2017年3月13日月曜日

2017年度PCRT研究会

2017年度PCRT研究会

今年13年目を迎えるPCRT研究会は、大きな転換期になりそうな予感がしています。その理由は大きくは二つあります。一つ目は「ハード面調整法」と「ソフト面調整法」が明確に定義できたこと。二つ目は新しくご紹介する「空間ブロック調整法」です。これはPCRTのハード面調整法の一つですが、今まで開発してきたハード面調整法の中では、簡便で即効性があり、かなりの確率で結果がでやすい調整法だと私は感じています。

この調整法は、今までご紹介してきた「持続圧振動」や「加算振動」などの概念に通じるものですが、それよりも一歩進んだ調整法であり、今まで研究してきた内容の点と点が結びついて、線となり面となって、一気に立体像が現れたようにも感じています。通常の筋骨格系の症状であれば、ほとんどの患者で結果が示されます。

新しい調整法といっても肉体外のエネルギーブロック(EB)の発見から何度か試したことのある手法です。通常医療の概念とはあまりにもかけ離れていたということと、これをどのように伝えれば良いのかなど、私自身がその調整法の良さを信じきれていなかったこともあり、本格的に紹介するまでには至りませんでした。

今までの知識、既成概念にとらわれると先には進めないというのはどの分野でも同じです。説明できるかどうかよりも、結果が出るかどうかの方が大切です。すこし乱暴な言い方をすれば、患者も治療法の説明などほとんど興味はなく、治れば良いのです。もっともらしい医学的な説明よりも結果が全てです。新しい調整法が開発されるに度に、ワクワクしていますが、今回の発見は何らかの転換期につながるような気配も感じております。


アクティベータを使っている先生方は十分に結果をだされていることと察しますが、この「空間ブロック調整法」を併用することでさらに効果的な結果が期待できると思います。今年のPCRT研究会ではソフト面調整法もかなりシンプルにアプローチしやすくなっていると思います。さらに進化した2017年度PCRT研究会を今年も宜しくお願い致します。

2017年3月3日金曜日

「セミナールール」の先にある「志」

「セミナールール」の先にある「志」

昨年より、AMセミナーでの「セミナールール」、「受講者の心得」、「規約」などをしっかりと守っていただく事を強調しています。そして、その事によって、より質の高い学びの場ができていることを受講生と共に実感する事ができています。「ルール」や「心得」を守っていただくことは「学び」や「教育」に関わる現場では基本中の基本です。

組織が大きくなればなるほど、教育に関わる現場ではその基本ルールが大切になってきます。AMセミナーでは、初心者から認定を受けた熟練者まで、技術技能の幅に広がりがあります。そのような幅広いレベルの受講者で互いに学び合うと、相剰効果が生まれ、学びが深まります。この学びの深まりは、基本的なセミナールールや心構えがあってのことです。

さらに、「何のために学びを深めるのか?」ということも考えていただく必要があります。それは患者に貢献するためです。私たちのANJのセミナーでは、「チームで学んで、成長し、社会に貢献する」というビジョンを掲げています。そのような「志」があっての「セミナールール」であり、「学びを深める」という目的があります。

AMセミナー熟練者の多くが、150時間から300時間以上の受講時間を費やしており、セミナー回数にすると13回から25回以上です。個人の臨床経験にもよりますが、13回のラインは熟練者としてのスタートラインになっているように感じます。そのラインを超えるとある程度臨床現場での治療効果も数多く体験されるので、自信を持って施術されている様子が伺えます。

数年前には認定維持だけの目的でセミナーに参加されている受講生が増えてきて、「学び」という基本的な目的に問題が生じていました。初心を忘れて、貪欲、謙虚に学ぼうという姿勢が薄れてくる傾向があるように感じられました。その一方で熟練者であるにもかかわらず、慢心する事なく謙虚な姿勢で、自分の下肢長検査に問題がないかどうかのフィードバックを求める先生もおられます。

「初心忘るべからず」ということわざがありますが、認定を習得すると大きくは二通りの道に分かれる傾向があるようです。一つ目のグループは、熟練者になっても初心を忘れずに真摯に学ぼうという受講生、二つ目のグループは、「解ったつもり」で、学ぶ姿勢が感じられない受講生です。

このようなセミナー現場での受講生の態度や行動の違いは、恐らく臨床現場にも影響を及ぼしているのではないでしょうか。臨床現場でも「初心」を忘れずに、毎日謙虚な姿勢で活躍されている先生は、多くの患者さんとの信頼関係で守られているのではないでしょうか?その一方で、初心を忘れて慢心した先生はどうでしょうか?

私たちの仕事は常に「人」に関わる仕事です。他責にせず、常に自分自身を振り返り、人格を高める努力をしていかなくてはならないと思います。ライフコンパスアカデミーで行われるセミナーは、単に能力や技能を高めるだけでなく、「志」を高く掲げて、人格を高める修行の場でもあると考えています。今後も私たちスタッフ一同も自らの人格を高めるべく研鑽を積み重ねながら、皆様のお役にたてるように精進して参ります。 

2017年2月8日水曜日

寒さで腰痛?? 寒さで身体が固まって・・・「意味記憶」の施術の一コマ

寒さで腰痛?? 寒さで身体が固まって・・・「意味記憶」の施術の一コマ

三週間ぶりに行ったサッカーの練習後に、だんだんと腰が痛くなったとのこと。朝起きた時に痛みが強くなり来院。PCRTの検査をしてみると、「意味記憶」の反応。

「意味記憶」で反応を示すということは、いわゆる「思い込み」が腰痛の原因の一つになっているので、「今回腰痛で、思い当たる原因は何かありませんか?」「本当の原因は分からないかと思いますが、少しでも心当たりがあったら教えてください」と、質問してみた。

患者:「・・・練習中にシュートを思い切って打っちゃって・・・」

保井:「・・・打っちゃって、という・・・ちゃってとういう言葉の裏には、打つべきではないという前提が含まれているようですが・・・」

患者:「そうですね、寒さで身体が固まっていたから、固まっている時に身体を動かすと、また、腰を痛めそうで・・・」

保井:「そうすると、寒さで身体が固まっているので、その状態で思いっきり身体を動かすと腰を痛めるということを信じているのですね・・」

患者:「そうですね。」

保井:「その信念はどこからきていますか?一般論的な情報からですか?それとも誰かに教えてもらいました?」

患者:「それは一般論からですね」

保井:「では、寒さで身体が固まっているかどうか、それが本当なのかどうかは実際のところはわからないですよね。」

患者:「・・・そうですね。」

保井:「今の検査では、寒さの影響というよりも、寒さで身体が固まるという思い込み(自己暗示)が、アクセルを踏みながら、ブレーキをかけているかのように身体の働きに誤作動を生じさせた結果の可能性があります。」

保井:「その誤作動の思い込み(意味記憶)を修正する施術をおこなうと、寒さの中でも身体を不自然に制限する事なく、自然体で練習できるようになり、腰痛の予防にもなると思いますが、そのような施術を望まれますか?」

患者:「はい!」

保井:「それでは、寒さの中でも自然体で練習できるための、新しい意味づけを創ることはできますか?」

患者:「ん・・・・・?」

保井:「それでは、私からの提案ですけれども・・・人間にはもともと“ホメオスタシス”という機能があって、寒い時は身体を自動的に温めて、暑い時は汗などで身体を冷やしてくれる自動的な適応作用があります。・・・ですので、この身体の“自動的な働き”を信じて、寒くても自動的に身体を温めてくれて、筋肉もほぐれているので、思い切ってシュートを打っても大丈夫・・・という新しい意味づけはどうでしょうか?」

患者:「なるほど・・・」

保井:「それでは、腰痛に関係していた前の意味づけから、新しい意味づけに書き変える施術をしましょう」

・・・その後、患者さんから前回の腰痛はその後に改善され、寒さを気にせずにサッカーの練習ができるようになったとのご報告をいただいた。

最近、寒さに関係する「意味記憶」の施術によって改善した症例は本症例だけではなく、急に寒くなった時期に、同じような意味記憶のケースが3症例ほどあった。いずれも、一般論から生じた意味づけである。ある患者さんの話では、最近のニュースでも「今日は冷え込みが強いので、腰痛などにならないように、身体を動かす時には十分に気をつけてください・・・」などと言っているらしい。

これでは、寒い=腰痛というようなマイナスの暗示効果が生じかねない。くれぐれも、このような根拠のない一般常識を信じるよりも、寒くても自動調整できる自分の身体の適応力を信じる自己暗示をかけていただきたい。


このような症例報告の一コマを聞いてあなたはどのように感じるだろうか?

2017年2月1日水曜日

「自然治癒力」に影響を及ぼす「習慣」と「思い込み」とは

「自然治癒力」に影響を及ぼす「習慣」と「思い込み」とは
FCCニュースレター2017.2-3

医学の父と呼ばれているヒポクラテスは、そもそもからだ自体に不調を治す「働き」があると指摘し、「自然こそが最良の医者である」という方法論を提示しました。
「健康を取り戻すためには、身体の働きをよく観察し、自然治癒力の妨げになっているものを取り除くことが必要である」ということを強調しています。自然治癒力とは人間がもつ「生命力」そのものです。自然治癒力を保ち、身体を健康な状態に維持していくためには、3つの仕組みを最大限に生かしていく事が必要です。

(1)外部環境の変化に対して生理機能のバランスを保つ働き(恒常性維持)=適応力
(2)外部から浸入してくるウイルス・細菌類と戦う機能 (生体防御機能)=抵抗力
(3)傷ついたり古くなった細胞を修復したり交換したりする機能(自己再生機能)=再生力

本来、これらの自然治癒力の仕組みとなる3本柱は、私たちの身体に自然に備わっているものです。この自然治癒力はほとんどの人に平等に備わっているのです。

さて、自然治癒力=生命力を最大限に発揮させるためには何が必要でしょうか?端的に言えば、身体にどのような「刺激」を加えるかという「習慣」のバランスです。習慣とは運動、飲食、休息などです。「刺激のバランス」を図解すると以下のようになります。

「刺激ON」は、身体を使って運動したり、頭を使って思考したり、あるいは食べたり、飲んだりして、栄養素を取り入れて内臓を刺激している状態です。一方、「刺激OFF」は、身体を休息させ、心おだやかに瞑想したり、プチ断食で少しの間内臓を休めたりする状態です。「過ぎたるは、なお及ばざるが如し」と昔から云われているように、上手に休息をとることも自然治癒力を高めるためには大切な「習慣」になります。



もう一つ、自然治癒力に影響を及ぼすキーワードがあります。それは「意味づけ」です。いわゆる「思い込み」の事ですが、知らず知らずのうちに、自分の自然治癒力にブレーキをかけてしまう思い込みをしてしまい、それが病気や症状の改善を妨げているという場合が少なくありません。

例えば、
l   使いすぎるから〇〇関節が痛い
l   座りすぎで腰が痛い
l   枕が悪いから首が痛い
l   変形性〇〇と診断されたから、〇〇関節が痛い
l   人口甘味料は体に良くない
l   親が〇〇の病気(症状)だから私も○○になる
などです。

自分の治癒力よりも、一般論的な情報を無意識的に信じている場合が少なくないのです。ファミリーカイロではこのような思い込みを「意味記憶」として反応を引き出して施術を行います。「意味記憶」の反応に対して、なるほどと理解できる人は、ほとんど改善方向へと向かいます。

身体や心の不調の原因の多くは、ある「経験」に基づきます。その経験は変えることができませんが、その経験に対する「意味づけ」は変えることができます。「経験」は、コントロール不可ですが、経験に基づく「意味づけ」はコントロール可能なのです。言い換えると、「経験」は他責になりがちですが、「意味づけ」は自責なのです。つまり、どのように意味づけるかの決定権は自分にあるということです。これを心理学では「自己決定性」といいます。自分の自然治癒力に確信が持てるように健康的な意味づけをしていきましょう。