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2012年10月31日水曜日

脳室周囲白質軟化症の施術

脳室周囲白質軟化症と診断された1歳6か月の男の子が来院。改善の目的は筋肉を柔らかくしたいとのこと。大学病院でも検査やリハビリを受けているそうだ。週に2回ほど定期的に通院していただき、5回目くらいには明らかに筋肉の緊張が緩んできているのが分かった。ご家族の方も下肢の筋肉がやわらかくなってきていることを実感され喜んでいただいている。

施術法は、アクティベータ療法とニューロパターンセラピーの「持続刺激調整法」を併用している。後者の持続刺激調整法は最近開発した施術法であり、筋緊張のバランスを調整する施術法としてはとても効果的である。

以前から脳梗塞などによる後天的な痙性麻痺における四肢の筋緊張にはかなり効果的であるということは臨床で確認できていたが、今回、このような先天的な脳性麻痺の患者さんにも併用して、明らかに効果的であるということが分かった。

この持続刺激調整法は、今まで開発した施術法の中では比較的簡単な施術法であると私は考えている。簡単とはいってもある程度の基礎知識や研修が必要だろう。しかし、専門知識のないお母さんやお父さんが自宅でお子さんに施術をしてあげることができたとしたら喜びも広がるだろう。

将来的には、このような自宅で施術ができるプログラムも視野にいれて、さらに研究を進めて、専門家でなくてもお子さんに施術ができるようなプログラムを広めていくことができればと思う。

お子さんのお母様へのインタビューです。


2012年10月15日月曜日

「台風が来るときには必ず頭痛がする」???

15年来頭痛で悩まれていた患者さんから随分改善されてきたとの報告をいただいた。施術をはじめてから約3か月間、10回目の施術を終えていた。初診時には頭痛以外に首や肩のコリも慢性的にあるとのことだった。

脳神経外科も受診されており、MRIなどの検査を受け頓服薬を処方されたとのこと。緊張型の頭痛は月に1~2回、偏頭痛は数か月に1回。偏頭痛がひどい時には吐き気を伴い、一日寝たきりの状態だったとのこと。

施術では、アクティベータ療法とニューロパターンセラピーを併用した。この患者さんの場合、来院時には頭痛がない場合が多かったので、頭痛があるときのイメージをしてもらい、条件づけされた「緊張パターン」を検査して施術することが多かった。

15年来抱えていた慢性的な頭痛だったので脳に学習記憶されていた「緊張パターン」も複数重なっていた。その中でも特徴的だったのが「台風が来るときには必ず頭痛がする」、というパターンだった。

通院中に、何度か台風が近づいたりしていたので、実際にその台風で頭痛がぶり返すのかどうかを確かめることができた。身体の検査反応に従って2回ほど台風に対する治療を行った後には、台風による頭痛は改善されたとのことだった。

台風に限らず、雨や曇りなどの気圧の変化でも頭痛や肩こりなどの体調不良を訴える患者さんも少なくはない。病院でその症状を訴えると「気のせい」ではないかということで済まされたという患者さんもいた。

私もこのような本質的な治療法を研究するまでは天候の変化で頭痛や肩こりが生じるということには理解に苦しんだ一人でもある。現在では、天候の変化で症状を訴える患者さんはもちろん、患者さんが症状を訴えなくても症状の因果関係を検査していると、気圧に対する過敏反応が明らかになってくることも少なくはない。

このような気圧の変化が原因で体調不良を引き起こすパターン(学習記憶)を抱えている人は少なくはないと思うし、それに対する治療法があるということも知られていないだろう。このような環境の変化に対して身体に適合、あるいは調和させる治療法をもっと世間で当たり前になるように広める工夫が必要だ。

患者さんへのインタビューです。

2012年9月1日土曜日

6~7年以上抱えていた膝関節の問題

30代の男性が、交通事故による腰痛を訴えて来院。腰痛の方は数回の治療で完治したが、6年ほど前より膝の症状があるという。いつもスポーツをしているタイプの男性で、毎日走っているとのこと。走ったりすることで膝に症状がでたりはしないが、深くしゃがみ込むと常に左膝に違和感があるという。

本人によるとこれは構造上の問題で手術をしなければ治らないとあきらめていたとのこと。膝の検査を細かくしていくと、筋肉系のアンバランスな反応が多く示された。その異常反応への治療を継続していくうちに、6~7年抱えていた膝の違和感がほとんど解消された。構造異常の問題だと諦めていたのでとても喜ばれていた。

一般的には関節に痛みなどの症状があると、関節の構造上の問題に目を向けて、レントゲンやMRIなどの検査で構造異常が分かれば、その構造異常=痛みの原因と結びつけて外科的な手術を行ったりする。しかし、慢性的に生じた関節痛の多くの原因は、筋肉系のバランス異常であると私達の仲間の自然療法家は考えている。

骨や軟骨の変形は、筋肉系のバランス異常が慢性化した結果であり、関節は本来動かすために存在するので、その関節の機能に異常をきたすと、関節を構成する骨と骨同士がつながろうとして、鍾乳石のように骨にとげがでて変形がでてくるのだと考えられる。

関節の変形が直接的に痛みの原因になることもあるかもしれないが、バランス異常が原因で生じた骨や軟骨の変形が直接的に症状の原因になることはかなり少ないのではないかと考えられる。構造異常が症状の原因だと決めつけることは簡単であるが、それは本質的な原因ではないことは、臨床家による多くの改善例や最新の科学的文献からも指摘されている。

まずは関節をコントロールしている筋肉系や神経系のバランス調整を試みて、それでも症状が改善されなければ関節構造を修正するという選択肢も考慮してはどうだろうかと思う。

2012年6月4日月曜日

「関節の健康はバランス調整から」

一般的に腰痛や関節痛は「骨の変形」、「ゆがみ」、「軟骨異常」などの「構造異常」が原因だと思われがちです。最近ではMRIなどの画像検査の性能が進化して、構造異常が正確に分かるようになってきました。その構造異常が画像に示されると、多くの人はその構造異常が症状の原因だと決めつけてしまう傾向があるようです。

外傷などで構造異常が症状の原因になることもありますが、多くの構造異常は長年のバランス異常の結果であって症状の原因ではありません。慢性的なバランス異常の結果として、関節に異常な負荷が加わって構造異常が生じたのです。

画像診断で椎間板ヘルニアや変形性関節症などの構造的な診断を受けた患者さんのほとんどが、ファミリーカイロで行う筋肉系、神経系、メンタル系のバランスを整える施術で改善されています。それは、多くの症状の原因が構造異常ではなく、バランス異常から生じているためです。

身体のバランスをコントロールしているは神経系で、神経系の命令によって筋肉系が働き骨格のバランスが保たれています。つまり、日ごろからバランスを整えることで、関節の健康が保たれるのです。歯医者さんで歯石を除去してもらって歯の健康を保つように、ファミリーカイロで背骨や他の関節のバランスを整えて関節の健康を保ちましょう。

2012年5月11日金曜日

「構造異常」ではなく「バランス異常」

先日来院された患者さんで、病院でレントゲン診断を受け、骨の変形が原因で痛みが出ているので頭を後ろに反らさないようにとの指導を受けたとのこと。他の病院を受診したがそこでも同じように指示を受けたらしい。そのため日常生活ではできるだけ頭を反らさないように注意しているとのことで、高い棚の上のモノを取る際には不自由で、腕を頭より上に挙げる動作は極力避けているとのことでした。そのため、機能的な検査を行うと、頸部、上部胸椎部、肩部に筋の異常緊張や異常の反応がたくさん示されていました。

ここで注目していただきたい問題は、「本当に骨の変形が痛みの原因になっているのか」ということです。一般的には、医師にそのように診断されると9割以上の人が「その通りだと」と思い込んでしまうのではないでしょうか。専門知識のない人にとっては普通の判断です。私も20年以上前に、専門家にそのように診断を受けていたとしたら同じように思い込んでいたかもしれません。しかし、現在では「骨の変形=痛み」という常識的な判断には注意が必要で、危険な判断であるとさえ考えております。

「骨の変形=痛み」という説明をすることは簡単です。世間一般の人や機械構造論的な考えを持つ医療者のほとんどが、当たり前のように患者さんに症状の原因として説明しているでしょう。しかし、臨床現場では2つの矛盾によく遭遇します。一つ目は、骨の変形や軟骨の変形があっても症状のない人がたくさんいるという矛盾。二つ目は、骨の変形が原因で痛みがでていると診断された患者さんが、手術ではない保存療法で改善する例が多く存在するという矛盾です。また、このような臨床経験以外にも、そのような矛盾点を裏付けする研究論文も増えてきているという事実があります。

このような科学的な研究論文を読んでいると、「骨の変形=痛み」というような説明は簡単にはできないと思います。病院で「骨の変形=痛み」というような説明を受けていないかもしれませんが、レントゲンやMRIなどの高価な検査を受けて、何らかの構造的な異常があると、痛みの原因はその構造異常が原因であると思い込んでしまう傾向があるようです。そして、その思い込みは、関節の動きを制限させるマインドコントロールとなって、その動きにかかわる関節を不必要に制限させ、関節周辺の筋肉や神経系にバランス異常を生じさせます。

なぜ、「骨の変形=痛み」という本当のようで本当ではない説明を簡単にすることが患者さんの不利益につながるのかという説明をできるだけわかりやすくしたいと思います。まず、最初に、関節の変形はなぜ起きるのでしょうか?遺伝や運動不足など様々な原因があると思われますが、多くの場合、関節のバランスが悪くなった結果、骨と骨同士がつながろうとして、長い時間をかけながら変形してくることが考えられます。洞窟の鍾乳石のようなものです。

そして、大切なことは、関節の変形は、筋肉で支えられている関節のバランスが悪くなった「結果」であるということです。関節は「筋肉」のバランスで調整され、「神経」でコントロールされています。そして、関節の痛みの多くは「筋肉」→「神経」という機能的なバランス異常から生じ、痛みをかばうことでさらに関節のバランスが悪くなり、関節に異常な負荷がかかり、関節がつながろうとして変形が進行することも考えられます。

関節は身体を動かすために必要な部位です。その関節を動かさなくなるとどうなるでしょう。関節は役目を終えたと勘違いして、骨と骨とがつながろうとし、変形がさらに進行します。関節の健康を保つためには適度な運動が必要なのです。関節に適度な運動や負荷をかけることで関節の本来の機能が保たれ関節の健康を維持することができるのです。

一般的に「関節の使い過ぎはよくない」という考え方が当たり前のように言われているようですが、その考え方にもたくさんの矛盾があります。「使い過ぎ」が悪いのではなく、関節のバランスが悪い状態で関節を使うので、痛みなどが生じて、「関節を使うこと=よくない」と勘違いをしてしまうのです。関節のバランスが悪ければ、動かすと痛みや違和感を生じます。そのような症状がある場合は、関節のバランス異常があるというサインです。

しかし、一般的には関節の「バランス異常」というようには解釈せずに、関節の「構造異常」だと解釈する傾向があります。そして、関節に構造異常がないかどうか画像診断をして、もしも、構造異常が見つかれば、その構造異常を症状と結びつけてしまう傾向があるということです。現代医学は、「構造異常」を検査するのには優れていますが、神経と筋肉の機能的な「バランス異常」を検査することはほとんどありませんし、医学部ではそのような教育はされていません。よって、世間一般では、「関節の症状=構造異常」というマインドができてしまっているのです。

もしも、構造異常が原因であれば、その構造異常を外科的に修復するか、あるいは関節を使わないようにという指導になります。本当に構造が直接的な原因であれば、その構造異常を外科的に手術しなければ治らないでしょう。しかし、前述したように、関節に構造異常が存在しても症状のある人とない人がおり、また、手術をしなくとも症状が改善される事実から関節の構造異常が原因ではなかったということが後でわかる人がたくさんいるということです。

関節痛で悩んでおられる多くの方に最初に注目してほしいことは、「構造異常」ではなく「バランス異常」です。まずは、「バランス異常」を整えることを第一の治療法の選択肢として、それでも改善が見込めないときには「構造異常」の改善を最終の選択肢としてください。ただし、「バランス異常」を整える治療は現代医学ではほとんど行われておりません。適切なカイロプラクティック、あるいはその他の治療法を選択することが求められます。特におすすめはアクティベータ・メソッドというカイロプラクティックとニューロパターンセラピーです。