2016年12月10日土曜日

症例報告:首から左腕にかけての疼痛(頚椎椎間板ヘルニアによる神経根症状?)

症例報告

主訴:
首から左腕にかけての疼痛

病院診断:
頚椎椎間板ヘルニアによる神経根症状

患者情報:
年齢54歳、男性、会社員(事務職)

施術前の経過:
9ヶ月前に頭を強打して、3日後に首や腕の痛みが生じたとので、整形外科を受診。むち打ち症のようになったのかもしれないとのことで、1ヶ月ほど通院。吐き気も催したりしたが吐き気はすぐに改善。その6ヶ月後ぐらいに、同じような頚部痛と左腕の疼痛を再発する。
レントゲン検査とMRI検査の結果、頚椎5番と6番の間の椎間板ヘルニアで神経を圧迫しているという診断を受ける。ヘルニアによる神経根症状であるとのことで、頚椎の牽引と電気治療、ホットパックの施術を二週間ほど毎日受けているとのこと。常に痛みはあるが、特に夜寝るときに痛みが強くなり、夜中に痛みで目が覚めて寝れないという。
また、痛みのため仕事にも集中できない状態とのこと。首から腕にかけての痛みを一番改善したいが、以前からかかえている慢性腰痛と左右のアキレス腱痛とその周辺の腫れも改善したいとの要望。

施術経過:
初診時からアクティベータ療法とPCRTを併用。施術3回目で両方のアキレス腱痛関連の神経学的機能障害の陽性反応は消失。それに伴ってアキレス腱痛も改善される。施術の経過ではPCRTにて仕事や家族関係に関連する「信念」の誤作動記憶を主に調整。その他、飛行機、高速バス、車の運転の際の痛みなどの症状を引き起こす「意味記憶」を調整。

結果:
初回来院から20日の間に10回の通院治療でほぼ症状が改善される。先日、不安を抱えつつもゴルフを行なったが調子が良かったとの報告を受けた。また、慢性腰痛と左右のアキレス腱炎の症状も通院治療前半の施術で、ほぼ改善しておりその後も良好である。

考察:
一般的に椎間板ヘルニアによる神経根症状は、痛みが強く治りにくいとされる。そのような症状が10回ほどの治療でなぜ改善されたのだろうか?その理由を紐解いてみよう。
  • 一つ目は、患者と施術者との信頼関係である。患者にはいとこに柔道整復師の先生がおり、その先生からの間接的な紹介ではあったが、信頼のある人(いとこ)からの紹介であったことが一つの要因となる。
  • 二つ目は、1回目の治療直後にある程度の治療効果を体験されたこと。最初から毎回、アクティベータ療法とPCRTを併用しており、治療の目的やコンセプトをある程度理解していただけたように感じた。
  • 三つ目は、PCRTの検査で示されたキーワードに対する質問に対してスムーズに認識されている様子が伺えたこと。
  • 四つ目は、PCRTの検査でも示されていた、精神的に重荷になっていた出張を無事終える事ができたこと。

これらの要因がうまく重なって、本来の自然治癒力が最大限に発揮されて改善されたのだろう。腕の痛みは椎間板ヘルニアによるものだといわれると、多くの人は首を動かさないように、あるいは重いものを持たないようにという機械論的な思考が先行して、治療効果にブレーキをかけてしまいがちになる。
しかしながら、本患者は柔軟に治療者の説明を理解していただけたようだ。毎度のことではあるが、治療者が信頼して使っている治療法を、いかに患者目線で自分がわかりやすく説明し、それに対してどれだけ患者が信頼を寄せてくれるかが改善の鍵となるということを改めて感じさせてくれた症例である。


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