2015年10月28日水曜日

治療効果を引き出す「エネルギー医学の目」「心身相関医療の目」「脳科学の目」

最近、「患者教育手法」が治療効果を引き出すうえで必修条件になるということをつくづく感じる。特に心身条件反射療法(PCRT)のように、通常医療とは異なる考え方で治療を提供する場合、多くの患者さんが一般常識的な「西洋医学の目」で診てもらうことを期待しており、最初は不思議な治療と思われる傾向が強い。また、施術者も「西洋医学の目」で診る知識や検査技術を訓練することで、患者さんからの信頼を得ようとする傾向があるだろう。それも大切な信頼関係になるかもしれない。

その一方で、西洋医学的に基づく一般常識的な知識が、自然治癒力を妨げていることも少なくはない。例えば、身体の構造面や機能面ばかりに目を向けて、「心と身体の関係性」には目を向けようとしない。あるいは身体の不調は、身体の構造や機能異常だけにあるという思い込みが強い場合、その「信念体系」は自然治癒力の妨げになることがある。

例えば、先日来院された中学生女子の場合、病院で腰椎分離症と診断を受け、3か月間ほどコルセットを着用していたそうだ。腰痛は約一年半前から、肩関節の痛みは5か月前からあり、頻繁に痛みを繰り返しているとのこと。週に5日バトミントンの練習を行っており、特定の動きができなくなっているらしい。

初回の施術では、肉体面の機能異常障害を脊柱中心にAMで調整した後、さらにメンタル面との関係性による誤作動記憶の調整を行った。特に「恐れ」に関するキーワードは、肉体面に影響を及ぼしていた様子。症状が改善されないことによって、バトミントンの試合に負け、さらには練習が楽しくなくなり、最終的にはバトミントンを辞めることになるのではないかという未来へのネガティブな空想が関係していた。

2回目、8日後の来院日、初診時の症状はかなり改善されていたが、腰に違和感があるとのこと。PCRTの検査をしてみると、「意味記憶」の誤作動が関係していた。脊椎分離症との診断を受け、無意識的に動きを制限していたようだ。「意味記憶」とはどのような影響を及ぼすのかという本質を分かりやすく説明して調整を行った。

その後、二回ほど来院され、腰痛や関節痛はほとんど良好とのことで喜んでいただいている。もしも、このような「意味記憶」による誤作動記憶の調整をしていなければ、恐らく腰痛の慢性化は継続していただろう。施術によって肉体面のバランスをしっかりと調整しても、無意識の脳は、繰り返し慢性症状を引き起こさせていただろう。

このように、慢性症状を本質的に改善させるためには「意味記憶」や「エピソード記憶」に関係する誤作動記憶の調整はとてもパワフルだと感じる。ただし、このような治療法はほとんど一般には知られていないので、「西洋医学の目」で診てもらうことを期待している患者さんにはあまり効果が引き出されないかもしれない。

PCRTの「誤作動記憶を調整する」という治療法の意図や理屈をある程度納得していただけているかどうかは、治療効果を引き出すための前提条件になるだろう。PCRTの治療法の説明、いわゆる「患者教育」は、患者さんとの信頼関係を築いて治療効果を引き出すためにはとても大切な要因になるだろう。PCRTを希望される患者さんには「エネルギー医学の目」「心身相関医療の目」「脳科学の目」で診ているということをしっかりと理解していただけるように努めたい。

次回のPCRT研究会では、PCRTの患者教育手法や「意味記憶」や「エピソード記憶」の上級編もご紹介させていただく。

2015年10月23日金曜日

2015年度PCRT中級2

11月15日と16日にPCRT中級2を開催します。
今回は以下の内容を予定しています。


  • アレルギー治療の基本ステップ
  • 花粉症・慢性鼻炎の治療
  • 食物アレルギーの治療
  • 皮膚症状の治療
  • サプリ・化粧品・薬剤など適合検査法と調整
  • 五感チャートの応用
  • 分野・立場・時系列チャートの応用
  • 潜在感情・価値観・信念について
  • 信念と価値観に関わるワーク
  • 信念チャート①&②の質問の仕方
  • 価値観チャートの質問の仕方
  • 意味記憶とエピソード記憶の上級治療


今年から新しいPCRTプロコルチャートに沿った手順をご紹介しています。以前よりもかなりマニュアル化され、PCRTが導入しやすくなりました。また、アレルギー治療の検査でもアレルゲンチャートを使うことで、よりスピーディーに、的確に検査を進めることができるようになりました。

アレルギー症状を本質的に改善させるためには、特に潜在感情や信念、価値観などの大脳辺縁系との組み合わせがとても重要になります。次回の研究会ではそのあたりのプロトコルを詳しくご紹介させていただく予定です。

PCRT治療法が進化するにつれて、治療者の検査領域の幅が広がり、信念と価値観に関係するチャートを使う頻度も多くなる傾向があります。潜在的な信念に関わる誤作動記憶の治療はパワフルです。パワフルであるがゆえに、信念と価値観のチャートの使い方を誤ると患者さんに誤解を招いて信頼関係に影響を及ぼすこともあるかもしれません。

このような潜在意識に関わる誤作動記憶の治療を行うためには適切なトレーニングが必要です。奥深い治療法をマスターされたい先生方には喜んでいただけるトレーニングになると思います。

先生方のご参加を楽しみにしております。

2015年10月21日水曜日

今年最後のAMセミナーを終えて


先週末、東京都内でAMセミナーを開催した。多くの臨床家に参加していただき、活気にあふれた二日間だった。

今回は基礎編、中級編、上級編と3クラスが同時進行したセミナーだった。AMセミナーでは、毎回、初心者、中級レベル、上級レベルと経験の浅い先生から経験豊富な先生方が混同して参加されている。経験豊富な先生でも、初心にかえる、基礎編を謙虚に学び、偏った我流がないかどうかを確かめて修正点を学ぶ。

常に新しい情報を期待している先生方もいるだろう。もしかすると、そこには、すでに『知っている』、『できている』という慢心が潜んでいるかもしれない。臨床現場では、多くの先生方が一人で自分のペースで施術を行い、だれも評価してくれない。だから何ができていて、何ができていないのか、分からないことも多いのではないだろうか。

AMが熟練されると、5分ぐらいで基本的な施術は完了することが多い。しかしながら、一人の患者さんに20~30分も掛けて施術を行うことが当たり前になっている先生も少なくはない様だ。施術時間が短ければよいというものではないが、本質的に必要な部位だけ調整すれば、時間は短縮するだろう。

もしも、AMの施術に20分以上も費やしているAM治療者であれば、改善点はたくさんあるはずだ。新しい情報を取り入れることも大切だが、もっと基本を重視して、無駄な矯正や無駄な動きがないか自分自身を振り返り、本質的なAMのスキルに磨きをかけたほうが賢明かもしれない。

施術のテクニックを学ぶには、セミナーに参加する以外に、教科書やDVDなどから学ぶこともできる。それらも必要な学びの手段であることは言うまでもない。だが、さらに大事なことは、『体験すること』『感じとること』ではないかと、つくづく感じる。

体験して感じるから、頭で学んだことが腑に落ちて、さらに盲点が見えてくることもある。頭と身体の両方を使いながら学びを深めなければ、実践で使える血肉とならないだろう。新しい情報を得ると脳は喜ぶが、そのような情報に振り回されて、地に足がつかない状態も危険がはらんでいるかもしれない。

今後も本質的な施術を目指す治療者の教育に関わり、多くの患者さんに貢献できればと願う。

2015年10月17日土曜日

イップスを予防するための治療

先日、送球イップスで通院していた高校一年生の男子生徒が約1か月半ぶりの来院。その後は、イップスの症状も改善されて調子は良好とのこと。2年ほど前から生じていたイップスが、4回の施術でほぼ改善されていた。

今回は、数日前の試合で、初回のセカンドからファーストへの送球でボールが引っかかり、送球がそれたとのこと。その後、3回までは違和感があり、それ以降、問題がなかったという。

PCRTの検査を行ってみると、最初にひっかけた際の送球イメージでは反応が示されなかったが、その後の送球イメージでは陽性反応が示された。感情チャートで検査をしてみると、イップスが再発するのではないかという不安と先輩に申し訳ないという感情が関係していた。

最初のボールを引っ掛けた送球では反応が示されなかったが、念のために、その送球をする前の状況を尋ね、場面をイメージしてもらうと陽性反応が示された。初回のセカンドの守備で、ツーアウトの場面、感情チャートで潜在意識に関係するキーワードを調べてみると、意欲的に頑張ろうという潜在感情が関係していた。

「頑張ろう」という意欲は、肯定的でその意識自体には問題はないが、身体を緊張させる誤作動記憶を生じさせる人が多い、特にこの傾向はスポーツ選手に良くあるパターンだ。その場合は「試合だからといって張り切ると身体が緊張しやすくなるので、いつもの練習通り(平常心)を意識してみてはどうか」ということを提案する。

患者さんによるとバッティングでも調子が悪くなっているとのことで、尋ねてみると練習でのバッティングには問題がないという。検査をしてみると、同じような試合での意欲に関係する誤作動記憶が絡んでいた。この誤作動記憶も施術によって正常に切り替えた。

高校一年生ではあるが、PCRTによるイップスの治療を良く理解してくれている。今回、調子はとてもよかったらしいが、送球やバッティングでの違和感を感じたため放置せずにすぐに来院してくれた。もしも、このような目には見えない誤作動記憶を放置してしまうと、恐らく脳のプログラムは自動的に症状を引き起こすことが多いだろう。

これからもイップスを予防するために、自分の身体と心の状態を把握して、必要に応じて利用していただければと願う。

2015年10月14日水曜日

アレルギー症状の改善

【はじめに】
食物アレルギーや花粉症など症状を抱えている患者さんが来院。アレルギーが原因で、頭痛、不眠、胃腸障害などを生じる。食物アレルギーは20年ほど前からあったが、特に4年前ぐらいからひどくなり、食べるものにはかなり制限がでているとのこと。ほとんど限られたものしか食べられない様子で日常生活に様々な支障を期待しているようだった。病院でのアレルギー検査でも様々は反応がでていたとのこと。信頼関係のある当院の患者さんを通じてご紹介していただいた。

【初診時】
アレルギー検査は、患者さんの希望とPCRTプロトコルに照らし合わせながら、食物に関係する検査から始めた。PCRTの検査にて、卵、乳製品、サバ、アジ、イワシ、カニ、エビなどに加えて、人間関係に関係する複数の信念が関係していたことが判明した。PCRTの施術にて陽性反応を陰性化させる。

【二回目】
約一か月後、患者さんの希望により、遠方からの来院でもあることから2枠をご予約いただき通常施術よりも時間を掛けて施術を行う。今回は、以前から摂取している健康食品の検査も合わせて行う。6種類ほどの健康食品の中で、3種類は陽性反応を示し、PCRTの施術にて2種類は陰性化したが、一種類は陰性化されなかった。
前回行ったサバ、アジ、イワシ、カニ、エビは陰性化。アレルギー症状が長期化している患者さんの多くで、大脳皮質系の誤作動記憶、すなわち意味記憶やエピソード記憶が関係している場合が多い。本症例の患者さんも、経験に基づくいくつかの意味記憶が関係していたので、信念に関係する施術と合わせて行う。

【3回目】
約一か月後に来院。2枠での施術。前回と同様に、以前から摂取している健康食品を検査。一種類の健康食品以外は、すべて陰性反応を示す。化粧品も検査し、陽性反応を切り替える。果物全体、小麦、ピーナッツ、卵、青魚なども意味記憶の誤作動で反応が示されたので、潜在感情や信念と合わせて調整を行う。

【4回目】
約一か月後に来院。2枠での施術。前回と同様に、以前から摂取している健康食品や化粧品を検査。一種類の健康食品だけが数回施術を試みても合わないので、必要なければ控えたほうがよいとのアドバイスを行う。以前は食べられなかった卵も食べられるようになり、今まで制限してきた食品もかなり食べられるようになったと喜ばれていた。香辛料なども食べられるようになりたいとのことで、香辛料を検査。カレー粉と唐辛子に陽性反応。このように長期にわたってアレルギー症状を抱えていると、アレルギー体質が当たり前の自分になってしまうことが多い。これは「エピソード記憶」として脳に定着しており、適切な治療をしなければ、治ること自体に脳が抵抗を示すことになる。

【考察】
まだ、治療途中ではあるが、アレルギー治療を施すごとに、症状を引き起こす誤作動記憶の反応が消去され、患者さん自身も本来の食生活を取り戻している。患者さんの年齢は60代、20年ほど前にアレルギー症状を発症。それ以前はそのような症状には悩まされなかったことから考えて、後天的にアレルギーを生じさせるように学習記憶した結果によってアレルギー体質になったことが推測できる。言い換えると、再学習すれば、元の体質に戻すことが可能であるとうこと。そのようなアレルギー症状に関する捉え方やPCRTによるアレルギー治療のポイントを説明させていただいた。本来は「治る力」を備えていることと、治療法に関する理解を得られたことが、良好な結果を生み出してくれたと感じる。

アレルギー症状を改善するためには、様々なアレルゲンを身体に合わせていくことが必要である。単一のアレルゲン情報だけで症状が改善される場合もあるが、そのアレルギー情報と一緒に条件付けされた背後にある潜在感情、信念、意味記憶やエピソード記憶に関連する治療と組み合わせて治療をすることが大切である。PCRTではそのような誤作動記憶を特定して本質的な施術を行い、様々なアレルギー症状の改善に努めている。

2015年10月9日金曜日

『成長』は自分への「問いかけ」から始まる

先日のコーチング・セッションで、たまたまでてきた大切な「気づき」がある。小学校の教師であるクライアントさんは、チームコーチングを使った学級経営を行っている。担当のクラスの小学生に対して価値観を問うアンケートを試みている。

そのアンケートの問いが、自らに問いかける内容が多かったためなのか、最初に比べるとクラスが、全体的にとてもよい風土になってきたとのこと。クラスを受け持ってからチームコーチングを取り入れ、価値観を問うアンケート以外にも、ゴールや人間関係に関するアンケートなども行ってきた影響もあるだろう。

アンケートで自らのことを問うことで、知らず知らずのうちに「他者批判」ではなく、「自己反省」をする子供が増えてきたのではないかとのこと。そして、セッションでは、「問う」ということがいかに大切かという話題になった。

とても大切なことなので、改めて整理してシェアさせていただく。「問いかける」ということは「成長」のために欠かせない。能力的な成長には他者への問いかけが必要であるが、人間的な自己成長には特に自らに「問う」ということ大切になる。つまり、「問いかけること」は成長の源になる。逆にいえば、「問いかけること」を辞めてしまうと、そこから成長が止まることになるだろう。

「問う」ということを内向き」と「外向き」に分けてみよう。

  • 「内向きの問い」とは自分自身の思考、言動、行動、習慣などについて問うということ。
  • 「外向きの問い」とは相手の言動や行動、あるいは会社、組織、社会などついて問うということ。
  • 内向きの問いをすることで、「自責、自己反省」という傾向が生じるだろう。
  • 外向きの問いをすることで、「他責、他者批判」という傾向が生じるだろう。
教師は、子供の能力的な成長を支援する一方で、人間的な成長も重視している。人間的な成長が伴わなければ、学級経営もうまくいかなくなり、能力教育にもマイナスの影響が出てくるということを経験的にも学んでいるとのこと。

受け持った当初のクラスと比べると、かなり雰囲気が良くなっているとのこと。「他責、他者批判」の傾向より、「自責、自己反省」の傾向の方がクラスの風土が良くなることは明らかだろう。

この自分自身への「問い」は、生徒に限らず、教師に対しても大切なことであり、教育現場に関わらず、あらゆる分野で「問いかける」の大切さを忘れないようにしなければならないだろう。

『昨日から学び、今日を懸命に生き、明日への希望を持て。
大切なことは問うことを辞めないことだ。』
アインシュタイン

2015年9月28日月曜日

4年間継続していた身体の至る所が「つる」症状から解放される!

 【はじめに】

年齢54歳、性別男性、2年前に腰部脊柱管狭窄症の手術を行う。4年ほど前に、船上での過酷な仕事に就いて以来、身体の至る所が「つる」症状に毎日のように悩まされているとのこと。

一般的には「足がつる」という「こむら返り」の症状を訴える患者さんは多いが、両足に加えて、肩から腕、背中などもつるというケースは珍しい。「足がつる」原因は、一般的には筋肉疲労、運動不足、カリウムやナトリウムなどの電解質不足などによると云われる。

また、一過性ではなく、頻繁に繰り返し起こる場合には椎間板ヘルニア、糖尿病、動脈硬化、甲状腺異常などの疾病、降圧剤、抗高脂血症剤、ホルモン剤などによる副作用などが原因とされる。

病院でも検査を受けており、身体全体が「つる」症状につながるような異常は見当たらず、症状緩和のために当帰芍薬散という漢方薬を処方される。ひどい時には、多めにその漢方薬を服用するが、根本的な改善には至らないとのこと。

痛みで我慢できない時には、青あざができるほど筋肉を叩くようにほぐしているとのこと。当帰芍薬散を毎日服用し、マッサージも定期的に受けてはいるが改善が見られないとのこと。

さて、このような慢性症状を抱えている患者さんをどのように見立てて、どのようにアプローチするのがベストなのか?足がつるという現象は、筋肉に異常収縮が生じる現象で、自分の意識では、筋肉を緩めることはできない。

器質的な病気がないとすれば、筋肉の異常収縮を生じさせるように学習記憶された脳の誤作動によると、PCRTの治療者は考えるだろう。筋肉をほぐしたり、神経系の調整を目的とした反射系の施術でも効果はあるだろうが、慢性的に繰り返すということは、もっと上位の脳の学習記憶が関係していると考えるのが妥当だろう。

【経過】

この症状が発症した経過から考えても、単に神経系、並びに関節系や筋肉系だけの問題ではないことが伺える。PCRTの検査を行ってみると、関節系の誤作動反応よりも筋肉の抑制系の反応、すなわち筋肉調整を行っている神経系の抑制系異常が示された。分かりやすくいうと、力がうまく抜けない異常反応が両上肢、両下肢に示された。

初回の治療からAM+PCRTの施術を併用する。潜在感情や信念に関係する誤作動記憶の調整も行う。2回目の施術もAM+PCRTで潜在感情と信念に関係する誤作動の調整を行う。3回目の施術では、患者さんの希望で2枠の予約を取っていただき、施術時間は通常の2倍の20分間で治療を行った。

その分、奥深い誤作動の調整ができたようだ。4回目も2枠治療で、身体がつる症状はかなり軽減、以前からあった右坐骨部の症状を訴えられたので、その部位の治療を行った。

5回目の2枠治療では、かなり症状が改善されたとのこと。6回目(一枠治療)ではほとんど症状が改善されたとの報告をいただいた。4年間抱えていた症状が改善されてから、約3週間継続しているので、患者さん自身もかなり自分の身体に自信が持てた様子が伺えた。

【考察】

この患者さんの治療経過を振り返ると、自分の治癒力を制限していた、「意味記憶」や「エピソード記憶」の調整を行ったことが、改善の転機になったようだ。もしも、この大脳皮質系領域の調整を行わなければ、何度も症状をぶり返すことになっていただろう。

このような自分の治癒力を制限する信念(思考パターン)の検査や施術法を修得しているPCRTの治療者はまだまだ少数ではあるが、このような慢性症状にはとてもパワフルだと感じる。慢性症状の多くは、このように知らず知らずに学習された脳の「誤作動記憶」によるものであるということを多くの人に知ってほしいと願う。