2016年8月21日日曜日

「構造を修復する治療法」と「働きのバランスを整える治療法」

「構造を修復する治療法」と「働きのバランスを整える治療法」

先日、久しぶりに中学生時代の同窓会に参加してきました。セミナーや研究会関係者とのパーティーは毎月のようにありますが、同級生というつながりで、いわゆる他業種の人達とのパーティーは久しぶりでした。中学生時代の思い出話は楽しいひと時でした。何人かの親しくしていた同級生は、私が何をしているのかを知っていましたので、腰痛で悩んでいた同級生に私に相談するように促してくれました。

話を聞くと、かなりひどい腰痛で入院された経験があるとのことでした。椎間板ヘルニアの診断を受けたとのことでした。担当医は手術を勧めず、ブロック注射の治療を受けたとのことでした。それは10年以上も前の事だったようですが、未だに腰痛には悩まされているとのことでした。腰痛があるたびに担当医の先生に診てもらっているとのことで、カイロプラクティックや鍼灸などの自然療法は受けていない様子でした。私は、その同級生に自然治癒力を引き出す治療者という立場で、腰痛が生じる因果関係をできるだけ分かりやすく説明ました。

最初、その同級生は理解しがたい表情もありましたが、話し終わる頃には、納得してくれた様子で喜んでもらいました。私自身も話し終わった後、我ながら上手に説明できたかなと振り返りました。それは、前もって計画していた話の内容ではなく、どうしたら理解してもらえるかと必死に考えた末に無意識にでたたとえ話でした。それは、ずいぶん前に自分のブログでも書いたことがある内容だったと思います。そのたとえ話のキーワードは「働きのバランス」です。西洋医学が得意とする「「構造を修復する治療法」とカイロプラクターなどが得意とする「働きのバランスを整える治療法」との違いを説明しました。

特に分かりやすかったのは、「オーケストラ」のたとえ話だったと思います。数十人で演奏するオーケストラの調和、すなわち強弱などのバランスが一人でもずれてしまうと、全体に影響を及ぼします。身体の「働き」も同じで複数の筋肉、あるいは神経の働きのバランスが乱れると、関節がスムーズに動かなくなり痛み信号を発したりします。

もしも、10数人のオーケストラのメンバーが一人欠けたらどうなるでしょうか?恐らく一人欠けたなりに、全体のバランスを整えれば素晴らしい演奏ができるはずです。それは4人のバンドメンバーが調和していれば、素晴らしい演奏ができるのと同じです。例え肉体構造の一部が欠けていても、あるいは、左右が不対称でも全体としての筋肉や神経の「働きのバランス」がとれていれば、身体は十分に機能してくれる力は持っているのです。

「構造を修復する治療法」は肉体の構造異常に注目して、変形や歪みを症状の原因とする傾向があります。世間一般では、ついつい「構造異常」に目を向けがちですが、慢性症状の場合には「働きのバランス」に注目することが大切なのです。



2016年8月20日土曜日

内分泌系(ホルモン系)の異常の改善

内分泌系の異常で比較的多く相談を受けるのは、生理痛や生理不順の患者さんです。特に月経前症候群(PMS)で長年苦しんでいる方も少なくはなく、症状があるのが当たり前のようになっている人も多いようです。身体的症状では下腹部痛を初め、乳房痛、むくみ、倦怠感などがあり、精神的症状では抑うつなどの気分障害や睡眠障害を訴える方が多いようです。

生理不順の患者さんの中では2年以上も月経がなく、当院での治療で改善した実例もあります。ホルモン系の異常は女性だけでなく男性にも生じます。改善した症例の多くが無意識の誤作動記憶に関係しています。このような心身相関に関連する因果関係は通常医療では検査することができません。当院での心身条件反射療法で検査をしますが、ホルモン系の異常を示す臓器反応点に陽性反応が示されます。施術を繰り返すことで、このホルモン系に異常を示す陽性反応が消失すると共に、多くの患者さんで症状が改善されます。

ホルモン系の誤作動が、無意識のメンタル面に関係しているということは、一般的にはあまり知られていません。世間一般でもっと多くの人がこの事実を当たり前のように認知してくれると、多くの人がつらい症状から解放されるのですが・・・・世間一般の常識というのは手ごわいものです。

下記の感想は生理不順の症例改善の一例です。この患者さんも無意識的な感情や、一般論から得た情報による思い込みが関係していたようです。関連していた潜在感情の一つが「喜び」に関係していました。通常、メンタル面が関係するというとネガティブな感情などが関係していると思われがちですが、ネガティブな感情だけでなく、ポジティブな感情も心身のバランスの誤作動に関係しています。

心身相関の分野で誤解を受けやすいのが、「精神面」が悪いから「身体面」が悪くなると思われがちなところです。これは明らかな誤解なのですが、心と身体の関係で体調を崩すということがまだまだ世間一般に浸透しないようです。それは、機械構造論的な情報や教育からの影響と、心身相関に関係する科学的研究が難しいということも影響があるように思います。

当院で治療体験をすると、多くの患者さんが心と身体の関係性で誤作動を生じるということが当たり前のように分かってきます。本質的な原因が分かると、健康に自信が持てる人が増えてきます。心と身体の関係性で体調不良を生じさせるということが、世間一般で当たり前に語られるように、もっと多くの患者さんの症状の改善に役立てればと願っています。


2016年8月10日水曜日

LCAインストラクター研修2016

今年も福岡のファミリーカイロと志賀島国民休暇村で充実したLCAインストラクター研修を開催することができました。AMやPCRTにおける指導法の統一や実技試験の確認、AMアドバンスプログラムの準備など幅広く研修を行いました。また、チームメンバーにはそれぞれにプレゼンテーションを行っていただきました。チームは長年の経験を経て、成熟期を迎えています。それ故に、必然的にチームメンバーに課せられたプレゼン課題もとても深い内容でした。恐らくプレゼンを準備する過程で自分自身を振り返り、未来のために深く考えていただいたのではないかと察します。

それぞれのメンバーが心に響くプレゼンテーションを行ってくれました。課題を受けてどのようにプレゼンするかを試行錯誤して、実際にプレゼンするまでの過程において、チームメンバーがそれぞれに深みのある成長ができたのではないかと感じました。1泊2日の研修ですが、寝食を共にすることで、さらなるチームのつながりが深まったのではないかと感じます。

通常の研修では、一人部屋か二人部屋が多いのですが、今回は畳の部屋に布団を並べて泊まりました。畳いっぱいに敷き詰められた布団の間で、ひざを突き合わせて次の日になるまで飲みながら語り合いました。飲み足りないメンバーはホテルのロビーで飲んでいたそうです。明日の事も考えて1時ごろ床に就いた私は、途中で目が覚めて、暗闇の中でメンバーの身体を踏まないようにトイレに行きました。ゆっくりと自分の布団に戻ると、隣のメンバーが私の布団を占領していました。私は肘で押し戻そうとしましたが、動く気配がありません。おまけにいびきの合唱が聞こえてきます。しばらく窮屈な思いをして眠りにつきました。

畳の部屋で布団を並べて寝食を共にするという経験は久しぶりでしたが、志を共にするチームメンバーであるがゆえに、貴重な体験になったようです。今回の研修で培われた「チーム力、人間力、指導力」が、未来のセミナー、研究会、そして、臨床現場で生かせることを期待しています。







2016年7月29日金曜日

再学習記憶による「治る力」を信じて健康を保ちましょう

もしも、多くの慢性疾患や難病が、「脳の誤作動記憶」から生じているとしたらどうでしょうか?「脳の誤作動記憶」とは、心と脳と身体の関係性で創られる誤作動記憶の事です。病気の原因が「記憶」にあるとすれば、「記憶」を書き換えれば新しい脳の神経回路が創られて症状や病気が改善されるということになります。脳には可塑性といって、脳梗塞などで一部の脳が損傷されても、リハビリ運動などの機能回復訓練でその機能を補う新たな神経回路が創られいるとうことが医学的にも知られています。

脳梗塞などによって受けた機能障害は目で見ても分かるような症状ですが、医学的な検査では原因が分かりにくい慢性症状もたくさんあります。その多くの慢性症状が、無意識的な脳の誤作動記憶によって生じます。原因が「記憶」という脳の神経回路にある場合、肉体内の構造異常を見つける医学的検査では判断することはできません。また、症状や病気の原因を探索する際、多くの医療では、肉体内だけの構造異常や機能異常を探そうとして、身体と心の関係性にまで目を向けることはほとんどありません。

「心が関係する?」と聞くと、多くの人は心がいいとか悪いとかに意識が向けられます。しかし、心がいいとか悪いとかで病気や慢性症状を引き起こすわけではありません。症状に関係する心のほとんどが無意識的な心です。つまり慢性症状のほとんどは無意識的な様々な誤作動記憶によって生じると考えられます。さらに広い視座に立てば、意識と無意識との心がうまくつながらないことによって不調和が生じてしまうということです。

誤作動記憶とは、知らない間に身につけてしまった間違った身体の働きの『クセ』といういい方もできます。『クセ』とは、脳と身体に習慣的に学習された記憶の結果もたらされる自動的な働きです。その『クセ』は自分の意志とは無関係に作動してしまい、意識的にはどうすることもできません。このような病気や症状を引き起こす『クセ』を改善させるためには、意識ではなく、無意識に働きかける必要があります。

無意識的に生じている身体の働きの異常を改善させるためには、まずは無意識の誤作動に対する検査が必要です。その検査をするためには、「身体を使った検査」、すなわち、身体に『刺激』を加えて、身体がどのように『反応』するかを診る「生体反応検査法」がとても大切になります。この検査法がスムーズに進められると、治療効果も高まり、症状も段階的に改善されていきます。慢性症状はこのような無意識的な心身の学習記憶によってもたらされた結果であるという前提に立てば、再学習し、記憶すれば治るのが当たり前ということになります。

本来、治る力は平等に与えられています。ご自分自身の「治る力」、再学習記憶できる力を信じて健康を保ちましょう。

2016年7月27日水曜日

治療用テーブルの張替

前のオフィスからの移転後、三か月が経過しようとしています。治療用テーブルの張替も終えて、ようやく治療院環境が整った感じです。張替は今回で2回目、今回は最高級のソファーにも使われる「本革を超えるエグゼクティブ」というキャッチフレーズの合皮を「合皮.jp」 http://www.gohi.jp/product-group/9 から購入させていただきました。

前回の張替は、人工皮革(スエード)を使用していましたが、汚れが目立ってきたので張り替えました。今回の合皮は肌触りも良く、患者さんたちにも好評のようです。今回はワインレッドとブラックの合皮生地を購入し社内で試行錯誤しながら縫製と張替を行いましが、素人にしてはまずまずの出来だとスタッフ一同で満足しています。
また、大切に使わせていただきます。




2016年6月22日水曜日

「キラーストレス」によるこころと身体の関係性

NHKのスペシャル番組で「キラーストレス」について紹介されていた。ここ数年、心と身体の関係性による健康問題に関する番組も増えているが、今回のNHKの番組では、命にも関わるストレスということで、さらに一歩踏み込んだ内容で番組が構成されていた。世界の最前線で研究をしている研究論文と、一般の人にもなるほどと思わせる仮説を題材にして分かりやすく説明され、バランス良く番組が構成されており、さすがHNKだなと感心させられた。

例えば、「数万年前、狩猟をして暮らしていた私達の祖先は、猛獣などに襲われる危険があるため、危険を感じたり怪我をすることを想定して体が一足先に反応、血を固まらせたり、血圧を上昇させて全身の血の巡りを良くし瞬時に反応できるようにしている。」という仮説もなかなか説得力があった。

自然治癒力を引き出す治療家としての立場で本質的な原因療法を追究し続けていると、がんや心筋梗塞、脳梗塞の患者さんに遭遇することも度々で、ほとんどのケースが何らかのストレスが関係していることは明らかである。健康問題を単に肉体への物理的刺激にだけにとどまるのではなく、運動面や栄養面など生活習慣全般を幅広く追究していると、根幹となる慢性病の原因はやはり、心身相関というこころと身体の関係性にあると今でもその効果的な治療法を研究し続けている。

しかしながら、心と身体を切り離して考える機械論的な医療が主流となっている現代社会においては、まだまだ、「がんや心筋梗塞が身体の問題だけでなく、こころとの関係性が大きく影響を及ぼしている」ということが当たり前には語れないのが現状である。多くの人が、肉体だけの問題、あるいは、食生活や運動不足などの生活習慣病にとどまり、心の習慣=無意識の心の習慣というところまでには関心が及ばない。

数年前に、HHKの番組内容が裏付けとなるような脳梗塞の患者さんに遭遇したことがある。頭ではストレスの対象となる人を受け入れているつもりでも、無意識はかなり強い抵抗があったようだ。恐らく、本能的に自分の身を守るため、血を固まらせるようなシステムが働いたのだろう。PCRTの検査ではある人に対するストレス反応が毎回繰り返されていた。意識と無意識との調和の治療が追い付かずに脳梗塞を引き起こして病院での治療を受けた。その後、病院での治療と並行しながら、本質的なストレスの原因治療も継続し、数か月後には後遺症も残らず元気に回復した。危うく命も失いかねない状況で、ストレスという目には見えないエネルギーの強さを改めて感じた。

そのような病的なエネルギーのアンバランスはエネルギーブロック(EB)として、PCRTの検査で陽性反応が示される。心筋梗塞やがんの手術で悪いところを外科的に取り除いたとしても、本質的な原因が脳に記憶されていれば、生体反応検査法では陽性反応として示される。対症療法で改善されたとしても原因療法から診た観点では本質的には改善されていないということになる。対症療法でその場はしのげても、再発するかもしれないし、他の病気へと変容するかもしれない。今回のような番組を見て、視聴者はどのような感想を持ったのだろうか?多くの視聴者が、心と身体の関係性に興味を持ち、本質的な原因療法に関心をもってくれることを願う。

ちなみに、下の写真は、キャロル・シャイブリ博士がマカクザルでストレスと階層間の相関関係を調査した結果を証明する動脈の組織標本。 左は従属者のマカク動脈(ストレスを感じている)、右は支配者のマカク動脈。支配者のボスザルには動脈硬化の徴候は見られず、ストレスを感じている下階級層の従属サルに動脈硬化の徴候が見られたという。


2016年6月18日土曜日

霊的な影響に受ける患者さんにはどのようにアプローチするのか?

長年、治療者の先生方を対象にセミナーを行っていると、様々な質問を受けます。その中でも多くはないにしても繰り返し受ける質問があります。それは、「病的に気の重い患者、霊的に何かを感じる患者などを施術した後は、毎回その人の悪い気を受けて具合が悪くなることがあるのですが、何かいい対処法はないでしょうか?」というものです。この質問は、「悪い気(邪気)」や「霊的な気」が存在し、その気を受けるとウイルス感染を受けるかのように病気になってしまうと信じている方です。この霊的な影響を受けるという信念は、治療者だけでなく患者さんにも時々遭遇します。

もしも、そのような信念を持っている治療者や患者さんに相談を受けた場合、まずは邪気を受けないようにしたいのかどうかを尋ねます。そうすると多くの人は「受けないようにしたい」という意思を示しますが、受けなくするという意味は、今まで信じてきた信念を書き換えいるということでもあります。詳しく質問をすると、今まで信じてきた信念や感覚を無くすることに抵抗を感じている場合もあります。

例えば、霊的な邪気のようなものを視覚的に見える人、あるいは体感覚的に感じる人や嗅覚的に感じる人など感じ方は様々です。そのような感覚は何か特別な能力として持っておきたいという人も少なくはありません。つまり、「邪気を受けなくする」ということは、霊的な感覚もなくなるという意味にもつながるので、そのような能力は持っておきながら邪気を受けないようにしたいという人もいるでしょう。このような相談を受けた時、まずは、その人が信じている霊的な影響に関してお尋ねし、そのうえで今まで信じた信念体系を書き換えたいという前提で、邪気を受けないための施術を行います。

霊的な存在、すなわち非科学的なモノを真っ向から否定する人にとってはこのような悩みは起こりえません。それは、その人の信念によるものだからです。邪気を感じることが科学的に証明できないから正しくないとかの問題ではありません。「真実」と「事実」の解釈に違いがあるように、どちらも正しいのです。「真実」とは人間の頭の中で起こった出来事で、「事実」は現実に起こった出来事で、どちらもうそいつわりでない本当のことなのですが、「事実」は客観的に誰もが同じように感じているという意味合いを持ち、「真実」は主観的に見た人、触れた人によって感じかたが異なるという意味合いを含んでいます。

邪気を感じるか否か、あるいは邪気に影響を受けるか否かは、その人の培ってきた信念体系に関係するので、邪気を受けないようにするためには、その人が信じている霊的な情報に対して質問することから始めます。信じている人の多くは、幼いころからスピリチュアル的な環境の中で育ってこられた方が多いようです。中には人生の指針となる大切な教義を大事にしておられる方もいます。大切な教義は持ちながらも、健康に影響を及ぼすような邪気からは切り離したいという人もおられます。基本的には患者さん自身が現状を把握して、どのように信じていきたいかということです。特殊な感覚がなくなることで、大切な教義や信仰がなくなることではないので、誤解のないように説明しなければなりません。

このような霊的な邪気によって健康を害している人に限らず、その人が知らず知らずに信じてきた信念体系が健康を損なう原因の一つになっていることは少なくはありません。目に見えるモノだけが病気の原因に関係しているわけではありません。むしろ目には見えない無意識的なモノの方が大きく健康に影響を及ぼしているということを多くの治療者や患者に知っていただきたいと願います。