2018年2月26日月曜日

生体反応検査法の極意  その1

心身条件反射療法(PCRT)の生体反応検査法では、生体エネルギーブロック(EB)部位や機能的な異常部位などの誤作動記憶がある場合、「レッグテスト」、「マッスルテスト」、「フィンガーテスト」の3つの検査法がすべて陽性反応を示すという前提条件があります。誤作動記憶の異常反応は神経生理学的なエラーとしてこれらの検査法が窓口となって示されるとうい考え方に基づいています。これらの検査法がある程度マスターできていれば、一つのEB検査でレッグテストの陽性反応を示した場合、マッスルテストでも陽性反応が示されます。もしも、このようなダブルチェックで一方のみで反応が示される場合は検査エラーを疑います。生体反応検査法は神経生理学的な生体の反射作用を利用した検査法なので、筋肉系、神経系が関係する検査法では、誤作動記憶があれば、生体の反射作用を使った全ての検査法で陽性反応を示すという前提は理に叶うと思います。

PCRT研究会ではこれらの生体反応検査法を多くの治療家に教授してきました。形だけを真似ることは簡単ですが、実際に生じている神経生理学的な誤作動を読み取る技術をマスターするためには、言葉では説明し難い「コツ」、さらに言えば「極意」があります。その「極意」をマスターするためには試行錯誤しながら数多くの患者を診て、様々な反応パターンを学習して自分自身で掴み取る必要があるでしょう。しかしながら、ただ数をこなせばマスターできるという訳ではありません。目には見えない様々な生体エネルギー反応の情報を感じるとる訓練を積み重ねて、生体情報をキャッチできる感度を高める必要があります。レッグテストだけを臨床現場で活用されている方もいらっしゃると思いますが、マッスルテストやフィンガーテストをマスターすることで、様々な情報をキャッチする感度が高まり、誤作動記憶の陽性反応を引き出しやすくなるのではないかと私は考えています。恐らくレッグテストの感度も増して、レッグテストだけで検査していた時よりも陽性反応をより多く引き出しやすくなるでしょう。

これらの生体反応検査法の極意をマスターするためには第一段階として、「検査のためのマインド設定」を理解することです。まずは機械論的な考え方から脱却する必要が求められるでしょう。有機的な人間を対象に、その内なる生命体に存在する目には見えない自然治癒力を相手にする治療家にとって、機械論的な考え方では辻褄が合わなくなることが多くなります。機械論的な考え方とは、レッグテストで言えば、長さを機械的に読み取ろうとすること。マッスルテストで言えば力比べをして力量を判断しようとすることです。人間は機械仕掛けのロボットではないので、単純に長さを測る、あるいは力の強さを測るという訳にはいきません。レッグテストでは、骨の長さではなく関節の緩み具合や関節周辺筋肉のトーンの相対的な変化を微妙に読み取っています。刺激による誤作動反応が生じれば、神経生理学的作用を通じて、筋肉のトーンが微妙に変化を示すので、検査者はそれを感じて、足関節部の変化や筋抵抗力の変化として陽性反応を引き出しています。

PCRT研究会を継続している方の多くが生体反応検査法をマスターしていますが、数年継続しているにも関わらず、反応を読み取れていない方もたまに見かけます。早くマスターできる人もいれば、時間がかかる人もいます。マスターできている場合は、他者が見ても明らかに反応が示されているのが視覚的に分かります。その一方で、本人は陽性反応を感じているようでも他者から見てわかりにくい陽性反応の示し方をしている場合は、マスターしているとは言い難いところがあるようです。また、陽性反応が明確に示される方は、その検査技法の技量に伴って治療結果もついてきているようです。私たち治療家は、西洋医学的な知識があるからといって治療効果が高まるわけではありません。西洋医学では対象としない生体エネルギーに関する知識と技術が求められます。西洋医学の知識も大切ですが、自然治癒力を相手にする治療家は、まずは生体エネルギーを対象に治療を行なっているという理解を深めることが必要でしょう。


2018年2月17日土曜日

患者(クライエント)への「質問力」その7【関心を寄せるためのスキル】

患者(クライエント)への「質問力」その7【関心を寄せるためのスキル】

「寄り添う力」を高めるためには、患者の求めている結果にいかに期待を込めた関心を寄せるかが重要課題となるだろう。「関心を寄せる」にはどのようなことを意識すればいいのだろうか?また、そのためのスキルはあるのだろうか?まずは目の前の患者を一人の大切な人として、先入観をできる限り取り払って受容すること。患者を意識するのは、単に接している時だけでなく、患者と面会する前や後も含まれるだろう。患者への意識の度合いは、目下の関心ごとのみならず、その背後にある生活習慣や思考習慣、あるいは過去や未来に及ぶ時間軸も含めて幅が広い。どの程度関心を寄せるかは、患者が求めているニーズの程度にもよる。

患者本人が関心を寄せられることを求めていないのに、必要以上に関心を抱くと様々な誤解を招く恐れもある。まずは患者の求めている言語的、あるいは非言語的なメッセージをしっかりと汲み取ることが肝心だろう。患者が意識的にも無意識的にも求めているものは何かという関心のアンテナを立てることから第一歩が始まる。私たちは関心を寄せることで情報が入ってくる。何かに関心を持つとそれに関係する情報が自然に入ってくる傾向がある。例えば、海外旅行が計画された場合、なぜか普段は意識していない英会話や海外の情報が目に入ったり耳に入ったりした経験はないだろうか?それは「海外」というアンテナを立てたがゆえに無意識的にそれらの情報をキャッチするのである。相手に関心を持つということは、コミュニケーションの基本になる。

医療者と患者とのコミュニケーションは専門領域によって異なる。何らかの問題を抱えているという点においては共通しているが、単に肉体の構造上の問題なのか、メンタル面が関係する心身相関的な問題なのか、あるいは精神的、社会的な問題が関係しているのか様々である。慢性的な症状を抱えている患者は、多かれ少なかれメンタル面が関係することが多い。それは知らず知らずに身についた思考習慣や生活習慣に関係する。医療者が病気や不定愁訴に関係する原因に関心を寄せる場合、身体的側面に関心を寄せて、構造異常に目を向けて改善しようとするだろう。構造学的、あるいは機能学的な異常の多くは、結果であって原因ではないことが多い。身体的側面よりもより深い本質的な原因に目を向ける場合、患者の心理的側面に関心を寄せる必要があるだろう。

原因の本質がどこにあるかによって関心の寄せどころが異なるが、身体的な問題やメンタル的な問題にかかわらず、まずは一人一人の人間に関心を寄せる姿勢は大切になるだろう。



2018年2月13日火曜日

「生体反応検査法」をマスターするための大前提

「生体反応検査法」をマスターするための大前提

代替医療には様々な療法があります。その中でも症状に応じて治療法を選択する療法と、患者の生体反応に応じて調整法を選択する療法があります。前者は症状に応じて、施術する部位や手法がすでに決まっており、料理本に従って料理をするように長年の経験に基づいて施術手順をハウツー的に真似る手法になります。多くの人は通常医療に類似した手法に慣れており、代替医療においても症状に応じて薬を処方してもらう感覚で、対症療法的にマッサージや鍼灸、整体などを受けるとういうが普通ではないでしょうか?

一方、後者の患者への生体反応に応じて調整法を決定する療法ではオーダーメイド的な手法になります。症状に関わらず、それぞれの患者が示す生体の反応に応じて施術部位と施術法が決定されます。ここで説明する「生体反応検査法」とは、文字が表すようにある刺激によって示される生体の反応を読み取る検査法のことです。この検査法は神経生理学的な作用を利用しています。生体エネルギー論的に言えば、生体のエネルギーや生体の情報を読み取る方法です。生体反応検査法は特にカイロプラクティックの分野において発展し、数多くのカイロプラクターによって臨床現場で使われています。

カイロプラクティックの領域では、施術部位や施術法の決定には下肢長検査や筋力検査などの「生体反応検査法」が使われてきた長い歴史がありますが、西洋医学の思想に準じて、西洋医学的な診断をベースに調整を行うカイロプラクティックの流派もあります。科学至上主義とまでにはいかないにしても、機械論的な思考が色濃く、目は見えない生体エネルギーや有機的な関係性による反応には否定的な考えを示す傾向にあるようです。生体反応検査法を客観的に評価して、信頼性を示そうという科学的研究もありますが、可能な限り機械的な指標で見なければ、信頼度の高い結果は示されないようです。

もしも、骨の長さだけを評価するのであれば、二人の試験者間の一致度は高まる傾向があります。そこに筋肉の緊張度を加えた評価になるとその一致度は低くなり、さらに動作やメンタル面などの関係性を加えた評価になるとさらに一致度は低くなるでしょう。これらの信頼度を測定する研究には、試験管内で行う研究とは異なり、生きた人間を使って検査を行うため、一定の条件を統一するには無理があります。だからと言って、信用しないという人もいるかもしれませが、客観性のある科学的データが全てではありません。科学的なデータだけに基づいて治療を行うということは、様々な関係性や心の影響を排除して、機械論的に施術を行うということになります。


西洋医学の整形外科や外科、内科などの分野において科学的なデータに基づく客観性、再現性のある機械論的な検査や治療はとても重要です。しかしながら、西洋医学では改善が困難な症状を求められる代替医療の領域では目には見えない関係性やメンタル面などの複合した原因が絡んできます。そのような目には見えない因果関係が絡んだ症状を機械論的な西洋医学の概念でアプローチしようとすると、本質的な問題が見えなくなるでしょう。

生体反応検査法は機械論的検査では診ることのできない、様々な関係性を診る有機論的、生命論的検査法です。画像や数値で判断するのではなく、エネルギー的な情報を感じ取って有機的に判断することが大切です。生体反応検査法をマスターするための大前提として、機械論的な検査ではなく、有機論的な検査が必要であるという理解がまず必要になるでしょう。