2013年1月23日水曜日

頻尿の改善

6歳の男の子が頻尿でお母様に連れられて来院。一年ほど前から始まり、時々治っていたが完治しないとのこと。何かの集中している時にはトイレに行かないが、落ち着かないときには3分おきぐらいでトイレに行くという。

6か月前に小児科に行ったが、自然に治るので気にしなくていいといわれたとのこと。

日常生活では、保育園での散歩や遠足などでトイレがないところに行くような行事は不安で嫌がっている。検査では、「喜び」や「恐れ」の感情が絡んでおり、特に「恐れ」の感情は色々と絡んでいたのでニューロパターンセラピーを施した。

また、今までトイレに行かなくてはならないという学習が強化されているので、家ではトイレを我慢する訓練を治療と並行して行っていただくように、お母様にご指導させていただいた。

恐らく、お子さんが頻尿になると、周りの家族も心配して、「トレイにいかなくていい?」と声をかけることも多かっただろう。今度は、トイレに行かなくてもある程度は我慢できるということに自信が持てるようにご家族の協力も治療と並行して必要になる。

無意識的なスイッチと同様に意識的なコントロールも必要で、コントロールできる自分に自信を持てるように導いていく。

また、主訴ではなかったが、来院時にはいつも鼻づまり苦しそうだったので、鼻炎の治療を合わせて行った。数回の治療でしてきた様子で、以降の来院時では鼻の通りもよくなっていた。

5回目の施術を終えてお母様にインタビューさせていただいた。


2013年1月22日火曜日

「ポジティブな感情」が及ぼす影響

長年バトミントンをされていた患者さんが来院。最初は肩こりと親指の付け根の痛みを訴えて来院。検査をしてみると頸部を伸展すると痛みが強く、バトミントンの練習でも上を向くのがつらいとのこと。特に朝に痛みを感じるらしい。

検査をして本人が訴えるよりもかなり良くない状態だという印象を受けた。また、病院や整骨院を受診されたが変化が感じられないとのことだった。

最初の2回の施術では、肉体面だけのバランス治療を行い、3回目の施術ではメンタル面との関係性を検査して施術を行った。特に朝に痛みを感じるということから、おそらく寝ている間に無意識に身体が緊張して朝痛いのだろうという経験的に推測した。

そこで身体の緊張を引き起こしているメンタル面に関連した誤作動のパターンを検査してみると「連帯感」と「喜び」という肯定的なストレスパターンが示されたので、関連する内容を患者さんにイメージしてもらいニューロパターンセラピーを施した。

それから4回目、5回目では経過が良く、5回目の施術日には、前回のバトミントンの試合でいいパフォーマンスができましたとのご報告をいただいた。

以下がそのインタビュー内容です。

ストレスが関節の慢性的な痛みなどに関わるということが、メディアでも取り上げられるようになってきた。しかし、ストレスというと一般的には「ネガティブな感情」だと思われがちだが、「喜び」や「意欲」といった肯定的な感情もストレス=刺激として身体に学習記憶され症状につながることも少なくはない。

将来は、「ポジティブな感情」も心身相関的に身体に影響を及ぼすということが当たり前に語られる時代が来るだろう。

2013年1月21日月曜日

健康を制限する信念

先日、以下のコメントを患者様からいたただきました。

『先日は遠隔治療ありがとうございました。「信念」について気づかされました。10年前のパニック症以来、「用事を減らすようにして楽な予定を組んで病気を治そう」という考えが思考、行動を制限し、新たな信念を再構築してしまっていた様です。信念と聞くと「特別な思い」を連想しますが、日常生活がその信念のうえに成り立っていたことにはこのアドバイス無しでは気づかなかったし、多くの不調の根本原因が、誤った方向へ再構築された「信念」によるものだったとは予想外でした。・・・もちろん仕事の量を減らしたり趣味の時間を減らしたりして楽な予定の中で病気を完治させたいというのは自分の意思でやっていたのですが、そこに新たな信念が再構築されて悪影響を与えていたとは指摘されるまで全く気づかなかったことです。これから新たに健全な信念を再構築できればかなりの進展が期待できそうです。
それと、治療後は調子良く翌日は自由に行動できました(最近多い胃の症状等も全く出ませんでした)これからもファミリーカイロの力を借りて柔軟な適応力を見に付けていきたいと思います。』

胃腸の症状が強く、吐き気などの体調不良で外に出るのが困難で、コーチングを取り入れた遠隔治療を2回ほどさせていただいだきました。いくつかの反応が示されましたが、仕事に対する「意欲」と体調不良に対する「恐れ」が葛藤して自律神経が乱れていたようです。

簡単にいえば、「頑張りたいけれど頑張れない」という板挟みの状態で、その背後には「無理をすると以前のパニック症状の状態に戻ってしまう」というような信念体系があった様子。

人間という生き物は、肉体的にも精神的にも様々な刺激を受けて、それをスパイスに、そして刺激をエネルギーに転換して自然環境に適応して活かされています。

大自然の中で何十年も何百年も生き続けている大木は、雨、風、台風、日照り、など様々な刺激を受けて変化し、適応しながら活かされています。その大自然の刺激は、生命力を高めるうえで必要であり、その刺激がなくなれば木は弱くなってくるでしょう。

大自然は常に厳しさと優しさを持ち備えています。人間を取り巻く環境も常に厳しさを優しさ備えているのが自然です。常に優しさを求めて自分を過保護にしてしまうと、人間は自然の環境に適応できずに抵抗力を失い弱ってくるでしょう。

健康を維持していくためには内向きより外向きです。時には内向きに自分を内観することも必要ですが、意識を外に向けてその刺激をしっかり受け止められるようにメンタル面も行動面も外向きになることで、心も身体も鍛えられ、抵抗力がついて環境に柔軟に適応できるでしょう。

 
健康を守ると思い込んでいた「信念」が、実は自分を様々なルールで縛り、不健康にさせる信念だったということが多々あります。健康や幸福のために持ち続けている信念が、実は「自然の法則」にそぐわずに、健康や幸福に制限をかけていたかもしれません。

2013年1月20日日曜日

イップスの改善例

4年前より卓球の試合でサーブの時にイップスの症状を感じるようになる。それからだんだんとフォワーやバックハンドなどもうまくいかなくなり悪循環になっていたとのこと。

来院時にはその症状がだんだんとひどくなってきているような気がしていたとのことで、試合のことを考えただけでドキドキして掌に汗をかくほどになっていた。試合では常に緊張し、頭がパニックになることもあったらしい。

イップスの治療をはじめて、消去法のように誤作動のパターンを消去し、試合でも徐々に本来の自分のパフォーマンスを取り戻してきている印象を受けた。

しかしながら、10回目の施術では少し後ずさりした。ランキングが決まる大事な試合が控えているとのことで、その試合のイメージをして検査をさせていただくと緊張パターンが示された。そして、試合全体に対するモチベーションも下がっていると、以前は訴えていなかったメンタル面の感情もでてきているとのことでもあった。

そこでコーチングのスキルを導入して、色々と質問させていただき、二ユーロパターンセラピーを施した。そして、11回目の施術では、「勝つか、負けるか」のところで再度、緊張パターンの反応が示されていたので、「勝った後に得られるものは何ですか?」と質問させていただいたところ、クライアントさんはしばらく考えられて、「自己実現」という答えが返ってきた。

これは経験的推測だが、そうなると、試合は自己実現のための「通過点」になるので、勝っても負けても自己実現のためになるということになる。施術後は試合の緊張パターンも消え、ご自分の気づきも腑に落ちた感じだった。

そして、次の来院時にご報告していただいた内容によると、その試合では決勝戦まで進んだとのこと。決勝戦では相手に負けはしたものの本来の自分、イップス症状の前の自分を取り戻せた感じがしたとのコメントといただいた。

ダブルスも含めて7試合も試合をしたとのことだったが、イップスの症状はなく、試合全般的な緊張が身体に残っていた。すがすがしい疲れが身体に残った感じかもしれない。

その患者さんに12回目の施術後のインタビューをさせていただいた。




2013年1月19日土曜日

表情筋の施術で顔が左右対称に

40代前半の女性が足のしびれと胸の痛みで来院。

足のしびれは3~4年ほど前より症状が出たり消えたりしていたとのこと。今回は5日前よりひどくなっているようでずーっとしびれている状態。しびれは時々の頻度で、だんだんとひどくなってきている感じがするらしい。

胸のいたみはでたり、でなかったりで、病院の検査では特に異常が見つからず安静を指導されたとのこと。

一回目の施術では、特にしびれ感の症状にフォーカスして施術を行い、2回目の施術でほぼ改善された様子だった。そして、患者さんの主訴には含まれていなかったが、左顔面の表情筋のエネルギーブロックの反応が示され、表情筋のバランス異常の施術も行った。

その後、胸のつかえ感などの施術を行った。

恐らく表情筋の症状に関しては、長年当たり前になっていた様子。写真を撮るときには右側の顔面が引きつっていたらしい。それがファミリーカイロでの治療後には左右対称になったとのことで喜んでいただいた。

表情筋の施術ができること自体あまり知られていないが、顔の表情筋のバランスは他の筋肉の調整と同様に大切である。顔の表情を創る顔面の筋肉もたくさん分かれており、それぞれの筋肉がバランスよく働いてくれることで豊かな表情を作っている。

ご自分で鏡を見て、顔の表情がどこかおかしいと感じる時は早めにバランス調整をすることをお勧めします。顔の表情が変化することでメンタル面にもいい変化が生じるかもしれません。

顔の表情やバランスが気になるときはお気軽にご相談してください。

2012年12月21日金曜日

PCRTアドバンス2研究会参加者各位

研究会へのご参加ありがとうございました。毎度のことではありますが、あまりにもボリュームが多すぎて消化不良になった先生方も多かったように感じます。来年度は今年の反省を含めてプログラムの大幅な改革が必要ではないかと考えています。

改革といっても基本的なことは変わりません。より学びやすいようにプログラムをシンプルにしていきたいと思います。ご参加いただいた方の多くは、臨床現場ですぐに使えるテクニックを望まれているようです。そのようなニーズにお答えするためにも、実技中心にすぐに使えるテクニックをしっかりと習得していただけるプログラムになるように工夫したいと思います。

しかしながら、治療効果を出すためには安定した検査法が必要です。検査法を安定させるためには、単にテクニックだけでは習得できないようです。これは今回気づいたことですが、安定した検査法を習得するためには、小手先のテクニックよりも、何の「反応」を見ているのかをしっかりと理解していることが大切です。

PCRTで診ている「反応」は何ですか?という質問に的確に答えられる先生は、恐らく安定した検査反応がでているのではないでしょうか。このPCRTで診ている検査「反応」に対する理解は、単に文言を理解するというのではなく、その理解が心から腑に落ちて確信できているというレベルの理解を意味します。

「PCRTで説明していることは分かるが、自分の考え方は違う・・・」では、恐らく何の反応を診ているのかが理解できずに、単に技術的な診方をマニュアル通りにしているだけになるでしょう。したがって、脳は「反応」をキャッチできずに機械的に足の長さが短いか長いか、あるいは、力が強いか、弱いかなどを見ていることになり、曖昧な変化しか読み取れないのではないでしょうか?

よって、PCRTの神経反射検査法で明確な「反応」が引き出せるようになるためには、「反応」とは何か、そして、それがどのようなメカニズムで反応として現れているのかが説明できるくらいに理解していることが必要です。そして、その理解の深さが、検査反応の現れ方に密接にかかわっているように感じております。

それは機械論的診方と有機論的診方の違いを深く理解しているかどうかにもつながるでしょうし、傾向として、その理解度の深さが検査反応の明確さにもつながるのではないかと感じております。すなわち、検査反応が明確に分かるようになるためには、PCRTで診ている「反応」とは何かを治療哲学的にしっかりと理解されることが近道になるのではないかと思います。

効果のあるマニュアル的な技術を学ぶことも大切ですが、より深く、より幅広く臨床で応用するためには、やはり、哲学的なことや概念的なことをしっかりと理解されることでより一層治療技術に磨きがかかるのではないでしょうか?

さて、先日のAdvance2研究会でお約束したテキスト訂正の件ですが、混乱を招いた原因は用語修正ですので、その用語の説明を明確にさせていただき、全体の修正箇所がご理解いただけるようにご説明させていただきます。

そのために、小テストで提出していただいた、「単一検査法」と「組合せ検査法」の違いと、「ハード面の調整法(直接的調整法)」と「ソフト面の調整法(間接的調整法)」の違いをご説明させていただきます。

まず、その説明の前に、PCRTでは何をターゲットに検査をして施術をしているでしょうか?それは、エネルギーブロック(EB)です。EBを解放させることで症状が改善されます。言い換えると様々な症状は、治癒力を妨げるEBによって引き起こされているということが言えますし、EBが解放されれば、症状は自然に治るという原理に基づいています。

EBの原因の多くは、五感パターンや感情パターンの学習記憶に関連しています。脳や身体に条件づけされた学習記憶の程度によって、学習記憶が浅い場合は、ハード面の施術のみでEBが解放され症状が改善される場合もあり、学習記憶が深い場合は、ソフト面の施術が必要になります。


よって、ハード面からソフト面までのEBにはそれぞれの構造、機能、関係性(心身相関)、メンタルというレベルがあり、そのレベルは学習記憶の程度、深さに関連があるようです。先にも述べたように、有機的な検査を行う際、ハード面の機能的EB検査なのか、ハード面とソフト面との関係性のEB検査なのか、あるいはソフト面のメンタル的EB検査なのかというターゲットを明確にすることは、正確な神経反射反応を引き出すことにつながります。そのような検査レベルや施術レベルのターゲットを明確にすることは、施術効果を引き出す上で重要になります。

ハード面のEB調整法は、身体関連のEB(症状部位、関節、筋肉、経絡、肉体内外、チャクラ)に対する直接的な施術によってEBを解放させて、症状を改善させる調整法になり、ソフト面のEB調整法は、身体に学習記憶された五感や感情パターンに対する間接的な施術によって、身体関連のEBを解放させて、症状を改善させる調整法になります。

注釈として、「EBに対して直接か間接か」がポイントで「症状に対する直接か間接か」ではありません。

PCRTで使う臨床的な検査法には、以下の3つがあります。

① 症状の検査
② エネルギーブロック(EB)の検査
③ EBに対するパターン学習記憶の検査

EBを特定する検査法には「単一検査法」と「組合せ検査法」があります。単一検査法とは、特定の刺激情報に対して、神経反射検査法にて陽性反応を確認する検査法です。組合せ検査法とは、複数の刺激情報を一度に組み合わせて、神経反射検査法にて反応(陽性or陰性)を確認する検査法です。

このような概念的な説明は、直接的には臨床で役立たないかのように思われがちですが、全体の概念を把握することは、様々な患者さんに対応できる「応用力」につながります。一つ一つの施術ツールをマニュアル的にマスターすることも大切ですが、そのツールがどのようなつながりを持っているのかという全体像を把握することもとても重要です。

部分と全体との関係性を考えながら、さらに臨床にお役立て頂ければ幸いです。

2012年12月6日木曜日

2012年度PCRT Advance2 研究会へのご案内

こんにちは、心身条件反射療法(ニューロパターンセラピー)代表の保井です。

先日、日経新聞を読んでいて、「SINIC理論」という文字が目に留まりました、それはオムロンの創業者・立石一真が1970年の国際未来学会で発表した未来予測理論です。未来学者アルビントフラーの未来予測と類似していると思われますが、その理論によれば、14世紀までの社会を「農業社会」と位置づけ、その基盤の上に「工業社会」を積み重ね、この工業社会をさらに細分化すると、手工業社会、工業化社会、1870年以降の機械化社会、さらに20世紀に入っての自動化社会、20世紀末から21世紀の入り口までの情報化社会に至っているとのことです。

特に20世紀は、機械化社会、自動化社会、情報化社会と、3つのプロセスが急速に移行する100年でした。そして、工業社会の最終段階である情報化社会の後には、2005年からの「最適化社会」、そのあと2025年からの「自律社会」へ移行すると予測されています。現在は「最適化社会」で、13年後からは「自律社会」が始まると予測されます。そして、情報化社会から最適化社会へ移行する際に、生体制御技術が発展し、バイオネティックスからサイコネティックスへ、さらに最適化社会から自律社会へ移行する際に、精神生体技術が発展し、サイコネティックスからメタサイコネティックスへ科学が発展すると予測されています。

この理論はあくまでも予測ではありますが、このような未来予測の理論に触れると、本研究会も未来を先取りして研究が進んでいるように感じる今日この頃です。さて、今年最後のPCRT Advance2研究会まであと10日ほどに迫りました。今回は、以前からご紹介させていただいている持続圧振動法と持続振動調整法を総合的にまとめて「持続刺激調整法」の総論としてご紹介させていただきます。この持続刺激調整法は今までの研究成果の点と点がつながって、ある程度体系化された感じです。また、前回ご紹介したセルフイメージの検査、施術法を客観的イメージ調整法として、復習も兼ねて分かりやすくご紹介します。

それ以外には、進化したPCRTの患者教育手法、肉体内外(チャクラ含む)EB特定法、脳神経刺激調整法、そして、めまい、耳鳴り、難聴、アレルギー症状、婦人科領域、腹部・内臓領域、乳幼児・小児、動物、不眠症、気分障害などの各論をご紹介する予定です。現在、ご協力いただいているスタッフの先生方とスカイプにて毎週30分程度の研修を行っています。この研修を通じて、研究会では何が伝わりにくいのか、どのように説明すればもっと理解しやすいのかという気づきをたくさん得ることができました。

今回の研修を通じて、想像以上に「提供する側」と「受け取る側」とのギャップが多々あることに気づかせていただきました。それはおそらく治療技術はもとより、患者さんへの治療法の理解にもつながる重要なことなので、説明した内容が本当に伝わっているのかどうかをしっかりと確認しなくてはならないと改めて感じました。特に「持続刺激調整法」の総論では、今までのハード面の施術を総合した内容になりますので、今年配布されたBasic1からAdvance1までのテキストをすべてご持参下さい。用語の変更なども多々ありますので、過去のテキストと照らし合わせながら分かりやすくご説明させていただきます。

それでは、会場で皆様と再会できることを楽しみにしております。