2018年10月6日土曜日

起立性調節障害の改善

起立性調節障害は、小学生から中学生に多く、めまいや立ちくらみ、朝起床困難、気分不良、倦怠感、頭痛など自律神経系の症状を訴える子供が病院で診断を受けて初めてわかることが多い。いわゆる自律神経失調症のひとつと考えられている。特徴として、起立や座位で脳血流が減少し、思考力と判断力が低下する。

当院でも病院で起立性調整障害の診断を受けてから、薬物療法以外の本質的な治療を求めて多くの子供達がご両親の勧めで来院してくださっている。そのような長年の臨床経験から、起立性調節障害の問題なのかどうなのかという検査法を開発した。決め手となる二つの検査法で、両方とも陽性反応が示されたら、病院でいわれている起立性調節障害の症状だと判断できる。もちろん病院のように診断はできないが、治療院での目安検査としては分かりやすい検査法である。

先日も貧血でクラクラするという30代前半の女性の患者さんが来院され、鉄欠乏性貧血を視野に入れながら、念のために起立性調節障害の検査を行なった。すると決め手のなる2つの検査で陽性反応が示された。その目安検査となる部位を基準に原因となる誤作動記憶の検査と調整を行なった。調整後はすっきりした感じになったとのことで、患者さんに喜んでいただいた。

起立性調節障害は、立ったり座ったりする際に重力に対する血圧調整機能がうまく働かないことによる自律神経系の障害である。身体の中のメカニズムとしては血圧調整の問題だが、血圧調整の機能に問題を生じさせる原因が脳の誤作動記憶にあることが多い。当院ではこの症状を抱えている患者さんにはこの手法で検査を行い調整する。個人差はあるが、早期に改善される患者さんが多いようだ。

2018年10月2日火曜日

過去の記憶(プチ・トラウマ)が、現在の症状につながる

トラウマ(心的外傷)というと、命が脅かされるような出来事(戦争、事故、虐待など)によって、強い精神的衝撃を受けることが原因とされます。当院で慢性症状の本質的な原因を探求していると、一般的に知られているようなトラウマ(心的外傷)と言わないまでも、「プチ・トラウマ」とも言える慢性症状に関係する過去の「誤作動記憶」の影響が多く存在していることが分かります。「プチ・トラウマ」の特徴として、理性的に処理して意識的にはほとんど気にしていなくても、無意識的に心の奥に保存されている記憶と言えるケースがほとんどです。

過去に起こった記憶が無意識に思い出されて、それが現実に起こっているかのような感覚があるときに、「フラッシュバック」という心理用語で表現されます。フラッシュバックは「恐怖」や「怒り」などの感情や身体的症状など、感覚の記憶として再現されます。そして、その記憶はまともに意識に上らないため、フラッシュバック性の記憶は鮮明に再現されますが、言語化するのが困難な場合が多いようです。

この「フラッシュバック」は、強いトラウマ体験(心的外傷)を受けた場合の心的外傷後ストレス障害(PTSD)の特徴的な症状の一つとして知られていますが、冒頭で述べたように長年の心身条件反射療法の臨床研究では、強いトラウマ体験でなくても、過去の記憶がフラッシュバックされて、身体的症状を引き起こすケースに多く遭遇します。検査で示された過去の記憶を引き出して調整を行うと、施術直後にその患者さんが訴えていた症状が消失することから、過去の記憶が関係していたことが分かります。

施術後に、「そういえば、そのこと(過去の記憶)をふと思い出しました」とフォードバックしてくれる患者さんも少なくはありません。症例によっては、10年〜20年以上も前の記憶でも、検査を進めるとほとんどのケースで、症状に関係する誤作動記憶にたどり着き、調整を行うと症状の改善につながります。時系列の検査をLPRT(言語生体反応検査法)で進めると、ピンポイントでその誤作動記憶にたどり着き、患者さんはもちろん、術者もその検査の正確性に驚かされます。その検査の結果も慣れてくると当たり前になりますが、それでも、抱えている患者さんの問題はそれぞれに異なるので、その症状が改善されるときの喜びはいつも新鮮です。

もしも、「プチ・トラウマ」が慢性症状の原因になっている場合、タイムカプセルのように保存されていた内容を引き出して、その過去の記憶に戻って調整を行います。その内容が明確に表現できる場合もありますが、場面だけで言葉に表現できない場合もあります。内容が明確に言語化されなければ調整ができないわけではないので、誤作動反応を示している場面だけで調整を行います。慢性症状に関係する誤作動記憶は複数存在することが多いのですが、調整後には多くの症例で症状の改善を確認することできます。隠れた「プチ・トラウマ」を見つけて慢性症状を解消していきましょう。

2018年9月25日火曜日

妊娠7ヶ月の妊婦さんの腰痛、関節痛の改善

20代後半の妊婦の患者さんが、腰痛と股関節、恥骨部周辺、足部周辺の痛みを訴えて来院。アクティベータ療法にて、骨盤、背骨など比較的多くの部位の調整を行なった。特に恥骨周辺部位は通常よりも多く調整した。施術後には、施術前に陽性反応を示していた関節可動制限や運動時痛は全て消失。

2回目の施術は次の日に連続して来院していただいた。骨盤と背骨を調整、恥骨部や他の四肢部の関節は安定していた。しかしながら、右側の上肢と下肢の筋肉群の機能低下と右小脳の機能低下の陽性反応が示されていたので、アクティベータ療法の後にPCRTを加えて調整を行なった。患者さん曰く、全体的に悪かったけど、どちらかというと右側の股間部の方に痛みを感じていたというようなことを話されていた。

3回目の施術も次の日に連続して来院していただいた。左の足背部が少しピキッとした痛みがあったとのこと。アクティベータ療法で調整を行う。最初の施術部位の数に比べて、調整部位がかなり少なくなり、関節系はかなり改善しているとのことだった。その日は、以前から気になっていた皮膚症状の施術もPCRTで行なった。

本症例で調整部位の記録を取ったカルテを見ると、初回から2回目、3回目と調整部位が激減していた。初回ではあまり強い痛みを訴えていなかったが、調整した後で振り返ると、おそらく痛みを我慢されていたのではないかと察した。妊婦さんは赤ちゃんがだんだんと大きくなるにつれて、その重さを支える筋力とバランスが大切である。同時に骨格も変化してくるので、腰痛や骨盤などの症状が生じやすくなる。そのような妊婦さんの関節痛にはアクティベータ療法の調整刺激は刺激が優しくとても効果的である。

妊婦さんの腰痛や骨盤痛にはアクティベータ療法がいつも好評である。

2018年9月19日水曜日

アクティベータ・ネットワーク・ジャパンの連携

先日、海外でアクティベータ療法を受けられたことがある方が、そこの先生からのご紹介で来られた。三ヶ月前に海外から福岡に帰省しており、しばらくしてからメンテナンスの目的もあり当院をご利用していただいた。海外に赴任されていた際には、顎関節症などで困っていたらしく、職場近くで開業されていたアクティベータ療法の認定資格をもっている先生に治療していただいたとのこと。通院治療を継続されていくごとに、症状が改善されたとのことで、その先生に治療していただいたことを大変喜ばれていた。

今回は、ときどき肩こりと首の痛みがあるとのことで、同じアクティベータ療法で施術させていただいた。同じ療法なので、安心して受けていただいた様子で、施術後も変化を感じていただき喜んでいただいた。最初に施術された先生が認定者であり、基本通りにアクティベータ療法を行っているので、施術もスムーズに進めることができた。

受付で、その患者さん曰く、「(最初の)〇〇先生は、自分の癖を修正してもらうためにセミナーに毎年参加しているけれど、いつも緊張すると言われていた・・・」と話されていたそうだ。その先生も多くの患者さんに喜ばれている成功者だけれども、それに満足することなく、初心を忘れずに、セミナーでは自分の癖を修正して、技能に磨きをかけている謙虚な姿勢が素晴らしいと思う。

アクティベータ・ネットワーク・ジャパンのつながりで、多くの患者さんが転勤などされても引き続き継続治療できるように、私たちはアクティベータ療法の認定者を育成する活動を今後も継続していきたい。

2018年9月18日火曜日

(有)ライフコンパス20周年記念日

本日、2018年9月18日、お陰様で有限会社ライフコンパスが20周年の記念日を迎えました。ファミリーカイロプラクティックセンターを開業してから4年目に会社を設立しました。当時は会社経営に関しては全くの素人でしたが、通院していただいた経営者の方や会計事務所の社長さんから経営人間学講座を学ぶ機会を与えていただきました。そこでは、経営者としての在り方や「経営とは何か」の本質に触れることができました。10年間ほど他の経営者の方々と共に聴講させていただきました。そのような有難いご縁のお陰もあって、法人として今日に至っております。本当に心より感謝申し上げます。

弊社は治療院経営がメインの会社です。その中でも治療技術が一番の強みであり、今日までの患者様との信頼関係や治療技術の進化は会社の財産になっています。今後も治療院の治療技術をさらに強化して、スタッフと共に成長し、多くの方に喜んでもらえる会社に発展していきたいと願っています。

会社の理念を20年の節目の年に分かりやすくシンプルに改定しました。

「成長と貢献で喜びを創り出す」

会社が存続するためには、人や社会のお役に立っていることが大前提です。そのためには、会社を支えている個のメンバーが成長し続けなくてはなりません。個のメンバーが成長することで、チームとしての会社が成長し、日々の喜びを創り出すノウハウが生まれます。

「喜び」を創り出すための課題はたくさんあります。その課題に勇気をもって挑戦することで、私たちは成長することができます。私たちは日々の生活の中から喜びを創り出す「種」を撒いて、それをコツコツと育てていきます。そして、何かの役に立っているということを実感しながら喜びの花を咲かせていきます。

今後もご指導ご鞭撻の程よろしくお願い致します。


2018年9月16日日曜日

過去の記憶が急性腰痛の原因

50代男性。腰痛と肩こりが主訴で来院。定期的に腰痛があるとのことで、今回は左腰部、左股関節周辺、並びに右肩関節周辺の機能障害。アクティベータ療法で調整すると、すぐに筋肉の働きも正常化して、症状も改善する。しかし、次の来院日にはぶり返していた。3回ほど継続的に施術をさせていただいた。毎回、治療後は症状が軽減しているようだが、朝起きた時が悪いという。ハード面の施術だけ様子を見ていたが、寝ている際のイメージで誤作動記憶の反応が毎回示されたので、次回はソフト面の施術の提案をした方が良いだろうと考えていた。朝起きて症状がある場合は、寝ている間の無意識の誤作動を疑う。

4回目の来院時、ぎっくり腰(急性腰痛)のように悪いとのこと。寝ている状態でのイメージ検査でも陽性反応が示されるので、ハード面調整を行なった後にソフト面調整法を行なった。寝ている状態を目安に検査を進めていくと、いくつかのキーワードが示され、会社の人事異動に関することで、責任のある立場に関する事柄がストレスになっていた様子だった。恐らく脳は無意識にそのことを思い身体を緊張させたのだろう。調整後はかなり改善した。

その次の日の来院の際、前回の改善が維持されている様子。朝起きた際の腰痛も良かったとのことだった。機能検査ではかなり改善しているのに、痛みをかばっている様子があるので、おそらくエピソード記憶が関係しているのではと予測した。そして、検査では予想通りエピソード記憶の陽性反応が示され、その誤作動記憶を調整。さらに検査をすすめると。「恐れ」→「時系列」→「六ヶ月前」に反応を示す。『六ヶ月前に何か「恐れ」や「不安」などに関係することで、思い当たることがありますか?』と尋ねると、丁度、その時に人事異動の辞令を受け、いくつかの恐れや不安があったとのことだった。

前回の施術で人事異動がストレスとして関係していたことは知っていた。しかし、6ヶ月前に初めて会社から人事異動の辞令を受けたことまでは知らなかった。でも、PCRTの検査では、ピンポイントで誤作動記憶の陽性反応にたどり着く。このようなピンポイントの誤作動記憶の検査結果で多くの患者さんは驚かれる。そして症状がその誤作動記憶の調整で改善するので、その記憶が影響を及ぼしていたということを認めざるを得ない。

施術者は淡々と検査を進めてはいるが、「ん〜なるほど!」と因果関係が明確になるとが、内心とても面白い。「面白い」というと、辛い症状を抱えている患者さんに対して不謹慎かもしれないが、原因があっての結果なのだという繋がりが明確になることが、難問を解決したように面白い。このように人間の脳の記憶が、いかに慢性症状に影響を与えているのかということをもっと多くの人に知ってもらいたいと思う。

2018年9月13日木曜日

PCRT中級2の研究会を終えて・・・「素直さ」に勝る武器はない


 今回のPCRT中級2の研究会を通じて嬉しく感じたことがあります。PCRT研究会に継続して参加していただいている若手の先生が、臨床現場でもPCRTを忠実に使い、多くの患者さんに喜んでもらって成果を出しているという声を聞かせていただきました。また、他のインストラクターからもその先生が今回の研究会で、他の先生方の見本になるような実技を淡々とされていたとフィードバックをいただきました。確かにその先生の成長ぶりには目を見張るものがありました。私への質問も、研究会で会うごとにだんだんとレベルが高くなってきているのを感じていました。

何がそのような「成長」を促しているのでしょうか?それは、「素直さ」だと改めて思いました。その先生は直感的に「これだ!」と感じたのでしょう。ある時からPCRTの研究会はもちろん、私が指導するICCコーチングのトレーニングにも参加していただきました。吸収できるものはできるだけ吸収しようという意欲が感じられました。ご本人もコーチングを受講されて、人生的にも大きな変化を感じられたと言われていました。

昔読んだ本の中で「一流の人は、いくつになっても素直に学ぶ」ということが書かれていたのを思い出しました。「素直な人」の反対は「我が強い人」ということになります。「我が強い人」は、自分が身につけた知識や経験を大事にして、過去の知識や経験が否定される情報や新しい考え方を受け入れようとしないように感じます。一見、謙虚に受け入れて頭では理解しているように感じても、行動を見ていると心の奥に響いていないのが分かります。

一流の人は、自分の考えだけに凝り固まっている危うさを知っているので、人の話を素直に受け入れる感性を持っているようです。その危うさとは、「自分が正しい」、「この考え方しかない」と思った瞬間から成長が止まってしまうからです。もしも、自分に合わない考え方でも、一旦は素直に相手の教えを受け入れる。そして、その考え方が自分の成長につながるようであれば、その考え方を実践し、もしも、自分には合わない、自分の成長にはつながらないのであれば、それは知識として置いておく。

恐らく、新しい考え方を受け入れると、過去の考え方を捨てなくてはならないと思い込んでしまい、新しい考え方を受け入れられないのかもしれません。本来は、過去の知識や経験は捨てるものではなく、積み重ねていくもので、新しい考え方が加わることで成熟していくはずです。逆に新しい考え方が入ってこない時は、成長が止まっているときでもあると言えるでしょう。

どんなに高いレベルの知識や長い経験があっても、成長のための「素直さ」に勝る武器はないように思います。何よりも素直な人は応援したくなるし、周りからも応援されるように思います。「素直さ」は人を成長させ、人生を豊かにしてくれると私はつくづく思います。