2021年9月5日日曜日

ブログの移転


これまでに私の拙いブログの記事をお読みいただきありがとうございます。2004年頃からまで、いくつかのブログ投稿サイトを利用させていただき、主に私の臨床のテーマである「こころとからだの関係性(心身相関)」を題材に、臨床やセミナー関係などの記事を投稿させていただきました。この度、ブロガーのサイトから「
note」のサイトへ変更して、同様のテーマで記事を掲載して行く予定です。

 

noteで以下のページを作成して投稿していきますのでよろしくお願い致します。

 

新しい記事は「保井志之@米国公認ドクターオブカイロプラクティック」

https://note.com/dryasuijp

過去の主な症例やコラムなど記事はこちら「ファミリーカイロプラクティックセンター@https://www.familychiro.co.jp

https://note.com/familychiro/

 

2021年8月24日火曜日

歯科の噛み合わせ基準による意味づけ問題

30代後半の男性が、1ヶ月半ほど前に問題のなかった歯を大きく削られてから、歯の痛み、吐き気、耳鳴り、顎の痛み、左肩の痛み、左膝の痛み、左前腕の痺れ感が生じたという。常に違和感があり、食べることへの恐怖感、集中力の問題が生じており、食事をした後に症状が悪化する傾向があるという。現在、通院している歯科医院は最初に歯を削られた医院から数えて3医院目で、噛み合わせなどを専門に治療するという。そこで、噛み合わせの高さを調整してもらうと良くなるという。 初回の顎関節の検査で、歯を噛み合わせたり、口を開けたり、顎を左右ずらしたりして生体反応検査を行うと顎関節に、関係する全ての機能異常検査で陽性反応を示す。他にも症状を訴える膝や前腕部、さらには三半規管部においても明らかに生体エネルギーブロックの陽性反応が示される。

初回の施術から2回目の施術の時には、治療後は久しぶりに食事しても吐き気がなく、腹に力が入る感じがしたという。その後、3日おきに治療を継続。 5回目の施術日には、「昨日から急によくなった・・・」といわれ、最初に来院された時よりも表情も明らかに良くなっているのが伺えた。7回目の施術では、顎関節症に関係する誤作動反応も示されなくなっていた。その後、歯科医での咬合(噛み合わせ)の検査を受けるとのことで一旦施術を中断。当院に通院してから、5回目くらいから噛み合わせの反応は消失し続けて、他の症状以外は顎に関係する症状もしばらく訴えることはなかったが、3週間ぶりで10回目の治療に来院された際に噛み合わせが悪いとのこと。当院での噛み合わせの反応を見てみると、陽性反応が示されない。 

 通常、当院の検査で陽性反応が示されない場合、症状が消失しているが、このように検査反応と患者の訴えが一致しない場合、何らかの「意味づけ」が関係していることが多い。そこで、患者さんに「何を基準に噛み合わせが良くないと判断されていますか」と尋ねると、現在、通院している噛み合わせが専門の歯科医のところで噛み合わせが良くないという判断だったらしい。そこで、その歯科医の考えにかなり傾倒していることが伺えた。詳しく聞いてみると、「歯が万病の元」など、歯の噛み合わせが様々な症状に関係するという思想のもとで、治療をされている先生で、オーリング検査も使っているという。 

 この歯科医の先生に限らず、噛み合わせや歯が健康のすべてかのように語ることを聞くことがあるが、様々な施術法を長年研究してきた一人の治療家として、いささか危ない思想に思える。カイロプラクティックの業界においても第一頚椎のバランスが全てかのように語るカイロプラクターも少なくはない。あるいは、病気の原因は歯の金属の詰め物によると主張する歯科医もいる。しかしながら、そのような機械論的な思想には矛盾がたくさんある。 噛み合わせの問題の多くは、神経系を含む様々な生体エネルギーブロックや心身のバランス異常の結果であり、多くの場合は原因ではない。

歯を噛み合わせる、口を大きくあけるなどの動作で誤作動反応があれば、顎関節に何らかの機能異常の症状を生じていることがほとんどである。逆にいうとそれらの検査で誤作動反応がないにもかかわらず、何らかの問題があるのは、今回の事例のように「意味づけ」による問題と言える。 スマートな患者さんで、色々と理論的なことは理解されているが、肝心の自分の身体の治る力、柔軟性を信じられていないところがネックになっているように思う。人間の身体は本来、柔軟性、適応力があり、様々な環境に順応し適応させる力がある。人間はそもそも左右不対象な生き物で、左右の噛み合わせがミクロ単位で異なることは多少なりともあるだろう。

人間を機械構造論的に捉えて、左右の不対称が不健康だとしたら、パラリンピックで活躍されている選手の健康をどの様に捉えるのだろうか? 厳密に人間の身体を左右比較すると、不対称であるのが自然である。また、ストレスを受けたり、時と場合によってヒトの構造も多少なりとも変化するのが自然であり、正常だといえよう。例え歯の噛み合わせが正常でも不健康な人はいるだろうし、医学的に問題がなくても、本人にとっては辛い健康問題を抱えている場合もある。ヒトの健康をサポートする治療者にとって、患者さん自身が自分の身体の本来の健康、治る力を信じられる様にサポートすることが大切だと思う。もしも、噛み合わせに囚われている患者さんがいたら、それが全ての健康の基準ではないことをアドバイスしてほしい。 

 医学や様々な健康法の理論、理屈はあるが、基本的に人間の身体には目には見えない治癒力が備えられている。不健康な時にそれが信じられないから医療に藁をもすがる思いで利用されるのであるが、根底にあるのは自分自身の生命力であり、その本質があるが故に、私たち治療者も健康のお手伝いができるのである。巷では「神の手」「神の〇〇」などと、あたかも凄技の治療者を持ち上げるメディアもあるが、根底には患者自身の生命力をいかに引き出すことができるかどうかが肝心で、治療者が生命力を患者の与えることはできない。 今回の患者さんにはできるだけ、今までの治療効果も含めて、「意味づけ」による問題を丁寧に説明させていただいた。予約を二日続けて取られていたが、次の予約は必要ないと感じた様で、2回目は予約は治療後にキャンセルされた。「意味づけ」による問題から解放されて、もっと自分の身体の柔軟性、治癒力を信じてさらに健康的な自分を取り戻してほしいと願う。

2021年8月19日木曜日

器質性疾患と機能性疾患についての因果関係


 器質性疾患と機能性疾患についての因果関係について解説します。器質性疾患とは身体の臓器そのものに炎症や腫瘍などの構造異常があり、その結果として症状がでてくる病態をいいます。病院で検査を行えば症状に直接的につながっている構造的な異常がみつかることがあります。だだし、椎間版ヘルニアなど構造異常が検査で見つかっても、それが直接的に症状につながらないこともあるので注意しなくてはなりません。 


その一方で機能性疾患とは、自覚症状に関係する臓器などの構造的異常がないにもかかわらず、自覚症状がある病態をいいます。車で例えると、車の骨組み部品に損傷があって
それが原因で問題が生じている場合を器質性疾患、その一方で車の電気系統やコンピュータ制御に問題がある場合は、電気信号の問題なので機能性疾患になります。機能性疾患の多くが脳や自律神経系の信号の誤作動によって、筋肉系や臓器系が本来の機能を発揮できないときに生じます。

 

機能性疾患は脳や神経系、気の流れなどの目には見えない信号の問題なので、画像診断などを判断基準にする病院では少し苦手な疾患になるかと思います。

 

これらの器質性疾患と機能性疾患を治すために大切なことは、その原因を知ることです。様々な問題を引き起こす症状には、原因があります。原因があっての結果であるという考え方は大切です。

 

病気や症状を引き起こす原因を大きく分けると、外因と内因があります。外因とは、事故や怪我などで異常な外力が身体に加わった場合、身体に合わない物を食べたり、感染症などのいわゆる毒が体内に入ったりした場合などは器質性疾患を生じさせます。

 

一方、内因とは心理的作用と免疫力や外界との適応力です。心理的作用といっても単純に心の病や精神的な問題があるというわけではありません。心の信号は常に動いています。特に身体の機能、働きに影響を及ぼすのは無意識の心の信号です。例えば、恐怖などの緊張があると足が震えるというのは多くの方が知っていると思います。この現象は心の信号が神経系、さらには筋肉系に作用して無意識的に足の震えを引き起こすわけです。意識的に、大丈夫大丈夫と思っても、無意識は正直なので心の奥で恐れを感じて足が震える訳です。このように無意識の心の信号は脳、神経系や気の流れなどの信号に影響を与えて、身体の働きに異常をきたします。

 

また、人間には本来、免疫系という機能が備えられており、病原体・ウイルス・細菌などの異物が体に入り込んだ時にそれを見つけだして、体から取り除くという働きをしてくれます。この免疫系の働きも神経系や内分泌系と同様に弱ってくると病気や症状を引き起こしやすくなります。

 

この外因と内因はどちらか一方というよりも、オーバーラップして原因となり、外因によっては器質性疾患を生じやすく、器質性疾患が生じると、同時に機能性疾患も生じます。

 

内因によっては機能性疾患を生じやすく、それが長引くと器質性疾患を生じさせます。器質性疾患と機能性疾患も病気や症状があるときにはオーバーラップした症状を生じさせるのがほとんどです。

 

以上が器質性疾患と機能性疾患に関する、原因と結果の関係性に関する解説でした。

 

2021年8月16日月曜日

3〜4年前からのパニック障害の改善

20代後半、求職中の男性が、自律神経系、頭痛、顎の痛み、不安感などパニック障害に関連する症状を訴えて来院。症状は3〜4年前から始まったとのこと。当時、営業職でお客様や上司との関係で色々なストレスを感じていたと言われていた。大学まで野球を行なっており、現在では、お父様が監督をされている地元のクラブチームの野球の指導でコーチをされている。少年野球から大学まで本格的に野球をされていたようで、真面目で誠実な方だという印象がありました。

 

ご本人も思い当たる原因は仕事上のストレスからだといい、何か悪いことを聞いたり、ニュースなどを見たりしたときに不安になるとのこと。初回の検査では、PCRTの脳バランス検査で使う、前頭前野、大脳辺縁系、脳幹脊髄系の検査ポイントで陽性反応。肩、首周辺並びに顎関節周辺の機能検査で陽性反応が示された。光刺激や音の刺激でも陽性反応。脳神経を刺激する他の検査法でも陽性反応が示されることが予測されましたが、目安検査として患者さんがある程度体感できたので他の検査法は省きました。

 

アクティベータ療法とPCRTの両方を合わせたハード面調整法を終えた後、ソフト面の調整を行った。患者さんによると、思い当たるお客様関係のストレスがあるとのことで、そのトラウマから検査を進めていった。PCRTの認知調整法で示されるいくつかのキーワードから質問を行い、誤作動記憶になっているエラーを調整した。

 

それ以降約1週間おきに通院していただき、メンタル系の調整が含まれていることから二枠の予約をとっていただき調整を継続。4回目の来院には、肩、首、顎関節周辺の機能異常部位の検査反応が示されなくなり身体的な症状は改善した。その後、以前からあった閉所恐怖症や悪いニュースを聞いて不安感を感じるなどのパニック症状のメンタル系の調整へと進んだ。PCRTの検査では、エレベーター、新幹線、飛行機など逃げられないような狭い空間のイメージで全て陽性反応が示された。

 

7回目以降の施術からかなり改善してきたので一枠の予約で通院していただき、10回目の来院時には、「だいぶん落ち着いてきた」とのことで、過去のトラウマに関係する誤作動記憶の反応はほとんど出なくなっていた。3週間ぶりに二枠で予約をいただいた際には、野球のクラブチームの現在進行形のストレスが睡眠や不安感に関係していた。コーチとして板挟み的なストレスが関係しており、そのモヤモヤした感覚を調整することで、施術後にはスッキリした感覚があった様子だった。

 

その後、また何かあったらご連絡いただけるとのことだったが、2ヶ月ほど経過して、ご予約の連絡がないので、安定しているのではないかと願っている。

 

 

2021年7月20日火曜日

健康に及ぼす「暗示効果」


「プラシーボ効果」
(暗示効果)という心理的要因が身体に影響を及ぼすということは多くの人が知っていると思います。40年近く治療、施術という業界に携わっていますが、「プラシーボ効果」の健康への影響は大きいと常々感じています。当院の患者さんにも、体調不良が生じて予約の電話をしてから症状が緩和されてきたなど、冗談の様に言われる方がいますが、これもプラシーボ効果だと思います。これは一度、当院で治療効果を体験すると、そのポジティブな条件付け、すなわち痛みを軽減する神経回路が作用して、症状の緩和につながるのだと予測されます。

 

西洋医学においても、薬の飲み過ぎを考慮して、ニセの薬を患者さんに処方することがあり、実際に効果があるということは知られている話です。また、以前、ブログでもご紹介しましたが、国際的な医学雑誌に掲載された重度の膝痛の研究で、ニセの手術をした患者さんと実際の手術をした患者さんとの治療効果を比較すると、両グループとも効果が実証されたという研究結果があります。施術を行う治療者にとって、このプラシーボ効果はとても大切で、患者さんとの信頼関係、治療に対する信頼や期待感は治療効果に密接に関係していると思います。

 

「プラシーボ効果」の反対の「ノーシーボ効果」があります。この効果も同様に心理的な暗示効果ですが、「ノーシーボ効果」に対する臨床事例はいくつもあります。例えば、腰痛や膝関節痛の病院での画像診断で、椎間板や変形した関節などの構造的異常が指摘された画像を見ながら医師から説明を受けた場合、「構造異常=痛み」という思い込み(暗示効果)が入って症状の改善を悪くする事例があります。最近ではNHKやインターネットの情報で、「構造異常=痛み」の原因ではないということが多くの人に知られる様になりましたが、まだまだそのようなネガティブなノーシーボ効果の影響で症状の改善を悪くしている方も少なくはありません。

 

アレルギー症状のノーシーボ効果の事例として、花粉症の人が、造花を見て、鼻水が出てきた、あるいは花粉情報のニュースを聞いてから花粉症状がでてきたなど。また、ある実験で、「うるしの葉」と「栗の葉」を触らせる2つのグループ分けて、うるしを触らせたグループには「栗の葉」だと説明、栗の葉を触らせたグループには「うるしの葉」だと逆の説明しておいたのです。すると驚くことに、栗の葉を触ったグループに発疹が出て、うるしの葉を触ったグループには何もなかったという結果になったといいます。少し乱暴な研究ですが、アレルギー症状の多くの方が心理的要因に関係しているので、あり得る話だと思います。

 

ノーシーボ効果は、いわゆる「思い込み」に関係しますが、意識的に思い込むというよりも知らず知らずに入ってきた情報をネガティブに解釈して受け止めて、それが本当に体調不良に作用してしまうのです。例えば、今回の新型コロナのワクチンでも多かれ少なかれノーシーボ効果の影響を受けて副反応が生じている方も少なくはないと思います。今回のワクチンに関して、最初は情報が少なく、様々な不安情報が入ってきましたが、最近では段々と全体的な効果や副反応の割合なども見えてきているのではないでしょうか。

 

ワクチンの種類、全体的な情報を総合すると、予防効果は高く、変異ウイルスには予防効果が低くなる傾向があるようですが、重症化や死亡率はインフルエンザ程度には押さえ込むことができるということです。このワクチン効果もネガティブに解釈するか、ポジティブに解釈するのかはその人次第です。その解釈の仕方によってはノーシーボ効果によるネガティブな影響を受けるかもしれません。おそらく、ワクチンを恐れる解釈をするよりも、自分の身体の柔軟性を信じてワクチンを受け入れる方が健康に対するメリットが大きいのではないかと感じています。皆さんはどの様に解釈しているでしょうか?

2021年5月28日金曜日

意識の電気信号を使って症状を治す

 先日、NHKの番組で、脳と機械をつなぐ新たな技術「ブレイン・マシン・インターフェイス(BMI)のことが紹介されていた。脳卒中で手の動きが麻痺した人に脳と連動したリハビリ装置を装着し、患者が自分の意識で念じてその意識信号をBMIに送り、ロボットである装着器具を動かそうとする。AIを活用して患者が念じている脳波をキャッチしてBMIを動かそうとするという。最初はどのように念じればロボットが動くのかうまくできないが、段々と訓練をしているとロボットを動かせる様になり、同時に新たに脳の神経回路が構築され、ロボットの力を借りなくても自動的に手を動かすことができる様になる。

臨床研究では約7割の患者に改善の効果があり、今後はその機器を市場に販売していく計画らしい。意識で念じてロボットを動かす研究は10年以上前にニュースを通じて知っていた。PCRTのセミナーで当初から話している脳の可塑性(変化する機能)に通じる理論が人工ロボットの分野にある。そのような脳の可塑性につながる内容も興味深く情報を集めてブログやセミナーなどで紹介させていただいていた。


PCRTの施術法の一つで「意念調整法」という療法がある。簡単に言えば意識の電気信号を使ってエネルギーブロックを解放させ症状を治す療法である。念じてロボットを動かすという行為と同様に、念じてエネルギーブロックの波動、波長に働きかけるという施術に通じるものがあると以前から感じていた。このような生体を使った検査法や意識による意念調整法は患者と術者間の脳の波長を合わせて検査し、調整する必要があると常々感じており、その波長合わせには訓練が必要で、適切な訓練ができれば多くの人がマスターできると考えている。


ただ、少なからず、その訓練がうまくいかないこともあるので、念じてロボットを動かす訓練の様に、訓練の仕方をさらにバージョンアップしていくことができればと考えている。先日行われたPCRTの実技セミーにおいても、意念調整法で科学的な仮説などがあれば教えてほしいという質問があった。科学というものを信頼している現代人にとっては「意念調整法」というのは、眉唾的な療法に思えるだろう。テレパシーや意識の研究をしている科学者の論文を引用して仮説を述べることも不可能ではないと思うが、科学と言われる様な膨大なデータを取っているわけではないので、厳密なアカデミックな世界でいわれるような科学というには程遠い。


しかしながら、私はアカデミックな科学を尊重しながら、臨床現場における客観性や再現性、そして、それに伴って施術効果の結果にはこだわってきた自負があり、その姿勢で30年臨床経験を積み重ねてきた。長い臨床経験で様々な療法を学んできたし、臨床研究による施術法の開発も行ってきた。再現性や客観性、そして、結果が伴わなければ、すべての方法論や手法は切り捨ててきた。現在も客観性や再現性を重んじてセミナーで指導をさせていただいているし、やはり結果にはこだわりを持っている。アカデミックな科学的論文を指標にすることも大切だが、私は臨床現場の結果を指標に今後も臨床研究を継続していくつもりである。


意識でロボットを動かすこという「意識」そのものが電気信号であり、生体エネルギーである。そして、

その波長が脳波に何らかの影響を及ぼしているということだろう。私が開発した意念調整法も100%とは言えないにしてもそれに近い確率で効果があるという確信に基づいて、その技法をセミナーで紹介している。今回参加してくださった受講者のほとんどの方が意念調整法を使って何らかの結果を感じてもらっている。おそらく意識でロボットを操る訓練の様に、意念調整法での適切な検査法、調整の際の意識の送り方、念じる感覚を掴むことでさらに成果も上がると思う。


今後もさらなる臨床経験を積み重ねて多くの患者さんに喜んでいただければと願う。


2021年5月25日火曜日

あなたは「成長路線」ですか?


あなたは「成長路線」の電車に乗っていますか?それとも、「楽な路線」の電車に乗っていますか。人生には様々な「路線」があると思いますが、「成長路線」と「楽な路線」に大きく分けてみましょう。

どちらの路線の方が、人生に豊かさを感じ、心身ともに健康的な生活を送ることができるでしょうか?もちろん、人生を白黒に簡単に分けることができるものではありませんが、何歳になっても「成長路線」に乗っている人たちには、健康的な「心の豊かさ」や「生命力」を感じます。肉体は年齢とともに衰えてきますが、心の成長、魂の成長は自分次第です。


「成長路線」に乗っている人たちが休まずに働き続けるというイメージがあるかもしれませんが、そうではありません。休みたい時には休み、楽しみたい時には大いに楽しむ。でも、戻る基本は「成長路線」で努力し、成長し続けて何かの役に立ち続けるという感じです。


「生涯現役」という人たちがいますが、そのような人たちは「成長路線」に乗り続けているのでしょう。65歳で定年だからということで、その年齢まで「成長路線」に乗って、そこから「楽な路線」に乗り換えるというのが一般的ではないでしょうか。


退職しても「楽な路線」には乗り換えずに、「成長路線」のままで、肉体的にも精神的にも自らの成長のために、何らかの努力を続けていく人もいると思います。おそらくその様な人たちは本当の楽しさ、別の意味で「楽」とは努力の上に成り立つということが分かっている人たちだと思います。


人は往々にして「楽な道」を選びがちです。「楽しければいい・・」ですが、本当にそうでしょうか?努力の先にある本当の楽しさは、多くの人が人生のどこかで経験しているはずです。何か他者よりも楽に感じたり、楽しいことがあったりすると、得した気分になりがちです。でも、長い目でみると、そのことが損の始まりになってはいないでしょうか?


学生は勉強することが本分ですが、先々の人生のことを考えない学生たち、努力をせずに楽しければ「得」した気分になり、楽しいことを我慢して努力をすることは「損」した気分になりがちです。これは大人でも同じで、仕事のために努力して、楽しいことを我慢することを「損」だと思う人は、できるだけ努力もせずに、ただ楽なこと、楽しいことを求めるようになります。


長い目で見ると、そのような人たちは「成長路線」から外れて、「楽な路線」に乗り続けて、仕事からも見放され、意味のある楽しさや人生の充足感から遠のいてしまうのかもしれません。人間は知らず知らずのうちに「心の習慣」に流されて、自動的に思考し、行動を繰り返す生き物です。


あなたが人生を豊かにする「成長路線」に乗っているのか、それとも「楽な路線」にのっているのかどのように判断しますか?簡単な方法があります。もしも、あなたが人よりも楽をすることで、「得」をしたと思う、あるいは、人よりも仕事をすることで「損」をしたと思うのであれば危険信号です。恐らくあなたは、「楽な路線」に乗っています。



「成長路線」か「楽な路線」かの違いは人間関係にも顕著に現れます。「成長路線」に乗っている人は、前向きで何かの役に立ちたいということが基本にあるので、周りには人が集まりやすいのではないでしょうか?その一方で「楽な路線」に乗っている人どうでしょうか?楽しさを求めて同じ様な人たちが引き寄せられて、後ろ向きに不平不満をはきだす傾向にあるのではないでしょうか?さて、あなたはどちらのタイプの人のそばに居たいでしょうか?


肉体は年齢とともに衰えてきます。それは自然の摂理ですが、心の成長、魂の成長はその人の心の持ち方次第です。人生の豊かさや充足感を求めるのであれば、「楽な路線」ではなく、「成長路線」に乗るべきだと私は思います。

2021年5月17日月曜日

山あれば谷あり

512日から福岡も緊急事態宣言の対象区域に加えられました。コロナ感染が第1波から第3波、第4波、そして秋に「第5波」となる急速な感染拡大が起こりうるという専門家の計算結果が報告されています。期待されるのはワクチン接種のスピードですが、ワクチンの接種スピードが追いつかないと第5波を抑え込むことができない可能性もあるとのことです。しかし、感染力が強い「N501Y変異」のウイルスがまん延した状況でも、ワクチンが発症を防ぐ有効性は94%という予測もあります。

 

日本国内でも確認されている、「感染力が強いN501Y変異」と「ワクチンの効き目が弱くなる可能性のあるE484K変異」を合わせ持つ変異ウイルスは、じつにやっかいなウイルスとして警戒されています。もしも、41日の時点で「2つの変異を合わせ持つ」ウイルスの感染者が都内に10人いたと仮定すると、この秋には第4波を超える勢いで第5波の急速な感染拡大が予測されています。感染率、重症化率が共に高くなるということです。

 

このような危機的な状況の中で、私たち個人がいかに感染対策を今まで以上に徹底するかが重要課題になります。感染経路の中心は飛沫感染及び接触感染ですが、感染力の強い変異ウイルスが広がっているとのことですので、今まで以上にマスクの着用と手洗い、換気には十分に気をつけなくてはなりません。そして、さらに大切なのは自己の免疫力を低下させないために健康管理をしっかりと保つことです。

 

健康管理は「身体の健康管理」だけでなく、「心の健康管理」も大切です。個人個人でできる身体の健康管理はバランスの良い食事と運動です。人が何日も部屋に閉じこもるということは、かなりのストレスだと思います。人との接触を避けながら様々な工夫を凝らして歩くことは可能です。できるだけ自然の景色に触れながら、日光を浴びて散歩を心がけましょう。そして、肝心なのは「心の健康管理」です。このような状況下で楽観視は禁物ですが、あまりにも深刻になりすぎると、ストレスになってかえって免疫力が低下しかねません。

 

いつかはこの状況も収まる時を迎えます。これほどの長いパンデミックは想定外だとは思いますが、「明けない夜はない」(シェイクスピア 「マクベス」より)と言われている様に、いつかは収束を迎えます。肝心なのはこの状況をいかに受け止めて自分の心を豊かに保つかです。「物事によいも悪いもない。考え方によって良くも悪くもなる」(シェイクスピア 「ハムレット」より)つまり、「解釈力」が問われているのだと思います。

 

「人生山あり谷あり」、これは誰もが経験していることで、人としての自然の在り方だと思います。晴れの日もあれば雨の日もあり、時には台風の時もある。「ピンチはチャンス」といわれているように、大切なのはこの状況をご自分の未来につながる学びや成長へといかに変換できるのかということなのかもしれません。


 2012.05.12 

2021年4月2日金曜日

脳」と「Wi-Fi」

Wi-Fiを使っている人であれば、経験していると思いますが、大雨の時や、多くの人が通信している時などはWi-Fiの通信が悪くなるのではないでしょうか?確かなことは分かりませんが、恐らく同じ周波数帯で多くの電波が混雑して電波干渉を起こしているのでしょう。その時に行う対処法は、「Wi-Fi」の電源を一旦切って、再起動することです。すると大抵の場合は通信が正常に改善します。このような現象で思うのは、長年、臨床研究し続けている「脳の誤作動記憶」の調整です。


「脳」と「Wi-Fi」を同類にするのは、いささか無理があるかもしれませんが、目には見えない誤作動の現象は、脳や生体エネルギーの誤作動現象と類似しています。「Wi-Fi」の通信異常の原因の一つに電波干渉が考えられます。これは脳の誤作動記憶の原因の一つと類似していると思います。「脳」は見た目では柔らかい神経細胞組織の塊ですが、目には見えない電気信号の神経回路が密集しています。


何らかの体調不良がある場合、脳の電気信号や生体エネルギーの電波が混雑して電波干渉による誤作動記憶を生じさせ、生体機能に不具合を生じさせている現象であると言えます。施術では不具合を生じさせている電波干渉を引き出して、その信号を再起動させて誤作動記憶を調整しているのですが、「脳」の調整で厄介なのは、その電波信号が「無意識的な思い」の信号であるということです。無意識なので普段は意識していないような「思い」が混線して誤作動を生じさせます。


長年の臨床経験から一般的に言われているような分かりやすいストレスは混線することは少ないと言えます。混線しやすい思考信号とは、何かモヤモヤするけれども言葉では言い表し難い「思い」が多いようです。このような電波干渉による誤作動記憶の異常を調整するためには、その誤作動に関係する「思い」を明確に意識化して、一旦、表に引き出します。そして、明確にした「思い」を意識化したままで振動刺激を加えて生体エネルギーを再起動させて調整しています。この調整は、「Wi-Fi」の電波干渉を改善させるために電源を再起動させる作業ととても似ています。


体の不調が生じると、多くの方は肉体的な構造異常があるのではないかと疑います。もちろんそのような構造異常による体調不良もありますが、脳や生体内を流れる生体エネルギーの電波信号の混線による異常が体調不良の原因になることが比較的多いようです。当院では主にそのような目には見えない電波信号を再起動させいるということをご理解いただくと施術がさらに効果を増してくるのではないかと思います。


2021年3月26日金曜日

「何もすることがないこと」の恐怖

先日、カンブリヤ宮殿という番組を途中から見た。料亭などで料理を際立させるために添えている「葉っぱ」を売って、年商2億6000万円を稼ぎ出すという「いろどり」代表取締役、横石知二氏が紹介されていた。

http://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/bn/080728.html


横石氏は、高齢者がワクワク働ける仕組みを構築して、そのシステムのお陰で高齢者は生き甲斐を見出し、その地域の医療費もかなり削減されているという。なのと80歳を超えるおばあちゃんたちが、パソコンを使って全国の「葉っぱ」市場の情報を収集して、自らマーケティングを行って、葉っぱを売りさばいているという。おばあちゃんたちは、自分が働いた分だけ稼げるので毎日が楽しくて仕方がない。その「葉っぱ」のビジネスができて以来、その地域には似合わない立派な家が建てられている。


その番組の司会をしている村上龍氏が、「何もすることがないこと」は恐ろしいことと、本質的なことを洞察した意見を述べていた。この「葉っぱ」の町では、高齢者が稼げるビジネスがあるので、高齢者はいつもニコニコして身体も心も豊かになっている。病気になるのが当たり前かのように言われている高齢者が元気一杯。逆の見方をすれば、豊かな日本で、何もすることがなくて、病気になっている人がいかに多いということの証明でもあるが、村上氏は何もすることがなくて、罪を犯す若者が増えてきていることにも触れて、「何もすることがないこと」が、いかに怖いことなのかを鋭く指摘されていた。


心身条件反射療法のような本質的な原因を調べる検査をしていると、「何もすることがない」ということが、いかに病気や体調不良の原因になっているかが良く分かる。現在、注目されている「認知症」の原因も、「何もすることがない」というところから始まっているようで、家族的にも社会的にも何もすることがなくなってきてから、認知症が発症し始めているように感じる。


「何もすることがない」ということは身体だけではなくメンタル面の健康にも非常に良くない。


現在、高齢者の医療費のことで、問題になってるようだが、「高齢者=病人」のような錯覚を生じさせる制度を作るよりも、高齢者が死ぬまで楽しんで働ける仕組みを作ってほしいと願う。その方が、明らかに病気も減り、医療費が削減できるだろう。その証明は、今回のこの番組の例を見ても明らかではないだろうか。


病気や犯罪の原因は、「何もすることがないこと」などと単純に答えると、ピントがズレているかのように思われるかもしれないが、豊かな国では、そのことが原因になっているのである。家族的にも社会的にも、若者や高齢者が「楽しく働ける仕組み」は、「最高の医療改革」、「幸せの源泉」になるかもしれない。


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保井志之

2021年2月16日火曜日

「配線理論」から「電波理論」への進化

 「脳を司令塔とする神経系は身体の働きをコントロールしている。だから神経系の働きを整えて健康を維持しよう。」という考え方は理にかなっている。その考え方に基づけば、神経系の解剖や機能の知識は大切になってくる。言い換えると、神経系の知識があればあるほど、体の働きを調整するエキスパートのようにも思えてくる。長年、臨床現場でさまざまな症状を抱えている患者さんたちの施術をしていると、確かに神経系の知識は必要だと思う。

 しかしながら、神経系の解剖、機能に基づく知識だけでは辻褄が合わないことに多々遭遇する。例えば、膝の慢性的な痛みの患者さんで、神経学的に考えると膝の働きに関係する神経末端の神経受容器、その上位レベルの脊髄神経、さらにその上位レベルの中枢神経という神経経路、すなわち、神経の電気信号が流れる配線に沿って問題があるのではないかと考えるだろう。

 

確かにその配線理論に基づいて、神経系の流れに沿った部位を活性化(施術)することで、神経系の機能が改善され、症状が改善されることがある。しかし、その神経系の機能の異常を引き起こす原因は何かと考えると、その配線理論では辻褄が合わない。多くの臨床家にとって分かってはいるけれども悩ましい課題である。それは一般的にいえば、目には見えない「ストレス」である。

 

長年、神経機能異常を引き起こす原因を追求し続けた視点で言えば、脳から発する無意識の信号だといえる。別の言い方をすると、配線理論ではなく電波理論である。関節の機能に異常を引き起こす電波信号が条件付けされ、脳に記憶されているが故に慢性症状を引き起こしていると考えられる。この電波理論は、私が長年研究してきた心身条件反射療法において、「原因と結果」という観点において臨床現場で辻褄が合う理論である。

 

その理論の証明はどのようにするかと言えば、無意識の誤作動記憶を認識して調整するという実例を多くの症例で証明するしか今のところはない。このような施術を知らない治療者にとって不思議な治療法だと思われても致し方ないが、最先端の科学、量子力学、量子脳理論などでも「電波理論」「波動理論」へと進化し続けていることを考えれば不思議なことではないだろう。

 

昔は配線でつながる電話機だけだったが、今ではあらゆるものが電波でつながる時代である。そのように考えると、身体の働きも、神経系の配線機能だけでなく、電波機能でつながっているという考えに基づいて施術をすることが大切になってくる。長年、施術法の研究を継続していく過程で、神経系を深く学んだ時期があったが、やはり、臨床現場ではいわゆる神経系の配線理論には限界を感じる。このような考えに行き着くのには神経学をある程度学んできたが故に言えることだが、今後も脳、無意識、波動、そのような目には見えない電波信号、波動信号を検査して、調整する施術法を進化させていきたい。

 

2021年1月30日土曜日

生命力を高める「心の行」

コロナ感染が拡大し、重症患者数も増加傾向にあり、ウイルスの変異も確認されています。多くのニュース番組で報道されている様に、如何にして人と人との接触に細心の注意を払うことができるかが、感染予防のためにとても大切なポイントになります。人との接触を避ける一方で、健康維持に大切なのは、生活のリズム、心身の習慣です。人との接触や外出を避けるようになると、行動が制限され、心も身体も内側にこもり、心と身体の秩序が乱れがちになります。これは多くの人が経験していると思いますが、狭い空間に長時間閉じこもると肉体的にも精神的にも不調が生じます。このようなコロナ禍において、感染予防を行いながら日々の生活をどのように過ごせば良いのでしょうか。

 

まずは、「身体の健康」を維持するためにバランスの良い食習慣と適度な運動習慣を身に着けることです。コロナ禍だから外出は避けたいという人もいるかと思いますが、人を避けて散歩や運動することは可能だと思います。肝心なのは「心の健康」です。「どうすれば心を健康に保つことができるのか」、これは永遠のテーマでもあり、明確な答えはありません。一般的にはストレス発散をするために、娯楽やスポーツ、友人との交流などがありますが、特にこのコロナ禍では「ソーシャルディスタンス」という人と人との交流をできるだけ制限することが求められています。「密」はできるだけ避けるということが求められているのです。

 

心身の健康を維持するためには、本来であれば、人と人との健全な関係性、すなわち「密」が求められるわけですが、このコロナ禍ではその真逆で「蜜」が制限されます。しかしながら、身体の行動が制限されても、心の動きが制限されるわけではありません。心は本来「自由」です。遠く離れた人に対しても「想い」を寄せることができます。不思議な話ですが、心の電波、信号は無制限に伝わります。このことは、とても非科学的なことのようですが一部の科学者達は真剣に研究しているようです。心の健康を高めるために、心の交流、関係性を保つことは大切です。コロナ禍ではとても厳しい状況ではありますが、直接会えない人や遠く離れた人への純粋な想い、「真心」を伝えることはできます。

 

直接的に話さなくても、ただ無心に「ありがとう」という感謝の気持ちを思うだけで、プラスの生命力が心を浄化してくれるでしょう。これは大切に想う人だけでなく、特に嫌いな人に対して何らかの意味づけ、肯定的な解釈を加えて唱え続けることで不思議な感覚や現象が生じるでしょう。眉唾的な話だと思われるかもしれませんが、ただただ理屈抜きに「ありがとう」の心の信号を伝えるだけで、心の生命力が高まるわけですから、たとえ効果を感じなくても失うものはありません。

 

適度な運動を行う様に、心の修行として習慣づけてみてはどうでしょうか?特にこのコロナ禍ではそのような「心の行」が求められているように思います。


2021.01.19 保井志之