ビリヤードイップスの施術(初診時)
患者情報:
30代男性、ビリヤード歴は15年、ビリヤードの試合などにもプロに混ざって参加されているという。イップスの症状が出始めたのは2ヶ月ほど前からで、ビリヤードをするときには毎回その症状がでるという。特に悪化するのは大会などでプレッシャーを感じているとき。
AMとPCRTを併用し、PCRTの検査プロトコルに従って調整を行う。
目安検査:陽性反応
チャクラ=第四、第五のEB(エネルギーブロック)、右手掌チャックのEB
筋肉・関節(他動運動検査)=右肩関節、右鎖骨関連関節、右肘関節
症状イメージ=ビリヤードのショット、大会で緊張する場面
ハード面調整(肉体内関係の誤作動記憶調整):
AMのベイシック調整とアドバンス調整を肩関節、肩甲骨、鎖骨周辺、肘関節へ
PCRTの空間ブロック調整法にて上部胸椎、肩関節、肘関節周辺のEBを調整
ハード面調整後、右肩関節中心とする筋肉・関節のEBの陽性反応は消失、チャクラのEBの陽性反応も消失。患者自身が調整前に感じていた肩関節の他動運動による違和感も消失。
ビリヤードのショットのイメージによる検査では、まだ陽性反応が示されていたので、ハード面調整は完了。ソフト面調整へと切り替える。
ソフト面調整(肉体内関係の誤作動記憶調整):
ショットのイメージ=陽性反応
PCRT誤作動記憶検査チャートを使いPRT(生体反応検査法)を行う。
大脳辺縁系→信念チャート→競争心でPRT陽性反応
術者:勝負ごとですので、ライバルが何人かいると思いますが、思い当たる人は何人いますか?
患者:そうですね。三人ぐらいですかね・・・
術者:それでは、競争心に関連する人がいるかどうか検査をしますので、適当に一人一人心の中で思い浮かべてもらえますか?
患者:はい(一人目を想像)
術者:(術者はPRT検査)反応しませんので影響はないと思います。では次の方の想像をお願いします。
患者:はい(二人目を想像)
術者:(術者はPRT検査)その方のイメージでは身体が反応を示していますね。
患者:なるほど・・・
術者:ちなみにもう一人の方を想像してもらえますか?
患者:はい(三人目を想像)
術者:(術者はPRT検査)その方は反応しませんので影響ありませんね。それでは、反応を示した二人目の方ですが、何か心当たりはありますか?
患者:そうですね、その人とはビリヤードに対する考え方が合わないというのは意識していると思います。
術者:(術者は患者が会話をしている時にPRT検査)いま、お話しされている最中に検査をしていると身体が反応を示しているので、そのことが関係しているようです。「さらに」というキーワードで身体に聞いてみると、その奥に競争心につながる心が隠れているかもしれないのですが、思い当たりますか?
患者:そうですね。その人には負けたくないですね。
術者:(術者はPRT検査)それで陽性反応を示していますので、そのような気持ちを認識してもらいながら、そのことが身体に障らないように調整させていただきますので、私の声に合わせて深呼吸をしてください。→PCRT呼吸振動法
二人目の人のイメージでフィードバック検査すると陰性反応→他の信念が関係していないかでフィードバック検査すると陽性反応を示す。
信念チャートで再度PRT検査を行うと、今度は「犠牲心」で陽性反応を示す。
術者:今度は「犠牲心」というキーワードで陽性反応が示されるのですが、何か心当たりはありますか?
患者:???
術者:ちょっとピンとこないようですので、「犠牲心」に関係する分野を別のチャートを使って調べてみましょう。
術者:ちょっとピンとこないようですので、「犠牲心」に関係する分野を別のチャートを使って調べてみましょう。
術者:趣味関係で陽性反応ですので、ビリヤード関係ですね。
患者:ビリヤードで犠牲???ん・・・あっ、もしかすると、最近子供が生まれたので、ビリヤードで家族を犠牲にしているというのが心の何処かにあるかもしれませんね・・・
術者:それでは、そのことを思い浮かべてもらいながら検査をしてみましょう。PRT検査・・・そうですね。そのことで陽性反応が示されていますね。
患者:そうですか。なるほど・・・
術者:それでは、そのことが身体に影響を受けないように調整させてもらいますので、そのことを思いうかべてもらいながら大きく深呼吸をしてください・・・PCRT呼吸振動法・・・それでは、再検査をしますので、そのイメージのままで・・・(術者はPRT検査)、陽性反応が消失しています。他に何か影響がないか調べますので、先ほどのショットのイメージをしていただけますか?
患者:はい(ショットのイメージ)
術者:今のイメージでは、先ほどの陽性反応が示されていません。それでは、最後にもっともプレッシャーを感じて、イップスの症状が強かった時を思い出していただけますか?
患者:はい、(患者にそのイメージをしてもらい術者はPRT検査)
術者:そのイメージでは陽性反応が示されていないので、誤作動を生じさせる脳の神経回路は切り替わっていると思います。
それでは、実際の感覚の変化を試していただきたいのですが、ここでは実際に球を打てないので、実際に打つように素振りで打つ動作をこのベットの上で行ってもらえますか?
患者:はい(治療用のベットの上で構えて何度か球を打つ動作を行う)
術者:治療前の感覚を10とすると、治療後の感覚はどれくらいですか?
患者:そうですね。感覚がずいぶん変わりましたね。3ぐらいでしょうか?
術者:それは良かった、この状態を身体が記憶してくれるとぶり返しが少なくなって早く改善することが期待できますね。
施術前の目安検査はすべて陰性反応
ソフト面調整の完了
患者は満足そうな笑みを浮かべていた。
施術後の説明:
術者:このイップスの治療は、筋肉に誤作動を生じさせてしまう脳の記憶を書き換える治療です。おそらく陽性反応が示された内容は、普段意識していないことだった思います。誤作動記憶に関連するほとんどが無意識的なことですので、今日治療した内容のことはしっかりと覚えていただき、さきほどご紹介した自己療法も家で行って、脳と身体に記憶させておいてください。
今日の施術では、イップスを引き起こす誤作動記憶の反応は消失していますが、脳の記憶は複雑で、他の誤作動記憶も隠れている場合があり、完治するまで繰り返し治療が必要なケースが多いのですが、次回はどうされますか?ご自身で症状の改善具合をみながら通院されますか?
患者:様子を見ながら来て見ます。
術者:それでは、また必要な時に来院されてください。
考察:
様々な種類のイップスの症例がある中で、ビリヤードのイップスの患者さんの来院は珍しい。しかしながら、イップスの種類はほとんど問題にはならない。どのイップスであろうが、心が関係している以上技術論だけでは解決しない。どのイップスであれ、発症してから長期間放置して、しかも技術論、すなわち表面的なテクニックで治そうとした経験があると長引く傾向にある。比較的早く改善する傾向があるのは、発症後早期に来院された患者さんである。本症例の患者さんも発症から2ヶ月後ぐらいに来院されたので、改善は早いだろう。
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