2017年1月19日木曜日

後鼻漏症候群の改善


経過と考察

腰痛で通院されていた患者さんが、以前から悩まされていた後鼻漏の治療も始めて、5回ほどの施術でほぼ改善された。後鼻漏の症状は数年前から発症し、鼻炎の薬も対症療法的に常用していたらしい。後鼻漏の治療は、腰痛治療のついでにという感じだったが、最初の後鼻漏の治療で「治るかも・・・」と思えたのだろう。その後、後鼻漏の施術を継続するごとに症状が段階的に改善されていった。
様々な「誤作動記憶」が関係していたが、改善されている過程で印象に残ったのは「意味記憶」による影響だった。「意味記憶」とは一般的にいわれている「思い込み」のことである。いわゆる信念体系=ビリーフのことなのであるが、「原因と結果」に基づくビリーフが多く関係していた。
改善につながったいくつかの「意味記憶」のパターンを紹介してみよう。
例えば、

  • 「ビールを飲んだら身体が冷えるから、鼻水がでる・・・・」
  • 「寒くなった身体が冷えるから、鼻水がでる・・・・」

これらの意味付けは、飲み物や外からの影響を受けて、自動的に身体が冷えるという思い込みである。
この意味づけで問題なのは、自分の身体の自動調整機能(ホメオスタシス)を信じられていないことにある。
これを

  • 「冷たい飲みものを飲んでも自分自身の身体が自動的に温めてくれる・・・」
という新たな意味づけ(思い込み)で切り替える調整を行なった。
  • 「今年は花粉の量が多いから・・・」
というニュースからの情報にも意味記憶の反応が示されていた。
これを

  • 「今年は治療で花粉症の薬を飲んでいないし、自分の体質が変わったので・・・」
という症状とは切り離した意味づけで調整を行なった。

これらの「意味記憶」以外にも大脳辺縁系レベルでのいくつかの「信念」が関係していたが、「治らないのが当たり前」から「治るのが当たり前」と患者さん自身が自覚されていた様子が印象的だった。


後鼻漏症候群に限らず、様々なアレルギー症状が長引くと、多くの患者に「意味記憶」の反応が関係していることが多い。そのような症状が改善されない思い込みを紐解くことで、本来の自然治癒力が発揮される。

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