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2020年1月31日金曜日

15年目の進化したPCRTのプログラム

PCRTのセミナーを開催して今年で15年目になりました。臨床現場での研究から開発されたPCRTをどのように教授するか試行錯誤の連続でした。カイロプラクティックをはじめとする様々な自然施術療法を参考にしながら、「なぜ治るのか」そして、「なぜ治らないのか」の本質と、臨床結果にこだわって研究を重ねてきました。PCRTの治療法は常に進化していますが、治療法のコンセプトは変わりません。そして、以下の原則に基づいて施術法を発展させてまいりました。

1.      心と身体はつながっている
2.      人間は外界との関係性で生かされている
3.      人間の機能は生体エネルギーでコントロールされる
4.      生体エネルギーは無意識の信号にコントロールされる
5.      人間の身体的機能や思考パターンを脳に記憶される

自然界、人間界に存在するこの5つの原則に従うことが自然施術療法の本質につながることだと考えています。

ただし、この本質は机上の空論では意味がありあません。臨床現場で実践されてこそ意味があると思います。PCRTを実践していると上記の原則は自然に理解できるでしょうし、理論と実践には矛盾が生じないはずです。また、経験を重ねるごとに「なぜ治るのか」そして、「なぜ治らないのか」の本質がより見えてくると思います。

今年のPCRTセミナーの特徴は、1日ごとにテーマが完結する学習プログラムになっています。特に基礎編は、「意念調整法」を多く取り入れて、より簡便に効果が引き出せるようにご指導させていただきます。また、セミナー前に学習していただく事前課題を挙げていますので、参考にされてより学習を深めていただければと願っております。

それでは、皆様と会場でお会いできることをスタッフ一同楽しみにしております。



2019年3月13日水曜日

2019年度PCRT基礎1を終えて

先日、熱心な臨床家の先生方にお集まりいただき、本年度初めてのPCRT基礎1のセミナーを開催させていただきました。今年は症状別をテーマにしてプログラムが構成されているので、さらに実践的な手法をご紹介できたと思います。それぞれの臨床現場ですぐに応用できるのではないでしょうか。また、今回初めてバージョンアップした「言語加算振動法」をご紹介いたしました。ハード面からソフト面への橋渡しの施術法としても幅広く応用できますので、是非マスターしてご自分の患者さんに活用していただければと願っています。

症例報告では、ここ数年で飛躍的に成長された先生にジストニアの症例を二例ご報告していただきました。PCRTのプロトコルに沿った成果を明確に示していただき、動画で施術前と施術後の変化が明らかに分かる症例報告でした。神経学的な質問もありましが、PCRTでは神経学的な機能評価はあくまでも目安検査であり、調整のための検査ではないということも明確に示していただけたという点においては、心と体の関係性を直接的にアプローチした実践的な症例報告だったと思います。

ジストニアの原因を神経機能障害だけに留めて語る臨床家が多い中で、私たちのような治療家に期待されるのは、心と身体が関係した心因性のジストニアです。脳のどこどこの機能が低下している、あるいは興奮しているということが神経学的な検査で分かったとしてもそれはあくまでも結果であり原因ではないのです。肉体の機能的メカニズムだけで言えば、その領域の機能異常が原因だと言えるかもしれませんが、その機能異常を引き起こす原因があるというところに目を向けなければ本質的な治療は難しいのではないかと私は考えていいます。

今後も本格的にPCRTを臨床に取り入れて、多くの患者さんの症状改善に貢献する治療家がさらに成長してくれることを願っています。昨年から組織全体としての技術技能のレベルアップを目指して、実技試験制度を設けましたが、その成果も着実に現れているようです。今回のセミナーでは継続参加されている先生方の技術の向上を確認することができました。恐らくそのような熱心な先生方は患者さんに貢献されているだろうというのが予測できますのでたいへん嬉しく思います。

また、懇親会でもいい話が出ました。私たちは往々にして結果を出せない原因を患者のせいにしがちですが、ある先生は、「結果が出せないのは患者に原因があるのではなく、施術者にある」ということを話されていました。それは机上の空論ではなく、自分の経験で心から話されているのが感じ取れたので、飲み会でこのような深い話ができたことを嬉しく思いました。PCRTでは治療効果を引き出す「大前提」として、施術者と患者との信頼関係、患者の主体性(コミットメント)というのがありますが、患者との信頼関係や主体性も「患者次第と考える」のか、それともそれらは「施術者によって信頼関係が作られ、施術者によって患者の主体性が引き出される」と考えるのとは随分と患者への思いや接し方は異なるはずです。

たまたま読んでいた四月号の致知の雑誌は、「運と徳」についての特集でした。「徳を修める上での大事な心得として「易経」の一文が紹介されていました。「身を反りて徳を修む」、すなわち、「困難に遭遇したり、失敗した時は、自分に原因がないかを反省する。それが徳を修めることになる」ということを説いています。松下幸之助氏もこの言葉を生涯実践した人だといいます。松下氏は「ぼくは物事がうまくいった時は皆のおかげ、うまくいかなかった時はすべて自分の責任と思っていた」といって、この言葉の実践反復から氏の徳が生まれ、高まっていたといいます。

「徳」についてのお話は、開業当初から様々な書籍で学ばせていただいていますが、日々実践するという難しさは常々感じているところであり、折に触れて反省する毎日です。でも、このような文章に触れさせていただく度に、生き方の基本はここにあると思うことができます。たまたま臨床家の先生にご指導させていただける立場になった身ではありますが、治療法に関する知識や技能以前にこのような人としての在り方をコツコツと学んで自分自身を磨いていくことが組織の発展になり、患者への貢献になるということを忘れないように努めて前進していきたいと考えています。

次回のPCRT基礎2のセミナーでは肩関節痛、膝関節痛の調整法、スポーツ障害の調整法、頭痛、顎関節の調整法、めまいの調整法をテーマに前庭器官、小脳機能検査、ブレインマップ脳領域調整法、経絡を活用した調整法(臓器反応点)、メンタル系施術の導入、メンタル系領域のゴールデンルール、選択のマインド設定(メジャー・4つ)、ソフト面検査チャートの使い方、「基本感情チャート」の使い方、「詳細感情チャート」の使い方、「時系列・分野・立場」の使い方をご紹介いたします。

会場で皆様とお会いできることを楽しみにしています。

2018年12月7日金曜日

慢性症状はなぜ治りにくいのか?(動画)

慢性症状と誤作動記憶の関係性についての動画です


先日、脳神経科学の研究者である奥山さんと芥川賞作家の又吉さんがNHKの番組で記憶の書き換えについての研究成果を紹介していました。PCRTの誤作動記憶の調整にとても関係する研究内容でした。

10年以上も前から身体に不調を引き起こす誤作動記憶の概念をPCRT研究会で伝えてきました。あくまでも臨床で培った仮説でしたが、その仮説が段々と科学的な証明へと近づいていくのを感じています。

慢性症状は、「記憶」というよりも、身体の「構造異常」の問題だと考えるのがまだまだ一般的ですが、「慢性症状の場合は、『記憶』を調整する」という考え方が社会に広まると、どれほど多くの人々が慢性症状から解放されるか計り知れないと私は考えています。

今回「慢性症状がなぜ治らないのか?」という動画をLCAのスタッフに協力していただいて作成しました。もしかすると、一般の人には難しいと感じる人もいるかもしれませんが、繰り返し見ていただくことで、理解が深まると思います。

PCRTを臨床で使っている先生方には是非患者教育に活用していただき、「誤作動記憶」の調整を啓蒙していただければと思います。

将来は「慢性症状なら、誤作動記憶の調整をした方がいいよ!」あるいは、「症状の記憶を書き換える調整をしたら治るよ!」ということがさらに一般化する時代になることを願っています。

2018年11月18日日曜日

2018年度PCRT上級研究会を終えて

お陰様で本年度最後となるPCRT上級研究会が終了しました。今回は初めてご紹介する内容ばかりでした。いつもご協力いただいているインストラクターの先生方も受講者としてご参加いただき、インターラクティブ(双方向)に質の高い学習ができたと思います。上級に相応しいレベルの学習内容で実りのある二日間でした。

最初は「記憶のしくみについての神経学的一考察」をプレゼンさせていただきました、ノーベル医学生理学賞を受賞したエリック・キャンデルの研究と長期記憶と短期記憶、ならびに陳述記憶と非陳述記憶を明確に示した心理学者ブレンダ・ミルナーの研究をPCRTの臨床と照らし合わせてご紹介させていただきました。

EB(エネルギー・ブロック)の検査ルールとして、「EBは観察者が持っている情報(知識)の範囲内のフィルターを通して、診ようとする(検査する)から存在し、診ようとしなければ存在しない。EBは観察者(検査者)と共に存在する。」という説明を復習しました。これは、言い換えると検査者が異なり、診ようとするマインド設定が異なれば、検査結果も異なるわけです。だからといって、どんな陽性反応がでてもいいという訳ではありません。

特に、反射系の施術であるハード面の調整法では、一連の目安検査とその調整による結果が、患者も体感できるような理想の結果がでていなければなりません。もしも、毎回の施術において、その場で症状も改善するような理想の結果が出ていないのであれば、自分の検査法のスキルに疑いを持つべきであるということを分かりやすくお伝えしました。

視線によるPRT検査法では、陽性反応を特定した部位と直接法による検査結果が一致していなければなりません。もしも、一致していなければ、フィンガーテストや間接法による検査法などのPRTが不安定であるということになります。熟練された上級者の先生方は安定している様子が伺えました。このような検査法をマスターすることで、施術時間も短縮され、効果的な調整法ができるようになると思います。

『過去のプチトラウマの調整』、『「復讐心」の「べき」の調整』、『信念の出所を特定』、『気づきによる「体感変化」』なども上級ならでは深みのあるワークがそれぞれに体験できていた様子でした。特に「高い存在」に聞くワークも上級者でなければできないワークだったと思います。また、恐らくミラーニューロンに関係しているであろうダミー人形を使ったワークもそれぞれの参加者が体験されましたので、臨床でスムーズに活用されると思います。

「術者患者間のラポール技法」では、それぞれの患者のニーズや満足度に合わせてラポールを強化する期待の管理をご紹介しました。基本的にはオーダーメイド的に様々な患者さんのタイプに合わせて、どれだけ寄り添ってニーズにお応えできるかということ。また、それぞれの治療院のルールの中で、できることとできないことを明確にして患者さんの期待を管理することの重要性もお伝えさせていただきました。

来年もさらに患者さん目線で患者さんに分かりやすい施術、楽しめる施術を目指して進化していきたいと考えております。よろしくお願いいたします。

2018年9月13日木曜日

PCRT中級2の研究会を終えて・・・「素直さ」に勝る武器はない


 今回のPCRT中級2の研究会を通じて嬉しく感じたことがあります。PCRT研究会に継続して参加していただいている若手の先生が、臨床現場でもPCRTを忠実に使い、多くの患者さんに喜んでもらって成果を出しているという声を聞かせていただきました。また、他のインストラクターからもその先生が今回の研究会で、他の先生方の見本になるような実技を淡々とされていたとフィードバックをいただきました。確かにその先生の成長ぶりには目を見張るものがありました。私への質問も、研究会で会うごとにだんだんとレベルが高くなってきているのを感じていました。

何がそのような「成長」を促しているのでしょうか?それは、「素直さ」だと改めて思いました。その先生は直感的に「これだ!」と感じたのでしょう。ある時からPCRTの研究会はもちろん、私が指導するICCコーチングのトレーニングにも参加していただきました。吸収できるものはできるだけ吸収しようという意欲が感じられました。ご本人もコーチングを受講されて、人生的にも大きな変化を感じられたと言われていました。

昔読んだ本の中で「一流の人は、いくつになっても素直に学ぶ」ということが書かれていたのを思い出しました。「素直な人」の反対は「我が強い人」ということになります。「我が強い人」は、自分が身につけた知識や経験を大事にして、過去の知識や経験が否定される情報や新しい考え方を受け入れようとしないように感じます。一見、謙虚に受け入れて頭では理解しているように感じても、行動を見ていると心の奥に響いていないのが分かります。

一流の人は、自分の考えだけに凝り固まっている危うさを知っているので、人の話を素直に受け入れる感性を持っているようです。その危うさとは、「自分が正しい」、「この考え方しかない」と思った瞬間から成長が止まってしまうからです。もしも、自分に合わない考え方でも、一旦は素直に相手の教えを受け入れる。そして、その考え方が自分の成長につながるようであれば、その考え方を実践し、もしも、自分には合わない、自分の成長にはつながらないのであれば、それは知識として置いておく。

恐らく、新しい考え方を受け入れると、過去の考え方を捨てなくてはならないと思い込んでしまい、新しい考え方を受け入れられないのかもしれません。本来は、過去の知識や経験は捨てるものではなく、積み重ねていくもので、新しい考え方が加わることで成熟していくはずです。逆に新しい考え方が入ってこない時は、成長が止まっているときでもあると言えるでしょう。

どんなに高いレベルの知識や長い経験があっても、成長のための「素直さ」に勝る武器はないように思います。何よりも素直な人は応援したくなるし、周りからも応援されるように思います。「素直さ」は人を成長させ、人生を豊かにしてくれると私はつくづく思います。

2018年8月9日木曜日

2018年度PCRT中級2のご案内

2018年度PCRT中級2のご案内

9月9日-10日に開催されるPCRT中級2では、主にアレルギー治療に関しての手法を学びます。スイスのアレルギー研究所が発表したデータによると、アレルギー患者は1950年代では非常に少なかったけれども、先進国では年を追うごとに増加し、2000年の時点では、何と3人に1人が何らかのアレルギー症状を抱えているといいます。現代医学では科学的な根拠に基づいて治療やアドバイスをしていると考えられますが、アレルゲンを避けるという「予防策」は効果があるのでしょうか?巷では花粉を避けるためのマスクやメガネなどの広告やアレルギー食材の表示をたくさん目にします。

しかし、最新の科学研究は、アレルギー食品などを避けることは、実はアレルギー予防に全く役に立たないことを突き止めました。つまり、アレルゲンを避ける「予防策」は、明確な科学的根拠が存在しないのです。これは、アレルギー医療の最新研究の現場を世界的に取材したNHK取材班が述べていることです。さらにアレルギー食品を避けることが、かえってアレルギーを発症する子供を増やしてしまっているという恐ろしい可能性すら指摘され始めているのです。現代医療はアレルギー症状を根本的に治すことが不可能だと考えていたため、予防策や症状を抑える対症療法で対応してきたのです。

しかしながら、22年前に日本人科学者がある特殊な免疫細胞の存在を突き止めたことに起因して、近年のアレルギー研究が飛躍的に進歩しました。現代医療においては、アレルギー医療の常識が根底から覆るようなパラダイムシフトがあったということです。簡単に言うと、「アレルゲンを身体から避ける」から「アレルゲンを身体に慣れさせる」という考え方に180度転換したということです。

現代医療ではその革新的な考え方から、2014年に「花粉症の舌下療法」という治療法が開発され、新聞、雑誌などで話題になり、根本的な治療法として期待されるようになりました。それは花粉成分が少量入った液体を舌の裏側に垂らして吸収させる治療法です。アレルギーの原因物質であるアレルゲンを敢えて体内に取り込むことで身体を慣らして完治させようという試みです。また、花粉の成分を入れたお米を食べることで花粉症を根本的に治す研究も進められています。

PCRT(心身条件反射療法)研究会では、20年ほど前からアレルギー治療の臨床研究が進められており、欧米で進められている様々なアレルギーの代替療法も参考にしながらその本質的な治療法を追求してきました。そして、現在のPCRTにおけるアレルギー治療は、明確なプロトコルに基づいて、効果的なアレルギー治療ができるように発展してきました。基本的には「アレルゲンを身体に慣れさせる」というコンセプトに基づいていますが、アプローチの仕方は、現代医学とは異なります。アレルゲンを「情報」=「エネルギー」として捉え、脳の可塑性を活用して、アレルギー症状を生じさせる誤作動の記憶を調整していきます。

アレルゲン情報をエネルギー的に身体に慣れさせることは難しいことではありませんが、様々な一般情報から由来するいわゆる根拠のない「思い込み」は、施術の妨げになることもあります。しかし、PCRTではそれが「思い込み」が関係しているのか、単に反射系に関係する「アレルゲン」の条件付けなのかを検査します。さらには、「アレルゲン」にプラスアルファーされた、大脳辺縁系に関係する複合した誤作動記憶なのかを明確にして施術を行うことができます。

PCRTの本質をしっかりとマスターすれば、アレルギー症状の患者さんをしっかりとサポートできる自信が身につきます。アレルギー症状は改善されないものだと諦めている患者さんは少なくはないと思います。そのような患者さんに貢献できるように治療の幅を広げてはどうでしょうか。様々な慢性症状と同様に、アレルギー症状の改善も、身体をエネルギー体として捉え、誤作動記憶という概念で治療をすることで、効果が出せることを確信されると思います。次回のPCRT中級2では主にアレルギー治療について学び、信念や意味記憶などの概念を深めていきます。皆様と共にさらに学びを深めていけることを楽しみにしております。

2018年8月6日月曜日

PCRT実践編ジストニアとイップスOne Dayセミナー

昨日、ジストニアとイップスOne Dayセミナーを福岡で初めて開催させていただきました。

前半、現代医学に基づいたジストニアの定義や分類、鑑別、ジストニアに関係する神経ネットワークやジストニアに関係する大脳基底核の主な機能や運動ループ、心因性ジストニアとイップスの神経学的メカニズムの仮説を学びました。医学的な文献に基づいた情報を説明し、PCRTを応用した問診のポイントや注意点を紹介しました。その後、痙性斜頸のアプローチの仕方やリバビリの手法、書痙のアプローチの仕方を紹介しました。

後半はイップスについての最新の情報をお伝えし、ゴルフイップスや送球イップスのアプローチの仕方を学びました。そして、パフォーマンス向上のためのフォローの仕方、マインドフルネスの活用などをご紹介しました。ワークでは「部分と全体」を体験するワークや誰にでもある「反復性のパフォーマンス問題」を課題に施術のアプローチを学びました。心因性ジストニアとイップスの症状改善は、PCRTでのアプローチが本質的な施術になるということを改めて理解していただいたのではないかと思います。

参加されていた先生方が認定者であり、遠方からこのセミナーのために日帰りで福岡まで受講していただいた先生もおられました。参加者の意識が高くとても有意義な実践編のOne Dayセミナーになったと思います。すでに、ジストニアやイップスの患者さんを多く施術されて、結果を出されている先生もおられましたが、今回のセミナーを通じて、さらに多くの患者さんをサポートしていただけること思います。熱心に受講していただきありがとうございました。

10月にも東京で実践編が開催されますのでよろしくお願いします。


2018年7月24日火曜日

ジストニアとイップスの本質的な原因

ジストニアの原因は、医学的に特発性(原発性)ジストニアと症候性(二次性)ジストニアに大きく分類されています。特発性ジストニアは、病理学的に脳の構造的異常が認められないものです。症候性ジストニアは、別の疾患や事故などが元にあって二次的に生じたものです。その場合、MRICTの検査によって、大脳基底核(特に淡蒼球)などに病理学的な病変が存在することがあります。また、薬剤投与による薬剤性ジストニアも症候性ジストニアに含まれます。

当院のような代替医療の治療院に来院されるジストニアの患者さんの多くは、来院前に神経内科などの専門の病院で、障害の筋肉を司る脳や神経系に病理的な異常がないかどうか検査を行います。もしも、器質的な異常がなければ、「特発性ジストニア」となるわけですが、「器質的ジストニア」以外は脳や神経系に関連する「機能的ジストニア」として分類することもできます。では、何が脳や神経系の働きを乱す原因になるのかということになりますが、その多くは心理的な要因が関係しています。心と身体は密接に関係し合っているという観点で考えるとごく当たり前のことです。しかし、西洋医学の思想の影響でそこを切り離して考える医療者は多いようです。

西洋医学の論文で心因性ジストニアは稀とされる記述もありますが、西洋医学の診断の多くが機械論的な思想に基づいた目に見える「器質因説」に基づいており、心と身体の関係性による誤作動記憶という目には見えない心身相関に関連する「心因説」の存在の多くは検査対象外となりやすい傾向があります。そして、明らかな「心理-社会的要因」が見当たらない場合は「特発性ジストニア」として、対症療法的にボトックス注射や薬が処方されます。一時的な症状の緩和が見られる方もいるようですが、副作用があったり、本質的な治療法でないために症状が振り返されたりする傾向もあるようです。

現代医学における心因性ジストニアに関する症例報告を検索すると、あまり、報告されていないという印象を受けます。数少ない症例報告の内容は、心理テストでも示されるような明らかにメンタル的な問題が存在する患者の症例がほとんどで、私はそこに現代医学の盲点があるように感じます。当院に来院するジストニアの患者さんの多くが、神経内科などの専門医を受診されて、ボトックス注射などの対症療法を避けて来院されるケースで、また、病院で通常の問診を受けてもメンタル的には問題があるとは思えないような患者さんがほとんどです。

しかしながら、PCRTのプロトコルに沿って検査を進めると、心理-社会的な心因性の誤作動の記憶が検出されます。そして、その誤作動記憶が消去されるごとに、条件付けされた不随運動が徐々に改善されます。原因パターンの複雑さや広さにもよりますが、患者さんが早期に施術を受けるほど改善も早まる傾向にあります。PCRTで改善される心因性ジストニアの患者さんのほとんどが、無意識的レベルの感情や信念の記憶に関係しています。それは誰にでもある誤作動の記憶です。多くの患者さんはそのことがいわゆるトラウマとして原因になっていたということを認識されます。

代替医療を利用する患者さんの多くが「機能説」に基づくジストニアですが、当院に来院される患者さんも病院以外に鍼治療やカイロプラクティック、整体などの治療を受けて改善されずに来院されます。そのような患者さんにはどのような治療を受けたのかをできるだけ尋ねるようにしています。多くの患者さんは具体的な施術目的までは分からずに治療を受けている方がほとんどですが、多くの代替医療の治療院では「機能説」に基づいて、筋肉の緊張緩和や神経系の機能回復の目的で治療を受けているようです。

「機能説」に基づく治療法もいろいろありますが、神経学的なアプローチをする治療者は、ジストニアに関係する神経学的な機能異常の部位や神経経路を特定し、その機能回復を目的に神経学的な刺激を加えるリハビリを患者さんに指導します。脳の可塑性を活用したリハビリ療法ですが、患者さんはよほどの覚悟をしてリハビリを長期に継続する必要が求められます。もしも、長期的なリハビリが継続され、脳の機能異常部位への適切な刺激が行われれば、脳の可塑性が促進されて効果が現れる可能性があります。

しかしながら、神経学的な機能異常にはそれを引き起こす原因があります。繰り返しますが器質的な原因でない限り、機能異常の多くは心因的な原因が関係しています。脳や身体に記憶された誤作動は、単純な神経学的な機能低下という観点ではなく、無意識的に条件付けされた誤作動の記憶という関係性から考えることで、さらに早く改善が促されます。

スポーツの分野で知られているイップスの症状も程度や部位などの違いはあるにせよ、脳の誤作動記憶に関係して無意識的に筋肉の不随意運動が生じるという点においては心因性ジストニアと同じメカニズムです。意識と無意識とが離れすぎて脳と身体が調和できていないという点においても同じであり、どちらも意識と無意識の関係性、脳と身体の関係性、脳と環境との関係性など、「関係性」に基づく誤作動の記憶を書き換えることで本質的な治療につながります。

「器質説」に基づく原因療法は西洋医学、「機能説」に基づく療法は代替医療となりますが、神経系の機能異常にメンタル面が関係していることを忘れないでください。心と身体は切っても切れない密接な関係性があります。その「関係性」を含めて患者さんを診ることでホリスティックな本質的な治療が実現するのだと思います。

85日は、ジストニアとイップスに関するPCRT研究会をOneDayセミナーとして開催します。参加資格はPCRTの認定者に限定しておりますが、資格のある方はぜひご参加ください。ご一緒に治療の質を高めていきましょう。PCRTを利用したジストニアとイップスの症例報告はHPに掲載されていますので、下記をご覧ください。よろしくお願い致します。





2018年7月13日金曜日

PCRT中級1研究会を終えて

PCRT中級1の研究会ご参加ありがとうございました。今回はボリュームが多すぎて、後半の総合ワークのプログラムにしわ寄せが生じました。でもその前の各ブログラムのワークでは、それぞれの先生方がじっくりと学ばれている様子が伺えましたので満足していただけたのではないでしょうか?はじめて経絡のプログラムを受けた先生方にとっては覚えるところがたくさんですが、毎日、コツコツと復習していけば着実にマスターできる内容です。経穴人形を一体購入されて、井合穴の取穴を着実に覚えてください。経絡の流れに合わせて、臓器反応点も習得していただくと、確実に検査の幅が広がると思います。

「空間ブロック方向性刺激調整法」は臨床現場でも試してみましたか?研究会ではほとんどの先生方が目には見えないEBの存在を確認し調整にて施術効果を体験していただけたと思います。PCRTEB検査ルールで「EBは観察者が持っている情報(知識)の範囲内のフィルターを通して、診ようとする(検査する)から存在し、診ようとしなければ存在しない」ということを忘れないでください。目には見えない肉体外空間のEBを施術者が診ようとすれば、その存在は検査で示されるはずです。PRTの検査法に磨きをかけてください。

心身相関に関係する「マインド系領域検査」は試してみましたか?検査を行う前には研究会で紹介した「マインド系領域検査のゴールデンルール」を守って使用してください。まだ、ご自身の生体反応検査法が不安定だと感じていたら、まずは、ハード面の検査法で自信をつけてからソフト面の検査へと進まれることをお勧めします。今回は感情・価値観・信念などの情動や意味記憶やエピソード記憶のいわゆる「思い込み」に関する施術法をご紹介しましたが、以前よりもさらにシンプル化しているので使いやすいと思います。患者さんとの信頼関係を保ちながら活用されてみてください。

次回は85日に福岡でOne dayセミナーで「イップスとジストニアの調整法」をご紹介します。このセミナーはPCRTの基本ができているという前提で進めますので認定者に限定させていただいております。そして、99日・10日は中級2の研究会を開催します。アレルギー治療とソフト面調整法をさらに深めていくプログラムです。「心身条件反射療法」の名称の由来である「条件付け」=「学習記憶」の概念がさらに深まるプログラムになると思います。皆様のご参加を楽しみにしております。

2018年6月20日水曜日

2018年度PCRT中級1案内

 7月8日と9日にPCRT中級1が開催されます。PCRTの基礎編を終えて、いよいよ中級1に入り、無意識の心理的要因への検査と調整法に入っていきます。前回の基礎2では大脳辺縁系領域の感情チャートの使い方をご紹介しましたが、今回は詳細感情チャート、基本的な価値観、信念のチャートの使い方をご紹介します。さらに大脳皮質系の意味記憶(意味付け・思い込み)、エピソード記憶の検査と調整法などをご紹介いたします。

ハード面調整法では経絡の調整法、井合穴経絡調整法、臓器反応点経絡調整法、空間ブロックの方向刺激調整、リニアレーザー光線空間調整法などをご紹介します。基礎編では空間ブロック調整法をご紹介しましたが、今回はさらに方向性を加えた刺激による調整法をご紹介します。今までの固定概念に変化を促すチャンスです。エネルギー的調整法を学んで治療者としての応用力を高めていきましょう。

また、前回の基礎2では小脳系機能障害の簡便な検査法をご紹介しましたが、今回は小脳の機能障害に影響を及ぼす大脳辺縁系の検査もご紹介します。この検査法は単に小脳関連だけの神経学的な機能障害なのか、それとも心理面が関係する大脳辺縁系関連の機能障害なのかを明確に検査することができます。しかも患者さんにもその関係性や影響を体感してもらいやすく、元の原因となるメンタル系調整も説明しやすくなります。

施術した後はある程度症状が改善するが、すぐにぶり返す患者さんや様々な治療法を受けたけれど改善されない患者さん、あるいは心因性ジストニアやイップスなどの患者さん達は、PCRTで深い検査を進めていくと、心の奥では心理面が関係していることを薄々感じている方がほとんどです。その本質の部分をいかに信頼関係を保ちながら患者さんに寄り添って引き出すことができるか?PCRTが熟練すればするほど、その本質に近づいていくはずです。

ある程度臨床経験があり、症状の原因を深く探求されている臨床家であればあるほど、繰り返す慢性症状は、ハウツー的な治療法では本質的な効果は期待できないということを感じられているのではないでしょうか?通常医療では改善されない多くの患者さんに通常医療の考え方(機械論的概念)で施術をしても、結果は期待できないでしょう。通常医療とは異なる生命論的概念で本質的な施術を追求していきましょう。皆様のご参加をお待ちしております。

2018年5月17日木曜日

心身条件反射療法基礎2の研究会を終えて

今回の基礎2では、生体反応検査法の復習から筋膜系、筋肉系、前庭器官、小脳、脳神経、蝶形後頭底結合調整法、ならびに基礎感情チャートの導入法など多岐にわたった検査と調整法を学んだ。特に今回初めて紹介した小脳機能異常の簡易検査には興味をもって使っていただいた。既存の神経学的検査と連動しているので腑に落ちただろうし、ほとんどの先生が次の日からでも臨床で使っている様子が想像できる。

今回、研究会の場の雰囲気はとても良かった。二日間、会場に気持ちの良い空気がいつも漂っていた。恐らく私たち指導者も含めて、純粋に学ぼうという意識が高かったように思う。特に熟練者の先生方がリードして、初心者をフォーロしながら心地よく学習する雰囲気は清々しさを感じさせてくれた。解ったつもりにならずに、謙虚に、素直に学ぼうという姿勢は、他の受講者のお手本になったのではなかろうか?

心身条件反射療法では臨床に役立つ様々な調整法を指導させていただいているが、自然療法の本質が分かる治療家としての「治療哲学」を学ぶ場でもある。患者さんに役立つ施術の技術、技能を学ぶことも大切であるが、その背後にある治療哲学は、治療家としてのバックボーンになる。長年、研究会を継続させていただいているが、単にテクニックだけを追求する受講生は、何か治療家としの背骨が定まらない傾向がある。それは恐らく「治療哲学」というバックボーンの習得をおろそかにしているからではないだろうかと、ふと思ってしまう。

講師という立場で治療家の先生方を指導させていただいて思うことは、「素直さ」が何よりもその人を成長させるということだ。すでに多くの知識や技術、経験があったとしても、素直に学んでいる先生はさらなる成長が著しい。その一方で、自分はある程度できていると思い込んでいる人は、素直さに欠け成長が止まっている。本人はそのことに気づいていないが、会場でその人の臨床を見ていると荒さが伝わってくる。

最近、ある先生が、飲み会の席で、「最初はPCRTが何か怪しいテクニックに感じていたが、PCRTが解れば解るほど、本物(本質)に見えてきた・・・」と冗談のように吐露していた。実際に臨床ではPCRTをメインに使っているとのことで、患者さんもどんどん増えてきているとの報告をいただいた。素直に学んでいるからこそ成長し続けているのだと思う。

セミナーや研究会に限らず、臨床現場でも患者さんから素直に学ぶという姿勢はとても大切だと思う。素直になれないときは自分の成長が止まっているし、素直になれているときはどんどん成長し続けている。素直に学ぶということの大切さを忘れずに実践していきたい。

2018年4月24日火曜日

PCRT基礎2 信頼関係に基づく『効果がだせる調整法』を伝授します。

PCRT基礎2 信頼関係に基づく『効果がだせる調整法』を伝授します。

PCRT基礎2で得られる学びの7つのポイント

   筋膜関連の誤作動調整法
関節系の患者さんで、時折、関節系の陽性反応は消失しているにも関わらず症状の残存を訴える場合はないでしょうか?その際、関節系の調整法に加えて『筋膜系の調整法』を加えることで施術効果が高まることがあります。筋膜の概念と調整法を分かりやく伝授します。筋骨格系の施術の幅が広がります。

   頭蓋骨関連、脳領域の誤作動調整
脳の中枢と脊椎の末梢との繋がりは切り離せない事実です。神経学的な観点のみならず、様々なエネルギー系のネットワークは中枢と末梢とを繋いでバランス調整を行っています。もしも、中枢や末梢との繋がりの誤作動が生じれは様々な不調が生じます。そのような不調の調整法を使うことでさらに施術効果が高まります。繋がりの誤作動を調整する効果的な『頭蓋骨調整法』と『ブレインマップ調整法』を伝授します。

   目安検査法と合わせて機能評価チャートの使い方
機能評価チャートと目安検査を合わせて使用することで、メジャーとなる機能異常の特定や施術前と施術後の評価が分かりやすくなり患者との信頼関係が高まります。施術者にとっても、機能異常の根源となる問題が明確になります。

   小脳機能異常から生じる様々な問題を分析できる簡便な検査法
腰痛や四肢関節痛も小脳の機能異常から生じている場合も少なくはありません。また、ふらつき感は三半規管由来なのか、それとも小脳由来の機能異常なのかを明確に判断しなくてはならないケースもあります。そのような鑑別が必要なケースでもPCRTの機能異常の検査は、患者さんにも分かりやすく体感的に納得していただけます。今回は特別に最新の小脳関連の検査法を伝授します。これは我々の臨床にとても役に立つと思います。

    臨床に役立つ神経学的機能異常の調整法
神経学を極めるには膨大な知識が必要ですが、私たちの臨床現場では神経内科医などのような知識は必要ありません。病理的な疑いのあるケースは専門医にお任せすべきです。私たちが関わる患者は病理学的な問題ではなく、神経学的な機能異常です。神経学的機能異常の調整はシンプルです。しかし、その機能異常は原因があっての結果です。神経学的機能異常を引き起こすには本質的な原因があることを忘れないでください。PCRTでは簡便な神経学的機能異常検査法とその本質的な原因を患者と共に探求します。

   部位別のマッスルテストを使った検査法と調整法
目安検査にもなる部位別のマッスルテストは、患者が筋力の弱化を体感するとこで、機能異常の存在の有無を明確に示すことができます。患者にも納得できるマッスルテストをマスターすることで、患者との信頼関係が深まります。

   メンタル系施術の導入と基本感情チャートを使ったその調整法
PCRT発足当初は、メンタル系のアプローチで患者との信頼関係がうまく築けずに効果が引き出せなかった受講者の事例をお聞きしていました。けれども、最近はどのようなタイプの患者にどのようなタイミングで応用するのか、どのように説明をしてメンタル系を導入するのかのアプローチの仕方が明確になり、効果を引き出せている受講者の声を多く聞かせていただいています。長年の研究で進化したメンタル系調整法のアプローチの基本を伝授します。



2018年3月17日土曜日

生体反応検査法の極意  その3(患者との「波長」を合わせる)

生体反応検査法の極意  その3(患者との「波長」を合わせる)

生体反応検査法は生体エネルギーを読み取る検査法なので、様々な患者に応じて「波長」を合わせなくてはなりません。「波長を合わせる」とはどのようなことでしょうか?通常のコミュニケーションにおいても相手の話し方のリズムやタイミング、声のトーン、あるいは、相手の姿勢に合わせると、相手は心地よく心を開き話しやすくなります。また、単に表面的なことだけでなく、内面的に相手の立場に立った心の姿勢で話を聞くと、相手はそのことを悟り、さらに打ち解けやすくなります。

通常、西洋医学の思想を基準にした治療法では、「検査する側」と「検査される側」あるいは、「治療する側」と「治療される側」との信頼関係に基づく心の交流や気持ちの交流がバラバラであっても検査や治療技術さえ高ければ何ら問題はないという考え方が多いかもしれません。例えば、骨折や虫歯の治療などでは治療者と患者との「波長」が合う、合わないということが治療効果に影響を及ぼすというよりも、むしろ、治療者の技量や経験に委ねられます。その一方で、患者の身体を使った生体反応検査法を基軸にして患者自身の自然治癒力を引き出す自然療法において、「検査する側」と「検査される側」、あるいは「治療する側」と「治療される側」の心の交流や気持ちの交流は必須条件になります。

PCRTのような自然療法の本質を深めた治療家の多くは、症状の本質的原因に関係する人間の反射機能や脳の認知に注目します。治療者は患者と共に生体反応検査を進めていき、患者に検査結果の理解を深めてもらいながら治療効果を患者と共に共有していきます。東洋医学的にいうと気を通わせながら検査と治療をすすめていくということになります。そのような患者と共に創り出す治療法とは対照的に西洋医学の思想に基づいた現代医療に慣れ親しんだ治療家や患者さんは、治療者に「お任せする」という感覚が多く、治療者と一体となって治療を進めていくという感覚は少なくなります。患者と一体となって本質的な治療法を進めていくと、だんだんとなぜ治るのか治らないのかが明確になって、患者自身が本来持っている治る力を信じられるようになります。

また、治療者が単に治療テクニックだけでなく自然療法の本質を深く理解し始めると、その本質を患者に伝えて理解してもらう方が治りが早いということが分かってきます。そうなると患者に理解してもらうためにその本質の説明をしたくなるのですが、西洋医学の思想を強く信じている患者にとっては、生体反応検査法の原理原則や自然療法の本質を説明されればされるほど、不信感が増してくるかもしれません。西洋医学で行われる画像診断や数値で示される血液検査などは信頼しても、身体を使った「生体反応検査法」は理解できない、信用できない、胡散臭いという方が少なくはありません。その場合、治療者と患者との「波長」が合わなくなって、検査結果も不安定になり治療効果も引き出せないということになりがちです。


前述のように信頼関係に基づく患者との波長合わせは、正確な生体反応検査法や治療効果を引き出すためには必須条件になります。治療者は患者が求めているニーズを見極めて、西洋医学的な考え方に類似した理論に基づく治療法を選択して進めていくのか、もしくは、自然療法の本質を理解してもらい一歩踏み込んだ本質的な治療法で進めていくのか、患者の理解度や求めているニーズに合わせて進めていく必要があるでしょう。自然療法の本質の一つとして、生体エネルギーを対象に調整を行なっているという事実があります。生体エネルギーは「気」、あるいは「波長」という言葉で表現されます。人との関係性においても理屈抜きで「気」や「波長」が合わないと感じることがありますが、治療者は選ばれる立場であり、受け入れる立場ですので、幅広く人を受け入れる度量(波長)を広げる訓練や人間修行は、生体反応検査法の資質を高めるためにも必要になるのではないかと思います。