2017年3月30日木曜日

PCRT基礎1と中級3研究会を終えて

PCRT基礎1と中級3研究会を終えて

先週末、今年初めてのPCRT研究会が開催されました。参加者の積極性と満足度に満たされた雰囲気が多く感じられました。過去10年以上に渡る研究会において、LCAのスタッフとともに様々な試行錯誤を経て、ようやくプログラム内容がアカデミックに確立されてきたように感じます。自然治癒力を基盤とした様々な療法がある中で、PCRTは単なるテクニックではなく、自然療法の本質を追求してきました。施術の背後にある治療哲学やその本質を伝えながら、臨床現場で活躍されている先生方にその価値を伝えてきました。

今回の研究会でのポイントは、ハード面調整法とソフト面調整法とが明確に線引きできたところです。PCRTで教授しているハード面調整法とは肉体内における生体エネルギーブロック(EB)の調整、ソフト面調整法とは肉体外との関係性による誤作動記憶の調整です。PCRT研究会で治療哲学の理解を深めると、様々な療法の本質が見えてくるようになります。単に効果があるとかないとかではなく、なぜ効果があるのかが理解できてきます。

今回、ハード面調整法として「空間ブロック調整法」をご紹介しました。これは、PCRT研究会発足当時から紹介してきた肉体外のエネルギーブロックに関係する調整法です。多くの治療者にとっては今まで聞いたことがない概念であり、画期的な療法になると思います。この調整法をマスターすることで、治療のスピードアップや治療効果が倍増するはずです。PCRTの治療哲学を理解した上での調整法ですので、繰り返し研究会に参加され、背後にある概念も含めてマスターしていただければと願っています。

ワークショップの新しい試みとして、実際の臨床現場で使われた症例を基に、ソフト面調整法のロールモデルのワークが行われました。このワークでは、PCRTの進め方や説明の仕方、声の掛け方、どのタイミングで質問するかなど、具体的な流れの基本を学んでいただきました。受講生からは、PCRTの基本的な臨床の「型」が学べるのでとても勉強になると好評でした。

症例報告ではゴルファーズクリニックの土子勝成先生による「フルショット症例の一コマ」を発表がありました。症例報告には患者情報、最初から終わりまでの経過、考察と医学モデルによる形式があります。そのような学術レベルの形式による症例報告も大切ですが、PCRTでは治療院現場で作り出される施術の一コマも紹介してくださいとお願いしています。PCRTの施術には、その日その日に施術−患者間で作り出すドラマがあります。そのドラマはいつ作り出されるかわかりませんが、施術者にとっては治療家としての醍醐味が味わえる瞬間でもあります。今回の土子先生の症例には治療家冥利につきる喜びが溢れていました。


今年から「空間ブロック調整法」を加えることで、ハード面調整法がさらにバージョンアップしました。また、特にソフト面調整法のアプローチの仕方がシンプル化されたことで、臨床現場では使いやすくなっております。試行錯誤した今までの活動を振り返り、今年がPCRT研究会のターニングポイントになる気配がしております。このような本質的な療法を知らずに困っている患者さんへの喜びの輪を広げるために、今年もさらに成長し、発展していきたいと願っております。

2017年3月18日土曜日

イップスの治り方

イップスの治り方

イップスには様々な種類があるのと同様に、治り方も様々である。患者さんから「どれくらい(期間や治療回数)で治りますか?」という質問がある。患者さんにとってはもっともな質問で、「本当に治るのだろうか?」「どれくらいで治るのだろうか?」と不安になるのは当然だろう。

数多くの症例には、一回で改善される一方で、3ヶ月から半年以上かかる症例もある。治療者側から見ると、数年抱えていた症状が数ヶ月で治るのであれば、その施術期間は長くはないだろうと思いがちだが、患者さんにすれば早く治したいのは当然の思いである。もちろん、早く改善するように毎回全力を尽くすが、脳に学習されたイップスの症状を作り出す誤作動記憶は単純ではないことが多い。

人それぞれに様々な誤作動記憶あり、それを一つ一つ丁寧に消去していかなくてはならない。イップスの症状が出始めてすぐに来院される患者は、比較的に治りも早いが、しばらく症状を放置して、しかも、我流で治そうとしたり、コーチや友人などのアドバイスで応急的にイップスがでないような表面的なテクニックを使ったりすると、根本的な改善が長引いたりすることも少なくはない。

右のグラフは、高校野球部に所属している送球イップスの部員の二人に記入していただいたもの。二人とも改善した後で、今までの施術経過を振り返りながら改善度の経過をグラフに記入してもらった。最初は、先輩になる患者さんに記入してもらった。その先輩は最初の4回の施術で、最悪の状態(120%)から60%改善し、そこから、改善度が停滞して、その後の2ヶ月の間にほぼ完治していった様子が伺えた。

その後、その先輩を紹介してくれた後輩が、その先輩と一緒にメンテナンスで来院した。約4ヶ月後の来院だった。メンテナンスケアでは、イップスの反応は見られなかった。施術後、先輩と同じようにグラフに改善度の経過を記入してもらった。先輩から、「お前は俺よりも相当悪かったから最初は300%(最悪の状態)やろ」などと言われながら記入していた。その後輩も、途中で改善度が停滞したらしく、その2ヶ月後にどんどん完治へと向かったらしい。

高校野球の名門校でレギュラー争いも相当厳しい様子。たとえレギュラーになれなくても、野球かける情熱には純粋さを感じる。イップスの治療を通じて、心と身体のバランスの大切さや「自己を知る」という「心身統一」の大切さを学んでいただいたのではないかと思う。この経験は、野球だけに限らず、長い人生に役立ててほしいと願う。



2017年3月13日月曜日

2017年度PCRT研究会

2017年度PCRT研究会

今年13年目を迎えるPCRT研究会は、大きな転換期になりそうな予感がしています。その理由は大きくは二つあります。一つ目は「ハード面調整法」と「ソフト面調整法」が明確に定義できたこと。二つ目は新しくご紹介する「空間ブロック調整法」です。これはPCRTのハード面調整法の一つですが、今まで開発してきたハード面調整法の中では、簡便で即効性があり、かなりの確率で結果がでやすい調整法だと私は感じています。

この調整法は、今までご紹介してきた「持続圧振動」や「加算振動」などの概念に通じるものですが、それよりも一歩進んだ調整法であり、今まで研究してきた内容の点と点が結びついて、線となり面となって、一気に立体像が現れたようにも感じています。通常の筋骨格系の症状であれば、ほとんどの患者で結果が示されます。

新しい調整法といっても肉体外のエネルギーブロック(EB)の発見から何度か試したことのある手法です。通常医療の概念とはあまりにもかけ離れていたということと、これをどのように伝えれば良いのかなど、私自身がその調整法の良さを信じきれていなかったこともあり、本格的に紹介するまでには至りませんでした。

今までの知識、既成概念にとらわれると先には進めないというのはどの分野でも同じです。説明できるかどうかよりも、結果が出るかどうかの方が大切です。すこし乱暴な言い方をすれば、患者も治療法の説明などほとんど興味はなく、治れば良いのです。もっともらしい医学的な説明よりも結果が全てです。新しい調整法が開発されるに度に、ワクワクしていますが、今回の発見は何らかの転換期につながるような気配も感じております。


アクティベータを使っている先生方は十分に結果をだされていることと察しますが、この「空間ブロック調整法」を併用することでさらに効果的な結果が期待できると思います。今年のPCRT研究会ではソフト面調整法もかなりシンプルにアプローチしやすくなっていると思います。さらに進化した2017年度PCRT研究会を今年も宜しくお願い致します。