2014年8月18日月曜日

複雑系思考、システム思考によるPCRTのアプローチ

人間を深く追求すればするほど、「実に複雑な関係性の中で生かされているのだな~」と感じます。当たり前のことではありますが、機械仕掛けのロボットのように1+2+3+4=10というような単純計算では答えがでません。人間の複雑な知能を研究した人工ロボットの開発も進んでいますが、複雑な心を持った実際の人間の複雑性にはまだまだ程遠いようです。

「複雑系」の学問では様々な分野で研究が進められています。学際的には、複雑系に特化した研究分野として、システム論、複雑性理論、システム生態学、サイバネティックスなどがあります。その他、複雑系を理解するうえで語られる閉鎖系と開放系の概念があり、「生命」は開放系の世界であり、複雑に自然と調和しながら生かされています。特に人間の生命体は複雑系の世界であり、人間をコントロールしている脳・神経系は複雑系そのものです。複雑系の中でも「複雑適応系」と「非線形力学系」という考え方は、本質的な「健康」を維持していくうえで関係が深いと私は感じています。


「健康」の分野も大局的に分類すると、機械構造論的健康と有機生命論的健康に分類され、機械構造論的健康はニュートン的パラダイム、有機生命論的健康はアインシュタイン的パラダイムの影響を受けていると考えられます。機械構造論的健康、あるいは通常医療の世界で特徴的なのが、「要素還元論」の考え方で、階層構造的に上位から下位へと分類し、因果関係論的に健康問題や病気を考える傾向があります。これは、線形思考ともいわれ、あらかじめ決められた答えを導き出す手法がとられます。

ニュートン力学や線形思考では、原因が同じなら結果も同じことになりますが、複雑系の世界ではそうはいきません。線形思考とは、方程式に当てはめれば必ず正解が得られるという直線的な方法です。一方、非線形または複雑系の世界では、初期条件がほんのちょっとでも違えば結果は予測不可能になります。

例えば、「7+○=10」という計算式があり、あらかじめ決められた答えを導き出す際、○は3というように一つの正解が決められています。もしも、「○+○+○+○=10という計算式がある場合、1+2+3+4=10、あるいは2+3+1+4=10、あるいは0+4+6+0=10のように複数の正解があります。前者はあらかじめ決められた答えを導き出す「線形思考」で「要素還元論」ではこの思考法が必要になります。後者は何通りもある答えの関係性を導き出す「非線形思考」で「システム思考論」ではこの思考法が必要になります。

PCRTの施術のアプローチは、症状改善というゴール(答え)のために、非線形的に何通りものアプローチの仕方があります。そのアプローチの仕方は複数に複合しています。一つの症状を改善させるために複数のEB(エネルギーブロック)を一つ一つ開放していく場合もあれば、関係し合う一つのEBを解放させることで、他のEBが解放されることもあります。

それはあたかも積木崩しのように、症状の背後にある「感情」や「信念」、「価値観」に関係する複雑な「心の構造」を明確にすることで、長年、慢性的に苦しんでいた症状から解放されることもあります。これは、要素還元論的な単一な要因ではなく、様々なシステムや感情、思考パターンなどが複合的に関係し、要因も様々に関係し合った結果であります。

PCRT中級2では、「非線形思考」、「システム思考論」に基づく概念を基本として、そのアプローチの仕方をできるだけわかりやすくご説明していく予定です。今回の研究会では、「脳神経系刺激調整法」、「PCRTソフト面調整法の全体像」、「ハード面からソフト面への施術以降の仕方」、「選択優先チャートの使い方」、「ベイシック感情チャートの使い方」、「五感パターンチャートの使い方」、「信念、思い込み、意味づけ〔意味記憶〕に対するアプローチの仕方」、「セルフイメージ〔映像記憶〕に対するアプローチの仕方」などをご紹介する予定です。
それでは先生方と学びを深め、さらに進化し、成長できることを楽しみにしております。

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