています。PCRTの施術領域は筋骨格系、アレルギー系、メンタル系、臓器系、内分泌系など多岐にわたる症状に適応できます。関節系、筋肉系、さらには経絡・チャクラなどの生体エネルギー系の誤作動の調整のみならず、心身相関による誤作動の調整も行う本質的な施術法です。PCRTの学びを深めることで、症状が改善する人がいる一方で、なぜ症状が改善されない人がいるのかということの本質が『脳と身体の学習記憶』にあるということも見えてきます。

PCRTの本質とその技術を着実にマスターしていく学びの道筋として、ステップ1では主に肉体ハード面の反射系領域の検査法と施術法を学びます。ステップ2では主にソフト面の心身相関領域の施術法を学びます。そして、ステップ3として『信念や思い込みに関係する検査法と施術法』を学びます。解剖学的にはステップ1では主に『脊髄、脳幹領域(第一層)』、ステップ2では『大脳辺縁系(第二層)』そして、ステップ3では大脳新皮質領域へのアプローチを行います。

誤作動を検査するターゲットとしては、ステップ1では主に反射系を利用して関節系や筋肉、筋膜系への受容器への誤作動を診ます。ステップ2では主に感情に関係する心身相関領域の検査、施術を行います。そして、ステップ3ではコーチング技法を応用しながら心身相関的に誤作動を生じさせている思い込みや信念に対するアプローチを行います。よって、これらの技法と統合すると、本質的な意味で心身を有機的な生命体としてとらえる『心身相関統合療法』になります。

PCRTに参加されている多くの先生方は臨床でアクティベータメソッドを活用されています。それ以外にも様々な施術法を臨床現場で活用されていることでしょう。本研究会を継続的に参加されることで、様々な手法によってなぜ効果があるのかという本質が見えてくるでしょう。『○○の療法だから効果がある』という認識から『○○の療法の○○の刺激による○○の作用によって効果がある』という本質が見えてくるでしょう。

始めて参加される先生方にとっては今まで語られなかった「症状の原因」を学ぶことができるかもしれません。そして、継続して参加して下さっている先生方にとっては、より幅広く深みのなる本質的な概念や手法が明確になり、治療家としての自信をさらに深めることができるでしょう。


『継続は力なり』です。

2014年2月13日木曜日

「刺激」→「処理」→「反応」がもたらす作用

先日、新万能細胞といわれるSTAP細胞発見のニュースがあった。この革命的なニュースで特に興味深かったのは、研究過程での偶然の発見であるということである。研究者の小保方さんは、「細胞に強いストレスがかかると、どうにか生き延びようという仕組みが働くのではないか」と考え、思いつくストレスをどんどん細胞に試したという。STAP細胞が打ち破った常識は「動物細胞でも外的刺激で初期化した」「あまりに簡単すぎる技術で実現」など数多い。

これほど常識破りだったため、昨年春、世界的に権威ある英科学誌ネイチャーに投稿した際は、過去何百年の生物細胞学の歴史を愚弄していると酷評され、掲載を却下されたらしい。だが、「STAP細胞は必ず人の役に立つ技術だ」との信念を貫いて膨大なデータを集め、今回は掲載にこぎつけた。「何度もやめようと思ったけれど、あと1日だけ頑張ろうと続けてきて、いつの間にか今日に至った」と話されたという。

近代科学の常識にとらわれない発想が今回の発見につながったのだろう。この素晴らしい研究成果とPCRT療法の臨床現場での成果を重ねあわせるのはいささかおこがましいが、現代科学の常識にとらわれない発想と、様々なストレス刺激を試して治療法を生み出してきたというところはとても興味深い。PCRT療法では、「ストレス=刺激=振動=情報=エネルギー」という捉え方をするという意味においては、身体への刺激、脳への刺激、五感を通じた様々な組合せ刺激によって、神経細胞ネットワークへの変化を促し治療効果が引き出されているという点においては共通点があるように感じた。

このPCRT療法も「刺激」と「反応」という生体反応の無条件反射と条件反射作用の様々な組み合わせを試すことで治療体系が確立されてきた。「治る人と治らない人の違いは何か?」それは、様々な「刺激」に対する脳の「処理」がどのようになされるかで、病気や症状につながる「反応」がでるかでないかが決定される。「刺激」→「処理」→「反応」がもたらす作用の過程の脳の処理をPCRTでは脳の『学習記憶』といい、別の言葉でいえば、それは「適応力」になるだろう。

私たちは様々な環境の変化に適応して生き延びていく「適応力」と「自然治癒力」とが密接に関係しあいながら、私たちの健康は保たれている。基本的に私たちは様々な刺激情報の中で生活を営んでおり、その刺激に対してどのように身体が反応を示すかで、同じような環境の中で生活していても、不調になる人とならない人がいるのである。言い換えると人間がどれだけ環境からの刺激に対して幅広く適応できるかで健康にも不健康にもるといえるだろう。

普段、私たちは変化に適応するということは、ほとんど意識していないが、流れゆく時間の経過とともに周りの環境は常に変化し、様々な情報刺激にさらされ、脳や身体が自動的に反応を示している。この「刺激」に対して、どのように「反応」を示すか。それはどのように脳で「処理」されるか、どのように脳でプログラム化されるかということでもある。そして、そのプログラムはいつでも再学習することが可能である。そのサポートをするのが心身条件反射療法(ニューロパターンセラピー)【PCRT療法】になる。

画像はhttp://www.tera-house.ac.jp/tec/blog/index.php?blogid=11より引用させていただきました。


2014年2月6日木曜日

「挑戦」と「安定」とのバランス

年の初めには「今年も頑張ろう!」と意気込みを感じる人と、その一方で、「今年は無理をせずのんびりしよう!」と、年の節目に、気持ちを新たにする方も少なくはありません。それは、大きく分けると「挑戦」と、「安定」というテーマで考えることができます。この「挑戦」と「安定」は、「健康」や「人生」にとても深く関係していると私は思います。

「日常生活の心理学に関して、今世紀最高の研究者」とも言われているアメリカの心理学者のミハエル・チクセントミハイは、有名な「フロー理論」を提唱しました。フローとは「全人的に行為に没入している時に人が感じる包括的感覚」、「集中力が抜群で、活動に完璧に没頭している最高の状態」と表現をされています。

人は「フロー体験」をすることで、人間の無限の可能性を引き出し、素晴らしい成果を引き出すといわれています。その「フロー体験」が実践されていた職場として、創業者の井深大さんが健在だった当時のソニーが紹介されています。戦後に混乱期に掲げられた「真面目なる技術者の技能を、最高度に発揮せしむべき自由闊達にして愉快なる理想工場の建設」・・・というソニー設立趣意書の創業理念に基づいて突き進んでいた頭脳集団が、「フロー体験」によって、当時としては革命的な製品を世に出してきたといわれています。

人は何もしないと「無気力」になります。社会問題にもなっている認知症にはこの「無気力感」が関係しているといえるでしょう。何らかのスキル(能力)を身に着けると満足を感じますが、だんだんとそれに慣れると「退屈感」を感じます。少しチャレンジして高いスキルを身に着けると自信がついて、「満足感」や「安心感」を感じ、さらには「幸福感」も感じるかもしれません。その一方でチャレンジの度合いが高くなると、「心配感」を感じます。さらにチャレンジの度合いが高くなると「不安」になりストレスを強く感じるようになります。

人は本能的に「安定感」や「安心感」を求める傾向がありますが、そこには「退屈感」が伴うことが少なくはありません。だからと言って「挑戦」ばかりが継続するとストレス度が高まり、心身共に疲弊しがちになます。人は「退屈」と「挑戦」の狭間にある自分に合った「フロー体験」をすることで、心身のバランスが保たれ、素晴らしい体験がそこから生まれます。

また、「最良の健康」を維持するためにも、この「フロー体験」を保ち続けることが大切です。何歳になっても、「適度な挑戦」は持ちつづける工夫こそが、この「フロー体験」を伴う「最良の健康」を維持する秘訣です。安定の継続=不健康といってもいいくらい、「安心」、「安定」、「満足」には危険が隠されているということも心に留めておきましょう。「挑戦」と「安定」とのバランスを保ちながら最良の健康と成長を維持していきましょう。

2014年2月1日土曜日

急性捻挫にはアクティベータ・メソッドがとても効果的!

64歳、女性の患者さんが、足を引きずって来院。その日の朝9:30頃に、室内を歩行中に段差で足を踏み外し負傷したとこのこと。足根中足指節関節(リスフラン関節)に向けて中足骨に軸圧を加えると、その関節部に痛みが生じる。中足指節関節部を触診すると強い圧痛を伴う。負傷後、5時間程度経過しており、多少の腫脹は認められるが、骨折の際の腫れではないことが予測できた。

足関節や足指関節の自動運動は運動時痛のためにかなり制限がある。負傷を受けた周辺の関節への他動運動も慎重に行いながら検査を行った。治療では最初にアクティベータ・メソッドのプロトコルに基づいて、下肢、骨盤、脊柱の調整を行い、足関節周辺の調整をアクティベータⅤで行った。特に圧痛が強いリスフラン関節周辺には指を添えてアクティベータⅤによる振動刺激を加えた。治療中、検査の際には関節を動かす程度によっては痛みが伴っていたが、アクティベータⅤによる調整刺激ではほとんど患者さんには痛みがなかった様子。

患者さんに負傷した瞬間をイメージしてもらうと、陽性反応が示されたので、トラウマによる緊張の治療も心身条件反射療法(ニューロパターンセラピー)で施した。治療直後には痛みが完全にとれないし、歩行も引きずる感じではあったが、明らかに改善が見られた。6日後には海外旅行に出かける予定があるとのことで、それまでに治したいとの意向。それまでに毎日でも集中して治療されることをお勧めした。

翌日、普通に歩行できるようになって来院された。リスフラン関節周辺にやや腫脹があったが自動運動もかなり改善されていた。初回と同様にアクティベータⅤで調整した。関節の可動範囲もかなり改善された。このような急性の捻挫の患者さんには、アクティベータ・メソッドは即効的な治療効果を示してくれる。特にこのアクティベータⅤは、圧痛の強い捻挫を生じさせた関節にも振動刺激をスムーズに加えて適切な調整ができる。今回の患者さんは、捻挫してその日に来院していただいたので、その分、治りも早いだろう。

Metatarsophalangeal joint sprain with ActivatorⅤadjustment.
64 years old female had a metatarsophalangeal joint sprain.  She came in to our clinic with pulling her leg with strong pain. After one t
reatment with Activator V, she was able to walk normally in next day.  She got quick a result with Activator V adjustment.  Activator V is very effective with smooth adjustment in acute joint sprain!