例えば、可動域の広い肩関節や股関節に左右差がある場合、それは、器質的(構造的)なのでしょうか?それとも機能的なのでしょうか?
もしも、その原因が機能的なものであれば、多くの場合、関節の可動に伴って「痛み」などの症状を伴うことが多いようです。
もしも、その原因が器質的なものであれば、骨の変形や筋肉の拘縮などによる構造的な制限によって可動域は制限されますが「痛み」などの症状はほとんど伴ないません。
私たちのような代替医療の治療院に来院される患者さんの多くは、構造的な問題ではなく「機能的な問題」を抱えて来院されていることが多いです。もちろん、患者さんは「機能異常を治してください・・・」といって来院されるわけではなく、病院で治らなかったから来院される方がほとんどです。よって、私たち代替医療の治療者は、病院の医師のような診方ではなく、機能的な問題を分析できる知識や技術をもたなければなりません。
もしも、構造的な問題であれば、病院で明らかになりますが、微妙な機能的な問題の特定は病院では明らかにならないことが普通です。我々の治療院に来院する多くの患者さんは、病院での検査では痛みに関連する原因が見つからないまま、痛み止めや消炎剤などの対症療法を受けて、症状が改善されずに来院されます。
痛みをかばってまともに歩行できないなどの機能異常は病院でも明らかですが、痛みを引き起こしている機能異常の特定までには至りません。病院で改善されない肩関節痛、膝関節痛、股関節痛の患者さんの多くは、機能異常から生じています。なぜ、そのように言い切れるのかというと、臨床現場で多くの関節痛の患者さんを治療させていただいて、控えめに言っても約9割以上の患者さんが、治療後には症状の軽減、消失を体感されているからです。
多くの症例において、症状を伴う関節には必ずと言っていいほどマッスルテストにおいて機能異常が確認されます。施術によって機能異常が改善されると、多くの症状は軽減、消失します。症状の程度によっては炎症症状が強い場合、あるいは痛みの記憶が残りやすいなどで、施術後すぐに改善を感じられない患者さんも少なからずいますが、ほとんどの患者さんが改善を体感されます。
さて、施術では何をしているから機能異常が改善されるのでしょうか?
関節痛を軽減するための施術法はたくさんあります。各種理学療法、鍼灸、カイロプラクティックなど様々な療法がありますが、本質的には何をしているのでしょうか?関節を調節する、循環を良くする、筋肉をほぐす、気の流れを良くするなど様々な目的で痛みのある関節に施術を施すかもしれません。
もしかすると、施術目的など考えずにハウツウ的に施術を行なっているかもしれません。
例えば、「関節のズレを治すために矯正する」という目的をもっている治療者がいる場合、構造的な関節のズレは治せるのですか?もしも、機能的に関節のズレが生じているのであれば、何がそのズレを引き起こしているのでしょうか?と、私は質問するかもしれません。
もしも、「筋肉の緊張や機能異常がから生じています・・・」という答えが返ってきたり、筋肉をほぐす目的で施術をしている治療者がいる場合、「筋肉の機能異常はどこから生じているのでしょうか」と、私は質問をするかもしれません。
もしも、「筋肉の機能異常は神経系の機能異常から生じています・・・」という答えが返ってきたら、その神経系の機能異常はどこから生じていますか?とさらに質問するでしょう。多くの治療者はここから先の答えを持ち合わせていないか、分かっていてもそのための直接的な施術法には及ばないかもしれません。
私は長年の臨床を通じて筋肉の機能異常は、単に神経系の機能異常だけでなく、東洋医学で云われている経絡のエネルギーブロック、さらには神経系や経絡などに関係する生体エネルギーブロックを繰り返し継続させる脳の誤作動記憶(プログラム化)だと確信しています。生体エネルギーブロックや記憶は電気信号のように目には見えない「エネルギー情報伝達」のブロックです。私たちはそのような目には見えない電気信号のようなエネルギー情報伝達のブロックを調整して症状の改善を促しているのです。
また、その「エネルギー情報伝達」の信号は、肉体内の働きだけでなく、心の動きも含まれます。意識的にも無意識的にも心が動けば脳や神経系や経絡に電気信号、すなわち「エネルギー情報伝達」が生じます。最近ではストレスが腰痛や関節痛などを生じさせるということは、テレビ番組でも取り上げられています。明らかなストレスが症状に関連することもありますが、多くの場合、症状に関係するような心の問題の多くは無意識的で、普段認識していない心の動きでありその記憶です。
私たちは身体に影響を及ぼすような記憶を「誤作動記憶」と呼んでいます。肉体内の生体エネルギーブロックを消去することで多くの関節痛は改善されますが、慢性的に症状がぶり返す場合は、脳の誤作動記憶の調整が必要です。脳の誤作動記憶の調整に伴って慢性症状も改善されます。対症療法的な施術で改善されない場合は、さらに原因を追求することが必要だと私は常々考えています。そのことが施術の本質を追求することにつながり、延いては患者さんへの貢献につながると信じています。
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