2012年9月21日金曜日

治癒力のスイッチと誤作動(エネルギーブロック)

人間は本来自然治癒力を持ち備えています。病気や様々な慢性的な症状を抱えてしまうとついついそのことを忘れてしまいがちになります。

慢性的な症状がなぜ続くのか?それは、簡単に言えば、本来機能すべき「治癒力のスイッチ」が入っていないのです。「治癒力のスイッチ」を止めているものは何でしょうか?それは、身体のすべての働きをコントロールしている脳・神経系の誤作動です。

この誤作動は目に見えて分かるような機械的な誤作動ではなく、エネルギー的な誤作動です。電気信号の伝達異常や電波の周波数がうまく合わずに、ラジオの音声に雑音が入っているようなものです。

ニューロパターンセラピーでは、このようなエネルギー的な誤作動(エネルギーブロック)を検査して調整します。調整の目的は、生体内外の電気信号がうまく伝わるようにチャンネルを合わせるようなものです。

症状の程度や慢性症状を抱えている期間の長さなどで、身体に学習記憶されている誤作動の数は様々です。誤作動の数が多ければ多いほど施術回数が必要になります。

施術を繰り返し継続することで、消去法のようにこの誤作動反応が消えてゆき、少しずつ「治癒力のスイッチ」が入るようになってきます。

そして、この「治癒力のスイッチ」を持続的に入れていくためにも、身体のメンテナンスが大切になります。自動車や飛行機のメンテナンスを怠ると故障しやすいのと同じ理屈です。

また、人間は本来、自然治癒力と共に学習記憶という機能も持ち備えております。一度、治癒力が引き出せなくなる学習記憶をしてしまうと、その身体に染みついたクセを変えるためにはそれを修正する時間が必要です。

枯れた盆栽を生き返らせるには一日ではできません。盆栽に必要な栄養分と適度に鋏を入れながら手入れが必要です。盆栽を枯らさないコツは繰り返し鋏を入れて手入れをすることだといわれています。鋏を入れることで適度な刺激を受けて、生命力を保っているのでしょう。

人間も同じで、慢性的な病気や症状から回復させるためには、時間を掛けながら適度な刺激が必要です。施術を通して、適切な刺激を繰り返し受けながら治癒力のスイッチを全開させて健康を保ちましょう。

2012年9月10日月曜日

2012年度PCRTアドバンス1のご案内

心身条件反射療法(ニューロパターンセラピー)代表の保井です。

今度の9月30日と10月1日に開催されるアドバンス1でご紹介するトピックは以下を予定しております。

 言語神経反射検査
 五感パターン
 感情チャート
 パターン振動
 呼吸法に関して
 セルフイメージの検査、施術法
 交通事故によるトラウマ
 スポーツ障害
 心因性視力障害
 脊柱関連症状(腰痛、肩こり、頸部痛、背部痛など)
 顎関節症
 頭痛

上記の項目をご紹介する前に、最近開発したハード面の新たな施術法もご紹介させていただく予定です。ブレインマップ、持続圧振動法に続く新たな手法です。

いつものことですが、新たに施術法を開発した後、そのネーミングを何にしようかと考えます。今回のネーミングは、「持続振動検査治療法」とします。そして、前回ご紹介した「持続圧振動法」を「持続圧検査治療法」に変更したいと思います。

今回ご紹介するその「持続振動検査治療法」は、シナプス前促通の概念に対して、シナプス前抑制の概念が関与しているのではないかと考えています。臨床的に分かりやすくいうと、筋肉系を緊張させる興奮性シナプスの誤作動に対して、抑制性シナプスの誤作動を検査して施術する治療法であるといえます。

つまり、筋肉を働かせる神経系の誤作動に対して、筋肉系を緩める神経の誤作動の施術法になります。この施術法の理論的背景は仮説ではありますが、臨床的に患者さんには分かりやすく説明できるようです。

「本来、リラックスさせる(緩めるための)神経の働きが悪いのですよ・・・」という具合に説明すると患者さんも納得されます。恐らく施術者にとっても新しい神経生理学的概念での施術法になるのではないでしょうか?

今までご紹介したハード面の施術法と同様に即効性がありますので、筋骨格系の症状がある患者さんにはとても効果があります。

新たな施術法を発見するたびに、早くご紹介したくてワクワクしています。でも、それをシンプルに分かりやすく説明するにはいつも一苦労します。

そのハード面の施術法以外にもPCRTの特徴でもある五感パターン、感情チャート、言語神経反射検査のご紹介、さらには症例別のアプローチの仕方をご紹介させていただきます。

いつも盛りだくさんになる傾向があるので消化不良にならないように工夫したいと思います。

皆様のご参加を心よりお待ちしております。

2012年9月4日火曜日

先生、今日は「念」が入っていますね・・・

「先生、今日は念が入っていますね。」
施術が終わるころに、一人の患者さんがさりげなく話された。

以前、その患者さんとの遠隔施術の時に、「念」についての話題がでてきて、互いに共感し合っていたので、その患者さんが何を意味しているのかピンときた。

・・・ということは以前の施術は念が入っていなかった???
他の患者さんも「念入りに治療をしてもらわないと・・・」なんて、冗談半分にいわれることがあるが、いつもどの患者さんにも基本的な治療院のルール(時間など)の中で念入りに治療をしているつもりだが・・・・

その後、自分自身の心の動向を冷静に客観視してみると確かに念が入っている時と入ってないことがあることに気づかせていただいた。今回、「念が入っていますね。」といわれたのには理由がある。

それは、いつものパターンではあるが、新しい施術法を発見して、それをできるだけ多くの患者さんに試して、その効果を再確認したかったのと、その施術法で患者さんに喜んでいただきたかったという理由があった。

振り返るといくつもの施術法を生み出すたびに、そのたびにワクワクして施術に念が入っていただろう。そして、その施術法の効果が当たり前になってくると、効果が出るのが当たり前だから念も入らなくなる・・・

自分にはそのようなパターン(心の習慣)があることは以前から分かってはいたが、それが直接的に患者さんに影響を与えていたのだということを、今回は真摯に気づかせていただいたような気がする。

「念」とは目には見えないものであるが、それを込めるかどうかでは様々な成果が異なるだろう。治療院の経営も、患者さんの満足度を高めるために治療技術の向上やコミュニケーションスキルの向上が重要であるが、そこに情熱がプラスアルファーされなければ患者さんへの真の満足度へとつながらないだろう。

情熱とは、私流にいえば真心であり、今回気づかせていただいた「念」を込めるということもその情熱に含まれるのだということが自分なりに理解できた。今後は、治療院の公平なルールの中で、いかにして一人一人の患者さんへ「念」を込めることが出来るかを工夫していきたい。

また、たとえ目の前に患者さんがいなくても、離れている患者さんの健康を願って念を込めることも大切だと思う。不思議な話ではあるが、その後でその患者さんから予約の電話が実際に入ってくることもあったりする。

やはり、目に見える人に念を込めることも大切だが、目には見えないところで念を込めることの方がもっと大切なような気がする。

「念ずれば花開く」
これは詩人、坂村真民さんの詩の一句である。よく引用される名句ですが、この句に隠されている意味はとても奥深いように思う。

「念」というのは貯金のようなもので、一度や二度願いを込めたからといってその願いが成就するわけではないだろうし、そこに自分の欲得のための邪念ではその念も真逆に振り返ってくるだろう。

純粋な「念」の貯金は増えたり減ったりして一向に貯まっていない気もするが、純粋な心で、邪念を無くし、ご縁のある人から組織や社会のための成長や健康、安全を念じ続けられる自分になりたい。

(坂村真民さんの自筆の画像はサイトから引用させていただきました。ありがとうございます。)

2012年9月1日土曜日

6~7年以上抱えていた膝関節の問題

30代の男性が、交通事故による腰痛を訴えて来院。腰痛の方は数回の治療で完治したが、6年ほど前より膝の症状があるという。いつもスポーツをしているタイプの男性で、毎日走っているとのこと。走ったりすることで膝に症状がでたりはしないが、深くしゃがみ込むと常に左膝に違和感があるという。

本人によるとこれは構造上の問題で手術をしなければ治らないとあきらめていたとのこと。膝の検査を細かくしていくと、筋肉系のアンバランスな反応が多く示された。その異常反応への治療を継続していくうちに、6~7年抱えていた膝の違和感がほとんど解消された。構造異常の問題だと諦めていたのでとても喜ばれていた。

一般的には関節に痛みなどの症状があると、関節の構造上の問題に目を向けて、レントゲンやMRIなどの検査で構造異常が分かれば、その構造異常=痛みの原因と結びつけて外科的な手術を行ったりする。しかし、慢性的に生じた関節痛の多くの原因は、筋肉系のバランス異常であると私達の仲間の自然療法家は考えている。

骨や軟骨の変形は、筋肉系のバランス異常が慢性化した結果であり、関節は本来動かすために存在するので、その関節の機能に異常をきたすと、関節を構成する骨と骨同士がつながろうとして、鍾乳石のように骨にとげがでて変形がでてくるのだと考えられる。

関節の変形が直接的に痛みの原因になることもあるかもしれないが、バランス異常が原因で生じた骨や軟骨の変形が直接的に症状の原因になることはかなり少ないのではないかと考えられる。構造異常が症状の原因だと決めつけることは簡単であるが、それは本質的な原因ではないことは、臨床家による多くの改善例や最新の科学的文献からも指摘されている。

まずは関節をコントロールしている筋肉系や神経系のバランス調整を試みて、それでも症状が改善されなければ関節構造を修正するという選択肢も考慮してはどうだろうかと思う。