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2015年5月14日木曜日

薬物依存の治療

50代前半の女性の患者さんが、薬物依存の傾向があるので、改善したいとの希望。薬物はデパスという抗不安薬である。不安感に襲われるとその薬物でその場をしのいでいた経験が長く続いているとのこと。最近、その頻度が多くなり、薬物から解放されたいとこのことだった。

検査を行ってみると、隠れた原因パターンは過去のお母さまとの関係性が絡んでいた。その背後にある信念などの「心の構造」を明確にしながら、脳に学習されていた「誤作動記憶」の陽性反応を施術した。

その後の来院で、薬物依存の治療の後、すごく気分が楽になり、週末も心地よく過ごせたのとのご報告をいただいたが、トイレなどの狭い空間や、高速道路の運転などで、気持ちは大丈夫だが、何かいつもとは違う妙な感覚があるとのこと。

検査をしてみると、感情や信念、価値観などの大脳辺縁系関連の誤作動反応はでない。その代わりに、エピソード記憶(大脳皮質系関連)の誤作動反応がでた。つまり、脳の中で記憶された症状、すなわち、脳で創り出される違和感の「誤作動記憶」だった。

依存症の治療は、ご本人のコミットメント(本当にやめたいという覚悟)が50%以上なければ、治療効果を引き出すのが難しくなる。言葉では止めたいといっても、心の奥では止めたくない自分がいたりする場合が大半を占める。止めたいと思いつつも、止めたくない自分もどこかにいるということを認めながら、止めたい自分が50%以上優っている場合は、治療効果がすぐに引き出せる。

今回ご紹介させていただいた患者さんは、別の症状で治療を受けており、信頼関係のレベルが高かったので、治療効果がすぐに引き出せたようだ。本症例は、「大脳辺縁系」と「大脳皮質系の両方に絡んだ症例だった。