2013年10月8日火曜日

足底筋膜炎

高校のバスケット部の女子生徒が足の裏の痛みを訴えて来院。10か月前より発症。激しく運動した際に痛みがあり、バスケットの試合ができなるとのこと。激しい動きでない限りは日常生活ではさほど痛みはないが、試合ができなくなるということは本人にとっては重い問題である。

すでにスポーツ外科クリニックを受診されており、「足底筋膜炎」の診断を受け、PRP療法を受ける。その後変化が見られないとのことで、お母様にすすめられて当院を受診された。

通常の足底筋膜炎であれば、足底筋の筋膜、腱膜付着部付近を押さえると圧痛がある場合が多いが、通常の所見は見られなかった。もしも、通常の炎症であれば、安静やPRP療法などで効果があるのかもしれない。しかしながら、本症例の痛みは単なる炎症ではないことが最初の検査で伺えた。

ハード面のバランスの検査では、足関節や筋膜などに陽性反応が示された。ソフト面の検査では。喜びや恐れなどの感情が誤作動刺激として関係しており、治療回数を重ねながら誤作動のパターンを消去していった。5回目の施術では試合の時には痛くならなかったとの報告をいただいた。

その後、偏頭痛も月に2回ほどあるとのことで、頭痛の検査をしてみると、天候の変化に過敏であるということも分かり、頭痛の原因治療もおこなった。また、過呼吸にもなるときがあるとのことで、過呼吸になる誤作動パターンの検査、治療を施した。

しばらく間隔を空けて、初診から10回目、約5か月後に来院されたが足の症状は完治した様子。過呼吸の症状が少しでたとのことで治療を施した。

本症例は、単なる炎症症状ではなく、潜在的な感情が関係した神経系の誤作動によるバランス異常で筋肉系に痛みを生じていた。通常の足底筋膜炎の治療も、単に安静や固定をするのではなく、バランス異常を引き起こしている原因パターンの特定と治療が必要である。

その原因パターンを改善しなければ、単に安静や炎症を抑える治療だけでは再発を繰り返すだろう。原因療法を行えば、人間の身体は自然に炎症を修復させるのである。バランスの調整が行われると、ほとんどの症例で治療直後に症状の軽減や消失がみられる。

原因療法による効果のカギは統合的な心身相関にある。

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