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2014年6月7日土曜日

緊張の「糸」を切り離そう!

腰痛や肩こり、関節痛など体の不調は、何らかの「緊張」から生じることが多いようです。

『緊張』???

「緊張はしている感じはないけど・・・」
「あまり、人前で緊張することもないし、不安もないけど・・・」

『緊張』が一つの原因のプロセスになっているといわれると、上記のように考える人も少なくはないかもしれませんね。

ここで言っている『緊張』とは、意識して分かるレベルの緊張のことではありません。
それは、無意識に、あるいは自動的に体に生じている微細なレベルの「緊張」のことを述べています。

力を抜いているかのように見えても、実はとても微細なレベルで筋肉が自動的に緊張したままになっているのです。

そして、

その緊張はあたかも「糸」で引っ張られているかのように身体の柔軟性を制限しているのです。つまり、身体は目で見てもわからないレベルで制限され、自由に、スムーズに、しなやかに動かせていない状態になっているのです。

その自由な動きを制限する「糸」の多くが「感情」と関連しています。

「え、感情???」

身体の緊張が「感情」とどのように関係するのか不思議に思われる方も少なくはないかもしれません。しかし、「感情」すなわち「心の動き」と「身体の動き」は密接に関係しあっているのです。

だからこそ、身体を「感情」と関連付けて治療を施すことで、その「糸」が切り離されて、本来の自由な身体の動きを取り戻すことができます。

「コリ感」や「関節痛」、あるいは「疲れ感」を感じたら、何らかの「糸」によって制限されているかもしれません。その「糸」に関連する感情は、「仕事関係」や「家族関係」、あるいは「飲食関係」や「未来関係」につながったりしているのです。

心身条件反射療法ではそのような関係性をひも解いて、症状の改善に努めています。

2013年12月28日土曜日

仮性近視は、筋肉系‐神経系―脳(潜在意識)の関係性による誤作動

高校受験を控えた受験生が、急に視力が落ちたとのことで、お母様の奨めで来院されました。最初は天井に貼られている張り紙がぼけて見えにくいとのことでしたが、治療後にはその文字がはっきりと見えやすくなったとのことで「えっ、見えやすくなった!!」「何でよくなったのですか??」と喜ばれていました。

近視には、仮性近視、屈折性近視、軸性近視があります。視力回復の治療で比較的に効果が出やすいのは初期段階の仮性近視、もしくは軽い屈折性近視です。仮性近視が始まる原因は様々ですが、今回の患者さんは今、受験勉強の真っただ中。毎日、集中して本やノートを見ているのでしょう。近視の原因の多くは目のレンズ(水晶体)調整に関わる筋肉の機能障害です。

視力調整はレンズ(水晶体)の両端に着いている網様体筋で調整されています。この網様体筋が緊張したり弛緩したりして、レンズを厚くしたり、薄くしたりして遠近を調整しています。もしも、この網様体筋がうまく働かなくなるとレンズの調整ができなくなり、視力が悪くなります。

この視力障害も腰痛や肩こりなどの症状と同様に筋肉系が関わっていますので、他の関節障害と同じように筋肉系‐神経系―脳(潜在意識)の関係性をニューロパターンセラピーで検査して調整を行います。

検査では主に網様体筋の機能障害を検査します。今回の症例では、「意欲」、「義務感」、「期待」、「不安」などの感情が、網様体筋の誤作動に関係していました。二回目の治療では、最初の治療後は良かったけれども、その後、勉強した後に症状が戻った感じになったとのことでした。しかしながら、二回目の治療前と治療後の視力検査では視力検査表で3段階の改善が見られました。

三回目の治療では、あまり勉強していなかったとのことでしたが、3段階の改善が維持されたままでした。さらに遠近の動きによる検査では、陽性反応が示されたので誤作動の原因パターンを検査してみると、「恐れ」の感情が奥に隠れているようでした。仮性近視の多くは心因性で単にメンタル面がいいとか悪いとかではなく、肯定的な感情も含めて筋肉調整の誤作動に影響を及ぼしています。

このように仮性近視の多くは、筋肉系‐神経系―脳(潜在意識)の関係性による誤作動で
生じることが多く、その誤作動を調整することで改善されます。しかしながら、原因があっての結果です。同じようなパターンを繰り返さないように、長時間近くを見過ぎないようにすることも大切です。近くと遠くを見る網様体筋の運動を繰り返しながら柔軟性をつけるリハビリも必要になります。

今回の症例では、見えにくくなって早めに来院されたこと、本人が眼鏡をかけたくないという本人の強い思い、そして、この治療を信頼して下さっているお母様が勧めてくださったことが良い結果につながりました。特に、小中学生の時期に眼鏡で矯正する前の段階で調整すると効果的です。

仮性近視の原因は、単に近くを長時間見続けるというだけでなくメンタル(感情)面も関わることが多いので、その関係性による誤作動を調整することで早期に改善されます。DSなどのゲームやスマホなどの利用が増えていくに伴って近視の子供も年々増えてきているようです。

近視を手術で治す方法も増えてきているようですが、危険が伴いますし、できれば眼鏡も必要のない自然の状態を維持していくことができればと願います。眼鏡が当たり前にならないように、子供の時期から視力の健康にも気を付けていきましょう。

2013年12月11日水曜日

「恐れ」が「恐れ」でなくなるとき!


以前からメンテナンス的に利用して下さっている患者さんで、最近、重要な役職に就かれたようで、挨拶回りやスピーチでの緊張感を改善したいとのことで来院されました。スピーチでの具体的な症状を尋ねると、震えや言葉を詰まらせる、あるいはスピーチの途中で真っ白になるなどでした。「優越感」や「喜び」「意欲」などの肯定的な感情がある一方で「恐れ」の感情も関係していました。

恐れや不安などの否定的な感情が、身体面や精神面に影響を及ぼすということはよく知られています。メンタル面に限らず、自律神経系や筋肉系にも幅広く影響を及ぼします。そして、その感情治療をニューロパターンセラピー(心身条件反射療法)で施すと多くの症状が改善されます。このような「恐れ」に関係する感情の施術を終えた後にいつも患者さんにアドバイスするのは「恐れの内容を明らかにする!」ということです。

恐れを明らかにする??「えっ」・・さらに怖くなるのでは??・・と思われた方がほとんどではないでしょうか?あるいは、怖いことは考えないようにしたほうがいいのではないの??と、考えるかもしれません。しかし、ニューロパターンセラピーの臨床現場では、恐れの内容が明らかになればなるほど、治療効果が高くなり、「恐れ」に関係した身体的、ならびに精神的症状がほとんど改善されていきます。

恐れを克服するには、心を強くして、怖いことは考えないようにする!忘れるようにする!と考えている人も少なくはないでしょう。しかし、脳科学的にいうと、「恐れ」の内容を認知すればするほどその全体像が見えてきて、その情報に脳が慣れてくるのです。例えば、美味しい物を食べ続けると慣れて飽きてくる、あるいは、最初の部屋の臭いや衣服の臭いも慣れてくれば、感じなくなってくるという経験はないでしょうか?

嗅覚に関係する脳の神経細胞は、情動(感情)や記憶をつかさどる神経細胞の近くにあり密接に関係していると考えられており、嗅覚に「慣れ」の習性があるように、感情にも「慣れ」の習性があると考えられます。ただ、「恐れ」などの否定的な感情に対しては、何を本当に恐れているのかを明確にせずに、それを見ないようにすればするほど脳の中では無意識に空想して怖さが増幅することが予測されます。

「怖い」ということは、暗闇を歩いているようなもので、「先が見えない」から怖いのです。その暗闇にスポットライトを当てるとどうでしょうか?見える部分に関しては怖さがなくなってきます。さらにスポットライトを当てると全体像が見えてきて、「なんだ~こんな状態だったのか~」となるかもしれませんし、スポットライトが当たったことで、何が危険なのかも明確になり、それを避けるすべを学ぶかもしれません。

このように「怖さ」というモノは明確になればなるほど軽減してくる性質があるということを知っておくと、未来が明るくなるのではないでしょうか?未来を考えるのはあまり好きではないという人もいます。何か隠れた未来のへの怖さが潜んでいるかもしれませんし、何かを避けようとしているのかもしれません。でも、その何かを明らかにすると、何だ、それはただの錯覚、あるいは思い込みに過ぎないということになるかもしれません。なぜなら、未来というものは、基本的に不確実なものだからです。

自分の中にある「恐れ」は、明らかになればなるほど自分で支配することが可能になってくるのです。

2013年11月19日火曜日

身体のふらつき、浮遊感の一症例

3か月ほど前に、マッサージを受けた2~3日後に身体のふらつき感や浮遊感を発症し脳神経外科を受診。症状があまり改善されずに耳鼻科や内科、別の脳神経外科、鍼灸院、整骨院、整形外科を受診した後に当院に来院された。

病院では自律神経失調症と云われ漢方薬を処方され、鍼灸院では鍼とマッサージを20~30回程度受け、接骨院では第四、第五頸椎のズレと言われ、矯正を受けたとのこと。矯正を受けた後、首をあまり動かさないようにと指導を受けたらしい。

当院ではニューロパターンセラピー(心身条件反射療法)で行う眼球運動検査を行ったところ三半規管の機能異常であることが明らかだった。アクティベータ療法でハード面の調整を行った後、浮遊感の原因となる心身相関の誤作動を診るソフト面の検査を行った。原因となるパターンには否定的な感情と肯定的な感情が絡んでいた。

アクティベータ療法とニューロパターンセラピーの治療回数を重ねるごとに、症状がだんだんと改善されていくのを患者さん自身が実感されていた。特に患者さんの職場で置かれている立場はご本人にとっては深刻だった様子。上司に相談して、職場をしばらく離れる選択肢もあったようだが、治療を継続していくことでその不安は徐々に少なくなってきた。

8回ほどの治療で歩行時の浮遊感はほぼ解消されていた様子。当院に来られるまでには病院や治療院を転々として、症状が改善されずにとても不安を抱えていた様子だった。この症状を発症したことがきっかけで計画していいた旅行も取り止めにしていたとのこと。先日、その旅行にも行くことができたと喜ばれていた。

病院や治療院では症状を改善するために神経学的な検査や構造学的な検査を行ってこられた。しかし、本質的な原因が分からず症状の改善には至らなかったようだ。問診での経過を聞く限りでは、構造的に何か異常があるのでないかと感じるが、問題は目には見えない神経的な誤作動であり、その誤作動はメンタル的な感情と密接に関係していたということである。

「対症療法」ではなく「原因療法」を施すためには心と身体は切り離せない!

2013年10月17日木曜日

一年間継続していた指の震え

14歳の女子がお母様に連れられて遠方から来院。1年ほど前に、子宮頸がんワクチン接種後から関節痛、筋肉痛、めまい、歩行障害、動機、脱力、倦怠感の症状を発症。今は肩の震えと手の震え、倦怠感を改善されたいとのことで来院。手の震えは常にあるが、肩の震えは時々で2~3分続くとのこと。経過としては良くなってきているが、肩の震えは一か月前から始まったとのこと。発症後病院を受診し、週に一回を3か月、月に一回を現在まで通院中。治療では漢方薬を飲まれているとのこと。

問題のワクチンはアジュバントという物質が入った注射らしいが、その物質が入っていると思われるワクチンの画像を探して適合検査に使用した。いくつかの画像で陽性反応を示した。そのワクチンの波動情報による誤作動反応を消去させる施術を試みたが、その情報とは合わせることができなかった。

そこで感情面との関連性を検査すると、勉強、ピアノ、劇団に関連する「意欲」、家族に関連する「喜び」、学校に関連する「恐れ」の感情が関係していた。それらのワクチンに関連した感情に対する施術とハード面の施術をした結果、震えが治療直後に改善した。施術法はアクティベータメソッドを先に行い、心身条件反射療法(ニューロパターンセラピー)を施した。その治療前と後の結果が以下のビデオ映像である。

遠方なので継続して治療することができないので、一回の治療で手の震えが完治するかどうかは分からないし、肩の震えも時々出るとのことなので今後も継続治療が必要だと思われる。

The finger tremor for almost one year

The 14 year-old female complained about symptoms of finger tremor and shoulder tremor. She came to our clinic with her mother from the distant place.

About one year ago, she presented symptoms of the joint pain, the muscular pain, the dizziness, the disturbance-in-gait, etc., after she got the cervical cancer vaccination.
She went to the hospital and obtained a Chinese medicine on doctors’ prescription.  She is now still going to the hospital, but finger tremor is not clear and shoulder tremor developed one month ago.

I adjusted her Activator Methods and treated with Psychosomatic Conditioned Reflex Therapy. We took video tape pre and post treatment on her finger’s tremor symptom.

I just gave her one treatment and I think we need to have farther evaluation on her symptoms.  One week later, her mother said her finger tremor is much better after our treatment, but her shoulder tremor still remain.  We hope we can help her symptom.




2013年7月5日金曜日

「心因性運動失調」

【はじめに】

心因性運動失調に絡んだ症状が、心身条件反射療法(以下PCRT)を併用した施術で早期に改善したのでその経過を報告する。64歳男性が、両手の震え、首や肩の重だるさ、ならびに浮遊感や股関節痛を訴えて来院。問診ではその症状は5~6年前より発症し、症状の悪化により両手の震えで茶碗を持つこともできずに、日常生活にも支障をきたしているという。病院での画像診断では頸椎の変形を指摘され、3日ほど通院したが変化がなかったとのこと。
いくつかの愁訴の中で、特に両手の震えは日常生活に支障をきたしており、深刻な問題であった。ハード面(肉体)の施術には神経関節機能障害改善を目的としたアクティベータ・メソッド(以下AM)を用いた。メンタル面に関連したソフト面(心身相関)の施術にはPCRTを用いた。
PCRTでは、症状に関連する「エネルギーブロック」(以下EB)を特定し、その関連パターンの学習記憶による誤作動を調整することが主な施術目的になる。術前と術後の評価の客観性を高めるためにも、患者の主観やPCRT独自の検査法に限らず、医学分野でも使われる神経学的機能検査の評価も行った。

【検査】

まずは、主な愁訴である「両手の震えがどこから生じているのか」に注目した。医学的に運動失調を引き起こす神経中枢系障害には部位別に、大脳性、小脳性、前庭性、脊髄性があり、振戦を引き起こす病態にはパーキンソン病、甲状腺機能亢進症、肝性脳症、本態性振戦、小脳性疾患、心因性、中毒性・薬剤性、生理学的振戦(疲労・緊張性)、ジストニアに伴う振戦などがある。振戦を動作やタイミングで分類すると、安静時振戦、姿勢時振戦、本態性振戦、動作時振戦、企図振戦がある。
問診から推測できたのは企図振戦であり、病院で医学的検査を受けていることから構造学的な原因ではないことがうかがえた。小脳性運動失調の疑いがあり、脊椎性運動失調との鑑別でロンベルグ試験を行ったが陰性で閉眼の影響はなかった。歩行では若干のよろめき歩行がみられた。その他、指-指試験、指-鼻試験、手回内-回外試験、踵-膝試験では左側で全て陽性反応が示された。患者自身も左側の動作に抵抗を感じていた。
それ以外にPCRTの効果判定に使う神経学的検査法として、ハッカ油による臭覚刺激とペンライトによる視覚刺激、メトロノームによる聴覚刺激、眼球運動によるその他の脳神経刺激などを加えて神経反射検査を行い、右側の聴覚刺激と右側眼球運動によって陽性反応が示された。

【経過】

合計で5日間、すべてAMとPCRTの施術を併用した。毎回、施術では初めにAMにより神経関節機能障害の改善を図った。心と身体の関係性による誤作動反応にはPCRT施術を行った。通院経過中に分析した関連感情は、「保護」、「恐れ」、「楽しみ」、「意欲」、「拘束」、「喜び」、「孤独」などで、様々な事柄が絡んでいた。PCRT施術後には毎回、EB陽性反応が消失し、それに伴って神経学的検査反応の改善と症状の改善が顕著に表れた。4日目には小脳機能を強化する目的で、片足立ちのバランス強化のリハビリ運動も指導した。
5日の施術最終日、小脳失調運動の神経学的検査では、初回検査と比較すると、顕著な改善が見られ、患者本人からも日常生活には支障がないまでに回復されているとの報告があった。完全ではないにしろ患者の方から治っているという自信が得られているので、希望により様子をみてもらい、悪化を感じたら来院するように促した。3か月半の間、患者の再来はなかった。

【考察】

患者は以前当院を利用して下さっていた娘さんの奨めで来院された。感情の検査では、いくつかの否定的感情や肯定的感情が混同していたが、施術経過の全体を通じて、「保護」というキーワードが主に影響を及ぼしていたように感じた。「保護」という感情は、あまり示されない感情なので、患者に「何か保護というキーワードに関連する思い当たることはありますか」と尋ねると、患者自身はすぐに思いつかなかったが、横で付き添われていた娘さんが「私でしょう」という。お父様も納得された様子でその感情に対して施術を行った。その時は「保護」の内容は詳しくはお聞きしなかった。
その後、お孫さんも学校へ行きたがらないということで来院。お孫さんの施術の際にご主人と別居されているというお話を伺い、娘さんのメンタル面やお父様の震えの背後にある「保護」という感情の因果関係が見えてきた。お父様が来院されたときには、そのような精神的ストレスの話はされなかったが、恐らくそのことでお父様が心配されて症状が悪化したのかもしれないと思い、娘さんが当院を勧めてくれたのかもしれない。以前、娘さんには当院を利用していただいていたので、心と身体の関係性のことはよく理解していただいていた。
運動失調の原因には脳血管障害や腫瘍などの構造的な問題が原因の場合もあるが、本症例のように心因性の運動失調もある。心が身体に影響を及ぼし、身体が心に影響を及ぼしているということは周知のとおりでその関係性は密接につながる。心身条件反射療法は、心と身体の関係性による誤作動を検査して施術を行う統合的なエネルギー療法である。まだまだ発展途上の施術法ではあるが多くの患者に貢献できることを願っている。

2013年4月30日火曜日

症状のぶり返しには原因がある。

腰痛やアレルギー症状などで、いったん改善したのにぶり返すことがある。慢性腰痛や肩こりなどの筋骨格系の症状などは、特に治療直後に改善される方が多い一方で、次の来院日に症状がぶり返したといわれる患者さんも少なくはない。治療直後に症状が改善されて、症状をぶり返す人と、ぶり返さない人との違いは何だろうか?

治療直後には改善していたにも関わらず、治療が足りなかった、治療に何かが欠けていたと考える患者さんもいるかもしれない。元に戻ったのだから単純に治療効果がなかったと考える患者さんもいるだろう。治療回数を重ねるごとに段々と改善していたのに、ある時、元のような症状がぶり返したときに、悪化したと感じる患者さんもいるかもしれない。

治療直後に痛みの軽減、消失、筋緊張の緩和、バランス異常が改善するということは、施術によって自然治癒力が正常に働くようになったということである。それが元の状態にぶり返すということは、自然治癒力をブロックさせるパターンの学習記憶状態に戻ったということでもある。心身条件反射療法(ニューロパターンセラピー)ではそのように考えて、そのパターンを追跡して本質的な症状の改善を目指す。

ではどのようにそのぶり返しのパターンを追跡すればよいだろうか?まずは、患者さんの治療後の経過を詳しく問診する。症状をぶり返す期間のパターンも様々で、治療院を出てからすぐにぶり返す患者さんもいれば、数か月から数年でぶり返す人もいるだろう。もしも、24時間以内にぶり返したら、基本的な生活のパターンに分けて、そのパターンをイメージしてもらいどのパターンで「緊張パターン」が生じているかを検査する。

例えば、自宅に居る時のイメージで「緊張パターン」を示す場合、職場にいる時のイメージで「緊張パターン」を示す場合など、特定の場面で「緊張パターン」がぶり返されることが多い。場面のイメージで身体が「緊張パターン」を示すということは、脳が誤作動を学習記憶しているということでもあるので、その誤作動が生じないようにそのパターンのイメージで施術を行う。そうすると、その場面で症状がぶり返さないようになる。

このように症状をぶり返したパターンが分かることで、本質的な症状改善の治療ができ、その治療によって、身体がその環境に適応できる体質へと変化して、適応力が高まり、ぶり返しにくくなるといえる。しかしながら、人間は常に環境の変化にさらされており、その変化に伴って、メンタル面も常に変化している。別の原因パターンで同じ症状を繰り返す場合もあるだろうし、もしかすると、それ以来その症状に悩むことはなくなるかもしれない。

以下は一度改善されて、再度ぶり返されて改善した症例のインタビューをご紹介する。

腰痛症のぶり返し例

 
 
花粉症のぶり返し例
 
 
 
 


2013年3月24日日曜日

心理的要因が腰痛に影響するのは当たり前の時代

先日、以前から通院して下さっている患者さんから新聞の切り抜きをいただきました。タイトルは「腰痛 心理ストレスが誘発」。よくまとまった記事だと思います。最近はこのような心理的因子が腰痛に関係しているという記事やテレビ番組がだんだん増えてきているようで、患者さんのほうからその話を聞かせていただいています。

ファミリーカイロでは10年以上も前から心理的因子と身体のバランスの関係性を改善させる治療法の研究を継続してきていますが、ようやく世間一般ではそのことが当たり前になりつつあるように感じます。

とはいっても、医学モデルの影響は根強く、心理的因子が身体に影響を及ぼすということは非科学的だという理由で敬遠する人も少なくはありません。しかし、腰痛に限らず神経系‐筋肉系に関係するバランス異常は、80%以上は心理的因子が関係しているということは否定できない時代になるのではないでしょうか。

筋肉骨格系のバランス調整を目的にする治療者の多くは、心理的因子(ソフト面)は横に置いといて、身体面(ハード面)だけにしか目を向けない傾向があるようですが、将来はさらにソフト面とハード面の関係性に目を向ける治療者が増えてくることが予測されます。

心理的ストレスというと、一般的にはネガティブな感情を思い浮かべる傾向があるかと思いますが、心身条件反射療法(ニューロパターンメソッド)の研究では「喜び」や「意欲」などの肯定的感情も脳の誤作動を生じさせ、神経‐筋肉系のバランスを乱し、コリや痛みの原因になっていることが分かっています。

昔から心身一如といわれるように身体と心は切り離すことはできません。こころはとても複雑ですが、「刺激と反応」という視点でみればとてもシンプルです。ハード面とソフト面の関係性を施術することが当たり前になる時代にさらに貢献できるように、治療者仲間とともに毎日の臨床現場で研究を継続していきたいと願います。

2013年1月23日水曜日

頻尿の改善

6歳の男の子が頻尿でお母様に連れられて来院。一年ほど前から始まり、時々治っていたが完治しないとのこと。何かの集中している時にはトイレに行かないが、落ち着かないときには3分おきぐらいでトイレに行くという。

6か月前に小児科に行ったが、自然に治るので気にしなくていいといわれたとのこと。

日常生活では、保育園での散歩や遠足などでトイレがないところに行くような行事は不安で嫌がっている。検査では、「喜び」や「恐れ」の感情が絡んでおり、特に「恐れ」の感情は色々と絡んでいたのでニューロパターンセラピーを施した。

また、今までトイレに行かなくてはならないという学習が強化されているので、家ではトイレを我慢する訓練を治療と並行して行っていただくように、お母様にご指導させていただいた。

恐らく、お子さんが頻尿になると、周りの家族も心配して、「トレイにいかなくていい?」と声をかけることも多かっただろう。今度は、トイレに行かなくてもある程度は我慢できるということに自信が持てるようにご家族の協力も治療と並行して必要になる。

無意識的なスイッチと同様に意識的なコントロールも必要で、コントロールできる自分に自信を持てるように導いていく。

また、主訴ではなかったが、来院時にはいつも鼻づまり苦しそうだったので、鼻炎の治療を合わせて行った。数回の治療でしてきた様子で、以降の来院時では鼻の通りもよくなっていた。

5回目の施術を終えてお母様にインタビューさせていただいた。


2013年1月22日火曜日

「ポジティブな感情」が及ぼす影響

長年バトミントンをされていた患者さんが来院。最初は肩こりと親指の付け根の痛みを訴えて来院。検査をしてみると頸部を伸展すると痛みが強く、バトミントンの練習でも上を向くのがつらいとのこと。特に朝に痛みを感じるらしい。

検査をして本人が訴えるよりもかなり良くない状態だという印象を受けた。また、病院や整骨院を受診されたが変化が感じられないとのことだった。

最初の2回の施術では、肉体面だけのバランス治療を行い、3回目の施術ではメンタル面との関係性を検査して施術を行った。特に朝に痛みを感じるということから、おそらく寝ている間に無意識に身体が緊張して朝痛いのだろうという経験的に推測した。

そこで身体の緊張を引き起こしているメンタル面に関連した誤作動のパターンを検査してみると「連帯感」と「喜び」という肯定的なストレスパターンが示されたので、関連する内容を患者さんにイメージしてもらいニューロパターンセラピーを施した。

それから4回目、5回目では経過が良く、5回目の施術日には、前回のバトミントンの試合でいいパフォーマンスができましたとのご報告をいただいた。

以下がそのインタビュー内容です。

ストレスが関節の慢性的な痛みなどに関わるということが、メディアでも取り上げられるようになってきた。しかし、ストレスというと一般的には「ネガティブな感情」だと思われがちだが、「喜び」や「意欲」といった肯定的な感情もストレス=刺激として身体に学習記憶され症状につながることも少なくはない。

将来は、「ポジティブな感情」も心身相関的に身体に影響を及ぼすということが当たり前に語られる時代が来るだろう。

2012年11月7日水曜日

「考えるだけで家電操作」と「イメージだけで検査治療」

2012/11/2付の日経新聞に「考えるだけで家電操作」という見出しで記事が紹介されていました。考えるだけで車いすを動かしたり家電を操作したりできる“賢い住宅”を開発しており、住んでいる人の頭部にセンサーを取り付けて脳波の変化をコンピューターに送信し指令を出す仕組み。2020年前後の実用化を目指すとのことです。

数年前からこのような脳波を読み取って機会を動かす技術研究は進化しています。このような技術を日常生活で使うことが十数年後には当たり前になっているかもしれないですね。そうして考えると、ファミリーカイロで行っている「イメージしながら検査」、「イメージしながら治療」という治療法(ニューロパターンセラピー)もそのうちに「不思議な治療」から「当たり前の治療」へと変化してくるかもしれません。

治療した後は良くなるけれども家に戻ると症状がぶり返す、あるいは職場に行くと症状がぶり返すという「ぶり返すパターン」を調べる際に、どの場面で症状がぶり返しているのか検査をします。脳は緊張するパターンを学習記憶していますので、その場面をイメージしてもらうと「反応」を示します。

その場合、その場面での身体の誤作動状態を引き出したまま治療することが必要になりますので、患者さんにはしばらくその場面をイメージしてもらったままで治療を施します。身体に学習記憶された誤作動のパターンは視覚的な場面だけでなく、動作や姿勢にも関係していることがあります。

このようにイメージしながら検査、治療するということは機械的に考えると不思議に思えるかもしれません。しかし、脳(心)と身体は密接に関係し合っていますので、あえて言えば、イメージしながら治療するということが本質的な症状の改善につながるわけです。

 
最近、患者さんから、症状に結びついている可能性がある季節のパターンや周期的なサイクルのパターン検査を求められることが増えてきました。このように積極的に症状のパターンがどこからきているのかを探すことは症状を改善するうえでとても大切なことです。

一般的に「身体の問題は構造的な問題」という身体を部品としてみる機械的な考え方が、多くの人達に染みついています。しかし、本質的な原因はその奥にある無意識のパターンや習慣にあることが多いようです。もしかすると、○○のパターンが影響しているかもしれないということがありましたらお気軽にご相談ください。


この動画ファイルは、イメージによる治療を受けた患者さんの音声インタビューです。

2012年7月17日火曜日

「ペンが持てない」その原因は、神経学的な「誤作動」だった!

先日、右手でペンを持つことができないとのことで20代の青年が来院されました。お父様からお電話で依頼され、最初は一般的に多い「書痙」なのだろうと予測していました。しかし、来院されて問診しながら検査をしていると、通常の書痙のタイプとは異なる特殊な症状であることが分かりました。
大学病院でもすでに検査を行っており、整形外科では画像診断を受け、神経内科も受診されたとのこと。通常の指の筋力検査では正常に機能しますが、いざペンを持とうとすると握るための指や手首の筋力が弱く力がほとんど入りません。ペンで書こうとするとペンが滑り落ちる恐怖もあるとのことで右手ではほとんど書けない状態。

このような症状が3年前から継続しており、それ以来左手で書いているとのこと。しかし、最近では左手で書くのにも支障がでてきており、だんだんと悪くなってきているということで、このまま経過するとますます悪化するのではないかという深刻さが伝わってきました。

当院で治療を始めてから5回目には明らかな改善が現れ、8回目9回目の施術日には異常反応は検出されずご本人も自信が持てている様子が伺えました。受験も控えており、とても大切な時期に差し掛かっていたので3年ぶりにまともに書くことができ本当によかったと思います。

なぜ、このような症状が改善されたのでしょうか?それはまず最初に、患者さんとの信頼関係を築けたことです。次に治療法が合っていたからです。ファミリーカイロで施しているニューロパターンセラピーは、肉体の構造や機能を改善させる療法ではなく、精神療法でもありません。心と身体の関係性による誤作動を調整する治療法です。まだまだ世間では知られていませんが、第三の医療といっても過言ではないかもしれません。

心身医療は以前から医療の分野で研究され続けていますが、このニューロパターンセラピーでは、身体に影響を及ぼしているメンタル面を変えることを治療目的とするのではなく、心と身体の関係性によって生じる神経学的な誤作動を調整することを主な治療目的としています。その誤作動を調整することで、結果として肉体面の症状やメンタル面の症状が改善されるといった効果が現れます。

長年の研究によって施術がシンプル化され、患者様も受けやすくより効果を感じていただけるようになりました。様々な健康問題を抱えているお知り合いの方がおられましたらまずはご相談ください。