今回は、数日前の試合で、初回のセカンドからファーストへの送球でボールが引っかかり、送球がそれたとのこと。その後、3回までは違和感があり、それ以降、問題がなかったという。
PCRTの検査を行ってみると、最初にひっかけた際の送球イメージでは反応が示されなかったが、その後の送球イメージでは陽性反応が示された。感情チャートで検査をしてみると、イップスが再発するのではないかという不安と先輩に申し訳ないという感情が関係していた。
最初のボールを引っ掛けた送球では反応が示されなかったが、念のために、その送球をする前の状況を尋ね、場面をイメージしてもらうと陽性反応が示された。初回のセカンドの守備で、ツーアウトの場面、感情チャートで潜在意識に関係するキーワードを調べてみると、意欲的に頑張ろうという潜在感情が関係していた。
「頑張ろう」という意欲は、肯定的でその意識自体には問題はないが、身体を緊張させる誤作動記憶を生じさせる人が多い、特にこの傾向はスポーツ選手に良くあるパターンだ。その場合は「試合だからといって張り切ると身体が緊張しやすくなるので、いつもの練習通り(平常心)を意識してみてはどうか」ということを提案する。
患者さんによるとバッティングでも調子が悪くなっているとのことで、尋ねてみると練習でのバッティングには問題がないという。検査をしてみると、同じような試合での意欲に関係する誤作動記憶が絡んでいた。この誤作動記憶も施術によって正常に切り替えた。
高校一年生ではあるが、PCRTによるイップスの治療を良く理解してくれている。今回、調子はとてもよかったらしいが、送球やバッティングでの違和感を感じたため放置せずにすぐに来院してくれた。もしも、このような目には見えない誤作動記憶を放置してしまうと、恐らく脳のプログラムは自動的に症状を引き起こすことが多いだろう。
これからもイップスを予防するために、自分の身体と心の状態を把握して、必要に応じて利用していただければと願う。
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