2020年1月31日金曜日

15年目の進化したPCRTのプログラム

PCRTのセミナーを開催して今年で15年目になりました。臨床現場での研究から開発されたPCRTをどのように教授するか試行錯誤の連続でした。カイロプラクティックをはじめとする様々な自然施術療法を参考にしながら、「なぜ治るのか」そして、「なぜ治らないのか」の本質と、臨床結果にこだわって研究を重ねてきました。PCRTの治療法は常に進化していますが、治療法のコンセプトは変わりません。そして、以下の原則に基づいて施術法を発展させてまいりました。

1.      心と身体はつながっている
2.      人間は外界との関係性で生かされている
3.      人間の機能は生体エネルギーでコントロールされる
4.      生体エネルギーは無意識の信号にコントロールされる
5.      人間の身体的機能や思考パターンを脳に記憶される

自然界、人間界に存在するこの5つの原則に従うことが自然施術療法の本質につながることだと考えています。

ただし、この本質は机上の空論では意味がありあません。臨床現場で実践されてこそ意味があると思います。PCRTを実践していると上記の原則は自然に理解できるでしょうし、理論と実践には矛盾が生じないはずです。また、経験を重ねるごとに「なぜ治るのか」そして、「なぜ治らないのか」の本質がより見えてくると思います。

今年のPCRTセミナーの特徴は、1日ごとにテーマが完結する学習プログラムになっています。特に基礎編は、「意念調整法」を多く取り入れて、より簡便に効果が引き出せるようにご指導させていただきます。また、セミナー前に学習していただく事前課題を挙げていますので、参考にされてより学習を深めていただければと願っております。

それでは、皆様と会場でお会いできることをスタッフ一同楽しみにしております。



2020年1月27日月曜日

「無意識の脳の信号」と「健康」

「意識」と「無意識」を理解することは心と身体の健康を維持するためにとても大切です。私たちの脳は、意識的な脳と、無意識的な脳に分けられます。私たちの身体の働きは、脳の信号によってコントロールされ、その90%以上が「無意識の脳の信号」によるとされています。私たちは、普段の生活の中で「無意識の心」を意識することはほとんどないと思います。例えば、ある目的地まで歩く場合、その目的地のことは意識しますが、歩く際に、「右足から踏み込んで・・・」とか、「次は左足を前にだして・・・」などのように身体の各部位をどのように動かすかなどは意識せずに無意識的に身体を動かして歩いています。

また、胃腸や心臓などの内臓の動きは無意識の脳に関係する自律神経系にコントロールされ、ほとんど意識ではコントロールできません。その自律神経系に誤作動が生じると、筋肉、内臓などの働きが悪くなり、体調不良が生じます。昔から「心身一如」という言葉があります。心と身体が一体となって調和していることの大切さを示した言葉です。ここで言う心身一如の「心」とは頭で考える意識ではなく、心の奥にある無意識のことを言っています。「頭ではなく身体で感じることが大切である」というように言われていますが、それはすなわち無意識の脳から発する心の信号のことを言っているのです。

「身体の働き」をコントロールしているのは脳ですが、私たちの健康の多くは「無意識の脳の信号」によってコントロールされていると言っても過言ではありません。「無意識の脳の信号」を理解することは大切ですし、健康への「カギ」になります。当院での「身体を使った検査」(生体反応検査法)は、「無意識」の脳の反応です。例えば、チャートを使った検査を行い、「警戒心」の反応が示された場合、普段、ほとんど意識していない内容なので、そのようなキーワードが示された場合は、「???」となる傾向にあります。「無意識」の心の奥にある事柄なので、すぐにはピンとこないことが多いのですが、様々な角度から質問をさせていただくと、「もしかすると、〇〇に考えている自分がいるかもしれない」、「いや、確かにそのようなことを感じている自分がいる」などのように、自分の心の奥を内観し、意識と無意識をつなぎます。

そして、その無意識の心の内容が腑に落ちると脳に新たな神経回路が構築され、症状も改善されやすくなります。症状に関係する誤作動記憶の反応は、明らかに意識できる“ストレス”よりも、何かモヤモヤした心の奥にある無意識的な内容がほとんどです。逆説的にいうと、「無意識の心の信号」が明確化されていないから誤作動が生じ、症状がパターン的に繰り返されると言ってもいいかもしれません。無意識の心の信号が意識化され、しっかりと認識できて意識と無意識が調和されると様々な症状が改善され、心のモヤモヤも晴れていく傾向があります。

氷山の一角である「無意識の脳の信号」を理解することは、心と身体を健康に保つためにとても大切です。原因不明の症状が生じたり、心の奥にモヤモヤ感が生じたりするときには「無意識の脳の信号」が関係しています。自分の心の奥を内観し探索してみて下さい。たとえそれが否定的な心であっても、それを認めて受け入れることが症状を改善することのみならず、豊かな心を育むことにつながるようです。まずは、ご自分の「無意識の心」を理解することを意識してみましょう。

FCCニュースレター2020.2-3

2020年1月8日水曜日

「心のブレーキ」がもたらすパフォーマンスの低下

先日、全日本クラスのバドミントン 選手のパフォーマンス低下に対する問題に関して、相談を受けました。ある練習試合で前半戦は大幅にリードして、通常であれば勝つのが当たり前のような状況だったとのこと。しかし、そこからまさかの逆転負け。何がそのようにパフォーマスを低下させてしまったのか?その記憶を辿って生体反応の検査で探索してみると、その記憶のパフォーマンスに陽性反応が示されました。陽性反応があるということは、無意識的な神経信号に関係する何らかの「誤作動記憶」があるということです。

その誤作動記憶に関連するキーワードを検査してみると「虚栄心」という言葉が示されました。その時の対戦相手は大学の後輩で、お互いに気心が合う間柄とのこと。試合中、無意識的に後輩のことを想い、リードし過ぎると後輩の練習にはならないという想いが心のどこかにあったかもしれないという。それがどのように「虚栄心」につながるかというと、平たく言えば「良い先輩」として思われたいという無意識の心につながっていたということです。

もしも、大幅にリードしたまま後輩を負かしてしまうと、それは思いやりのない先輩につながり、相手を敬う良き先輩であるという理想像が崩れてしまうというような状況で、無意識ではありますが、後輩のことを思って少し手を抜いたということになります。以前には「慈悲心」というキーワードがパフォーマスを下げる要因として関係しており、先輩を負かしてしまうと申し訳ないという心のブレーキがパフォーマスに影響を及ぼしていた様子でした。

私は彼を6歳の時から事あるごとに治療やコーチングでのサポートをさせていただいています。小学生の頃からすでに全日本レベルの選手でした。中学生から親元を離れて遠方で寮生活を送っていました。帰省の際には毎回治療院を訪ねてくれたり、遠隔での治療も受けていただいたりしていました。陰ながら彼の成長をみさせていただいており、多くの人に好かれるタイプであることは明らかでした。それは一重に人への「思いやり」を大切にしているということがよく分かるのですが、その「相手を敬う心」に関係する「心のブレーキ」がパフォーマスを下げているということにつながっていました。

「相手を敬うという心」は人としてのあり方を支える大切な心の信念ですが、試合のパフォーマンスに影響を及ぼしているというのは別の意味で問題です。そのような「心の在り方」をどこで培ったのか、最初のきっかけはいつだったのかなどを質問したところ、親元を離れて最初に寮生活を始めた時とのことでした。その教えはバドミントン部の監督を通じて、先輩後輩の関係性を寮生活、部活動を通じて学んだということでした。

勝負の世界では「闘争心」が力を発揮します。しかし、彼にとってはその「闘争心」という言葉には違和感がある様子でした。恐らく世界トップレベルの選手が勝ち続けている背後には「不屈の闘争心」があるのではないでしょうか?あらゆる壁を突き崩して勝利へと導くには「闘争心」が必要不可欠でしょう。相手に絶対に勝つという闘争心を燃やすことで、自分の実力を最大限に発揮し、さらにはそれ以上に力を引き出すことにつながるかもしれません。「闘争心」には相手を慮る心がないように感じますが、それも解釈の仕方で様々な受け止め方ができます。

トップに行けば行くほどに真剣勝負の度合いが高まります。世界選手権やオリンピックの大会になると自国の期待を背負うことになります。そんなプレッシャーの中で、相手を慮る気持ちがあると複雑な心境になるでしょう。「相手を敬う心」を変えることなく、秘めたる闘争心を引き出すためにはどうしたらいいのでしょうか?勝負の世界でお互いが全力を尽くして戦うことに意味があります。お互いに真剣勝負で全力を尽くすことが、「相手をリスペクトする」ということになり、「闘争心」を燃やして、自分を出し切ることが、相手に敬意を払うことになると解釈することもできます。

互いに全力を尽くして戦って、たとえ相手が負けたとしても、それは勝敗を超えた意味ある課題が相手にできることでもあり、未来のための意味ある課題の創造につながることもあると思います。真剣勝負で戦うことの意味や心得を整理できれば、恐らく今までとは異次元のレベルで試合ができるかもしれません。身近にいるトップ選手にそのような「闘争心」なないかどうか質問してみました。すると、ある時、身近にいるそのトップ選手は、練習の際に力を抜いたようなプレーがあったというような感じで相手の選手に怒っていた場面があったといいます。

その時は、そのことに対しては違和感があったとのことですが、コーチングでこのような話をした後で、彼のことを振り返ると、練習の時でさえも真剣勝負で「闘争心」を燃やしており、格下の選手にもそのレベルの気持ちがないと、叱咤激励の意味も込めて鼓舞していたのだということが分かった・・・・とその時のことを回想していました。練習や試合以外の時には「相手を敬う心」は大事にしても、いざコートに立ったら、練習試合でも「闘争心」を燃やす訓練は日々積み重ねておくべきでしょう。恐らく本番の試合だけ「闘争心」のスイッチを入れて切り変えればできるというものではないように思います。

コーチングを織り交ぜた遠隔治療を終えた後、とても大切なことに気づいたとフィードバックしてくれました。昨年はランキングも伸び悩み、プレー自体も楽しめない自分もいたということを打ち明けてくれました。恐らくトップ選手に必要な「闘争心」が欠けていたのかもしれません。私も長年彼をサポートさせていただき、この気づきは彼にとっては大きなターニングポイントなったのではないかと感じました。恐らく彼が持っている秘めたる闘争心に火をつけることで、さらなる次元へと進化していくように思います。さらなる彼の成長を楽しみに陰ながら応援しています。