痙性斜頸(ジストニア)の早期改善 シリーズ1
通常、1年以上も継続しているジストニアの症状は、様々な誤作動記憶が関係しているので治療回数が多くなる傾向にある。本症例は、家族の事情で施術を一時中断されたが、比較的早期に改善されたジストニア症状として2回シリーズで報告させていただく。
患者情報:
60代女性。1年半前より、首が勝手に左に回るようになる。家事に集中しにくく、電車や美容院、エレベーターなどで人目が気になりストレスを感じることが多い。症状が強くなるのは字を書くときや顔を下に向けたとき。最初は整形外科を受診、それから神経内科を受診、別の神経内科も受診。病院でMRIの検査、痙性斜頸の診断を受け、神経内科にて投薬、ボトックス注射を受ける。その後、やや軽減したがそれからは変化がないとのことで当院を受診。思い当たる原因は、マンドリンの練習で、一生懸命練習していて、最初は首に違和感を感じていたとのこと。夜、横になっていて、頭が急に締め付けられるような感じがして、首に痛みを感じたので、ロキソニンを飲んで就寝。翌朝、急に首が左に傾くようになって、そこから痙性斜頸の症状が頻繁に起こるようになったとのこと。症状は、手で顎を触れると軽減するらしい。
問診:(重要なポイントのみ)
術者:ご自分では思い当たる原因はなんだと思いますか?
患者:マンドリンに関係していると思います。
術者:なるほど。
患者:それと、先ほどお話ししたジストニアが発症する前の夜に、締め付けられるような症状があって、それ以来ですので、それも関係していると思います。
術者:なるほどですね。そのような事柄が影響しているかどうか、後で検査をしてみましょう。
特記:問診中、患者は右手で顎を押さえて、首が左に向かないようにされていた。
治療法の説明:
ジストニアの症状は、身体的(構造学的)な問題ではなく、無意識的な誤作動記憶による症状であることを分かりやすく説明。ジストニアの症状を作り出す脳の神経回路(クセ)ができているので、それを切り離して新しい神経回路(クセ)を上書きするための治療法であるということ。構造学的な異常ではないこと。さらには単に神経の機能学的(働き)な問題ではないこと。問題は、神経回路のプログラムの問題であることをできるだけわかりやすく説明。特に心と身体の関係性による「誤作動記憶」とはどのような状態なのかを体感的に検査を通して説明。
【一回目の施術】
目安検査:陽性反応
l 筋肉・関節(自動運動)=右頚椎回旋、頚椎前屈、右肩甲帯後方
l EB(エネルギーブロック)部位=右胸鎖乳突筋の筋腹を摘む
l 症状イメージ=マンドリンを弾くイメージ、下を向くイメージ、字を書くイメージ、夜締め付けられたイメージ
ハード面調整(肉体内関係の誤作動記憶調整):
l AM(アクティベータ・メソッド)とPCRT(心身条件反射療法)でハード面調整を完了。
l ハード面調整完了後、症状イメージ(イップス)以外の目安検査は消失。
ソフト面調整(肉体内関係の誤作動記憶調整):
症状イメージ(マンドリンを弾くイメージ)のEB(誤作動記憶)から施術開始
術者:それでは、マンドリンを弾くイメージで陽性反応が示されていますので、そこから誤作動記憶の原因を検査していきましょう。先ほど説明させていただいた検査チャートを使って、ジストニア症状に関係する無意識の誤作動記憶のキーワードを探していきます。
PCRT誤作動記憶検査チャートを使いPRT(生体反応検査法)を行う。
大脳辺縁系→基本感情チャート→意欲でPRT陽性反応
術者:意欲というキーワードが関係していますね。マンドリンの練習をされているときは意欲的ですよね・・・
患者:はい、そうですね。
術者:意欲的であることがいいと悪いとかは関係なく、意欲的になっている際にたまたま脳の神経回路が誤作動を生じさせるクセがついてしまっているので、その感情を意識的に引き出して、誤作動が生じないように調整させていただきます。それでは、マンドリンを意欲的に弾いているイメージをしてください。
患者:はい。
PCRT呼吸振動法を施す。「意欲」のフィードバック検査で陰性反応。
術者:「意欲」に関する誤作動記憶は調整できましたので、再度、マンドリンを弾いているイメージをしていただけますか?
患者:はい。
術者:まだ、陽性反応が示されていますので、今度は、原因と思われる夜締め付けられた時のことを思い出してイメージしていただけますか。
患者:はい。
術者:そのイメージでも誤作動記憶の陽性反応が示されていますので、先ほどのチャートを使って、検査させていただきます。
l PCRT誤作動記憶検査チャートを使いPRT(生体反応検査法)を行う。
l 大脳辺縁系→信念チャート→執着心でPRT陽性反応
術者:こんどは、執着心というキーワードも関係しているようですが、何か心当たりはありますか?
患者:そうですね。やはりマンドリンの演奏が上手くなりたいということでしょうか?
術者:そのことに関係しているかどうか検査をさせていただきますので、執着心につなげて想像してみてください。
患者:はい。
術者:「さらに」に検査で陽性反応が示されていますので、上手に演奏できた先にあるものはなんでしょうか?
患者:そうですね。練習している仲間の皆さんと合奏して楽しみたいですね。
術者:いま、お話しされている際に検査(PRT検査)をしていますと陽性反応が示されていますので、その思いも関係していると思います。では、そのことに影響を受けないように調整させていただきますので、そのことを心の中で思っていてください。
l PCRT呼吸振動法を施す。「執着心」のフィードバック検査で陰性反応。
術者:「執着心」に関する誤作動記憶は調整できましたので、再度、夜締め付けられた時のイメージをしていただけますか?
患者:はい。
術者:いいですね。そのイメージも陽性反応が消失しています。それでは、下を向いた時や字を書いている際の症状のイメージをしていただけますか?
患者:はい。
術者:それらのジストニアの症状も陽性反応が示されていませんので、今日の施術はこれで完了させていただきます。
l ソフト面調整法の施術完了
治療後の説明の一部:
術者:最初に検査させていただいた目安検査の陽性反応が消失していますので、今のところは、症状を生じさせない神経回路ができているということです。目には見えませんが、治療による脳の学習効果で新たな神経回路ができているということです。その神経回路を強くしていくためは、施術を継続されることが理想です。
今、お話をしている間に、顔に手を当てていませんでしたが、どうですか?
患者:あ〜そうですね。顔に手を当てていないと顔が左に向くのですが、今はいい感じですね。