2018年11月18日日曜日

2018年度PCRT上級研究会を終えて

お陰様で本年度最後となるPCRT上級研究会が終了しました。今回は初めてご紹介する内容ばかりでした。いつもご協力いただいているインストラクターの先生方も受講者としてご参加いただき、インターラクティブ(双方向)に質の高い学習ができたと思います。上級に相応しいレベルの学習内容で実りのある二日間でした。

最初は「記憶のしくみについての神経学的一考察」をプレゼンさせていただきました、ノーベル医学生理学賞を受賞したエリック・キャンデルの研究と長期記憶と短期記憶、ならびに陳述記憶と非陳述記憶を明確に示した心理学者ブレンダ・ミルナーの研究をPCRTの臨床と照らし合わせてご紹介させていただきました。

EB(エネルギー・ブロック)の検査ルールとして、「EBは観察者が持っている情報(知識)の範囲内のフィルターを通して、診ようとする(検査する)から存在し、診ようとしなければ存在しない。EBは観察者(検査者)と共に存在する。」という説明を復習しました。これは、言い換えると検査者が異なり、診ようとするマインド設定が異なれば、検査結果も異なるわけです。だからといって、どんな陽性反応がでてもいいという訳ではありません。

特に、反射系の施術であるハード面の調整法では、一連の目安検査とその調整による結果が、患者も体感できるような理想の結果がでていなければなりません。もしも、毎回の施術において、その場で症状も改善するような理想の結果が出ていないのであれば、自分の検査法のスキルに疑いを持つべきであるということを分かりやすくお伝えしました。

視線によるPRT検査法では、陽性反応を特定した部位と直接法による検査結果が一致していなければなりません。もしも、一致していなければ、フィンガーテストや間接法による検査法などのPRTが不安定であるということになります。熟練された上級者の先生方は安定している様子が伺えました。このような検査法をマスターすることで、施術時間も短縮され、効果的な調整法ができるようになると思います。

『過去のプチトラウマの調整』、『「復讐心」の「べき」の調整』、『信念の出所を特定』、『気づきによる「体感変化」』なども上級ならでは深みのあるワークがそれぞれに体験できていた様子でした。特に「高い存在」に聞くワークも上級者でなければできないワークだったと思います。また、恐らくミラーニューロンに関係しているであろうダミー人形を使ったワークもそれぞれの参加者が体験されましたので、臨床でスムーズに活用されると思います。

「術者患者間のラポール技法」では、それぞれの患者のニーズや満足度に合わせてラポールを強化する期待の管理をご紹介しました。基本的にはオーダーメイド的に様々な患者さんのタイプに合わせて、どれだけ寄り添ってニーズにお応えできるかということ。また、それぞれの治療院のルールの中で、できることとできないことを明確にして患者さんの期待を管理することの重要性もお伝えさせていただきました。

来年もさらに患者さん目線で患者さんに分かりやすい施術、楽しめる施術を目指して進化していきたいと考えております。よろしくお願いいたします。

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