2018年9月16日日曜日

過去の記憶が急性腰痛の原因

50代男性。腰痛と肩こりが主訴で来院。定期的に腰痛があるとのことで、今回は左腰部、左股関節周辺、並びに右肩関節周辺の機能障害。アクティベータ療法で調整すると、すぐに筋肉の働きも正常化して、症状も改善する。しかし、次の来院日にはぶり返していた。3回ほど継続的に施術をさせていただいた。毎回、治療後は症状が軽減しているようだが、朝起きた時が悪いという。ハード面の施術だけ様子を見ていたが、寝ている際のイメージで誤作動記憶の反応が毎回示されたので、次回はソフト面の施術の提案をした方が良いだろうと考えていた。朝起きて症状がある場合は、寝ている間の無意識の誤作動を疑う。

4回目の来院時、ぎっくり腰(急性腰痛)のように悪いとのこと。寝ている状態でのイメージ検査でも陽性反応が示されるので、ハード面調整を行なった後にソフト面調整法を行なった。寝ている状態を目安に検査を進めていくと、いくつかのキーワードが示され、会社の人事異動に関することで、責任のある立場に関する事柄がストレスになっていた様子だった。恐らく脳は無意識にそのことを思い身体を緊張させたのだろう。調整後はかなり改善した。

その次の日の来院の際、前回の改善が維持されている様子。朝起きた際の腰痛も良かったとのことだった。機能検査ではかなり改善しているのに、痛みをかばっている様子があるので、おそらくエピソード記憶が関係しているのではと予測した。そして、検査では予想通りエピソード記憶の陽性反応が示され、その誤作動記憶を調整。さらに検査をすすめると。「恐れ」→「時系列」→「六ヶ月前」に反応を示す。『六ヶ月前に何か「恐れ」や「不安」などに関係することで、思い当たることがありますか?』と尋ねると、丁度、その時に人事異動の辞令を受け、いくつかの恐れや不安があったとのことだった。

前回の施術で人事異動がストレスとして関係していたことは知っていた。しかし、6ヶ月前に初めて会社から人事異動の辞令を受けたことまでは知らなかった。でも、PCRTの検査では、ピンポイントで誤作動記憶の陽性反応にたどり着く。このようなピンポイントの誤作動記憶の検査結果で多くの患者さんは驚かれる。そして症状がその誤作動記憶の調整で改善するので、その記憶が影響を及ぼしていたということを認めざるを得ない。

施術者は淡々と検査を進めてはいるが、「ん〜なるほど!」と因果関係が明確になるとが、内心とても面白い。「面白い」というと、辛い症状を抱えている患者さんに対して不謹慎かもしれないが、原因があっての結果なのだという繋がりが明確になることが、難問を解決したように面白い。このように人間の脳の記憶が、いかに慢性症状に影響を与えているのかということをもっと多くの人に知ってもらいたいと思う。

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