2013年11月19日火曜日

身体のふらつき、浮遊感の一症例

3か月ほど前に、マッサージを受けた2~3日後に身体のふらつき感や浮遊感を発症し脳神経外科を受診。症状があまり改善されずに耳鼻科や内科、別の脳神経外科、鍼灸院、整骨院、整形外科を受診した後に当院に来院された。

病院では自律神経失調症と云われ漢方薬を処方され、鍼灸院では鍼とマッサージを20~30回程度受け、接骨院では第四、第五頸椎のズレと言われ、矯正を受けたとのこと。矯正を受けた後、首をあまり動かさないようにと指導を受けたらしい。

当院ではニューロパターンセラピー(心身条件反射療法)で行う眼球運動検査を行ったところ三半規管の機能異常であることが明らかだった。アクティベータ療法でハード面の調整を行った後、浮遊感の原因となる心身相関の誤作動を診るソフト面の検査を行った。原因となるパターンには否定的な感情と肯定的な感情が絡んでいた。

アクティベータ療法とニューロパターンセラピーの治療回数を重ねるごとに、症状がだんだんと改善されていくのを患者さん自身が実感されていた。特に患者さんの職場で置かれている立場はご本人にとっては深刻だった様子。上司に相談して、職場をしばらく離れる選択肢もあったようだが、治療を継続していくことでその不安は徐々に少なくなってきた。

8回ほどの治療で歩行時の浮遊感はほぼ解消されていた様子。当院に来られるまでには病院や治療院を転々として、症状が改善されずにとても不安を抱えていた様子だった。この症状を発症したことがきっかけで計画していいた旅行も取り止めにしていたとのこと。先日、その旅行にも行くことができたと喜ばれていた。

病院や治療院では症状を改善するために神経学的な検査や構造学的な検査を行ってこられた。しかし、本質的な原因が分からず症状の改善には至らなかったようだ。問診での経過を聞く限りでは、構造的に何か異常があるのでないかと感じるが、問題は目には見えない神経的な誤作動であり、その誤作動はメンタル的な感情と密接に関係していたということである。

「対症療法」ではなく「原因療法」を施すためには心と身体は切り離せない!

2013年11月2日土曜日

PCRT研究会中級2のご案内

11月10日11日にPCRT研究会中級2が開催されます。今回の中級2は、特にソフト面の施術にフォーカスした内容で、基礎1.2、中級1での学習項目が一つに結び付くPCRTの「要」となる研究会になります。

また、今回は特に直観的な思考を養う大切なトレーニングでもあります。機械構造論的な教育を受けた私たちとっては、この有機生命論的な直観型思考はとても重要です。

現代医学、科学の世界では、合理的な思考が中心で、線形的思考、分析的思考、断片的思考が求められます。その一方で有機生命論、エネルギー医学の世界では直観的思考、非線形的思考、統合的思考、全包括的(ホリスティック)思考が求められます。

心と身体を切り離した二元論的な肉体(ハード面)のみの施術ではマニュアル的、あるいはハウツー的にアプローチがしやすいのですが、心身相関に対する検査や施術法は、ハウツー的なアプローチとは異なる統合的でホリステック的なアプローチが必要なため、その手法をマスターするためには、単に生物学的、神経機能学的知識に基づく検査法や施術法に限らず、行動心理学的な知識やトレーニングが必要です。

特に「学習・記憶」をテーマにしたPCRTの施術法は、単に生物医学的な知識や神経機能学的な知識以上に、幅広い行動心理学的なアプローチが求められます。最先端の脳科学の研究が進むにつれて、PCRTの奥深さが証明されているようにも感じます。

今回の研究会では、陽春堂の小久保さんのご協力を得て、検査器具を使用させていただき、施術の指標となるエネルギーブロック検査法を客観的に評価できる研究デザインの可能性を探ってみたいと思います。

それでは、皆様のご参加を心よりお待ちしています。

2013年10月31日木曜日

北尾吉孝著 「出光佐三の日本人にかえれ」を読んで

先日、本屋さんでたまたま出光佐三さんについて書かれた本が目にとまりました。以前から出光興産を創業された出光佐三さんは立派な方だと父親から聞かされていたのですぐに購入しました。日本には心から世のため人のために尽くされた素晴らしい経営者がたくさんいますが、出光佐三さんもその一人で畏敬の念を強く抱かせてくれる人です。

この本を読んで、心から世のため人のために尽くす人は、天が守ってくれるのだと改めて考えさせられました。出光佐三さんは終戦直後の混乱期に「愚痴を止めよ、世界無比の三千年の歴史を見直せ、そして、いまから建設にかかれ」と社員を鼓舞しています。

私たちは、震災後の復興は身近に感じていますが、敗戦の絶望的な状況下では、それとは異なる異質の失望感が全国民に漂っていたのではないでしょうか。終戦時、出光は多額の借金を抱え、国内には560人の社員、海外には800人の社員がいたといいます。そして、日本に引き上げても仕事はありません。常識的には一度社員に会社を辞めてもらい、いい人だけを選んで再建策を講じようというのが普通の経営者の判断ではないでしょうか?

会社の重役からそのような提案が出された中で、「社員を解雇することはまかりならん。」として家族主義を貫かれました。あのような悲惨な戦後に「うちは一人も解雇しない」という決断はよほどの覚悟がなければできないことだと思います。

また、当時の茫然自失の状況下で、その社長の覚悟にどれだけ社員が勇気づけられたか、また、深い愛情を感じただろうということを想像すると目頭が熱くなります。「和」を重んじる日本人の誇りを感じざるをえません。

このような立派な創業者の背後に感じさせられるのは「陰徳」の力です。この本の著者である北尾吉孝さんも強調していますが、出光佐三さんご自身も徳を積まれた人です。ご両親、教師をはじめとする多くの徳を積まれた人との出会いを通じて、どんどんと運の力へと転化されていったように感じます。

出光さんは「僕ぐらい運のいい者はないだろう。」と云っています。その運とはご先祖からの余徳であるといい、もしも、いいことをしていけばその余徳は子孫に伝わっていき、悪いことすればその余徳は一代で消えるというような教えも述べています。そして、「先祖から受けた徳は子孫に受け継いでいかなければならない。」と云っています。

実際に出光さんの歴史を振り返ると運のいい人ではありますが、出光さんご自身がその運に慢心せずに陰徳を積み続けてこられたように思います。運のいい人には、運のいい人との出会いがありますが、言い換えれば、徳のある人には、徳のある人との出会いがあり、ご縁があるということだと思います。そのご縁を自分の欲のために使えば、徳がなくなりますし、世のため人のために使えは徳を積んでいくということになるのでしょう。

弊社の社訓の一つに「徳を積む会社、陰徳を積む家、陰徳を積む人を心がけよ。」とありますが、本書を読んで、改めて色々と反省させられることが沢山ありました。

「『徳』が先で、『財』は後」ということを改めて実践していきたいと感じさせてくれた貴重な本でした。




2013年10月29日火曜日

魚のアレルギー症状が14年ぶりに改善



14年ほど前から魚を触ったり、食べたりしたときに手の湿疹や喉や首のイガイガ感、症状が続いているとのこと。調理師なので魚の調理ができずに困っているとのことだった。
4年ほど前に皮膚科に通院して抗アレルギー剤を処方してもらったとのことだが、魚を食べるまでには改善されていないとのこと。

遠方からなので2つ日間続けて、2週間置きぐらい感覚でアクティベータ療法と心身条件反射療法を行った。7日の来院時には、前日にししゃもの魚を一匹食べることができたとの喜びの報告をいただいた。もともと魚が好きなので、これから魚を食べることが楽しみだとのことだった。

喜びの報告をいただいたときのインタビューが以下である。




その一か月後には、焼魚などの調理した魚ではアレルギー症状はなくなったが、生魚を食べた時に喉の奥がかゆくなるような症状があったとのことで来院された。検査をしてみると、生魚と「感情」が関係していた。

アレルギー症状も他の慢性症状と同様に「潜在的な感情」が絡んでいることが多い。施術では関係している「感情」を引き出して、消去法のように誤作動パターンを消していく。「感情」という情報は、つかみどころのない一面もあるが、症状とリンクした学習記憶が明確になれば、ほとんどのアレルギー症状が改善される。

感情のカギを開ける検査法をさらに進化させていきたい。

2013年10月17日木曜日

一年間継続していた指の震え

14歳の女子がお母様に連れられて遠方から来院。1年ほど前に、子宮頸がんワクチン接種後から関節痛、筋肉痛、めまい、歩行障害、動機、脱力、倦怠感の症状を発症。今は肩の震えと手の震え、倦怠感を改善されたいとのことで来院。手の震えは常にあるが、肩の震えは時々で2~3分続くとのこと。経過としては良くなってきているが、肩の震えは一か月前から始まったとのこと。発症後病院を受診し、週に一回を3か月、月に一回を現在まで通院中。治療では漢方薬を飲まれているとのこと。

問題のワクチンはアジュバントという物質が入った注射らしいが、その物質が入っていると思われるワクチンの画像を探して適合検査に使用した。いくつかの画像で陽性反応を示した。そのワクチンの波動情報による誤作動反応を消去させる施術を試みたが、その情報とは合わせることができなかった。

そこで感情面との関連性を検査すると、勉強、ピアノ、劇団に関連する「意欲」、家族に関連する「喜び」、学校に関連する「恐れ」の感情が関係していた。それらのワクチンに関連した感情に対する施術とハード面の施術をした結果、震えが治療直後に改善した。施術法はアクティベータメソッドを先に行い、心身条件反射療法(ニューロパターンセラピー)を施した。その治療前と後の結果が以下のビデオ映像である。

遠方なので継続して治療することができないので、一回の治療で手の震えが完治するかどうかは分からないし、肩の震えも時々出るとのことなので今後も継続治療が必要だと思われる。

The finger tremor for almost one year

The 14 year-old female complained about symptoms of finger tremor and shoulder tremor. She came to our clinic with her mother from the distant place.

About one year ago, she presented symptoms of the joint pain, the muscular pain, the dizziness, the disturbance-in-gait, etc., after she got the cervical cancer vaccination.
She went to the hospital and obtained a Chinese medicine on doctors’ prescription.  She is now still going to the hospital, but finger tremor is not clear and shoulder tremor developed one month ago.

I adjusted her Activator Methods and treated with Psychosomatic Conditioned Reflex Therapy. We took video tape pre and post treatment on her finger’s tremor symptom.

I just gave her one treatment and I think we need to have farther evaluation on her symptoms.  One week later, her mother said her finger tremor is much better after our treatment, but her shoulder tremor still remain.  We hope we can help her symptom.




2013年10月8日火曜日

足底筋膜炎

高校のバスケット部の女子生徒が足の裏の痛みを訴えて来院。10か月前より発症。激しく運動した際に痛みがあり、バスケットの試合ができなるとのこと。激しい動きでない限りは日常生活ではさほど痛みはないが、試合ができなくなるということは本人にとっては重い問題である。

すでにスポーツ外科クリニックを受診されており、「足底筋膜炎」の診断を受け、PRP療法を受ける。その後変化が見られないとのことで、お母様にすすめられて当院を受診された。

通常の足底筋膜炎であれば、足底筋の筋膜、腱膜付着部付近を押さえると圧痛がある場合が多いが、通常の所見は見られなかった。もしも、通常の炎症であれば、安静やPRP療法などで効果があるのかもしれない。しかしながら、本症例の痛みは単なる炎症ではないことが最初の検査で伺えた。

ハード面のバランスの検査では、足関節や筋膜などに陽性反応が示された。ソフト面の検査では。喜びや恐れなどの感情が誤作動刺激として関係しており、治療回数を重ねながら誤作動のパターンを消去していった。5回目の施術では試合の時には痛くならなかったとの報告をいただいた。

その後、偏頭痛も月に2回ほどあるとのことで、頭痛の検査をしてみると、天候の変化に過敏であるということも分かり、頭痛の原因治療もおこなった。また、過呼吸にもなるときがあるとのことで、過呼吸になる誤作動パターンの検査、治療を施した。

しばらく間隔を空けて、初診から10回目、約5か月後に来院されたが足の症状は完治した様子。過呼吸の症状が少しでたとのことで治療を施した。

本症例は、単なる炎症症状ではなく、潜在的な感情が関係した神経系の誤作動によるバランス異常で筋肉系に痛みを生じていた。通常の足底筋膜炎の治療も、単に安静や固定をするのではなく、バランス異常を引き起こしている原因パターンの特定と治療が必要である。

その原因パターンを改善しなければ、単に安静や炎症を抑える治療だけでは再発を繰り返すだろう。原因療法を行えば、人間の身体は自然に炎症を修復させるのである。バランスの調整が行われると、ほとんどの症例で治療直後に症状の軽減や消失がみられる。

原因療法による効果のカギは統合的な心身相関にある。

2013年9月18日水曜日

15周年記念・(有)ライフ・コンパスの原点

15周年記念・(有)ライフ・コンパスの原点

「継続は力なり!」ファミリーカイロプラクティックセンターを開業して19年目になります。そして、地域社会に100年以上貢献し続けることを目標に創業した(有)ライフ・コンパスは創業して15年目になりました。ご来院してくださる患者様をはじめ、多くの人に支えられてきた感謝の15年でした。まだまだ若い会社ですが、ようやく会社としての基礎が固まってきているように感じます。

開業、ならびに創業当初から治療院経営のみならず、自然療法を軸にしたセミナーや研究会の運営など、人(Human)・健康(Health)・自然(Natural)をテーマにして事業を継続してきました。自然治癒力を最大限に引き出すために、肉体面のみならず、心と身体の関係性や社会や環境との関係性などを学問する行動心理学やコーチング技法なども取り入れながら健康や人生の豊かさを支える研究を継続してきました。

当初から原点とし、継続してきた研究の根幹は「自然治癒力」です。自然治癒力とは字のごとく、自然に治る力のことです。その「力」とは目には見えない生体のエネルギーです。その「エネルギー」とは生体の働きを調整する電気信号のようなものです。生体は「エネルギー」「働き」「構造」という3つの分野に大きく分けることができます。慢性病の原因の多くは「エネルギー」の乱れから始まります。「エネルギー」が滞ると生体の「働き」が悪くなり、結果として生体内の「構造」異常にまで発展していきます。ファミリーカイロではとくにこの「エネルギー」の分野に注目して、慢性病の本質的な原因を追究しながら、症状の改善から未病や予防への働きかけをしています。

生体エネルギーは潜在的感情や外界との関係性に影響を受けやすく、生体エネルギーのバランス異常が脳・神経系の誤作動の原因となります。人の感情は「意欲」や「義務」などの「意志的感情」、「喜び」や「連帯感」などの「肯定的感情」、「恐怖」や「逃避」などの「否定的感情」に分類することができます。そのような感情が良い悪いにかかわらず脳・神経系の誤作動を引き起こして様々な症状を引き起こします。心身条件反射療法(ニューロパターンセラピー)では、誤作動の感情を引き出して、その感情が誤作動を引き起こさないように施術を行います。

心と身体は密接につながり合っているということを考えれば、このような施術法はごく自然な考え方であり、本質的な自然療法であるともいえます。しかしながら、私たちは心と身体を切り離して考える医療が当たり前になってきているので、治療後の感想では「不思議ですね~」という声をよくお聞きします。この「不思議」が「当たり前」になるように、今後も心と身体の関係性による誤作動の研究を深めて、自然治癒力が最優先される医療社会を目指していきたいと願います。

今後とも(有)ライフ・コンパス、並びにファミリーカイロプラクティックセンターをよろしくお願い致します。