車に乗ると必ず腰が痛くなる。→その原因は「意味記憶」にあった。
ある患者さんが、仕事で使う車に乗ると腰が必ず痛くなるという。来院された際に、腰痛に関係する理学的な検査をしても陽性反応が示されない。しかし、その車に乗って腰痛がある状況を想像してみると、生体反応検査では陽性反応が示される。
ということは、腰痛を引き起こす「誤作動記憶」があるということが疑われる。PCRTの検査チャートを使って検査を進めていくと、大脳皮質系の「意味記憶」で反応が示された。
患者さんに、
「この反応は、思い込みによる影響なのですが、ご自分なりに考えている腰痛を引き起こす原因や理由で、何か思い当たることはありませんか?」と、質問させていただいところ、
- 「その車のシートが傾いているから、骨盤が歪む・・・」
- 「オートマチック車は、右足しか使わないから、骨盤が歪む・・・」
- 「車の運転で腰を動かさないから、腰に良くない・・・」
というような腰痛につながる「意味記憶」が陽性反応として示された。
それらの意味づけを、
- 「人間の身体はそもそも左右不均等が自然で、多少の傾きや偏りには対応できる能力が備わっている」
という新たな意味づけで調整を行うと。それ以来、車に乗った際の腰痛はすっかり改善された。
車のシートが傾いている、あるいは片方の足しか使わないからなどの偏りは、多くの医療従事者でさえもが腰痛の原因にしそうな意味づけであろう。その前提として、人間の身体は左右均等でなければならないという根拠のない理由がある。
私は、これを機械論の弊害だと常々語り続けてきた。機械論的な理由づけはあたかも正論かのように聞こえるので、厄介な面が多々ある。本症例のような機械論による健康被害はほんの一部であるが、このように本質を伝え続けることが大切だと思う。
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