2015年10月9日金曜日

『成長』は自分への「問いかけ」から始まる

先日のコーチング・セッションで、たまたまでてきた大切な「気づき」がある。小学校の教師であるクライアントさんは、チームコーチングを使った学級経営を行っている。担当のクラスの小学生に対して価値観を問うアンケートを試みている。

そのアンケートの問いが、自らに問いかける内容が多かったためなのか、最初に比べるとクラスが、全体的にとてもよい風土になってきたとのこと。クラスを受け持ってからチームコーチングを取り入れ、価値観を問うアンケート以外にも、ゴールや人間関係に関するアンケートなども行ってきた影響もあるだろう。

アンケートで自らのことを問うことで、知らず知らずのうちに「他者批判」ではなく、「自己反省」をする子供が増えてきたのではないかとのこと。そして、セッションでは、「問う」ということがいかに大切かという話題になった。

とても大切なことなので、改めて整理してシェアさせていただく。「問いかける」ということは「成長」のために欠かせない。能力的な成長には他者への問いかけが必要であるが、人間的な自己成長には特に自らに「問う」ということ大切になる。つまり、「問いかけること」は成長の源になる。逆にいえば、「問いかけること」を辞めてしまうと、そこから成長が止まることになるだろう。

「問う」ということを内向き」と「外向き」に分けてみよう。

  • 「内向きの問い」とは自分自身の思考、言動、行動、習慣などについて問うということ。
  • 「外向きの問い」とは相手の言動や行動、あるいは会社、組織、社会などついて問うということ。
  • 内向きの問いをすることで、「自責、自己反省」という傾向が生じるだろう。
  • 外向きの問いをすることで、「他責、他者批判」という傾向が生じるだろう。
教師は、子供の能力的な成長を支援する一方で、人間的な成長も重視している。人間的な成長が伴わなければ、学級経営もうまくいかなくなり、能力教育にもマイナスの影響が出てくるということを経験的にも学んでいるとのこと。

受け持った当初のクラスと比べると、かなり雰囲気が良くなっているとのこと。「他責、他者批判」の傾向より、「自責、自己反省」の傾向の方がクラスの風土が良くなることは明らかだろう。

この自分自身への「問い」は、生徒に限らず、教師に対しても大切なことであり、教育現場に関わらず、あらゆる分野で「問いかける」の大切さを忘れないようにしなければならないだろう。

『昨日から学び、今日を懸命に生き、明日への希望を持て。
大切なことは問うことを辞めないことだ。』
アインシュタイン

2015年9月28日月曜日

4年間継続していた身体の至る所が「つる」症状から解放される!

 【はじめに】

年齢54歳、性別男性、2年前に腰部脊柱管狭窄症の手術を行う。4年ほど前に、船上での過酷な仕事に就いて以来、身体の至る所が「つる」症状に毎日のように悩まされているとのこと。

一般的には「足がつる」という「こむら返り」の症状を訴える患者さんは多いが、両足に加えて、肩から腕、背中などもつるというケースは珍しい。「足がつる」原因は、一般的には筋肉疲労、運動不足、カリウムやナトリウムなどの電解質不足などによると云われる。

また、一過性ではなく、頻繁に繰り返し起こる場合には椎間板ヘルニア、糖尿病、動脈硬化、甲状腺異常などの疾病、降圧剤、抗高脂血症剤、ホルモン剤などによる副作用などが原因とされる。

病院でも検査を受けており、身体全体が「つる」症状につながるような異常は見当たらず、症状緩和のために当帰芍薬散という漢方薬を処方される。ひどい時には、多めにその漢方薬を服用するが、根本的な改善には至らないとのこと。

痛みで我慢できない時には、青あざができるほど筋肉を叩くようにほぐしているとのこと。当帰芍薬散を毎日服用し、マッサージも定期的に受けてはいるが改善が見られないとのこと。

さて、このような慢性症状を抱えている患者さんをどのように見立てて、どのようにアプローチするのがベストなのか?足がつるという現象は、筋肉に異常収縮が生じる現象で、自分の意識では、筋肉を緩めることはできない。

器質的な病気がないとすれば、筋肉の異常収縮を生じさせるように学習記憶された脳の誤作動によると、PCRTの治療者は考えるだろう。筋肉をほぐしたり、神経系の調整を目的とした反射系の施術でも効果はあるだろうが、慢性的に繰り返すということは、もっと上位の脳の学習記憶が関係していると考えるのが妥当だろう。

【経過】

この症状が発症した経過から考えても、単に神経系、並びに関節系や筋肉系だけの問題ではないことが伺える。PCRTの検査を行ってみると、関節系の誤作動反応よりも筋肉の抑制系の反応、すなわち筋肉調整を行っている神経系の抑制系異常が示された。分かりやすくいうと、力がうまく抜けない異常反応が両上肢、両下肢に示された。

初回の治療からAM+PCRTの施術を併用する。潜在感情や信念に関係する誤作動記憶の調整も行う。2回目の施術もAM+PCRTで潜在感情と信念に関係する誤作動の調整を行う。3回目の施術では、患者さんの希望で2枠の予約を取っていただき、施術時間は通常の2倍の20分間で治療を行った。

その分、奥深い誤作動の調整ができたようだ。4回目も2枠治療で、身体がつる症状はかなり軽減、以前からあった右坐骨部の症状を訴えられたので、その部位の治療を行った。

5回目の2枠治療では、かなり症状が改善されたとのこと。6回目(一枠治療)ではほとんど症状が改善されたとの報告をいただいた。4年間抱えていた症状が改善されてから、約3週間継続しているので、患者さん自身もかなり自分の身体に自信が持てた様子が伺えた。

【考察】

この患者さんの治療経過を振り返ると、自分の治癒力を制限していた、「意味記憶」や「エピソード記憶」の調整を行ったことが、改善の転機になったようだ。もしも、この大脳皮質系領域の調整を行わなければ、何度も症状をぶり返すことになっていただろう。

このような自分の治癒力を制限する信念(思考パターン)の検査や施術法を修得しているPCRTの治療者はまだまだ少数ではあるが、このような慢性症状にはとてもパワフルだと感じる。慢性症状の多くは、このように知らず知らずに学習された脳の「誤作動記憶」によるものであるということを多くの人に知ってほしいと願う。

2015年9月24日木曜日

「治る力」それは「目には見えない力」です!

「あなたの腰痛の常識は、いまや非常識!」というフレーズで、NHKの「ためしてガッテン」で紹介されていた腰痛に関係するクイズです。

ℚ1:ギックリ腰は痛みが取れるまで安静にする
ℚ2:ヘルニアがあるので腰痛とは一生の付き合いだ
ℚ3:腰が痛い時は常にコルセットをした方が良い
ℚ4:腰痛はすべて腰の異常(構造異常)が原因で起こる

この文章はすべて「誤り×」です。

これは日本整形外科学会がまとめた「腰痛診療ガイドライン2012」に基づいて作成された問題です。恐らく多くの人が不正解だったのではないでしょうか?一般の人に限らず、多くの医療者でさえもこの4つ問題の回答に首をかしげる人がいまだに多いと思います。それ故に、昔からの腰痛の常識は、いまや非常識といわれているのです。

科学的なデータ(JAMA268:760-765,1992)によると約85%の腰痛は医学的(構造学的)には原因不明です。つまり、ほとんどの腰痛は骨や軟骨など構造異常が原因ではないということが世界的な研究で証明されているのです。このことは20数年前より専門家の間で知られ、ここ数年の間に、日本でも一般の新聞や雑誌などでも多く取り上げられるようになっています。

先日、数人の患者さんに「先生が以前から言われていたことが、テレビでも紹介されていましたよ・・・」「腰痛の原因は腰ではなく脳にあるとか・・・」と教えていただきました。私流にいうと脳の「学習記憶」、すなわち「誤作動記憶」に原因があるということ。後で調べてみると、NHKスペシャル「腰痛・治療革命~見えてきた痛みのメカニズム~」というタイトルの番組でした。番組では3か月以上長引く腰痛を対象にしており、腰痛に関する最新の研究による知見が紹介されていました。

その番組で強調している治療革命の大切なポイントは、今まで常識とされていた腰痛の構造異常、すなわち、骨や軟骨などの変形があっても、それは直接的な腰痛の原因ではないということです。しかしながら、医療従事者も含めまだまだ多くの人達が、「腰痛の原因は構造異常にある」と思い込んでいるのではないのでしょうか。なぜ、いまだにそのような誤った常識が変えられないのでしょうか?

それは、目に見えるモノをだけを異常としてきた現代医学が基本とする科学至上主義の慣習にあるかもしれません。『目に見えるモノだけを基準にして、目に見えないものは切り捨てる』そのような医療が主流になっている限りは、「腰の構造異常がないのになぜ腰が痛いのか?それは不思議だ・・・」ということになるのではないでしょうか?

私たちの身体は、ほとんど目には見えないモノでコントロールされているのです。特に心の動きは目には見えませんが、心と身体は密接に関係し合っています。そのような目には見えないモノと肉体との関係性を診ることは、健康を保つうえでとても大切なことだと私たちは考えています。

目に見えるモノだけを基準にする医学的常識にとらわれずに、目には目みえないモノを感じとることも大切しながら健康を維持していきましょう。本当の「治る力」は、目に見えるモノの力ではなく、目には見えないモノによる力であるということをしっかりと認識するこが、心と身体を豊かにするうえでとても大切なことだと思います。

2015年9月18日金曜日

ライフコンパス創業17年の誕生日 9月18日

本日、9月18日は弊社ライフコンパス創業17年の誕生日です。ファミリーカイロは開業して21年目になります。今日まで本当に多くの人に支えられて成長させていただきました。また、今日はスタッフの計らいで、お祝いの花束とケーキをいただきました。ありがとうございます。これからも、多くの人に喜んでいいただける治療院、会社を目指して、コツコツと歩んでいきたいと思います。

今から120年前の1895年9月18日は、私の母校があるアイオワ州ダベンポートの治療院でカイロプラクティックが誕生した日でもあります。つまり、今日は、カイロプラクティック発祥120周年の記念日でもあります。私にとってカイロプラクティックは、職業のみならず、人生にとってもかけがえのないモノを与えてくれました。今後もカイロプラクティックに感謝しながら、多くの患者さんに喜んでいただければと願っています。


2015年9月11日金曜日

患者に合わせたベストなアプローチ




自然治癒力を妨げる原因は様々です。PCRTではそれをEB(エネルギーブロック)=誤作動記憶と定め、その原因を突き止め解放させる治療を行います。

症状が慢性であればあるほど、脳に記憶されている誤作動記憶のEBは複数存在する傾向があります。そして、慢性症状の多くは、その大元にあるEBを特定できればできるほど早期に改善が促されます。

その原因にも「メジャー」と「マイナー」という捉え方があり、PCRTでは症状の原因となる大元のEBを「メジャー」、それに関連する枝葉のEBを「マイナー」と定義しています。

このメジャーとマイナーのEBは検査を行う術者と患者で多様に変化します。患者が同じでも施術を行う術者が変われば、そのメジャーのEBは変化し、一つの症状にいくつかのメジャーが存在し、一つのメジャーが開放されると、別のメジャーが浮かび上がってくることも珍しくはありません。

理論的には深いメジャーが引き出されるほど、施術効果が引き出されるということになりますが、患者がそのような本質的な施術を求めていない場合は、治療効果が引き出されにくくなります。

まずは、患者が何を求めているのか、どのような施術を求めているかを見極めることが大切になります。施術が経験豊富な熟練者であったとしても、患者自身が心から本質的な施術を求めなければ、治療効果が得られません。

本質的な治療法だからといって、信頼関係がしっかりと構築されていない段階で、その治療を提供しても逆効果になりうることもあります。特に患者は治療者からの提案は断りにくい傾向がありますので、術者は、患者の建前に惑わされないように注意し慎重に判断しなければなりません。

PCRTは反射系、大脳辺縁系、大脳皮質系に対して幅広い本質的な治療を提供することが可能です。患者が肉体だけの刺激を受ける反射系の施術を望んでいるのであれば、その治療法が患者とってはベストな治療法になるはずです。もしも、幅広い技量のPCRT熟練者が、その患者に大脳辺縁系や大脳皮質系の治療を押し付けると、それは過剰施術になりかねません。

もしも、患者が反射系の施術だけでは症状が改善されないと感じ始め、大脳辺縁系領域や大脳皮質系にまで及んだ本質的な施術を心から望んだ場合は大きな治療効果をもたらすはずです。もちろん、その場合は術者の技量が伴わないと治療不足となり治療効果が引き出されません。

時代の流れとともに、患者のニーズも多様化しています。単に反射系を主にしたハウツー的な施術では患者のニーズに答えられない時代になりつつあります。術者は幅広く自然療法の本質とは何かを問いながら、目の前の患者に合わせたベストなアプローチが求められるでしょう。



2015年9月10日木曜日

ベストなPCRTアプローチの仕方

ベストなPCRTの治療を行うために、

本質的EB(エネルギーブロック)を診ることを優先すべきか?
それとも、患者のペースに合わせたEBを診ることを優先すべきか?

早期に症状を改善させるために、本質的EBを探索することはとても大切ですが、その前提条件として、患者が望むペースに合わせながら、その患者が望むレベルに応じてEBを診ていくことは、さらに大切で優先すべきテーマです。

PCRTの根幹となる主な治療目的は、本質的な原因を探索して症状を改善することです。それ故に、PCRTの治療者が熟練すればするほど、症状の本質的因果関係が見えやすくなり、早くその本質的EBを改善しようとする傾向があります。

患者との信頼関係がしっかりと構築され、患者自身も本質的な原因を探索することを心の奥から望んでいるのであれば問題はありません。しかしながら、すべての患者がそのような深い信頼関係で治療を受けると限りません。

もしも、患者が無意識の心の状態を探索することに抵抗感がある場合、術者が患者のために良かれと考えてその治療法提案して牽引しても、患者が心からそのような治療法を望まない限り、いい結果はでません。

多くの患者にとって、施術者からの提案を断ることに抵抗感をいだくものです。一時的に術者からの提案を受け入れたとしても、患者が本当に心の奥から望んでいる施術でなければ、単なる一時的な押し売りになる傾向が生じてしまいます。

よって、たとえPCRTの熟練者であったとしても、すべての患者に対して、本質的な施術ができるとは限りません。本質的な施術ができる前提条件として、患者との深い信頼関係、ならびに、患者自身が、無意識の心の状態を探索する本質的な施術を心から望んでいるかどうかがとても重要な要因になります。

本質的治療法で結果を出すための信頼関係をまとめると以下の3つの項目になります。

1. 患者と施術者間の信頼【人の波長】
2. 治療法に対する信頼【治療法】
3. 自分自身の治る力に対する信頼【治癒力】

この3つの信頼関係を保つために、術者は患者よりも前に進み過ぎないことが大切です。患者が期待していること、心から望んでいる治療法は何かをしっかりと把握することが大切です。患者は症状を改善したいがために来院されるのですが、術者の提案に従えば早く治るということを頭で理解しても、どのように治したいかというシナリオは潜在的に譲れない方が多いようです。

この潜在的に譲れないというのは、無意識の心が生じさせるので、その判断は経過を見ていかなくては分かりにくいところです。結論的に、患者が無意識的に抱いている治し方、いつまでにどのようなペースで治したいのかという治るためのシナリオは、術者が注目しなければならない最優先課題です。術者が本質的な治療法を提案する場合、その患者の無意識的に抱いているシナリオを尊重したうえで、患者との関係性やタイミングを図りながら行うべきでしょう。

術者からの提案をすぐに受け入れてくれる患者さんもいますが、本質的な症状改善のために必要な施術であると頭では理解しても、心の奥では抵抗を感じている患者も少なくはないということを冷静に認識することが大切です。

PCRTの治療法は、まだまだ、一般常識とは異なる治療法ですので、理解してもらうには時間が必要です。

基本は患者の無意識の心よりも先に進み過ぎずに、あくまでも患者の横に寄り添って伴走するか、患者のペースに合わせて後ろからサポートすることです。

2015年9月9日水曜日

自己ベストの更新!! 未来への挑戦者

前回ご紹介させていただいた、水泳選手が大会で自己ベストを更新して、個人種目とリレーで九州大会に参加できるとの報告をいただいた。

試合前での検査でも安定した状態だったので、おそらくいい結果がでるだろうと期待はしていたが、実際の競技では何が起きるか分からない。

実際の競技でのパフォーマンスを何度もシュミレーションして、誤作動の緊張を取り除き、ベストな状態が維持できた様子。想定以上の結果がでたことにとても自信が持てたようだ。

興味深かったのは、ある程度、九州大会に参加できるタイムが出せるようになると、本場で、そのタイムが、維持できるようにと、「守り」に入る潜在意識がブレーキをかけていたことだった。

この「守り」に入るパターンは、潜在意識が生じさせる誤作動なのだが、スポーツ選手がある程度の成績を掴んだ時に陥りやすいワナでもある。

この「守り」に入るワナは、スポーツ選手に限らず、様々な分野でも生じるワナで、知らず知らずのうちに自分の能力を制限してしまうようだ。

例えば、組織の中である地位に就いたとき、その地位や立場を守ろうとする意識が潜在的に働いて、周りの人の動向ばかりが気になって、自分の更なる成長にブレーキをかけてしまうこともあるだろう。

長年、このような本質的な治療やパフォーマンス向上のお手伝いをさせていただいて感じることは、人は常に「挑戦者」としての立場を忘れないようにしなければ、自分で自分の能力にブレーキを掛けてしまうということだ。

何かにチャレンジし続ける心は、人を成長させ、心を豊かにさせてくれる原動力になると思う。

挑戦者であり続ける人は、さらに未来に向かって羽ばたき、輝き続けるだろう!