2019年4月24日水曜日

PCRT基礎2へのご案内

いよいよ5月より「平成」から「令和」へと元号が改元され新時代を迎えることになりました。今思うと、私が米国のカイロプラクティック大学へ留学した年が、昭和天皇が崩御され「昭和」から「平成」へと改元される1989年でした。あれから30年の歳月が流れ、「手技療法を極めたい!」という志から随分と進化したものだと我ながら思います。今では「手技」とは何かという本質的な意味は自分なりに理解していますが、当初は関節を機械の歯車のように微妙に合わせるような巧みな技術があるものだと思っていました。

そして、帰国後、AMを本格的に臨床に取り入れて数年で「手技」とは究極的には「刺激」であり、その刺激は「情報伝達」、さらには「エネルギー伝達」であるということがだんだんと明らかになってきました。この本質が分かるまで、遠くアメリカまで留学して帰国後に開業、それから臨床現場では試行錯誤の連続でした。留学当初から様々なセミナーに参加して、様々な理論に触れることができました。マニュアル通りに結果が出せるかどうかが私の最大の臨床現場での関心ごとでした。まずは「結果」が伴うことで、その背景にある理論を帰納法的に検証してきました。私が一番こだわってきた「結果」というのは、調整後にその場で症状が改善されるかどうか、あるいは陽性反応が消失するかどうかという「結果」です。

慢性症状であれば、前の「クセ」に引き戻されて戻ることもしばしばですが、調整直後に結果の判断ができずに数週間後に改善されたというようなその「結果」は調整で良くなったのか、調整しなくても自然に良くなったのかの判断ができないために、私の中では調整直後に結果が伴わなければ、その調整法で効果があるかどうかが分からないと判断していました。開業してから約25年は毎日そのように臨床現場で検証して、治療効果を追求してきました。現在ではハード面調整法からソフト面調整法まで幅広く調整法の研究を継続しており、基礎1でご紹介した「言語加算調整法」もその一つです。

今回、「言語加算調整法」からさらに進化して「意念調整法」という名称でご紹介させていただきます。ハード面調整法からソフト面調整法への橋渡しとしてのみならず、幅広い症状の改善に使えることが明らかになりました。おそらくこの「意念調整法」を入れることで、PCRT全体がさらに使いやすくなると思います。また、手順もシンプルなのでPRTが安定している施術者にとっては臨床現場でかなり役立つ調整法になると思います。それ以外に、今回の基礎2では主に四肢関連の症例別のアプローチの仕方、めまいやふらつきに関係する前庭器官、小脳機能検査、ブレインマップ脳領域調整法、チャートを使ったソフト面調整法のアプローチの仕方をご紹介します。

皆様にお会いできるのを楽しみにしております。よろしくお願いします。

2019年4月18日木曜日

平成最後のAM東京セミナー2019年4月14-15日

先日は平成最後のAMセミナーが東京で開催されました。2001年度から始まったAMI社公認のセミナーが今年で19年目に入りました。日本で開催される以前から私は米国で開催されるインスタラクターセミナーに毎年のように参加させていただき、その最新のAMプレゼンテーション内容を日本のセミナーでご紹介させていただきました。そして、その成果は、受講されている先生方の臨床現場でも発揮されて、ANJのネットワークの和が着実に広がっているのを感じています。

開催当初からAMIのプログラムをそのまま紹介しながら、その背景にある治療哲学も伝え続けてきました。AMI社公認セミナーが長きに渡って日本に広まり続けているのは、単にハウツウ的なノウハウを教えるのではなく治療哲学がブレンドされているからだとコメントしてくださる先生もいます。確かにハウツウだけでも効果はあります。そこから一歩進んで幅広く患者さんの症状に対応するには「なぜ」効果があるのか?「なぜ」痛みが瞬時に消失するのかを理解する必要があります。

ミクロな神経生理学の理屈は必要ありません。もっとマクロ的に「なぜ効果があるのか」のメカニズムさえ分かれば、それで十分に患者さんに納得していただける本質的な説明ができます。また、効果を引き出すためには、神経学的な生体反応を読み取る技術が必要になります。その検査の領域でもハウツウ的な技法のみならず、「なぜ」反応が出るのかが分かればさらに反応を読み取る検査技術も高まるはずです。

そのような感性的な技法を高めるには、繰り返しの訓練が必要です。セミナーで気づかれたご自分の問題点を修正してそれをご自分の臨床現場でアウトプットして下さい。感性的な技法を高めるためには理屈ではなく繰り返しの訓練が必要不可欠です。ANJの体験型のAMセミナーに参加されると、教科書やビデオでは学ぶことができない「オーダーメイドの体験」を学ぶことができます。それを持ち帰って臨床現場で実践する。その繰り返しの訓練によって本物の実力が身についてくると思います。

初めて参加された先生には、まずはご自分が治療を受けてその効果を実感する。そして、ご自分の患者さんに施術を行ってその効果を体験する。その繰り返しによってAMの効果を確信し、筋骨格系領域の問題に自信を持って対応できるようになると思います。私たちインストラクターチームは、自信をもってそのことを伝えたいと思い、現状に慢心せず、さらなる高みを目指してライフコンパスアカデミーとしての活動も継続し続けています。

次回6月の大阪セミナーは令和元年最初のセミナーになります。皆様とお会いできるのを楽しみにしております。よろしくお願い申し上げます。

AMI社公認日本地区ディレクター・ANJ代表:保井志之DC

2019年4月1日月曜日

花粉症が治るしくみ  FCCニュースレター2019-04-05


この時期に鼻水や目のかゆみなど症状がでると、「花粉症」だと思われる方が多いようです。花粉症はスギやヒノキなどの植物の花粉が原因となって起きるアレルギー症状ですが、当院で生体反応検査をしてみると、単に花粉のアレルゲンだけでなく、PM2.5などの大気汚染、繊維、寒暖差などが関係していたり、メンタル面が関係していたりすることも少なくはありません。アレルギー症状の原因となるアレルゲンなどを明確に特定して施術を行うと、施術後にはすっきりした感覚になる方が多く、継続治療していくことで完治していきます。

花粉症の根本的な原因とはなんでしょうか?普通に考えると、アレルギー症状を引き起こす原因は花粉などの「アレルゲン」となります。「アレルゲン」が犯人なので原因は自分の肉体内にあるのではなく、肉体外にあると考えます。しかし、根本的な原因は何かと考えると、肉体内にあると考える方が本質でしょう。なぜならば、同じ花粉などのアレルゲンに触れてもアレルギー症状を引き起こす人といない人がいるので、その違いは何かと考えることで本質的な原因につながると思います。

では、本質的な「花粉症」の原因はなんでしょうか?「体質?」と思い浮かんだ人が多いのではないでしょうか?ではアレルゲンに過敏な体質はどこから生じたのでしょうか?体質となれば「遺伝」ということが連想され、「遺伝」であれば治らないという考え方になると思いますが、当院の施術で多くのアレルギー症状の患者さんが改善されていることから、「遺伝」以外の原因があります。その原因とは何でしょうか?当院ではその原因を「誤作動記憶」にあると考えています。

「誤作動記憶」とは無意識的にアレルギー症状を引き起こすように学習記憶された誤作動の記憶という意味です。毎年、花粉が飛散する時期になると、症状が出るということは、「記憶」が関係しています。身体が症状を記憶している、すなわち脳のプログラムによって自動的に症状が引き起こされるのです。慢性症状はこの「記憶」があるがゆえに繰り返され、逆にいうと「記憶」がなければ症状は繰り返されないのです。そのような脳のプログラム化を「条件付け」という言い方もできます。

では、アレルギー症状を引き起こしている誤作動の「記憶」は消せるのでしょうか?「記憶」を消すというよりも、施術によって新しい神経回路を創ることで「上書き」され、アレルゲンに触れてもアレルギー症状を引き起こさない神経回路が創られて過敏症状が生じなくなります。脳は様々な刺激を受けることで新しい神経回路を創ることが脳科学でも証明されています。そのことを脳の可塑性と言いますが、そのような脳の柔軟性があるがゆえに、様々な慢性症状は治るのです。
 
コロンビア大学生化学教授のエリック・カンデル氏が2000年に神経系の情報伝達と記憶に関する発見の功績によりノーベル生理学・医学賞を受賞しました。この写真はその発見に関係する実験結果を示した動画から撮った写真です。神経細胞を刺激した後、神経回路のニューロン(枝)が伸びているところが示されています。神経細胞を刺激すると、新しい神経回路のニューロンが伸びるということを世界で初めて実験で映像的に示したことはともても画期的なことでした。ニューロンが伸びて神経回路ができるということは、新たな刺激による学習記憶によって、不健康な症状を引き起こす神経回路(誤作動記憶)を創る一方で、健康的な神経回路(健全な記憶)も創るということでもあります。

慢性症状の一つである花粉症の原因も「誤作動記憶」にあり、当院の施術で花粉症が治るのは、誤作動記憶を書き換える施術を行なっているからです。花粉症は治療すれば治る症状です。人それぞれに治り方は様々ですが、花粉症でお困りの方は、ご自分の脳の柔軟性を信じて施術を受けてみてはどうでしょうか? 花粉症でお困りの方はお気軽にご相談ください。