2016年9月23日金曜日

連載9 コーチングがうまく 「機能するタイプ」と「機能しないタイプ」

「無意識」にアクセスする「コーチング」を目指して 連載

連載9 コーチングがうまく 「機能するタイプ」と「機能しないタイプ」

コーチングの基本的な目的は、「目的を達成したい!」「ある課題を解決したい!」「ある習慣を身に付けたい!」というクライアントの願望を実現するための支援です。支援する過程において、様々なコミュニケーションスキルが求められますが、コーチングの核心は、単なる「スキル」ではなく、クライアントの心の奥にある無意識にアクセスすることで、自己発見と気づきがもたらされ、それに伴って選択肢や可能性に広がりをもたらすことです。コーチングで大切なことは、クライアント自らが答えを見つけて、新たな人生の豊かさを発見し、自らの道を歩むことができるように、効果的に支援することです。

コーチングを効果的に行うためのコミュニケーションスキルは複数存在します。「傾聴」「承認」「質問」「要約」「フィードバッグ」は代表的なスキルとなります。このコミュニケーションをクライアントのタイプに合わせて上手に使い、互いの信頼関係が深まると、クライアントが心を開き、核心に触れるコーチングが展開されることが増えてきます。クライアントからは、様々な課題が提示されます。「何かの目標を改善したい」、「人間関係を改善したい」など、多くの場合は、「問題」にフォーカスするよりも、「解決」へと導かれるようにコーチが支援していきます。

コーチングがうまく機能しやすいタイプの人は、
  • 「コーチングで得たい成果が明確な人」
  • 「得たい成果と現状とのギャップが明確になっている人」
  • 「コーチを信頼して本音で話せる人」
  • 「自己矛盾に遭遇した際、積極的に自分に向き会おうとする人」
  • 「コーチからのアドバイスや答えを要求するのではなく、自分の中にある答えを積極的に引き出そうとする人」
  • 「素直にコーチからのフィードバックを受け入れられる人」


一方でコーチングが機能しにくいタイプの人は
  • 「コーチングで得たい成果が明確でない人」
  • 「得たい成果と現状とのギャップが明確になっていない人」
  • 「コーチとの信頼関係が希薄で建前でしか話せない人」
  • 「自己矛盾に遭遇した際、積極的に自分に向き会おうとせず、環境や他者のせいにする人」
  • 「コーチからのアドバイスや答えを期待して、自分の中にある答えを積極的に引き出そうとしない人」
  • 「素直にコーチからのフィードバックを受け入れられない人」
  • 行動を制限する信念に遭遇した際、柔軟に変えられない頑固な人


実際のコーチングのセッションでうまく機能する場合、コーチは「効果的な質問」をするだけで、クライアントは積極的に自分の中にある答えをどんどん引き出していきます。セッションを終えてみると、8割以上はクライアントが話していたということもあります。その一方で、コーチングのセッションでうまく機能しない場合は、コーチが多くを語り、アドバイスやコンサルティング的な説明に偏る傾向があるときです。クライアントはコーチに依存的になり、自らの責任を負わななくなる傾向が生じてしまいます。

コーチングでうまく機能するかどうかのポイントは、クライアントが本気でその目標に向き合う覚悟があるのかどうかという「コミットメント」です。そのコミットメントの度合いが最低でも半分以上なければ、ほとんどの場合うまく機能しません。もしも、クライアントに50%以上のコミットメントがあれば、コーチとの双方向のコミュニケーションを通じて、様々な視点からアイディアを出し合い、可能性を検討し、コーチはクライアントがスムーズに行動に移していける支援を行います。基本的に他人に強制しても、実際の行動には移り難いものです。クライアント自らが「決める」というところが大切なポイントになります。


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