2015年1月12日月曜日

2015年度心身条件反射療法(ニューロパターンセラピー)PCRT

お陰様で心身条件反射療法(ニューロパターンセラピー)研究会は、今年で10周年、12月には50回目を迎えます。これもひとえに熱心に参加して下さった臨床家の先生方のお蔭だと心より感謝申し上げます。

本研究会は臨床現場から始まっていますが、最初の動機は、「治る人と治らない人の違いは何か?」という臨床家であれば一度は考えるシンプルな問いかけから始まりました。そして、同じような症状で、検査結果と施術法が同じでも、期待通りの結果がでないことがたまにあります。何がその違いを生じさせているのか?など、正面からその本質を追及してきました。


主に脊髄、脳幹、小脳への反射系への神経学的アプローチによって多くの治療効果が得られます。しかしながら、「潜在的感情」や「信念、価値観」、さらには「意味記憶やエピソード記憶」に関係する脳の学習記憶による誤作動は少なくはありません。

特に症状を繰り返す慢性症状に関しては、単に反射系へのアプローチを主にしたハード面への調整法では、本質的な症状の改善につながらないことが多いのではないでしょうか。

脳の複雑性から考えても脳幹、小脳を主にした反射系のみならず、大脳辺縁系に関係する感情や大脳新皮質に関係する信念、価値観、さらには意味記憶やエピソード記憶へのアプローチは重要であり、PCRTはそのような総合的視点に基づく治療法です。

多くの施術法が主張する因果関係の多くは、構造理論が主体となり、身体の一部分、あるいは複数に問題がある。もしくは、位置的、あるいは機能的に問題があるから症状が生じていると考える傾向にあります。

PCRTの因果関係の捉え方の特徴として、「関係性」と「学習記憶」に注目します。「身体内での機能的関係性」、「身体と外界(環境)との関係性」、「身体とメンタル系との関係性」、「身体と栄養との関係性」、など様々な関係性、ならびにその関係性によるパターンの「学習記憶」に因果関係の焦点を当てます。


施術のアプローチをする際には、身体や五感情報、刺激、物質を含めた様々な「情報」をエネルギー的にとらえて、メンタル系を基軸に、神経系、エネルギー系、五感適応系に分けて、患者様が抱える一人一人のニーズに応じて、オーダーメイドでアプローチを行います。

専門家という差別化が難しい今の時代に、PCRTの治療者は、慢性症状、とくに脳(心)と身体の関係性による学習記憶の誤作動を治療する専門家として、ますます社会に注目される時代になってくるでしょう。

10年の節目を迎えPCRTを振り返りますと、「臨床活動」から始まって、「教育活動」がかなり充実してきたように思います。これからはさらにPCRTの認知度を社会に広めるためにも「研究活動」の種をまきながら、社会に貢献できるように皆様とともにコツコツと育てていくことができればと願っております。

今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

尚、12月のPCRT研究会では10周年を記念してシンポジウムを計画していますので是非ご参加ください。重ねてよろしくお願い申し上げます。

0 件のコメント:

コメントを投稿