2015年2月13日金曜日

さらに深い原因を追究すると・・・

『「痛み」はどこかきているのか?』のコラムで、身体内部の関係性の問題をご紹介しました。関節の痛みの信号は、関節系、筋肉系、神経系の関係性のバランス異常から生じる「働き」の悪さから生じているということを説明しました。

では、身体内部の関係性を悪くする原因は何でしょうか?その結果として身体の働きを悪くする原因はなんでしょうか?

 例えば、人間が真っ暗な空間で、音も臭いも何も感じない場所に居ることを想像してみてください。

それは、外からの情報刺激がない空間なのですが、人間として生きている以上はあり得ない空間です。

私たちは五感というセンサーを通じて様々な情報刺激を受けて生活しています。

情報刺激はいわゆる「ストレス」といわれるものですが、人間にとって心地よいストレスと、心地よくないストレス、あるいは過剰なストレスと過少なストレスがあります。

私たちはこのようなストレスと呼ばれる情報刺激によって健康に生かされる一方で病気や痛みなどの症状も引き起こしているのです。人間はそのような外部刺激がないと生きていけませんが、情報刺激がその人にとって不適応であると肉体内部の関係性が悪くなってきます。

身体内部の関係性を悪くする原因を考える際、このような外部から情報刺激との関係性を考える必要があります。私たちは常に様々な外部からの情報刺激にさらされて、無意識的に緊張したり、リラックスしたりしています。

例えば、人前に出て緊張するという経験は多くの人がしているのではないでしょうか。その緊張にも程度があり、過ぎると汗をかいたり、顔が赤くなったり、手が震えたり、ひどくなると、自分の意識とは関係なく首が自動的に動いたりします。

このような現象は、ある外部からの情報刺激に対して、自分の意識とは関係なく緊張させる脳・神経系の誤作動の仕業です。つまり、内部の関係性、内部の働きを悪くする原因は外部との関係性によるのです。

では、このような誤作動を調整するためにはどうすればよいのでしょうか?

人間の健康を考える際、肉体内の「働き」が正常に作動しているかどうかの「内部の関係性」を考えることはとても大切です。しかしながら、人間は常に外部環境に触れながら外部からの「刺激情報」を受けて生活を営んでいるということを忘れてはいけません。

PCRTによる施術では、様々な外部環境の変化に身体が適応できているかどうか、調和できているかどうかを特に「外部との関係性」に注目して「生体反応検査」を行います。

例えば、入学や就職で新しい環境への適応が困難な場合、主に自律神経系に誤作動が生じ、身体の働きが悪くなって様々な症状が現れます。

これらの症状はメンタル系と深く関係しており、身体の深い部分が環境にうまく適応できないことによる結果です。

PCRTの生体反応検査では「どのような五感情報(入力)が関係しているのか」「どのような潜在感情が関係しているのか」さらには「どのような価値観や信念が関係しているのか」を特定します。そして、施術では、それぞれの関係性による誤作動を調整します。誤作動が調整できると、身体がその環境にうまく適応できるような体質改善が促されます。

「適応できない」から「適応できる」ようにするということを脳科学的にいうと、脳・神経系が環境に対して新しく学習し、神経回路を構築してそのパターンを記憶するということです。それは、ロボット工学の技術が進化した最近のパソコンのように、使う人のクセを学習し、その人に合った使いやすさを記憶させる学習機能に似ています。

慢性的な痛みなどの症状が繰り返される原因は、身体がある「刺激情報」に適応できずに、身体がうまく働かないようになり、その働きが悪くなる誤作動を脳・神経系が学習記憶した結果です。

PCRTでは「働き」を悪くしている誤作動を特定して、その「情報刺激」にうまく適応できるように誤作動を調整し、再学習記憶を促すように治療を施すのです。

そうすることで、脳・神経系は特定の「情報刺激」に対する適応力が増し、誤作動が生じにくくなる体質へと変化していきます。人間は本来「慣れる力」を持っています。PCRTはその「慣れる力」=「適応力」を最大限に引き出す治療法でもあります。

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