「構造を修復する治療法」と「働きのバランスを整える治療法」
先日、久しぶりに中学生時代の同窓会に参加してきました。セミナーや研究会関係者とのパーティーは毎月のようにありますが、同級生というつながりで、いわゆる他業種の人達とのパーティーは久しぶりでした。中学生時代の思い出話は楽しいひと時でした。何人かの親しくしていた同級生は、私が何をしているのかを知っていましたので、腰痛で悩んでいた同級生に私に相談するように促してくれました。
話を聞くと、かなりひどい腰痛で入院された経験があるとのことでした。椎間板ヘルニアの診断を受けたとのことでした。担当医は手術を勧めず、ブロック注射の治療を受けたとのことでした。それは10年以上も前の事だったようですが、未だに腰痛には悩まされているとのことでした。腰痛があるたびに担当医の先生に診てもらっているとのことで、カイロプラクティックや鍼灸などの自然療法は受けていない様子でした。私は、その同級生に自然治癒力を引き出す治療者という立場で、腰痛が生じる因果関係をできるだけ分かりやすく説明ました。
最初、その同級生は理解しがたい表情もありましたが、話し終わる頃には、納得してくれた様子で喜んでもらいました。私自身も話し終わった後、我ながら上手に説明できたかなと振り返りました。それは、前もって計画していた話の内容ではなく、どうしたら理解してもらえるかと必死に考えた末に無意識にでたたとえ話でした。それは、ずいぶん前に自分のブログでも書いたことがある内容だったと思います。そのたとえ話のキーワードは「働きのバランス」です。西洋医学が得意とする「「構造を修復する治療法」とカイロプラクターなどが得意とする「働きのバランスを整える治療法」との違いを説明しました。
特に分かりやすかったのは、「オーケストラ」のたとえ話だったと思います。数十人で演奏するオーケストラの調和、すなわち強弱などのバランスが一人でもずれてしまうと、全体に影響を及ぼします。身体の「働き」も同じで複数の筋肉、あるいは神経の働きのバランスが乱れると、関節がスムーズに動かなくなり痛み信号を発したりします。
もしも、10数人のオーケストラのメンバーが一人欠けたらどうなるでしょうか?恐らく一人欠けたなりに、全体のバランスを整えれば素晴らしい演奏ができるはずです。それは4人のバンドメンバーが調和していれば、素晴らしい演奏ができるのと同じです。例え肉体構造の一部が欠けていても、あるいは、左右が不対称でも全体としての筋肉や神経の「働きのバランス」がとれていれば、身体は十分に機能してくれる力は持っているのです。
「構造を修復する治療法」は肉体の構造異常に注目して、変形や歪みを症状の原因とする傾向があります。世間一般では、ついつい「構造異常」に目を向けがちですが、慢性症状の場合には「働きのバランス」に注目することが大切なのです。
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