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2018年5月26日土曜日

「思い込みから」生じる健康問題

「思い込みから」生じる健康問題

ある患者さんが、コンサートや社員旅行に行く予定があり、そのことで気分的にも体調的にも不安になっているという。前回のコンサートや社員旅行でも体調不良になったらしく、そのようなパターンを改善したいという。問診しながら、生体反応検査法(PRT)で原因を調べてみた。

治療者:「社員旅行では何が不安ですか?」
患者:「車の移動で自由に休憩できないとか・・・、トイレに行きたいと言えないとか・・・」
生体反応検査法=陽性反応

治療者:「もしも、休憩したいとか、トイレに行きたいと同僚の人にいったらどうなるのですか?」
患者「自己中の人に思われるかな?」
生体反応検査法=陽性反応

治療者:「本当にそのように思われるのですか?」
患者:「・・・・思われないですよね。笑顔」
治療者:「そうでしょうね・・そのように思われるという脳の錯覚ですね・・・いわゆる思い込みですね」
患者:「そうですね・・・笑顔」
生体反応検査法=陰性反応

これは施術中の一コマであるが、「思い込み」から生じていた脳の誤作動記憶を調整した。思い込み関連以外の誤作動の陽性反応も調整を行い施術前に検査した目安検査は全て消失し、機能評価もすべて改善した。施術後、原因となっていた思い込みが整理されたようで、安心してコンサートや社員旅行に行けそうな感じがするようなことを話されて喜んでいただいた。

心身条件反射療法で本質的な原因を追求していると、「思い込み」から生じる健康問題に遭遇することは珍しくはない。ただし、すべての患者さんにこのような本質的な施術ができるわけではない。患者さんとの信頼関係があるとう前提での施術になる。

何らかの「思い込み」で健康問題が生じている場合、ご本人は、その「思い込み」が原因になっているなんていうことは知る由もない。「普通・・・に考えるのは当たり前でしょ」という感覚である。例えば、画像診断で腰に椎間板ヘルニアなどの構造異常があると、「腰が痛いのが当たり前」と思い込んでしまう傾向がある。しかし、近年の世界的な研究では、椎間板ヘルニアなどの構造異常が存在しても腰痛を伴わない人が多いことが分かっている。それにも関わらず、画像診断による「構造異常=痛み」という思い込みは比較的多いようだ。

「思い込み」は、あたかも真実であるかのように語られる傾向があり、本人にとっては疑う余地はない。もしも、その「思い込み」を他者から否定されると、まるで自分が否定されているかのような錯覚に陥る傾向がある。その「思い込み」が身体的にも精神的にも不健康につながる可能性があり、健康的で合理的な説明を受け、理屈ではその思い込みが不健康だと分かっていてもその考え方に固執して抜け出せない場合もある。

「思い込み」というのはいわゆる信念である。それはマイナスに作用するばかりでではなく、プラスに作用する場合もある。未来に対する目標設定などの肯定的な思い込みは、前向きな原動力になってくれる場合が多い。多くのことを達成してきた偉大な人たちのほとんどは、「肯定的な思い込み」によって目標を達成している。そもそもプロジェクトが失敗するとか諦めるというような否定的な前提がない。そこにはプラスの思い込みしかないのである。

特に「否定的な思い込み」というのは、自分では思い込みだと思っていないから厄介である。多くの場合他者に指摘されるか、あるいは、心身条件反射療法のような心理的な要因を含んだ検査でないと気づかされないだろう。もしも、ご自身が否定的な考え方に固執している傾向があるのならば、「本当にそうなのか?」「本当にそう言い切れるのか?」と、自分が信じている考え方に疑いを投げかけてみる価値はある。案外、その考え方にはそう言い切れるという根拠がない場合が多い。すると、その否定的な思い込みから抜け出すきっかけが生まれる。

「否定的な思い込み」をするのか、「肯定的な思い込み」をするのかは自分次第。まずは、「思い込み」を変える選択権が自分にあるということを認識して、自分の健康、あるいは人生にとって健全な思い込みをしていく工夫をしていこう。