気分障害(イライラ感)の遠隔治療
70代女性、大学教授。6年ほど前から当院を利用していただいており、数年前より電話による遠隔治療を好んで利用していただいている。約5ヶ月ぶりの遠隔治療の依頼。数週間前より自律神経失調症のような症状が現れ、気分のイライラ感も強く、すぐにカッとなったり、突然、たわいのないことで悲しくなったりするとのこと。最高のイライラ感を10レベルとすると8(フィンガーテスト《生体反応検査法》)レベル。
術者:「おそらく、イライラ感が治まったら、他の自律神経系に関係した症状も治まってくると思いますが、どうですか?」
患者:「そうですね。」
術者:「それでは、イライラ感を思い浮かべていただいて、検査をさせてもらいます」
誤作動記憶検査チャートを使いながら、フィンガーテストにて検査。
大脳辺縁系→信念→警戒心
患者:「今・・・・・とても仕事に追われている感じで、よそ見をするとその仕事に支障がありそうで、何か馬の目隠しのように前だけを見ていないといけないという感じで・・・でも、気になる本があるとそれを取り寄せたりして、・・・仕事に集中しなくてはいけないのに他のことが気になっていますね・・・家事のこともあるし・・・・〇〇も気になるし・・・何か閉塞感を感じている自分がいますね・・・」
術者:「そうすると、仕事に集中しなくてはいけない時なのに、他のことが気になる自分を警戒しているかもしれませんね・・・」
患者:「そうですね・・・・」
術者:「それでは、先ほど話していただいた内容を気にしている自分を警戒していることを意識してもらいながら調整させてもらいますね」
電話を通じて遠隔治療で調整する。
術者:「はい、警戒心の反応はとれました。先ほどの8のレベルからどれ位になっていますか?」
患者:「ん・・・・」
術者:「では、こちらで検査して見ますね。検査(フィンガーテスト)では4レベルになっているようですが、どうですか?」
患者:「そうですね。それぐらいですね。」
術者:「では、まだ、レベルが下がりそうなので、さらに検査をして行きますね」「それでは、先ほどのイライラ感に戻って思い浮かべてもらえますか?」
患者:「はい・・・・」
誤作動記憶検査チャートを使ってフィンガーテストで検査
大脳皮質系→意味記憶→一般論
術者:「今度は意味記憶の「一般論」で反応していますので、何か一般論的な意味づけをされて、今の症状につなげている可能性があると思いますが・・・」
患者:「・・・・最近、〇〇を感じている自分がいるのですよね・・・おそらく自分の「老い」を気にしているのだと思います・・・最近、周りの知り合いが毎月のように亡くなってなって行くのですよね・・・〇〇の人たちはだんだんと元気がなくなっていっているような・・・」
術者:「というと、そのような周りの情報、つまり一般論にのって、〇〇さん自身もそのようになっていくのではないかと思い込んでいるということでしょうか?」
患者:「そうですね・・・・・」
術者:「海外でもそのような傾向があるのですか?」
患者:「英国の〇〇の人たちはもっと元気があるのですよね・・日本の〇〇の人たちとは違いますね・・・」
術者:「それでは、そのような一般論からの思い込みを認識してもらいながら調整しましょう・・・」
電話を通じて遠隔治療で調整する。
術者:「はい。一般論から意味記憶の反応が取れました。先ほど、イライラ感のレベルが4でしたが、今はどうでしょうか?・・・検査をしてみますね。・・・今2ぐらいになっているようですが、どうでしょうか?」
患者:「そうですね。だいぶん楽になっていると思います。・・・」
・・・遠隔治療完了・・・
二週間後、ご家族の件で代理治療の相談があり、その後の経過を聞いてみると、あれからすっかり良くなったとのことで喜んでいただいた。
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