パーカー大学はカイロプラクターの経営面に力を入れているカイロ大学でもあり、ドクター・マンシーニは、開業を成功するための秘訣などもプレゼンされた。日本のAMセミナーでも紹介していることではあるが、以下のことを強調していたのは印象に残った。
一人一人の患者に対して、最も重要な人であるかのように接する。(その人の存在を認める)
患者が何を求めているのかをしっかりと把握する。
そして、成功するためには何を得たいかよりも、どのようになりたいのか?どのような行動をしたいのか?を考えることが先決で、理想の人をモデリングすることが近道であることを強調していた。まずは、理想とする人の行動をまねることから始める。その人が得ているものではなく、その人の行動をまねる。さらにはその人の習慣をまねることが重要で、成功するためにはそれなりのプロセスがあり、そのプロセスをまねることが成功の秘訣であるということを述べていた。
生き残ることに情熱を持つのではなく、人に仕えることに情熱を持つことが大切で、人に仕えることで自分が守られるということを強調していた。さらに、現代社会ではネットを開けば様々な情報を得ることができるが、そのような情報を得ることに情熱を費やすことよりも、直接人や聴衆に会うことが大切であると述べていたのが印象的だった。
次は、著作権専門の弁護士によるトレードマークの活かし方の説明や、メディケアという米国の65歳以上の人や身体障害者などを対象とする医療健康保険制度に関する最新情報。日本で開業している私には直接的にはあまり関係ない情報ではあるが、共通する問題はたくさんあるように感じた。
今回公表されたアクティベータⅤには大きく3つの特徴がある。
最初の特徴はコードレスである。現在市場にでているカイロプラクティックの矯正電動器具のほとんどはコードがついている。そのため施術者の動きに支障が生じる。アクティベータⅤは充電式を取り入れているため、コードレスで従来の器具と同じような動きで施術ができる。
次の特徴は、振動器具先端とグリップとの角度である。他の電動器具の多くは電動ドリルのように先端とグリップとの角度は90度に近い角度であるが、アクティベータⅤの角度は、関節面にコンタクトしやすい工夫と、手首への負担を軽減させるための角度が配慮されているとのことである。
最後にアクティベータ振動器具の研究課題の中で重要なポイントとされるのは、機械的受容器に影響を及ぼす振動周波数である。人間工学の研究者との開発で機械的受容器への振動周波数の重要性が明らかになって以来、理想的な振動周波数の研究開発が進化し、今回公開されたアクティベータⅤではその理想的な数値がさらに高くなったとのことである。
このアクティベータⅤが繰り出す振動は、従来のハンマーで振動させるバネ式のパーカッションフォースとは異なっており、ソレノイドという仕組みから繰り出される周波数が特徴らしい。ソレノイドとは電気的エネルギーを直線運動の機械的エネルギーに転換する コンバーター。コイルで鉄の芯を動かすような仕組みとのこと。つまり、電気信号で機械的な作用を行なわせるような用途に使うもの。
あえて言えば、一つ一つの矯正後にアクティベータⅤを置く場所に少し気を使う。慣れていないせいもあるが、以前のようにホルダーに入るような大きさではない。臨床で使ううちに色々な問題や改良点が多々あるのではないかと予測されるが、少しずつ患者さんに使って、実際の効果を確認していきたい。
その後、アクティベータ・メソッドを基本にしたクリニックで週に400人以上の患者を診ているドクターによるプレゼンテーションが行われた。クリニックはオープンスペースで施術テーブルが3台あり、ドクターが施術をする際には患者がすでにうつ伏せですぐに開始できる状態。一人の患者にかける時間は2~3分で、患者に必要なことを問診して、必要なところに矯正を行い施術を終える。患者とのアイコンタクトもほとんどないらしい。
施術では特に無駄な動きがないように工夫されているようで、そのポイントもいくつか紹介してくれた。当たり前のことではあるが、治療をするかしないかの選択をするのはすべて患者で、それを終えるかどうかを決めるのも患者の選択であるというコメントは印象的だった。また、患者に真摯に仕えれば、患者は真摯に答えてくれるというコメントにも深く共感することができた。
その後、アクティベータⅤを使った実技をインストラクター同士で行った。インストラクターがそれぞれにアクティベータⅤを使った感想を述べ、その可能性について期待を寄せていた。(その3に続く)
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