2019年9月23日月曜日

「How to」を超えたさらなるステップ アート=直感力=人間力

徒手療法を施す施術者が施術法を学ぶにあたって、多くの治療家は「どのようにするのか?」という手順、技法に目を向けます。次にその背景にある「なぜそうするのか」という理論や哲学、そして、その理論に科学性があるのか、あるいは技法に客観性があるのかということに注目します。

多くの施術者が同じ施術法で同じ結果を出すためには、「どのようにするか?」(How to)を統一する必要性があります。そして、「なぜそうするのか?」(Why)を同じように説明できなければなりません。現代医療は科学という客観的な検証に基づいた医療が主流ですので、客観性があると多くの患者さんが信頼を寄せてくれます。

様々なカイロプラクティックのテクニックがある中で、アクティベータ・メソッドは半世紀以上にわたって同じ手法と理論を継承し続け客観性を重視してきました。そして、それを活用している世界中の多くのカイロプラクターが、腰痛や関節痛などの筋骨格系症状に対して自信を持って施術を行っています。

効果を引き出すためには、神経関節機能障害の神経生理学的エラーを感知できる下肢長検査の熟練が必要不可欠です。また、調整する際の適切なコンタクトと調整法のタイミングの技法も“コツ”があり、それは教科書だけでは学べない内容が多く、その“コツ”をセミナーで習得する必要があります。

効果を引き出すためには、上記に述べた「How to」が必須条件になりますが、機械の修理とは異なって、心を持った人間を対象にしているので、同じような腰痛患者でも人によって微妙に異なります。言葉の掛け方、検査の仕方、説明の仕方など、患者一人一人に合わせて接し方を変えなければなりません。それは、言葉では表しにくいアートの領域であり、経験から導き出される「直感力」や「人間力」が必要になります。

そのような臨床における施術者としてのアートの領域は経験を積んでいく必要性があります。単に「どのように」(How to)だけを習得すればそれで終わりではなく、「なぜそうなるのか」(Why)や臨床で大切な「直感力や人間力」を深める必要性が求められるでしょう。

私はそこに治療者としての奥深い醍醐味があると考えています。毎日の臨床において、本当に一人一人の患者さんの立場になって、その方の未来を考えて真摯に向き合っているのか?患者さんのニーズに幅広く応えることができる治療者になるための努力を怠っていないのか?当たり前のことではありますが、日々問いかけるように心がけています。

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