症状や病気の改善も同じ理屈で、本質的に症状を改善させるためには「元」から改善することが必要だと私たちは考えています。
つらい痛みなどの症状を軽減するために、痛み止めなどの対症療法も必要ですが、痛みを引き起こしている元の原因を追究する原因療法がさらに重要です。
元の原因は何か?ということはそれぞれの学説によって異なります。
例えば、椎間板ヘルニアと診断を受けた腰痛の患者さんの場合、腰痛の原因はヘルニアの構造異常が原因だと考える傾向があります。
しかし、腰痛のない人たちを対象にした研究では、8割近くの人たちに椎間板の構造異常が認められました。つまり、構造異常が直接的な腰痛の原因ではないことが多いのです。
痛みの発生源の多くは筋肉や関節で、そのバランス異常の信号が脳に伝達され痛いと感じます。筋肉や関節のバランスを調節することで多くの腰痛が改善されます。
では、筋肉や関節のバランスに異常をきたす元の原因は何でしょうか?
それは、脳・神経系のバランス異常です。
脳・神経系は、筋肉の働きなどをコントロールする司令塔で、この司令塔に異常が生じると神経伝達に誤作動を生じさせます。そして、その誤作動が生じると筋肉や関節のバランスが悪くなり痛みなどの症状を引き起こします。
では、司令塔である脳・神経系のバランスに異常をきたす元の原因は何でしょうか?
それは、様々な「刺激情報」に関係する誤作動です。
人間は常に外界と接しながら生活をしております。ゆえに人間関係や食生活、環境汚染やウイルス、最近などと関係し合いながら様々な「刺激情報」(ストレス)を受け生かされています。
脳・神経系のバランス異常は、そのような外界からの「刺激情報」との関係性による誤作動によって引き起こされます。つまり、身体の中の内界と外部環境の外界とがうまく適応できずに脳・神経系にバランス異常が引き起こされているのです。
症状が慢性的に繰り返される場合は、脳がその誤作動を「学習記憶」した結果です。身体に誤作動が引き起こされるように「クセ」がついてしまったということです。
このように症状を引き起こす原因にはレベルがあり、そのレベルに応じて治療することで本質的な原因療法が期待できます。
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